2016年5月

邪魔する国交省

増え続ける空家問題が深刻化している。空家は全国で800万戸以上あり総住宅数の1割を超えている。撤去するには2百万円程度の費用が必要だし、撤去して更地にすれば固定資産税が上がる。だから空家として放置される傾向にあるが、放火やゴミの投棄などの対象になりスラム化は周辺住民には大きな迷惑だ。一方リノベーションしてシェアハウスや高齢者のグループホームに活用すれば一石二鳥の対策になる。東京都で最も空家率が高い豊島区が、空家をリノベーションして活用する方法を考えだし条例化した。まさに一石二鳥の名案だ。ところが何と国交省が「法を超える部分がある」とまったをかけた。でも建築基準法上、人口25万人以上の豊島区には独自に建築確認できる法的権限がある。法的には豊島区側が正しいはずだ。国交省の反対理由は全国一律の法規になっていないということらしい。では早急に法を現状に合ったものに改正しすれば良い。だが腰が重い。一方豊島区はフットワークが軽い。これは中央官庁が社会を住み良くすることを邪魔する典型的な例だ。公明党の石井国交相は真摯に前向きな気持ちで仕事をする気があるのだろうか。

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草津温泉の藻

スマホなどのハイテク製品にはレアメタルやレアアース材料が欠かせない。日本にはこれらを天然に産出する鉱山はないが、電子機器廃棄物という豊富な都市鉱山がある。効率的な回収方法さえ出来れば、まさに廃棄物が宝の山になる。筑波大の研究グループが、効率的に回収出来る技術を発見したようだ。従来は金属を強い酸で溶かし活性炭などで処理して回収してきたが、コストが高く、濃度の低い金属は回収出来なかった。筑波大の発見は、草津や登別の酸性の温泉で生きている「ガルディエリア・スルフラリア」という藻類。この藻類は、pH0.1の強酸性にも耐え乾燥にも強い。37~56度のお湯に生息し、金属を高濃度に含む溶液中でも死ぬことはない。その性質に着目したのが功を奏したようだ。実験で0.5ppmの低濃度の金とパラジウムをそれぞれ90%以上の高い効率で回収出来ることを発見。レアアースのネオジムとジスプロシウムでは70%の効率で回収出来ることを確認したとのこと。メカニズムはまだ充分には解明されていないが、金は細胞表面への吸着で、レアアースは細胞内部へ吸収する仕組みのようだ。筑波大の助教はベンチャー企業を設立し実用化を目指すという。是非とも研究を成功させ、日本を宝の山に変えてほしいものだと思う。藻類畏るべし。

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水質改善の時代

江戸川放水路の河口に三番瀬という干潟がある。船橋、市川、浦安、習志野の各市の沿岸に接している。嘗ては護岸工事が計画されていたが、反対運動で計画が頓挫し、今では魚介類や渡り鳥の楽園になっている。ところが漁業に悪影響を与える青潮が毎年発生し、数年前にはアサリが全滅する被害が出た。青潮は、富栄養化やくぼ地の底に沈んだプランクトンの分解で酸素が欠乏した水塊が上昇し、酸欠で魚介類を死滅させる現象だ。この度、市と漁協が対策を話し合い、水質改善の効果が期待できる水流発生装置の導入を決めたとのこと。水流発生装置の設置はたったの2台だから、湾内全域での青潮発生の抑止は難しいだろうが、対策の糸口は掴めそうな気がする。なんとか楽園を残してほしいものだ。一方アサリの漁獲高が減少している有明海の干潟では、水質浄化剤の実験が行われている。約50cmほどに積もったヘドロに水質浄化剤を入れると、ヘドロが分解されてアサリが激増したとのこと。実験に使われた水質浄化剤は、木くずなどの発酵処理品とシリカなどからなり、低コストで製造出来るようだ。ヘドロは日本中のあらゆる所にある。この技術を全国レベルに広げてほしいものだ。やっと高度経済成長のツケを解消する時代になってきたのかもしれない。

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アディダスの靴がお里帰り

独アディダスが24年ぶりにシューズの生産を自国ドイツに戻すとのこと。今やシューズの殆んどが東南アジアで行われている。我が家の靴も調べてみると、メイドイン中国、インドネシア、ベトナムなどと表示されている。靴に限らず洋服の生産も超高級品を除き、殆んどが人件費の安い東南アジアに移ってしまった。コモディティーな商品ほど人件費の安い国に流れていくのは経済的に合理性がある。ところが、アディダスは安い東南アジア製を人件費の高い自国生産に切り替えるという。一体どういうことだろうかと思った。アディダスはシューズをロボット生産に切り替えるという。ロボット技術が進歩し昼夜働くロボットと東南アジアから消費国への物流費削減で、ドイツ生産が可能になったとのこと。更に3Dプリンターなど最新技術も導入し、店頭で計測した足型データを直接工場に送り生産に直結させるらしい。このような動きはアディダスに限らないようだ。いまドイツでは「インダストリー4.0」という製造業の革新が始まっているとのこと。「インダストリー4.0」の和訳は「第4次産業革命」。人類史上4回目の産業革命を起こす取り組みとして、ドイツ政府が主導し産官学共同で進めている戦略的国家プロジェクトのようだ。そのコンセプトは「自ら考える工場であるスマートファクトリー」。スマートファクトリーは、工場を中心に水平方向にも、垂直方向にも、デジタル化によりリアルタイムに連携し、少量多品種、高付加価値の製品を大規模生産することを目指している。今後「インダストリー4.0」が先進国中心に発展し、4回目の産業革命が起きるのは間違いなさそうだ。

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本末転倒のCM効果

全仏オープンが始まり錦織の活躍が目覚ましい。今日は夜の9時から民放でLIVE中継された。相手はスペインのベルダスコ。ナダルにも勝った事のある強豪で左利きの強烈なサーブとフォアハンドストロークを武器にしている。第1セットと第2セットはほぼ互角だったが、僅かに錦織が上回りセットを制した。ところが第3セットに入ると流れが変わりベルダスコのペース。第4セットではその流れが加速し錦織はサンドバック状態で成す術がなかった。結局第3セットと第4セットはベルダスコに取られ第5セットへと縺れ込んだ。テニスもこのクラスになると、強い者が圧倒し続けるということは殆んど無い。ゲームには必ず流れがある。その流れを如何に自分に引き寄せるか、それをどう継続させるかが勝負の分かれ目だ。LIVE放送は先の結果が分からない。だからこそその流れを感じながら観戦するのがテニスの醍醐味でもある。民放だからCMが多かった。ゲームとゲームの合間にCMを流すのはスポンサーの権利だから致し方ない。長いCMの後、ゲームが再開された。ところが、ゲームカウント0-0のはずが、0-30から始まった。何とCMによってLIVE中継がカットされていたのだ。肝心のLIVEをカットしてしまうCMは最悪だ。CMが邪魔をしている。視聴者には悪い印象しか与えない。スポンサーは一体何を考えているのだろうかと疑ってしまった。十数社がスポンサーになっていたが、何故か自分にはNTTだけに悪い印象が残った。本末転倒のCM効果であった。

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民主国サミットに

近年になくサミットが盛り上がらない。安倍首相は世界的経済減速に対し各国に財政出動をと訴えるが、反応は鈍い。それもその筈、各国はそれぞれ個別の主要問題を抱えているからだ。米国のオバマは既にレームダックで、頭の中は広島訪問のことしかない。英国はEU離脱を問う国民投票が目前で世界情勢など眼中にない。ドイツは難民対策で手一杯で、フランスのオランドは支持率の超低空飛行で影響力はゼロ。一人安倍がリーマンショック直前の状況だと騒いでいるが、消費増税先送りのためのアリバイ作りとしか聞こえない。要するに今は世界の首脳が集まり緊急に一致団結して対処するような問題は無いということだ。全世界の問題を対象にするのであれば、中国とロシアを参加させるべきだと思う。しかし、中国とロシアを入れても議論が発散するだけの結果に終わるのは目に見えている。見方を変えると、今回のように中国とロシアを入れずに民主的法治国家だけが集まり、各国の状況を共有する方が今後の助けになりそうだ。いっその事、民主国サミットとでも名前を変えたらどうだろうか。課題も余り大上段に構えず、気楽に茶飲み話のように情報を交換し親睦を深める。それが世界の平和、経済の発展に最も効果がありそうな気がする。

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ベトナムの日本語教育と日本の英語教育

ベトナムの小学校では、日本語を第一外国語として教えるクラスが幾つか設置されるようだ。既に一部の中学校では日本語教育が実施されているとのこと。日本は対ベトナム投資額で韓国、マレーシアに次ぐ第3位。対日感情は概して良好。日本への旅行客も増加している。現在ベトナムでは約5万人近くが日本語を学んでいるという。ベトナムが国策として如何に日本との経済関係などの強化に取り組んでいるかがダイレクトに伝わってくる。まさに国として成長している勢いを感じることが出来る外国語教育だと思う。一方、日本でも小学校での英語教育が始まっている。これからグローバル社会で生きていくのに英語は必須。だから小学校から英語教育を始めることは良く理解出来る。だが、子供たちがこれから海外に出て行くために学ぶのだという姿勢は余り感じることは出来ない。小学校が教えるから学ぶという程度で受け身の姿勢が目立つ。今まで日本では中高大の10年間も英語を学んできたが、活用している人は殆んどいないのが実情だ。これを更に小学校まで広げてみたところで劇的変化は望めそうもない。小学生には、単に英語を教えるだけでなく、英語の面白さや、英語を身に付けるとどのような世界が拓けるのか、海外は日本とどのように違う世界なのか、どのような夢が描けるのか、英語教育の動機づけが先決だと思う。魅力のある世界であれば、子供たちはイヤでも英語に夢中になるはずだ。

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大人のベトナム文化

かつて敵国だったベトナムをオバマ米大統領が訪問し、武器輸出禁止措置を全面解除すると発表した。但し、武器輸出はベトナムの人権問題への取り組み次第との但し書きが付き、それ次第では今後ベトナムは米国からあらゆる武器と軍事物資を輸入出来るようになる。オバマは公式的には「これはベトナムとの国交正常化の一貫であり、中国を念頭に置いたものではない」と表明している。しかし、誰が見ても対中国対策であることは明らかだ。ベトナムは南沙諸島・西沙諸島の領有権で中国と揉めている。ベトナムは米国の武器を得て、米国はベトナムのカムラン湾を利用出来るようになる。ベトナムといえばベトナム戦争が有名だ。北ベトナムと米国の傀儡である南ベトナムが戦って米国が負けた。米国はベトナム戦争で非道な手段を用い、今でも枯葉剤による奇形児や地雷の被害が後を引いている。ベトナムはベトナム共産党による一党独裁制の社会主義共和国だ。その割に米国とは仲が良い。クリントン、ブッシュに続きオバマで3代続いて米国大統領が訪越している。ブッシュは反対に遭うのを恐れていたが、その歓迎ぶりに驚いたという。どうやらベトナム文化の本質は「親和」にあるようだ。嘗てはフランスに、日本に、米国に支配を受けた。過去は忘れないが恨むことなく常に包容し、過去を将来の足かせにしないと言う。大人の文化だと思う。中国や韓国がベトナムの爪の垢を少しでも煎じて飲めば、共栄するのは間違いないと思うのだが。

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ドイツ並の地位協定に

また沖縄で凶悪な事件が起きた。米軍属が若い女性を襲ったあげく遺体を草むらに隠し遺棄をした。沖縄の治安が悪い要因は、米軍基地と日米地位協定にある。特に日米地位協定には問題が多い。日米地位協定により、日本国内でありながら日本の法令は適用されず、米軍関係者には外交官並の治外法権・特権が保証されている。極めて不平等な協定なのだ。しかも、1960年以来、地位協定が改定されたことはなく、運用改善だけで今日に至っている。米軍関係者が事件を起こしても、米軍が第一次的裁判権を有しているし、裁判すらかけずに米国本土に返してしまったこともある。国防総省は軍法会議にかけると説明するが、罰金や人事処分で済ますことが多い。米軍には借用地について元通りに原状を回復する義務が無い。将兵・軍属は外国人登録の義務がなく、出入国管理の対象外だから、日本に居るのか居ないのかも把握出来ない。米軍機は国内の飛行規制に縛られることなく自由に飛行出来る等々、数え上げたら切りが無い。同じ第二次世界大戦敗戦国のイタリア、ドイツが冷戦後に大使館の土地以外の管理権を取り戻したのに対して、日本では地位協定の改定が全くなされていない。沖縄は事ある毎に地位協定の改定をと言い続けている。今回も沖縄県知事が安倍首相に見直しを要請した。ところが安倍は申しれに消極的な姿勢をとっている。本来マスコミが先頭に立って、日米地位協定の不平等さを指摘して国民の総意として改定を迫るべきものだ。さもしい都知事などを取り上げお茶を濁している時ではないはずだ。

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何故笑点司会は昇太なのだ

日曜日夕方のNTV番組「笑点」の大喜利の司会を務めてきた桂歌丸師匠が、体力の限界を理由に今日の番組で降板した。歌丸師匠は、笑点放送開始の初回から50年間も連続で出演し、この10年は司会者として活躍してきた。見るからに虚弱体質で、かつ高齢。これ以上体に鞭を打つのは忍びないと感じていたから、降板したことは良い事だと思う。巷では、さて歌丸師匠に続く司会者は誰になるのだろうかと色々取り沙汰されていた。振り返ってみると、初代は立川談志で、前田武彦、三波伸介、三遊亭円楽、そして歌丸師匠へと続いてきた。当時先代の円楽が歌丸師匠を指名した時、こんな小物にして良いのだろうかと懸念したことを思い出す。歌丸師匠自身もそう思っていたはずだ。だから、大政奉還として今の円楽に席を譲るのは間違いないと思っていた。ところが、歌丸師匠の口からは意外な人物名が飛び出した。誰しも円楽を予想していたに違いない。ところが何と笑点大喜利の最も新参者の春風亭昇太だと言う。実力順でもないし、年功序列でもない。大抜擢だ。これから昇太は、上から目線の強者相手に大喜利を仕切らなければならない。大変だと思う。だが、よくよく考えると、そこには歌丸師匠の先代円楽に対する感謝の念が秘められているように思う。歌丸師匠は降板するに当たって当時の自分の心境を思い出したに違いない。未熟な自分を抜擢してくれたお蔭で今日の自分がある。そこで先代円楽への恩返しとは何だろうかと考えた。その答えが大政奉還ではなく、若手の抜擢だ。若手の抜擢ということは、落語界への新風挿入でもある。多分、歌丸師匠はそこに気付いたのだと思う。歌丸師匠の落語に対する深い思いを感じることが出来た新旧交代劇であったと思う。

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北方領土の「ほ」の字

連休中にロシアを訪れプーチン大統領と会談した安倍首相は大きな成果を得たように思う。日ロ関係はこれまで修復不可能とも言われていた。しかし首相は確かな手応えを感じたと言っている。今までの日本は、ロシアと会談を行う度に、まず北方領土返還要求から始まった。だがロシアから見れば戦争の勝利によって合法的に北方領土を自国のものにしたと思っている。しかも日ロ間には未だに平和条約が締結されていない。つまり未だに戦争中だともいえる。戦争中に奪った領土を戦争相手に返す訳がないという論理なのだろう。話が噛み合わないから進展するはずがない。それが日ロ関係だった。ところが安倍はプーチンと会い、北方領土の「ほ」の字も出さずに、経済協力を申し出た。今ロシアは、経済制裁と原油価格暴落とルーブル暴落で窮地にある。そこに安倍が経済協力を申し出たのだから、プーチンが喜ばない訳がない。ロシアは安倍に西欧との仲介役を期待し、プーチン来日も具体化し始めた。ところが、その後プーチンは「日本に島は売らない」と発言した。経済協力と北方領土問題は切り離して交渉するということだ。ここで安倍の人間としての力量が試されることになる。北方領土を返還して欲しいから経済協力だと言えば、プーチンだけでなく誰でもプライドを傷つけられる。今は北方領土の「ほ」の字も言わず、経済協力に徹すれば道は拓けるかもしれない。成果を焦って「ほ」の字を言うか、成果が実るのを待って、結果が出てから「ほ」の字を言うか、安倍の器量が試されている。貧乏人は目先の利益に走るし、富豪も目先の利益には敏感だ。もし安倍が大政治家としての素質があるのならば、目先の成果に走らず、実った成果をもぎ取って欲しいものだと思うのだが。さてどのように展開するのだろうか。

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慰霊碑「過ちは・・・」の意味

もうすぐサミットが始まる。そして初めて現役の米国大統領が原爆の地広島を訪れることになる。先日、地ならしのため広島を訪問をしたケリー長官に謝罪を求めた日本人はなく、その結果を踏まえオバマ大統領の広島訪問が実現することになったようだ。日本政府は現役大統領の広島訪問を望んでいる。米国に対し、謝罪は要求しないから是非訪問してくれと嘆願している。戦前戦後の直近は兎も角、今では日本にとって米国は最も近い国でもある。しかも今までに一度たりとも広島長崎原爆に対し、日本側から謝罪を要求したことは無い。だが、国際常識的に見れば、戦後70年も過ぎたのに人道的問題として振り返らない日本政府が異常に見える。一方、米国民には、原爆投下が早期に戦争を終わらせ、むやみな犠牲者の増加を阻止したと評価されているようだ。つまり原爆投下を肯定している。その米国の国民感情は分からなくもない。でも、米国政府は、原爆投下が戦争の早期終結のためではなく、原爆開発の莫大な予算の見返り実証として行われたことを知っている。だから米国政府には後ろめたさがある。その後ろめたさが、戦後の日本の経済復興を下支えしたし、かつ現役大統領の広島訪問を阻んでいたのも間違いない。兎も角今までの事は水に流しオバマの広島訪問を歓迎したいと思う。原爆の地には「過ちは繰り返しませぬから」と刻まれた慰霊碑がある。いつも8月になると、この言葉の主語は誰なのだろうかと不思議な気持ちになる。日本のマスコミ報道では、主語は旧日本軍のように受け取れる。だがとても違和感を覚える。この度原爆を投下した米国のオバマ大統領が広島を訪問することになり、やっとその主語が明らかになったような気がする。でも、オバマは米国が主張するように謝罪する必要はない。長々とヘタなコメントを発表する必要もない。只々真摯な気持ちで慰霊碑「過ちは繰り返しませぬから」を読みながら、主語になってくれれば良いと思う。

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マイクロソフトの犯罪行為

マイクロソフトのWindows10への強引なアップグレード方法に憤慨している。自分が今使っているパソコンは4~5年前に買い替えた富士通製Windows7だ。マイクロソフトがWindows10を売り始めた時、富士通から1通のメールが届いた。このパソコンはWindows10にアップグレードしてはいけないとの内容だった。理由は正常に駆動しないから。さらにブリーフケース機能が無くなるとの情報もあった。ブリーフケースはバックアップデータの更新に便利なので無くなって欲しくない機能だ。だからWindows10にアップグレードする気持ちは全く無かった。ところが、それ以降パソコンを開く度にWindows10アップグレードへのお誘いが表示される。煩わしく思いながら毎回×印をクリックして消していた。ところが、今回はお誘いではなく「何月何日何時に自動的にアップグレードするので、希望しない場合は手続きを取れ」と言ってきた。慌ててアップグレードしないよう手続きを取ったが、もし手続をしなかったら、またパソコンを開くのが遅れていたら、強制的にアップグレードされるところだった。余りにも強引なやり方だと思う。自分の場合でもアップグレードによる被害は甚大だ。パソコンが正常に駆動しなくなる。マイクロソフトが自分のパソコンを壊す犯罪行為と言える。企業のパソコンであれば、特殊ソフトが動かせなくなるなど被害はもっと重症になる。もはやマイクロソフトのテロ行為とも言えそうだ。一体マイクロソフトは何様の積りなのだろうか。マイクロソフトも嘗ての輝きは無い。没落の坂道を転がっている。このような商法を続けるのであれば、このまま坂道を転がり続けて消えてしまってほしいと思う。マイクロソフトのユーザーは本当に怒っているのだ。

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ブームの水素水

最近時たまテレビで「水素水」のコマーシャルを見ることがある。宝塚OGらしき人がほれ込んだと宣伝している。いつの時代もこの種の商品にはマユツバ物が多い。怪しいなと思っていた。ところが先日近所のホームセンターのレジの前に陳列されている「水素水」を見つけた。しかも良く見るとメーカーは何とお茶の伊藤園なのだ。マユツバ物と疑っていた自分が間違っていたのかと思った。ところが、ところがである。その後、国が「水素水に健康効果は無い」として、健康効果を謳うメーカーに対し警告を発していることを知った。中には水素水で心筋梗塞や動脈硬化が治ると虚偽の説明をしたとして業務停止命令が出されたメーカーもあるようだ。それにしても何故伊藤園ほどの大会社が「水素水」などに手を出し、大々的に宣伝しているのかが理解出来ない。水素ブームのきっかけは、平成19年に日本医科大の研究チームが「水素ガスが有害な活性酸素を効率よく除去する」とする論文をネイチャー・メディシンに発表したことのようだ。活性酸素は細胞や遺伝子を傷付け、がんや多くの生活習慣病を引き起こす元凶とされている。だからといって水素水が体の中で活性酸素を除去すると考えるのは短絡過ぎる。事実未だに水素水に治療効果があることは確認されていない。明治大学の研究所は「水素水はエセ科学」と結論付けた。でも今や水素水はバカ売れ状態とのこと。メーカーは「水素は健康で話題の素材。今のところ効果は分からないが、人への研究がいろいろ進んでおり、素材としての価値が高い」と説明し売り上げも好調という。活性酸素という悪者が余りにも有名になり、その反動として水素水が脚光を浴びることになったのだろう。それにしても、エセ科学とか健康効果が無いと言われても、売れ続けているのは面白い社会現象だと思う。

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現代川柳賛歌

日本にも色々問題があるようだ。川柳風に表現すれば、五輪を2億で引き寄せて賄賂とバレてコンサル料。作者:JOC&森。旅行も絵画も家賃まで使途は問わない資金法。作者:政治資金法に賛成した国会議員。眠れない治療終わるが国会に戻れば地獄行く先問えぬ自閉症。作者:甘利前大臣。全く困ったものだと思う。竹田JOC会長は、あくまで正式な契約に基づくコンサル料と言い張っているが、その出所もその後の流れも闇に包まれたままだ。官房長官までも「問題は無い」と言うのであれば自ら潔白を証明すべきだと思う。今は舛添都知事が火だるまになっている。身から出た錆びだから、因果応報そのものなので大した問題ではないが、ザル法の政治資金法を成立させた議員たちの罪は大きい。これ程議員の倫理が欠落し、順法であると主張する政治家も珍しい。「法に背かねば何をしても良い」と舛添は反面教師として訴え続けている。勿論反面教師の心の罪は政治家としての死刑に近いと断じて良いと思うのだが。嘗ては小泉政権時代の竹中総務相がいた。若い頃は元旦に日本にいなければ税金を払う必要が無いと自慢していた。その後総務相として人材派遣の改革を推進し、挙句の果てに人材派遣大手のパソナの会長に就任した。濡れ手に粟だ。ある意味で改革の成功者であり、人生の落伍者でもある。TPP交渉で名を馳せた甘利も過去の人になってしまった。一時は安倍内閣のナンバー2であったが、日本の細かい利権が好きだった。多分、大きな利権の交渉よりも小さな交渉に自信を持ち長けていたに違いない。世の中を川柳風に見渡せば、「法の下、掻い潜れば明日あり」ということか。余りにも情けな過ぎる。

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狸の三菱と狐の日産

三菱自動車の燃費不正が泥沼化している。会見では「調査中」を繰り返し軽自動車だけでなく全車種に広がる気配だ。そんな最中に、日産のゴーンCEOが三菱の益子会長と共に現れ、日産が三菱と資本提携し傘下に入れると記者会見をした。ゴーンも益子もにこやかな笑顔だ。ゴーンの顔が狐で益子の顔が狸に見える。ゴーンが笑顔になるのは分からなくもないが、益子の笑顔は全く理解出来ない。三菱の経営者らは、今回の不正事件の責任を本社の技術者と子会社に擦り付けた。もし本当に経営者が実情を知らないのであれば、典型的なお飾りのボンクラ経営者であるし、知っていたのであれば己だけが助かれば良いという人間のクズと言える。三菱グループの経営トップらは燃費不正など屁とも思っていないようだ。グループのドンである相川三菱重工元会長しかり、益子会長しかり。益子の笑顔は、三菱自動車が延命出来る見通しを得たからと推測されている。だが果たして会社として存続出来るのだろうか。燃費不正とは消費者を舐めているということだ。消費者はそれ程甘くは無い。今後三菱自動車を購入する人は、皆から「何故三菱なの」と質問の雨を浴びることになりそうだ。燃費不正の全容を解明し、実行可能な改革案を示し、実行されて初めて消費者が戻ってくることになる。一方ゴーンから見れば、日産が持っていない軽自動車作りのノウハウと三菱の東南アジアの強い販売網が手に入る。二千数百億円で手に入るのであれば、安い買い物と思っているはずだ。だが、その日産も韓国でフォルクスワーゲンと同じディーゼル車の排ガス不正が発覚し刑事告発され、尻に火がついている。三菱を傘下に入れ販売車数一千万台競争のスタート台に立ったものの、極めて前途多難と言えそうだ。

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男女の区別と差別

米政府が全米の公立学校に対しトランスジェンダーのトイレ使用について通達を出した。トランスジェンダーとは、出生時の性と自身の認識する性が一致しない人のこと。通達は、トランスジェンダーの生徒に自分の認識する性に応じたトイレや施設を使わせるよう指示する内容になっている。通達は性別による差別を禁じた連邦法に基づくものだというから、米国の平等への意識は徹底していると感心する。米国でも世論を二分する議論になっているようだが、日本では話題の対象にも上りそうもない。確かに日本にもトランスジェンダーはいる。嘗て自分の傍にもトランスジェンダーの女性がいたことがある。いつも男装をしていたが、トイレは自覚して女性用を使用していた。これが日本の現状だと思う。米国は兎も角、もし日本に同じ通達が出されたら、どうなるのだろうかと推測してみた。間違いなく、日本に一気にトランスジェンダーが増えるに違いない。しかも自称トランスジェンダーがだ。やがて日本中の公立学校のトイレは、男女の区別が無くなる。そして誰も学校のトイレを使わなくなるに違いない。トランスジェンダーにとっては、現行の男女の区別が辛いかもしれない。だが、その垣根を取り払ってしまえば、ハチャメチャな世界が待ち構えているだろう。男女の区別と差別ということを、もっと根本から考えるべきだと思う。更に言えば、米国は、性別よりも人種の差別について、実効的な通達を出すべきだと思うのだが。

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第三の人生に

このブログを「雑感帳」と命名してつくづく良かったと思う。雑感だからテーマに限定は無い。テーマ選定は自在で思うが儘。まるで徒然草の兼好法師にでもなったかのような気持ちになる。このブログを毎日書き始めて6年目を迎えた。当初から決して同じ事は書かないと決めていた。同じ文章を書くようになったらブログを閉じることに決めていた。振り返ってみると、5年間1800以上のブログを書き続けた。同じ趣旨で同じ意見を述べたのは数件はあったのかもしれないが、同じ文章は無い。元々文章表現の練習台なのだから、同じ意見でも文章表現が異なればOKと思っていたからだ。当初は短い文章を書くにも時間がかかった。テーマを決めたらたとえ書き難くても、書き抜くことにしている。それこそが練習だと思うからだ。今では、思った事が比較的短時間で表現出来るようになってきたと自負している。そろそろ練習オンリーから卒業し、本来の目標に向かって歩み始める時が近づいてきたように思う。第三の人生に突入するような気配がする。

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都知事と吉公

政治資金の使途をめぐり釈明に追われた舛添都知事の記者会見を見ると、落語の「浮世床」を連想させる。正月に家族旅行でホテル三日月に宿泊し、数十万円を支払った。しかし政治資金収支報告書には会議費という名目で会計処理されている。ご丁寧にホテルの部屋から撮った海ほたるの写真を年賀状にプリントしたものだから、家族旅行は否定できない。しかもホテル側は、正月に会議は無かったと証言している。さてどう切り抜けるのかと思っていたら、家族のいる部屋で事務所関係者と会議を行ったと説明。何と適正な政治活動の一環だったと言い訳をした。テレビを観ていて噴き出した。これではまるで落語の「浮世床」ではないかと。町内の若い衆の寄合の場所でもある床屋での話。太閤記を見ている吉公に皆が冷かして読んでくれと迫る。吉公は「真柄十郎左衛門が敵に向かって一尺八寸の大刀を」「一尺八寸のどこが大刀だよ?」「但し書きには一尺八寸とは刀の横幅と書いてある」「それじゃ前が見えないだろう」「もう一つ但し書きが書いてあって、刀には窓が付いていて、敵が来たらそこから覗く」。舛添都知事は落語の吉公レベルであることが分かってしまった。この一連の騒動を見ていると、知事にはそぐわない人物であることは明白だ。しかし、だからと言って首を挿げ替えるには莫大な選挙費用が必要になる。取りあえず安く上げるには、都知事監視人でも置いて常時監視するしか方法がなさそうだ。ところで、この人は本当に仕事が出来るのかしらと心配になってきた。

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ロマン溢れる考古学

カナダの15歳の少年が、ジャングルに被われたマヤの古代都市を発見することに成功したとのニュースには驚いた。メキシコのユカタン半島には多くのマヤ遺跡が眠っている。だが、ジャングルが深く、専門の考古学者でも新たに遺跡を発見するのは難しい。それを15歳の少年が発見したことに驚いたが、もっと驚いたのはその発見方法だ。この少年は以前から中央アメリカの古代文明に興味を惹かれていたようだ。星座の星の並びとマヤの古代都市の配置を観察していた時、星座の星とマヤの古代都市の位置に関連性があることを発見。22の星座の星が117のマヤの都市に一致していることを確認した。更に、23番目の星座の星の一つに一致する都市がないことに気付いた。少年はカナダの宇宙局に事情を説明し、その場所の衛星写真を撮影。そしてピラミッドと思われる古代都市の一部を発見するに至ったとのこと。一方テキサス大学の考古学者は、遺跡が多いので、それを意味のある配置だと勘違いしたのではないかと否定的だ。だが、マヤ文明は、天文学に精通し極めて正確な暦を持っていたことで有名だ。天上の星の配置通りに地上に都市を作り上げることは、極めてリーズナブルに思えてならない。考古学学会は単に否定せずに、少年の発見過程を学術的に検証すべきだと思う。それにしてもロマン溢れる若い考古学者だと思う。

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偽ゆとり教育から真ゆとり教育へ

2020年度以降に導入する文科省次期指導要領が、再び「ゆとり教育」に逆戻りするのではないかと懸念されている。アクティブ・ラーニングの導入が予定されているからだ。1998年から「ゆとり教育」になり、学習内容が簡素化され、授業時間が短縮された結果、学力低下を招いてしまった。「ゆとり教育」ではなく「ゆるみ教育」だと批判され最近やっと授業時間を増やし「脱ゆとり」の道を歩み始めたところだ。「ゆとり教育」の失敗は、元々の「ゆとり教育」の理念を導入した授業内容に変更することが出来ずに、学習内容の削減と週休2日制に明け暮れたことだ。本来の「ゆとり教育」の推進を目指してきた宮台教授が「日本の難点:宮台真司:幻冬舎新書」で、失敗した原因を解析し、改良すべき方向を示している。本来の「ゆとり教育」とは、従来暗記に使っていた時間の一部をクリエーションやコミュニケーションの能力開発に結び付くような時間に転用することだった。失敗の原因は、教員や親などの現場が理念を理解していなかったこと、学習内容に国が介入し過ぎていて自由度が無いこと、ゆとり教育を指導出来る教員が育っていないこと、最小限必要である学習指導要領を最大限と誤解したこと、と指摘している。今後海外の教育先進国を勉強すべきだと言う。フィンランドやシンガポールは、制度にフレキシビリティがあり、能力別編成を止め、グループワークを重視している。しかも授業時間は日本より短いという。馳文科相は「ゆとり教育」に戻るのではないと宣言した。内容は「ゆとり教育」の本来の理念に戻るということなので、一歩前進ではある。だが、日本の教育を教育先進国レベルに引き上げるには、気が遠くなる程の隔たりがある。自分は「ゆとり教育」を、知識教育に体験教育を加え、受動的姿勢を能動的に変える教育だと理解している。そうならば「ゆとり教育」の失敗の大元は、ネーミングが不適当で誤解が生じ「ゆとり」が独り歩きを始めてしまった結果だと思う。

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県の石

都道府県には、それぞれにシンボルの旗や花や木や鳥がある。例えば、東京都であれば、銀杏をデザインした都旗、花はソメイヨシノ、木はイチョウ、鳥はユリカモメという具合だ。この度、日本地質学会が創立125周年の記念事業として「県の石」を選定したとのこと。その県に特徴的に産出または発見された岩石・鉱物・化石をそれぞれの「県の石」として選定した。東京都の岩石は小笠原諸島の無人岩、鉱物は同じく小笠原の単斜エンスタタイト、化石はトウキョウホタテ。特に岩石はその県を表していて特徴的だ。栃木県の大谷石、新潟県のひすい輝石岩、石川県の珪藻土、鳥取県の砂丘堆積物、福岡県の石炭、鹿児島県はシラスなど、岩石の名前を聞いただけで県名が分かる。鉱物にしても、鉄鉱石ならば岩手県と分かるし、金といえば佐渡がある新潟県、カオリンといえば窯業原料だから瀬戸物の愛知県、銀ならば石見銀山のある島根県。こうして改めて見ると各県には特徴のある岩石や鉱物が存在していることが良く分かる。日本地質学会は「大地の歴史と成り立ちを知って郷土の地質を愛してほしい」と言っている。この「県の石」という発想は優れものだ。県民は更に愛着が湧くだろうし、地質にも興味を持つようになりそうだ。日本地質学会にとっても、県民にとっても久々のヒットシンボルと言えそうだ。

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批判の嵐が通り過ぎるまで

公用車私用使用で批判を受けていた舛添都知事がニュース番組に出演して「今後は使わない」と発言した。批判が激しくなる前は「湯河原の別荘は事務所として使っているので公用車を使っても問題はない。別荘の温泉は都知事職遂行のための健康管理の手段だ」と言い、毎週末の別荘通いは公務であると主張していた。屁理屈そのものだ。常識的に別荘通いは公務ではない。だが、この世間には屁理屈が通らず、仕方なく「ルールに違反してはいないが、今後は止める」と常識路線に変更したようだ。でも「ルールには違反していない」と言うことは、都庁では屁理屈が通用するという証でもある。また、豪華出張については「事務方が敷いたレールに乗った」と釈明し、更に厚かましくも「私も反省しないといけない」と付け加え、都職員に責任を擦り付けた。豪華出張の内容に都知事の意向が反映されないはずはない。以前は20万円のスイートルームは来客接待上必要なものと弁明していた。しかし海外の要人が打ち合わせの為ホテルの部屋に来ることはあり得ないと批判され、やむなく「今後は削減努力をする」と降参したようだ。「この期に及んで」という言葉があるが、舛添にはこの期に及んでも真に反省の言葉が無い。だから「今後は公用車を使わない、出張費は削減する」と言っても、反省として受け取れない。批判の嵐が通り過ぎるまで、首を竦めているように見える。増々世間の監視が必要だと思わせる釈明劇だった。それよりも舛添は清水の舞台から飛び降りる気持ちで「慢心でした」と素直に反省すれば、世間の風向きは追い風に変わっただろうにと思う。

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Japan Earth-fund Exploration Agency

NASAの火星探査協力に対し日本が難色を示しているという。珍しい事だ。日本のJAXAは「はやぶさ」や「かぐら」などの衛星を立て続けに打ち上げ、宇宙開発活動真っただ中にあるようにマスコミが報道している。宇宙技術と言えば、イコール軍事力でもある。現在ITがこれ程までに発展したのは、米国の宇宙軍事力を民営化したことによるものであることは誰でも知っている。宇宙開発が人類の発展に貢献してきたことは間違いない。でも、月面着陸が火星探査に変わったら、今まで考えられないような画期的な技術的な進歩が見込まれるのだろうか。そうとは思えない。今のNASAは単に子供の夢を追っているだけのように見える。充分なお金があるのならば、開発を進めれば良い。だが、今はそんな時代ではない。通信や天気予報など国民生活に具体的な利益のある宇宙開発以外は予算を認めない時代になっている。JAXAは火星探査の予算を得難いのだから、当然難色を示すことになる。日本の宇宙開発には、ミサイル開発という裏の意味があると言われている。もう既にその役目は終えている。その莫大な予算は、宇宙ではなく、深海とか地中の探査に使うべき時代になっている。島国で何の資源も無い日本が、自前で生き抜く道でもある。JAXAは看板を書き換えるべき時が来ている。Japan Aerospace Exploration AgencyからJapan Earth-fund Exploration Agencyへと。

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羽毛、黒豚、コシヒカリ

まだゴールデンウイーク中だというのに、既に初夏の陽気だ。朝目が覚めると羽毛布団を蹴飛ばしている。もう夏掛けが必要になってきた。掛け布団を羽毛に変えてから随分経った。今までに何枚かの羽毛を経験したが、種類によりその暖かさや軽さは大分異なることを実感した。昔は物珍しかったが今では羽毛が全盛を迎えている。寝具売り場にしろテレビ販売にしろ、羽毛花盛りだ。ところが、日本羽毛製品協同組合が加盟各社に、羽毛の原産地の偽装表示が横行している可能性があるとして警告文書を送ったとのこと。フランス産と表示されている羽毛布団の半分以上は偽物だという。羽毛布団の国内販売枚数は年間約320万枚で、約半数がフランスやハンガリーなどの欧米産として販売されている。しかし、殆どは中国産で、しかもハンガリーからの輸入実績は無いとのこと。道理で値段に幅があり、性能にも幅があるはずだ。原産地偽装は問題だ。だが、半分以上が偽物として出回るまで、一体何故羽毛協会は放っておいたのだろうか。その方が問題としては深刻だ。この羽毛のような例は過去にもあった。黒豚は生産量が僅かであるのに全国どこのスーパーにも飲食店にも、黒豚と表示されていた時代があった。コシヒカリも同じだ。販売者は皆で渡れば怖くない、ということか。または、消費者は偽物として知りながら気分だけを楽しんでいるということなのか。あるいは、消費者庁が単にサボっていたということなのか。この3要因は全て正しいと思えてきた。

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リオ五輪は本当に開催されるのだろうか

リオ五輪開催が増々怪しくなってきた。競技施設の建設が遅れているのを筆頭に、ジカ熱防疫対策も進んでおらず女子選手の大量辞退もあるかもしれない。また、海水汚染が余りに酷く既に現地でトレーニングを始めたボート競技選手は熱や吐き気や下痢にさいなまれているという。ブラジルには殆んど下水処理施設がなくトイレや家庭排水がそのまま海に流れ込んでいるというから、五輪開催までに改善するのは不可能に近い。更に大統領自身も問題を抱えており、開催時に大統領として仕事を全う出来るか極めて不透明だ。ルセフ大統領が政府会計の不正操作に関わったとして弾劾裁判が開かれようとしている。既に下院では弾劾請求が可決されている。来週にも上院で採決が行われることになっている。こうした中、弾劾手続きを主導してきた下院議長が、みずからに対する汚職事件の捜査を妨害しようとしたとして、連邦最高裁判所が下院議長の職を剥奪したうえで議員資格を停止する決定を下した。これ幸いとルセフ大統領は下院で可決された弾劾手続きは無効だと裁判所に訴える構えを見せている。まさに汚職塗れ、泥まみれの中でリオ五輪は開催されようとしている。しかも国民は国民生活を顧みず五輪だけに金を注ぎ込む政府に猛反発している。何故五輪などを招致してしまったのだろう。開催返上が最善策に思えてならない。

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夕張市の暗・明と明・暗

全国唯一の財政再生団体として緊縮策が続く夕張市には、暗くて明るいニュースと明るくて暗いニュースがあるようだ。炭層メタンガスの試掘が始まる。上手くいけば、地下に眠る石炭層からメタンガスを取り出し燃料や発電に使用出来ることになる。だが、その試掘場所では30年以上前にメタンガスが突出し百名近い死者を出す大惨事があった。その後炭鉱が閉鎖され人口が減り、リゾート計画も失敗して大借金だけが残り現在に至っている。嘗ては大惨事の元凶であったメタンガスを、今度は地域活性化に繋げようという訳だ。暗くて明るいニュースと言えそうだ。市は取り出したメタンガスを夕張メロンのビニールハウスの熱源などに利用することを考えている。夕張メロンは高級品だ。農林水産省は昨年末、地域のブランド農産物を保護する「地理的表示」に夕張メロンを認定した。夕張メロンはまさに農産物ブランドのトップランナーなのだ。ところが、生産減に歯止めがかからないとのこと。生産者は40年前から半減し、今後も更に減少する見通しのようだ。不思議な現象が起こるものだ。原因は夕張市農業協同組合なのだ。夕張メロンの種も実も農地までも、全てを農協が管理している。その農協が、夕張メロンの生産量を増やせば価格が下がるとして、生産者数を減らし続けている。明らかに、農協のやり方は夕張市の思惑に逆行している。名を取るのか、実を取るのか。農協は名を取り、夕張市は実を取ることを望んでいる。夕張メロンは増々高級化するが、夕張市は何の恩恵も浴さないことになりそうだ。まさに明るくて暗いニュースと言えそうだ。

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旗日

今日5月4日は祝日らしい。カレンダーには「みどりの日」と表示されている。会社を退職してから既に十数年経った。働いていた時は、休日を考慮に入れて仕事を進める必要があった。だから祝日には敏感だった。2000年に成人の日などが月曜日に変わり違和感を覚えたことを思い出す。ところがリタイアすると鈍感になった。その後、みどりの日、海の日、山の日など訳の解らない祝日が増えたが、未だに自分の中には定着していない。自分が子供の頃の祝日には、日の丸国旗を掲揚する家庭が多かった。だから祝日の事を旗日と言っていた。今は日の丸を掲げる家は皆無に近い。「旗日」という言葉が死語になってしまった。入学式や卒業式の日も掲揚する学校は少ない。日の丸と騒ぐのは五輪の時だけになってしまった。これ程までに自国の国旗を愛さない国は珍しい。星条旗もユニオンジャックもトリコロールも、それぞれの国ではあらゆる所ではためいている。生まれて初めて海外に行った時、ロス空港に着いたとのアナウンスがあったが、本当に米国に着いたのだろうかと半信半疑だった。飛行機の窓から星条旗が見えた時、まさに米国に来たのだと実感した。それ程までに国旗の存在は重要だと思う。日本もそろそろ右翼というイメージを振り払い、日の丸を大切にする国になる時が来ていると思うのだが。

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非凡なプロフェッショナル

世界最高峰のサッカーの英プレミアリーグで奇跡が起きた。岡崎選手が所属するレスターが優勝した。プレミアリーグには4強がいる。マンチェスター・ユナイテッド、マンチェスター・シティ、チェルシー、アーセナルの4強で毎年優勝を繰り返している。強いチームには金が集まり、豊富な資金で優秀な選手を集めるから増々強くなる。一方弱いチームはその逆で増々弱くなる。格差社会の典型だ。レスターは貧乏チームだ。収入はビッグクラブの4分の1。レスターは波瀾万丈の時を送ってきた。昨シーズンは2部陥落寸前で踏みとどまった。その功績あるピアソン前監督を切り批難を浴びた。開幕前のオッズは5000倍で誰も優勝など予想もしなかった。ところがラニエリ監督を招聘してから快進撃が始まった。今までにプレミアリーグで優勝を経験した日本人選手はいる。マンチェスター・ユナイテッドの香川選手とアーセナルの稲本選手。だが二人ともレギュラーではなかった。でも岡崎選手はれっきとしたレギュラーだ。2トップの隠れトップともいうべき存在。自分の居場所を確立した。奇跡的な優勝を果たし、岡崎選手は何を語るのだろうかに興味があった。岡崎選手は「チームが勝つことよりも、自分が点を取ることが一番」と言う。普通チームプレーを大切にする野球やサッカーの選手は「自分の成績よりもチームが勝つことが大事」と言う。言葉が綺麗過ぎて迫力がない。ここに岡崎選手の非凡さを感じる。非凡なプロフェッショナルが集まったからこそ、レスターは優勝出来たのだと思う。おめでとう、岡崎選手。

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報道の自由と取材の自由

日本のマスコミの無節操さはブルーシートに書いた。この節操のなさは最近のことかと思っていたが、そうでもないようだ。事の始まりは、30年前のJAL機が墜落した御巣鷹の峯事故との説がある。当時のNHKは取材力で圧倒していたが、フジTVが取材競争に勝ち抜き、奇跡的な生存者救出の瞬間をお茶の間に届けたことが高く評価され、新聞協会賞を受賞した。それ以来大事故を生々しく衝撃的な映像で報道することがマスコミの勲章になってしまったようだ。その後も、雲仙普賢岳、阪神・淡路大震災、東日本大震災、熊本地震と悲惨な天災が続いている。その度にマスコミの行き過ぎた取材活動が、被災者から批難を浴びているのが現状だ。家が崩壊し家族を亡くした被害者に「今の気持ちは」と、傷に塩を擦り込むような報道は一例だ。マスコミは一体何処を見て報道しているのだろうかと思う。一方、世界レベルで「報道の自由度ランキング」が発表されている。日本は72位だが、スイスは7位。そのスイス人が阪神・淡路大震災救助の際に、テレビカメラがぞろぞろついてきたことに驚いたと言う。報道の自由と、取材・放映の自由は全く違う。日本のマスコミは「報道の自由」を履き違えている。この間違ったマスコミの常識を正すことが出来るのは誰なのだろうかと思う。

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オーバーエイジ枠にカズを

サッカー界の話題が豊富だ。一番は英国プレミアリーグ優勝目前の岡崎選手。本当に奇跡を起こすかもしれない。二番手は毎回点に絡んで溌剌のドルトムントの香川選手。日本から見た世界レベルでは、間違いない順番だろう。でも、いま日本が最も悩んでいるのは、リオ五輪の男子メンバーの選出に違いない。五輪は23歳以下の選手によって争われるゲーム。これから23名の選手が18名に絞られる。23歳以下の選手による競争は苛烈だ。でも例外としてオーバーエイジ枠の3名が認められている。だから23歳以下は更に熾烈な競争に曝されることになる。ところが、負傷による長期離脱者が続出している。DFの室屋、松原、MFの中島、FWの鈴木、浅野など惨憺たる状況だ。だから手倉森監督が、本田、長友、岡崎、香川といったメンバーの招集を希望している。勿論総力を挙げてベストを尽くそうという気持ちは良く分かる。だが、日本サッカーにとって、リオ五輪で今の勢力を結集してベストを尽くせば良いのだろうか。元々リオ五輪世代は弱い。真面なメンバーで臨んだとしても結果は期待出来ないのが現状だ。いっそ開き直ってはどうだろうか。例えば、ブラジルを精通し、英雄でもあるカズをオーバーエイジに選べば、新展開が開けるかもしれない。勿論、何の役にも立たずに終わるかも知れない。でも、カズはチームに何かを残すに違いない。そういうことに賭けるべきだと思う。ピンチが日本サッカーを飛躍するチャンスであると思うのだが。

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