2014年2月

ビットコインの行方

ビットコインの私設取引所マウントゴックスが経営破綻したので大騒ぎだ。顧客のビットコイン114億円分が全て消失したとのこと。マウントゴックスは元々セキュリティが甘く問題の多い会社だと言われている。ハッカーにやられたのだろう。この騒ぎについて、麻生財務相が「こんなものは永くは続かない。どこかで破綻すると思っていた」とコメントした。麻生はビットコインと取引所を混同している。どうやら麻生は勉強不足のようだ。この騒ぎはビットコインが破綻したのではなく、一つの取引所が破綻しただけ。株で言えば謂わば、株式市場は破綻していないが、一つの証券取引所が破綻したのと同じ状況だ。証券取引所が破綻したからといって株式市場は破綻はしない。今現在ビットコイン自体は破綻していないし、他の取引所では今も取引が行われている。ビットコインは、国や銀行にとっては目の上のタンコブかもしれないが、国民にとっては長所もある。国はビットコインを禁止する方向ではなく、安心安全に活用出来る法整備の方向で進めた方が良いと思うのだが。

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早急に解決すべき事件

自分は読書が好きだ。だから本は大切に扱っている。勿論赤線などの書き込みなどもしたことはない。ところが本を破るというニュースがあり驚いた。しかもその本が「アンネの日記」とのことで二度驚いた。都内の図書館で「アンネの日記」や関連図書300冊以上が破壊されたとのこと。「アンネの日記」は、ユダヤ人大量虐殺であるホロコーストについて書かれた有名な書籍の1つだ。アウシュヴィッツ収容所生活を書いた「夜と霧:V.E.フランクル:みすず書房」を読んだ時も、ナチスの残忍さに身の毛がよだったことを思い出す。イスラエル大使館は、事件に対して寄せられた心配と思いやりに感銘を受け300冊の寄贈を申し出たとのこと。また第2次世界大戦中にユダヤ人を救った事で有名で今は故人の「杉原千畝」を名乗る人物から137冊の寄贈があったとのニュースもある。警察は器物損壊と建造物侵入の疑いで捜査しているようだが、世界では反ユダヤ主義ではないかと国際的な非難を集めている。この事件は、単なる器物損壊ではない。警察が犯人を取り逃がし真相を究明出来なければ、日本は世界中からナチスという黒メガネで見られることにもなりかねない。靖国問題の再燃にも繋がるかもしれない。早急な解決が望まれる。

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五輪話のオチ

ソチ五輪のアイススケート絡みの話がまだ尾を引いている。日本では森失言に対し、浅田は「自分は気にしていないが、森さんは今後悔しているのでは」と言い、森は「浅田好きの孫に怒られた」と言って決着したようだ。森が子供で、浅田が大人にみえる。浅田のSPでの大失敗は、橋本選手団長の金メダル数への拘りによるプレッシャーによるものとも言われている。橋本も子供のようだ。韓国では判定がロシア寄りだと国民が激怒し、ロシア選手金メダル剥奪署名運動が始まっているという。但しキムヨナ自身は審判に不満を言うことなく「最後の引退競技をミスなく終えたことに満足している」との言葉が清々しい。浅田とキムは昔から良きライバルで、お互いに相手がいたから自分があった、と言っている。演技終了後キムヨナは浅田に日本語で「お疲れ様」とねぎらいの言葉をかけたとのこと。超一流選手は、技術だけでなく人間的にも成長を遂げることを証明した五輪話のオチであった。

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アンパンマン

孫たちが遊びに来ると必ず大好きなアンパンマンを描いてとせがまれる。いつも上手く描けないので、今度来た時には描けるようにしておくからねと言う。そのアンパンマンの原作者やなせさんは、大震災後の東北の人たちを勇気付け続けてきたことで有名だ。究極の正義はひもじいものに食べ物を与えることである、というやなせ哲学の下でアンパンマンは生まれたようだ。惜しくもやなせさんは昨年亡くなられたが、先日の大雪の時に中央自動車道の談合坂SAにアンパンマンが現れたみたいだ。雪で足止めされた多くのドライバーに山崎パンのトラック運転手が無料でパンを配布したとのこと。近年は物流が発展し高速道路は物流トラックが溢れている。そのトラックの殆んどは専業の物流業者だが、山崎パンは自前の物流を持っている。自社物流だから積んである製品の処分はドライバーが行っても問題はない。荷物の所有者ではない専業物流業者には決して出来ない芸当だ。しかも自然災害などのときは、現場がパンの無料配布を判断しても良い社内ルールになっているという。流石山崎パン、素晴らしい会社だ。我が家の近くにデイリーヤマザキがある。なるべく山崎パンを買おうと思う。

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ソチ四輪の開会式と閉会式

ソチ五輪が幕を閉じた。開幕前はインフラ整備の遅れとテロの脅威で、開催出来るのかが危ぶまれていた。更に開会式では、一輪が開かず四輪になり、先行きの不安を煽った。それでも競技会場は何とか間に合い、テロも7万人の警備員を投入し力尽くで封じ込めたようだ。だが観客が少なく今一盛り上がらなかった大会と言える。ところが、最後の閉会式は圧巻だった。人文字で作る五輪マークの一輪が、開会式と同様に開かない。観客から驚きの声が上がる。そして見事に開くと歓声が上がった。まさに開会式の失敗を逆手に取った小憎らしい演出だった。日本人はこういう機転が苦手だ。失敗を失敗として長いこと引きずってしまうし、非難の嵐にもあうことになる。ソチ五輪の「四輪」は世界の人々の記憶に永く残ることになるに違いない。終わり良ければ全て良しということだろう。

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Windowsの終焉

2~3年前に買い替えたパソコンなのに最近調子が悪い。画像がずれたりフリーズしたりで、てっきりマイコンの不良か設定の間違いかと思っていた。毎日書いているブログも操作性が極めて悪くなり、提供元に問い合わせてみた。本当の原因は分からなかったが、マイクロソフトのブラウザexplorer11はトラブルが多いので、他のブラウザで試して欲しいとのこと。早速生まれて初めてWindows以外のブラウザを試してみた。ブラウザはWindows以外にも、Mozilla Firefox、Opera、Safari、Google Chromeなど色々ある。試しにGoogle Chromeをダウンロードしてみた。細かい操作は不慣れなため、やりにくい面はあるが、今までの問題点は全て解決した。サクサクと動く。しかも心なしか画面が綺麗で鮮明に見える。マイクロソフトはアップルのタブレットで後塵を拝した。付け焼刃のWindows8では極めて無理があったようだ。付け焼刃ゆえトラブルが多い。矢張り過去の成功体験が足枷になっているようだ。ビルゲイツは引退しバルマーも退くが、不良品を出した見返りは大きい。一言で言うとマイクロソフトの時代は終わったと言える。ただ、マイクロソフトの敗因は技術競争に負けたことではなく、不良品のフォローが出来なかったことに尽きると思う。

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give&takeかtake&giveか

東日本大震災で援助してくれたお返しだと、東北の人達が大雪被害に見舞われた山梨などに除雪の応援に入っているという。お互いに辛い定めに遭ってはいるが、その辛さをも乗り越えられることの出来る心温まる交流だと思う。トルコのエルトゥールル号遭難事件を彷彿とさせる。串本沖で難破したエルトゥールル号の乗員を助けたことで、トルコと日本は堅い絆で結ばれることになったことで有名だ。それから100年以上経った今でもトルコは日本に好意的。人との繋がりは、まず与えることから始まり、うまくいけば与えられる関係になるかもというのが相場だ。まず戴くことからでは始まらない。まさにgive&takeということだ。間違ってもtake&giveではない。takeからでは人の心は動かない。一方鶏が先か卵が先か、という議論があるが、この場合もgiveが先でtakeが後になることは真理だ。何がgiveなのかを見極めることが重要だ。同じような議論に、過去か未来か、というものもある。今の現実というものを直視しないで未来だけを見詰めても何も生まれない。しかし、死んだ子の年を数えるように、いつまでも過去に拘っていては、未来を拓く事は決して出来ない。過去はtakeなのだ。大雪被害とある国の大統領の言動が裏腹に見える。日本に生まれて良かったと思う。これを読んだ貴方はどう思うのだろうか。

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カルテルあれこれ

カルテルについて対照的な記事が2つある。一つは志賀高原スキー場のリフト代、もう一つはブリヂストンの自動車用ゴム部品。日本では、志賀高原索道協会が加盟社のリフト料金のカルテルを結んでいたとして、公正取引委員会が協会に警告を出した。米国では、自動車用ゴム部品のカルテルでブリヂストンに罰金447億円の支払い命令を出した。何が対照的かと言えばスケールだ。日本と米国の差が余りにも大き過ぎる。同じカルテルとは言っても次元が違い過ぎる。日本には大きなカルテルなどはなく公正取引委員会が暇を持て余して取り上げた案件なのか、はたまた、大きなカルテルには切り込む程の力を公正取引委員会が持っていないからなのかもしれない。カルテルの摘発は、当然効果の大きいものから攻めるべきだ。リフト代では小物過ぎる。単なる弱い者いじめにしか思えない。例えば、現在日本で大きなカルテルと言えば、スマホ料金。ドコモ、AU、ソフトバンクの基本料金は、3社とも横並びの5985円。細かい条件を付け一見すると各社が異なる料金のように見えるが、それは目晦ましに過ぎない。公正取引委員会が「木を見て森を見ず」ではいけない。腐った大木からなぎ倒し森に生気を吹き込むことこそ公正取引委員会の仕事のはずだ。

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ヤクザ五輪なのか

東京五輪組織委員会会長に就いた森元首相が、また物議を醸し出している。女子フィギュアのSPで16位になった浅田選手を評して「浅田は大事な時には必ず転ぶ」と講演会で発言したとのこと。フリーの演技が始まる前の発言なので浅田選手に与える悪影響は計り知れない。時所を弁えずの放言は、気配りすべき政治家にはあるまじき行為で、非難の的になっている。一方アメリカではメディアが「東京五輪はヤクザ五輪」と報道し世界中に衝撃を与えているという。東京五輪の森会長は嘗てヤクザの稲川会と親交があったとマスコミで報じられた。更にJOCの田中副会長は指定暴力団住吉会や山口組とも関係が深いという。3000億円の予算がヤクザの利権に塗れることが危惧されている。もっとも五輪誘致は、綺麗ごとではなく政治力学そのものだという話も聞く。歴代会長は利権塗れだったも報じられている。その線上で考えれば、ヤクザ絡みも自然な成り行きかもしれない。「スポーツを実践することを通じて若者を教育し、平和でよりよい世界の建設に貢献する」というオリンピック憲章には程遠いのが現実のようだ。せめて日本の東京五輪くらいは真っ当な人物に仕切ってほしいものだと思う。

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災害救助の自衛隊

今回の大雪により各地で孤立や交通マヒが頻発し大きな被害を受けたが、自衛隊が随分活躍した。災害時は自衛隊の有難みが良く分かる。もし自分たちが災害に遭遇したら是非自衛隊の救助をお願いしたいと思っている。ところが、自衛隊の派遣には賛否両論があるようだ。秩父市が派遣を要請したが、埼玉県は「除雪のための出動要請はできない」として断ってしまったとのこと。山梨県でも同様なことが起きたようだ。左派系が強い地方では、昔阪神大震災で村山元首相が自衛隊派遣を躊躇したように、自衛隊に助けてもらうことを嫌がるらしい。以前イラクに行った髭の隊長佐藤参院議員によると、自衛隊が災害派遣を行う要件は、公共性、非代替性、緊急性の3要件を満たせば良いがその定義は曖昧とのこと。要請があれば出動するが、なければ出られないということらしい。頼めば助けてくれる組織が有りながら、首長の思想に左右され活用出来ないことは困ったものだ。首長は、思想の固持と住民の安全、どちらに重きをかけているのだろうか。どうやら首長を選んだ住民にもお鉢が回ってきたようだ。

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報道後進国の今後

国際的なジャーナリストの団体が発表した今年の「世界報道の自由度ランキング」で、日本は59位に陥落した。2010年は11位だったので、ここ数年で如何に自由度が低下したかが分かる。世界報道の自由度ランキングとは、不正のレベル、ニュースの多元性、メディアの独立性、メディア環境、検閲の状況、法的枠組み、透明性、インフラの7項目で採点し報道の自由度を順位づけるもので、対象は世界180ヶ国・地域。順位を大幅に下げた理由は、原発事故に関する情報の不透明さと特定秘密保護法の成立と言われている。確かに外国から見ると、原発事故では極端な報道規制を受けた経験をし、特定秘密保護法はこれから受ける報道規制に違いない。日本人である自分もそれはそう思う。しかし、そもそもそれ以前に2010年の11位という高い評価が間違っていたのだと自分は思う。日本の報道の取材源は記者クラブ発表がメインで、各社一斉に全く同じニュースを流す。記者は自ら調べることなく、官僚から発表されたことを垂れ流しするだけで、そこに報道の自由度などはない。しかも記者クラブ制度は、会員制で外国人やフリーランスが入り込む隙などないほど閉鎖的だ。今どき記者クラブ制度があるのは、日本とジンバブエくらいで、殆んどの国は廃止してしまっているという。報道の自由度は、欧州が進んでいてアジアが遅れている。報道の後進国日本は、欧州の報道に対する姿勢を手本にする必要があると思う。

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ガラパゴスのカエル

五輪スピードスケートの日本勢が男女ともメダルゼロの総崩れで終わりそうだ。メダル候補と騒がれた選手もいたが、幕を開けると、外国勢、特にオランダがメダルをほぼ独占した。監督も選手も、外国選手が想像以上に力を付けていたことに驚いたとのこと。そんなことも知らずに今まで何をやってきたのかと思ってしまう。敗因は日本のスピードスケート界の閉鎖性にあるようだ。指導者も選手も海外遠征をしないので、世界の実力を理解していないし、海外で揉まれていないので育っていない。国内では所属企業間の争いに必死なため、全日本としての合同練習はしないし、指導者は所属企業の選手しか教えないとのこと。勿論外国の指導者に教えを乞うたこともない。長野五輪のときにショートトラックの選手を「ミズスマシ」と言って物議を醸した政治家がいたが、今度は「ガラパゴスのカエル」と言うかもしれない。米国も総崩れでメダルはゼロ。米国の選手はレーシングスーツの所為だと言い出し、以前のW杯用スーツに戻したとのこと。だが日本のスーツはメーカーが至れり尽くせりの対応をしている。幸か不幸かスーツの所為には出来ない。残された道は閉鎖性の打破しかないようだ。

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ナレの良し悪し

関東平野は今年3度目の雪が降り、既に雪景色が見慣れたものになった。そして見慣れただけではなく、要領も良くなった。雪掻きは降り終った直後にやれば凍っていないので捗るコツを知った。我が家も近所も雪掻き用のシャベルを備えるようになった。雪が積もった時は安全の為敢えて外出はしないでじっと家の中で過ごす術を取得した。今朝も大雪だったが、南風が吹くとの予報で雪掻きをする人は殆んどいなかった。目論み通り何をしなくても、昼には道路が顔を出した。先を読むコツも覚えたのだ。ナレ畏るべし。人間ほど環境に順応する生き物はいないと言う。自然環境の変化に順応出来る能力は素晴らしいが、何から何まで順応すれば良いというものでもない。知らず知らずに身に付いていく悪いナレを思い切って断ち切る決断も時には必要だろう。自分にとって悪いナレとは何かと考えると、あれもこれもと有り過ぎる。今年はその内の一つくらいは断ち切る決断をしてみようかとは思うのだが。

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お主も悪よのー

国民の休日がまた1日増えそうだ。自民、民主、日本維新の会、公明、みんな、結い、生活、社民の8党から100人以上が参加して成る「山の日制定議連」が、8月11日を新たに国民の祝日に加えようとしているとのこと。制定議連の会長は、あの悪名高き衛藤で、なんちゃって財務相の安住や公明国対委員長の長い漆原らが名を連ねている。要するに暇を持て余している連中の集まりと言える。日本がデフレから脱出出来るかというこの瀬戸際で、山の日などに心血を注ぐとは真に流暢な事で開いた口が塞がらない。衛藤や安住は既に名を馳せているが、漆原も捨てたものではない。自民の大島元国対委員長とは「悪代官と越後屋」の絆で有名だ。勿論悪代官は大島で、越後屋は漆原。この度漆原の公明党国対委員長在任長期新記録を祝い、大島が「友情に感謝、悪代官より」と書いた色紙を漆原に送ったとのこと。ここまで来ると、馴れ合いと言うよりは同志のレベルに達している。だが良く考えてみると、議論も出来ずに議事が滞るよりは少しはましだ。所詮政治とは妥協の産物だから、これこそが政治の真髄なのかもしれないとも思う。だが、悪代官の「越後屋、お主も悪よのー」と言う台詞が、国民への裏切りを証明しているようだ。

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マスコミの五輪祭り

W杯で一度も表彰台を外したことのない高梨選手の金メダルが本命視されていたが、残念ながら4位に終わった。本人の帰国後の第一声は「申し訳ない気持ちでいっぱい。精神面も磨いてレベルアップしたい」と。やはり五輪の舞台は他とは違い特別で魔物が住んでいるのだ、と言うが本当のそうなのだろうか。確かに実力通りの力を発揮出来なかったのだから、相当な重圧があったのは間違いない。果たしてその重圧はどこから来たのだろうか。五輪の舞台なのか国民の期待なのか。競技前のマスコミは賑やかだ。特にワイドショーは誰それは金、彼それはメダル確実と囃し立てる。毎度のことだが、競技が始まると次々と討死したものが折り重なり、大幅に期待に反した結果で終わることになる。ワイドショーは実力以上に選手を持ち上げる。世界で二流の選手を鼓舞する意味で持ち上げるのは、偶には良い結果を出すこともあるかもしれない。しかし世界の超一流選手に金メダル確実の期待をかけることは、酷だ。必要以上の重圧を与えるだけに過ぎない。五輪舞台の魔物とは、ワイドショーの軽薄さと無責任さが創り出したものに違いない。いつもこの時期になると、一流選手の平常心を維持させる良質なテレビ番組はないものかと思う。

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ニホンウナギとクロマグロ

ウナギがマグロの後を追っている。とは言っても、ウナギがマグロを食べるというような話ではない。ウナギもマグロも漁獲量が激減している。そして世界の漁獲量の7割程度を消費しているのが日本。自制が出来ない日本はこのまま行くと世界の悪者になってしまいそうだ。だが世の中には常に救世主がいるものだ。マグロは近畿大学が養殖技術を確立し、既にクロマグロの大トロが市場に出回っている。一方ウナギは水産総合研究センターが、人工ふ化からシラスウナギにするまでの基本技術を確立していたが、今回スケールアップに目途を付けたらしい。問題はコストにあるらしいが、あと数年するとセンター印のニホンウナギが店頭に並ぶかもしれない。今の日本では、絶滅危惧種の養殖技術開発速度と資源保護思想の定着速度が競っている。技術開発が優れているのはいかにも日本らしいところだが、資源保護という世界の常識に欠けているのもまたいかにも日本らしいところだ。技術も大事ではあるが、それ以上に物事の道理を身に付けつことが日本に求められていると思うのだが。

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今日から4年目に突入

自分にとって記念すべきは3年前の2011年2月12日。その日はアラブの春の幕開けだった。今でも良く覚えている。エジプトのムバラク大統領が退陣を表明した日。奇しくもその日に、このブログ「西成恭介の雑感帳」は始まった。今日で丸3年が過ぎ4年目の第一日目を迎えた。一言で言うと「ウッソー」「ホントー」「あり得ない」「夢みたい」「信じられない」、本心は若い女性のようになって叫びたい。確かに、このブログは続けてきて良かったと思う。読む人にとっては内容が一番だろうが、書く方にとっては言うべき事が一番。自分なりに書く方で精一杯努力はしてきたと思っている。何時の世も書き手は読み手の受け取り方が気になるものだ。だが読み手を気にしていたのでは意見は言えない、主張は通らない。だからいつも無視する。でも本当に無視している訳ではない。いつも、いつも、こんなことを書いたらどう思われるだろうかとヒヤリ、ヒヤリの毎日だ。まるでタイトロープを渡っている、そんな毎日を送っているのだが、書くことの楽しみは続いている。

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受け身から攻めの化学へ

最近、化学に新しい波が押し寄せているような気がする。自分が学生だった頃の半世紀前は、例えば地球化学と言えば、土壌を分析したり生成過程を調べることが主流だったように思う。謂わば受け身の化学だったが、今は攻めの化学と言っても良いのかもしれない。慶応と理科大が、工業の主原料であるホルムアルデヒドの新合成技術を開発した。今までは、いや今でも石油原料から作ったメタノールに高温高圧をかけて作っている。それを二酸化炭素を含む海水を人工ダイヤモンド製の電極で電界分解するだけで効率よく生産出来ると言う。省エネでかつ温暖化対策にもなりそうだ。技術の核は人工ダイヤモンド製の電極とのこと。20~30年前は、人工ダイヤモンド薄膜を如何に合成するかが問われていたのだが。ステップが上がったようだ。序でにもう一つ。原子力機構がリチウムを海水から回収する新しい方法を開発した。リチウムは存在が希少なのでレアメタルとも呼ばれているが需要は逼迫している。現在は南米の塩湖の水を自然蒸発させて回収しているが手間と時間がかかるのが難点。だが海水にはリチウムが多い。海水の中からリチウムだけを効率よく回収する方法を模索し、ある種のイオン交換膜を使うと効率良く取り出せるらしい。昔は海水からウランを取り出すという研究もあったが、原理的には可能だが、と言うレベルで終了してしまった。研究が研究の為ではなく、実用化の為にステップアップした時代に来たような気がする。化学、頑張れ!応援するぞ!

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都知事選の評価

都知事選は前評判の通り舛添の圧勝で終わった。主な4人の候補の中で、都知事という地位に就きたいという上昇志向の願望が一番ギラギラしていたのが舛添だったが、思考のバランスや実務能力からみて舛添が妥当な線ではあったと思う。他の3人は、主張はするものの、淡々としていて地位への執着はなかったように見えた。元首相たちが脱原発を旗印に掲げたことは、負けたものの一定の成果を出したようだ。今原発に歯止めをかけなければ自民の原発派が息を吹き返し昔のやりたい放題に戻ってしまう。原発再稼働とはいえ暫時収束の方向性への道筋が見えたことは大きな成果だ。弁護士は弱者救済を、自衛隊幹部は安全を訴えたが、これも今後の政策に影響を与える効果があったと思う。後の残りの候補者たちは、単なる売名行為をしただけの薄っぺらな人間にしか見えなかった。惜しむらくは都政について4人の具体的議論がなかったことだ。都民という聴衆を無視して自説だけを叫んで終わった選挙なので、点をつければ40点というところだろう。学生ならば赤点だから全員落第で留年か。

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雪のカルサ

天気予報では20cm程度と言っていたが数十年ぶりの大雪になり、吹き溜まりでは1mも積もり驚いた。まさに人生で何度も経験したことのない大雪だ。昨夜からの大雪状況を頭に入れて朝窓を開けたが、それ以上に驚いたことがある。大雪の割には屋根の雪が殆んどない。例年だと関東平野の雪はそれほど多くはない。雪が降った日の翌朝の光景は、雪が屋根に集中して降りまるで道路を避けたように道路には雪が見えないのが普通だ。ところが屋根に雪がなく、地面には歩けない位の積雪。初めての経験だった。夜半の風は半端ではなかった。どうやら猛烈な風が屋根の雪を吹き飛ばしてしまったらしい。更に驚くことがある。一つは雪が融けて無くなる速度で、もう一つは雪掻き。あれほど猛烈に降った雪なのに、融けて消えていく速度も速い。気温が暖かい訳でもない。何かしら雪が軽く見えるのは自分だけなのだろうかと思った。そして近所の住民による雪掻きだ。雪が上がると同時に雪掻きが始まった。普段見慣れない近所の人達も参加して、瞬く間に雪が気持ちが良いように排除されていく。雪掻きは日本の風土の美だと再認識した。自分のこと、近所のこと、社会のこと、明日のこと、を考えながら最適を目指す行為かもしれないとも思う。だが今の自分は腰を傷めているので雪掻きには参加出来ない。とてももどかしい気持ちになった。嘗てこれ程悔しい思いをしたことはなかったように思う。

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雪のオモミ

今日の関東平野の雪は凄い。コレデモか!と言うように降りつける。13年ぶりの大雪とのことだが、生憎自分にはその当時の記憶は薄い。その頃は単身赴任で地方にいて、久し振りに帰宅する雪道で難儀したことしか覚えていない。だが今日は一日中家に居て、雪の降り様を見ていた。降りしきる雪のスゴサに、雪には天の意志があるのかもしれないかもとも思った。明朝の雪掻きが頭を過ぎり、もうそろそろ降るのを控えたら、と心の中で天の神様に願った。だがその思いは届かず、今もコレデモか、が続いている。裏日本や北海道は、いつもこれ以上の雪が降るのが常。だが自分にはその地方の人達の雪に対する気持ちなど、全く理解することなどは出来なかった。しかし、実際に自分がその場に出くわすと分かる。そう分かるのだ。今日の大雪は、その地の生活の辛さや気持ちをコレデモかと間接的に教えてくれる。・・・そして残った、たった一つの問題は、暖房の利いた部屋の中でヌクヌクと、雪を見ていた自分なのかもしれないと。

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難しい「創作」の定義

クラシック音楽界がゴーストライター問題で揺れている。現代のベートーベンと呼ばれた全聾の作曲家が、自分自身では作曲せず18年間もゴーストライターに作らせていたとのこと。楽曲全体の構成は本人が立案し、各パーツはゴーストが創作していたようだから、本人主体だったとも受け取れるし、一方本人は楽譜も読めなかったようだからゴースト主体だったとも取れる。いずれにしろ今後本人の品性、才能、言動が問題を決着させていくことになるだろう。兎角創作活動は創作の定義が難しく、オリジナリティの範囲は曖昧だ。例えば、嘗て五木寛之がテレビで「原稿を編集者に渡すと真っ赤に修正され突き返させられる。これでめげていると小説家にはなれない」と言っていた。かの大作家でも100%を本人が創作しているのではないようだ。更に創作と模倣の境界も曖昧だ。「あらゆる小説は模倣である:清水良典:幻冬舎新書」によると、あらゆる小説は外部からの取り込みが皆無のものなどあり得ないものらしい。CD「交響曲第1番HIROSHIMA」はクラシック界では異例の十万枚以上の大ヒットだったようだ。CDの購入理由は、作品のオリジナリティに感銘を受けたからなのか、あるいは作曲者が全聾であることに興味を持ったからなのか、はたまた作曲者が被曝二世だからなのか。人には夫々の思い入れがあるのだろう。

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数十万人を救う人

数年前に毒性の強いH5N1型鳥インフルエンザによるパンデミック発生の恐れがあることが騒がれたことがある。マスコミでも毎日のように報道されていたし、発生したことを想定したドラマも放送されていた。このH5N1型がパンデミックになれば、日本では数十万人の死者が出ると推計されている。まさに嘗て世界中で流行し多くの死者を出したペストやコレラやスペイン風邪に匹敵する被害が予測されている。幸いに今まで日本ではH5N1型の発症例はない。ところが、藤田保健衛生大の調査で、H5N1型ウイルスに作用する抗体を体内に持っている人が見つかったとのこと。抗体があればワクチンを作ることが出来る。通常ワクチンを作るには、H5N1型が発生してから、その株をもとに開発するので半年はかかると言われている。その半年を前倒し出来る。ラッキーな発見だったと思う。この抗体を持っている人は極めて貴重だ。この人が数十万人の日本人の命を救うことになるかもしれない。是非とも開発の進展を願いたい。

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ダイヤモンドダスト

久し振りに雪景色の朝を迎えた。屋根は真っ白だが道路には積もっていない。朝日が眩しく風が時折強く吹いている。鳥の餌台の上には氷が張っていて、その上に細かく氷になった雪が積もっている。それを払って餌を置くと、待ちかねていたかのようにミカンにはメジロ、小鳥の餌にはスズメがやって来た。通りでは通学途中の子供たちが雪玉を作り投げ合って遊んでいる。しかし雪玉は投げると同時にパッと煙のように壊れてしまい、雪合戦が出来ないことを楽しんでいるようだ。時折強い風が吹くと、屋根に積もった雪が舞いあがる。あたかも水族館の鰯の群れのように右に左に空一面キラキラと舞い踊っている。とても綺麗だ。暫らく時間を忘れて眺めていた。何か幸せを感じた。まるでダイヤモンドダストのように見える。生まれて初めて見た。しかも海に近い関東平野で。雪が積もると綺麗だが後始末が厄介だというイメージの方が強かった。だがダイヤモンドダストに良く似たスペクタクルの楽しみもあることを知った。雪も捨てたもんじゃない。

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感心した天気予報

昨日の節分は4月の陽気でとても暖かかったが、今日の立春は一転して雪が降るほど冷え込んだ。最近の天気予報は当たらないことが多い。今年に入って昨日までに東京地方は雪の予報が3回もあったが全て外れた程だ。今日は珍しく予報が当たり雪になったので、昨日の暖かさが嘘だったかのように感じる。と言うよりも、昨日の暖かさの中で、明日は雪だという天気予報が信じられなかった。今年の天気予報は既に3連敗しているのに、よくも懲りずに雪の予報を出すものだと、気象庁には感心した。昨日の感心は逆説的な意味での感心だったが、今日の感心は本来の意味での感心に変わった。言葉も天気も目紛しく変わるものだ。天気予報もいつかは感心されずに的確な予報になることを願いたいものだ。

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出直し選挙の是非

外堀を埋められた橋下市長が辞職表明し出直し選挙で民意を問うと言う。だが6億円も使う選挙の大義名分が良く分からない。維新の会は、大阪都構想を打ち上げた当時は勢いがあった。ところが昨年の堺市長選と岸和田市長選で惨敗し、当初の構想は既に綻んでいる。そして泉北高速鉄道の外資への売却問題で造反した大阪府議を除名したため、府議会は過半数を割ってしまった。更に市議会では他党の反対により構想シナリオの1本化が否決されてしまった。大阪都構想を実現するための住民投票に持ち込むには、府議会と市議会の承認が必要だが、すでに維新の会は両議会の主導権を失ってしまっている。承認を得る可能性はゼロだ。然らば市長選で民意を問う、という思考が理解出来ない。元の大阪都構想は筋が良い案に思えたが、堺市が抜けた大阪都のメリットがどれ程かも不明だ。橋下市長が今やるべき事は、市長選ではなく現状の構想のメリットを市民に提示し賛同を得ることだと思う。果たして橋下はメリットも知らされない市民にどのような民意を期待しているのだろうか。単なる人気投票では議会での巻き返しが出来るはずがない。自分には単なる投げ場にしか映らない。それにしては6億円は大金過ぎると思うのだが。

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夢の世界統一通貨か

最近「ビットコイン」という言葉が時々マスコミで取り上げられるようになった。つい先頃まで「ビットコイン」とは何なのかを全く知らなかった。調べてみるとインターネット上の仮想通貨とのこと。2009年に中本哲史と称する人物が発案したらしい。送金は銀行を通さないので余計な費用は掛からないし、世界共通なのでとても便利そうだ。夢の世界統一通貨のように思えるが、マネーロンダリングなどに悪用される欠点もあるらしい。各国の対応は様々で禁止する国あり、容認する国ありで日本は遅れているので検討中とのこと。考えてみると通貨とは不思議なものだ。金本位制が崩壊した現在では、通貨そのものに価値はない。価値は有る、国が保証している、とは言うが、皆が価値は有る、国が保証していると信じているからに過ぎない。信じなくなれば只の紙屑同然だ。そう考えると、ドルも円もビットコインと変わらない。ビットコインを悪者扱いせずに、健全な通貨になるよう育てていく方が、世界の人々にとって通貨不安を解消する手段になるような気がする。

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見えないのは渦中の人だけ

自民1党とは言え、野党の衰退が甚だし過ぎる。民主は論客と言われた5氏が安倍に軽くあしらわられてしまった。みんなの党は党代表が内儀に振り回され落としどころが見えなくなってきた。それに輪をかけて、維新の橋下は泥沼への落ち込みを紛らわすため市長を辞職し出直すことを表明したようだ。民主は論点を秘密保護法やTPPや靖国に絞ったまではまあ良かったが、もし慰安婦問題を追及していれば最早日本から民主が消滅したのは間違いない。果たして民主が日本のための政党か、他国のためのものなのか、誰が見ても分かってしまう見識なのだから。みんなの渡辺と江田の争いは見苦しい。陰で糸引く内儀が主役であることを何故報道は伝えないのだろうか。日本の報道は死んでしまったように見える。維新の橋下が石原を慕う気持ちは分かるような気がする。しかし大阪維新と旧太陽の統合には、国民の誰しも納得はしていない。それが分からない橋下に明日はない。出直し選挙をしても増々縮小するだけだ。しかし、野党にも挽回のチャンスはある。ただ渦中の本人には見えないだけなのだろう。

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