2019年2月

米朝会議の顛末

トランプと金の第2回米朝会議は失敗に終わった。金正恩の落胆ぶりが顕著だ。北朝鮮を列車で出発し3日かけてベトナムに着いた。その間は異例に状況が華やかに報道され、金はご満悦の様子だった。ところがトランプとの会見後表情が一変した。これまでの報道から下記のように推測出来る。実務者レベルでは、平和締結のため、核施設の一部廃棄と経済制裁の一部緩和で合意していた。ところが米国ではトランプのロシア疑惑が再燃している。金はすかさずトランプの足下を見た。ロシア疑惑を打ち消すようなサプライズであればトランプは食いつくに違いないと。そこで金は、平和締結の条件を経済制裁の一部解除から全面解除に転換した。政治的な駆け引きならば、これで決着がつく。ところがトランプは政治家ではない。悪名高い商売人だ。損得が優先する。トランプは金の過剰な要求に対し、本能的に核とミサイルの全面廃棄を要求したに違いない。しかも、米国が知っている全ての北朝鮮軍事施設の場所を明言して。金は米国の情報力に圧倒されたに違いない。このままいけば丸裸だ。北朝鮮には帰るにも帰れない。会談後の2日間の滞在は、それを物語っているように見える。トランプと金の今後の対応が見物だ。

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ブラタモリの片手落ち

我が家ではテレビ番組を直接見ることは少ない。精々ニュース番組程度だ。殆どはピンポイントで録画する。昔のテープに較べ今のHDDは録画容量も大きく、気軽に沢山録画出来るし削除も出来るから便利だ。LIVEではないもののCMを飛ばせるから、見る時のイライラ感も殆ど無い。今日は20日遅れで2月9日放送のブラタモリ「武蔵小杉」を見た。この番組は面白い。歴史的背景や地形の蘊蓄をベースとしている。普段見慣れた風景が新鮮に見えることに感心する。番組では、武蔵小杉は家康が江戸の米を供給するために灌漑して田んぼを作った地であること、鷹狩りのため中原街道を作り御殿が出来たこと。その後田んぼの広さ故、工場が出来たこと。その工場跡地がタワーマンションになったことが紹介されていた。なるほどだと感心した。でも、残念だと思ったことがある。武蔵小杉は、数年前は一等地だった。それで人が集まった。ところが、集まり過ぎて子供たちの教育環境が追いつかず、電車の改札口を通過するにはかなりの時間を要する程不便になった。良質なテレビ番組ブラタモリも現在のシビアな状況には目を瞑っている。これは「片手落ち」と言うべきだろうと思う。

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EU離脱の行方

英国のメイ首相がレームダック化し、英国議会はEU離脱でダッチロールしている。2016年の国民投票で離脱がきまり、残留派のメイが首相に就き離脱の音頭を取った。メイはEUと離脱案で合意したが1月に議会で否決された。今は再度EUと協議中。3月12日までに改正案の採決を諮るという。もしそれが否決されたら、13日に「合意なき離脱」の是非を問う採決を行い、それも否決されれば「離脱延期」を議会に問うという。しかも、延期は1回限りで6月末までだと付け加えた。これまで頑なに離脱延期を否定し続けてきたメイも土俵際で翻意した。国民投票日から2年8ヶ月が過ぎた。進展は殆ど無かった。このまま進むと「合意なき離脱」は否決され「離脱延期」が承認されることになるはずだ。更にメイが最後っ屁のように付け加えた「6月末」も延長され、再国民投票の見通しも立ちそうもない。個々の意見や立場を尊重するのが民主主義だが、大局に立って折り合いをつけるのも民主主義だと思うのだが。英国のオピニオンリーダーの出現と、民主主義の質が問われている。

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インターンシップ

政府は採用に直接結びつけるインターンシップの禁止を経済界に要請する方針を固めた。2021年春に入社する今の大学2年生から適用する就職活動の新ルールだという。何か変だ。インターンシップとは、学生の就業体験のこと。学生の職業意識の向上にもなるし、職業選択にも役立つ経験となるメリットがある。もし、インターンシップで企業と学生の相性が合いその後就職・採用することになれば互いに幸せなことだ。それを禁止するというから理解出来ない。恐らく政府は、売り手市場への歯止めとか、早期の就職先決定で学業が疎かになるとかを考えているのだろう。でも、実際にはそんなケースは稀だ。企業は会社に必要な技術・知識の習得を提示することが出来る。学生は入社までの期間に、その企業に有用な勉強をすることが出来る。早期に内定が決まったからといって、遊び呆ける学生など企業が内定を取り消すに決まっている。早期内定に問題は無い。一方インターンシップ制度の悪用も目立つ。学生を無給でこき使い、その上就職させずに放り出す企業もある。政府はインターンシップの悪用を防止するためのルールを作るべきだと思う。

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辺野古か普天間か

米軍普天間飛行場の移設をめぐり、辺野古の埋め立ての是非を問う県民投票が行われた。結果は投票率が52%で、反対が有効投票の72%で、全有権者数の4分の1を超えた。投票結果に法的拘束力はないが、工事中止を迫るための民意という後ろ盾が出来たと言えるだろう。でも、普天間問題は何処へ行ってしまったのだろうかと思う。普天間周辺の住民はいつも危険に晒されている。この危険を取り除くために移設が検討され辺野古が選ばれた。沖縄にこれ以上米軍基地を作るな、きれいな沖縄の海を埋め立てるな、沖縄だけに米軍基地を集中させるな、という県民の気持ちは良く分かる。一方国としては防衛上何処かに移設せざるを得ない。米国は軍事上沖縄県内がベストだと言っている。簡単に結論が出せる話ではないことは分かる。でも、現実的に普天間の安全をはかることが最優先だと思う。この埋め立ての是非を問う県民投票は、沖縄県民の真の民意を聞いていないように思えてならない。

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アジェンダセッター

米国では、今「AOC現象」という小さな旋風が吹き荒れているという。AOCとは、29歳の女性アレグザンドリア・オカシオ=コルテスAlexandria Ocasio-Cortezの頭文字。今年の下院選で、ナンシー・ペローシの後継者として将来の下院議長候補のひとりと言われたクローリーを破った人物だ。2020年大統領選のアジェンダセッターとも言われている。アジェンダセッターとは「今の問題はこれだ!」とその時々のアジェンダ(議題)を取り上げたり論じたり宣伝する人のこと。彼女は「1000万ドル以上の年収のある層への所得税率を70%に引き上げる」という案や、気候変動対策として20年をかけて化石エネルギーから再生可能エネルギーへと完全転換を目指すグリーン・ニューディールなどを提唱している。今すぐには達成出来ないが、長期的ビジョンで壮大な夢を語り実現のための活動をしている。それが共感を呼んでいる。今やツイッターのフォロアー数でトランプに対抗出来る唯一の民主党議員とのこと。政府予算をトランプの壁建設とAOCの代替エネルギー転換のどちらに投じるべきかが問われようとしているという。日本の政界に長期的展望を持った若きアジェンダセッターが現れる日は訪れるのだろうか。

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はやぶさ2の真のミッションは

現代版浦島太郎が実現しそうだ。はやぶさ2が小惑星リュウグウ表面のタッチダウンに成功し、サンプルを得たらしいとのニュース。あとは、はやぶさ2が無事地球に帰還すれば現代版浦島太郎の出現だ。それにしても気が遠くなるような世界の出来事だ。リュウグウは楕円軌道をしているから、地球からの距離は一定ではない。最接近距離が約3億kmといわれている。到達に要する時間は2年半。しかも、リュウグウの大きさはたったの900mで、ゴツゴツしているので着陸地点は数mに限られる。そのピンポイントに正確にタッチダウンしたという。実感が湧かない。例えると「日本からブラジルの長さ6cmの的に当てる」ほどの精度だという。よくぞ、はやぶさ2は困難な飛行を乗り越えてきたものだと思う。しかし、はやぶさ2にはもっと過酷な過去があったとのこと。民主党政権時に大幅に予算を削減され、存続が危ぶまれた。この種の成功は目出度いし祝福したいと思うが、成果は何なのだろうか。太陽系の起源解明だと言うが、曖昧過ぎる。少なくとも、起源が分かると現実世界にこのような効果をもたらすはず程度の具体性は必要だ。それが夢の実現であり、はやぶさ2の成功は過程に過ぎないと思う。

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政治劣化の元凶

桜田五輪相がまたまたお騒がわせだ。今度は予算委員会に3分遅刻した。五輪憲章を読んだこともないし東京大会のコンセプトも知らない五輪相。池江選手の白血病発症について「がっかりしている」と発言しマスコミから集中砲火を浴びた五輪相。パソコンを使った経験の無いサイバーセキュリティ戦略担当相。マスコミのカモになっているが、全て桜田の責任なのだろうか。予算委員会は、桜田の3分遅刻で審議が5時間ストップした。桜田が一言謝れば終わった話なのに、野党が退席したからだ。5時間の審議ストップは野党に責任がある。昔の民主党政権時代には、前原、仙石、原口が遅刻をしたというのに。池江選手へのコメントは、発言の一部が切り取られ歪曲されて報道されている。本人の発言を全て読むと「がっかりしている」が主旨ではないことが分かる。明らかにマスコミによる情報操作だ。視聴者を間違った方向へ導いている。マスコミも政治の劣化を助長させている元凶と言えそうだ。

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人類の万能薬になるかも

大阪大などの研究チームが、寿命や老化現象に関わるたんぱく質を発見したと英科学誌に発表した。その名はルビコンRubicon。ルビコンそのものは2009年に大阪大の研究者により発見されていた。ルビコンはオートファジーを抑制する。例えば脂肪肝はルビコンの増加により脂肪の分解が抑えられるためだと知られている。オートファジーとは、生物が飢餓を乗り越えたり、細胞を新陳代謝したりするために、細胞内の不要物を分解し再利用する現象。病原体など有害物を除去する働きもある。細胞内に隔離膜と呼ばれる膜が現れて不要物を包み込み、分解酵素を含んだリソソームが融合して不要物は分解される。その分解酵素の働きを阻害するのがルビコンだ。研究チームは、マウスなどでルビコンの有無による差を調べた。そしてルビコンが無いと寿命が1.2倍延びることを確認したという。今後ルビコンを生成しない薬の開発が焦点になる。その薬は人類の万能薬になるかもしれない。オートファジーでは、大隅東工大名誉教授が2016年にノーベル医学生理学賞を受賞したが、大阪大のルビコンも受賞対象になる可能性は大きそうだ。

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大阪ダブル選の是非

大阪でダブル・クロス選挙が浮上している。大阪府知事と大阪市長は共に年末に任期を終える。でも、大阪都構想の住民投票の是非について民意を問うため任期終了前に辞任し選挙で問うという。しかし、同一人物が再選されると、任期は延長されず年末までとなるので、松井府知事と吉村市長が入れ替わり出馬するという。一言で言うと、税金の無駄遣いだと思う。更に一言付け足すと、職権の乱用・私物化だとも思う。二重行政を解消するための大阪都構想はグッドアイデアだが、やり方が間違っている。府知事も市長も、まずは任期中に大阪都構想の素晴らしさを選挙民にアピールすることに集中すべきだと思う。そして年末の選挙でその是非を問えばよい。もし選挙に勝てば住民投票に進めばよい。万一負ければ己の説得力の無さと努力不足を嘆けばよい。選挙の前倒しなど甚だ烏滸がまし過ぎる。

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不可解な日本オリンピック委員会

日本オリンピック委員会JOCが役員の定年規定の例外を突如画策していることが明らかになった。規定では「役員は選任時70歳未満」となっている。そのJOCの役員改選は今年6月に開かれる。ところが、あの竹田会長が71歳を迎える。規定の例外設定は、泥縄式に竹田会長の延命を図ろうという魂胆であることは間違い無い。でも竹田会長が東京五輪招致に尽力を尽くしてきたことは誰でも知っている。だからその竹田会長が、2020年東京五輪の時にJOC会長として振る舞うことは望ましいと思う。でも、だが、何の理由も無く、JOCが内々で例外の規定を作り会長の延命を図ることには、極めて違和感を覚える。そこで思い出す。東京五輪招致で竹田会長もしくは五輪誘致委員会が賄賂で票を集めたとする疑惑。当時竹田会長は釈明会見をしたが、一方的な会見・弁明ゆえに疑惑は益々増した。今回もそう。一方的に表明するだけ。委員会にはガバナンスが存在しない。かくして疑惑は益々深まっていく。過去を振り返れると、疑惑は真実なのかもしれないと思えてきた。残念。

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環境汚染あれこれ

美しく豊かな自然環境というイメージがあるニュージーランドで環境汚染が進んでいるという。今や水系の約6割は遊泳に適さず、フィッシング遊びや漁業も出来なくなりつつあるようだ。元凶は、畜産業の発展による水質汚染。ニュージーランドの主力産業は、観光業と畜産業。特に畜産業は好況だ。約470万人の総人口を上回る500万頭近い牛が飼育されている。政府は、主要河川や湖沼を2040年までに遊泳可能にするとの目標を設定したというが先は長い。これから観光業へのボディブローがきいてくる。一方、廃プラは海洋汚染だけかと思っていたが、内陸のモンゴルでも廃プラによる環境汚染が広がっているとのこと。家畜がゴミをあさり廃プラも食べる。モンゴルの牧畜の死骸の内蔵はプラスチックまみれとのこと。元横綱朝青龍が「飲んだらペットボトルを持ち帰ろう」というキャンペーンをやっているが、一向に効果は出ていないとのこと。家畜の体内に入った廃プラは、やがて家畜を通しヒトの体内に入り悪さを始める。国もヒトも、現実的な痛みが出ないと対処しない。先を見る賢さは何処に行ってしまったのだろうか。

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酸化ガリウムの世界に

パワー半導体の世界が一変しそうだ。パワー半導体とは、電力制御を行う半導体で直流を交流に、交流を直流に、交流の周波数を変換したり、直流の電圧を変えたりするのが特長だ。大きな電流が流れると熱を発生する。だから基板には低い抵抗と高い耐熱性が要求される。基板は、一般的にはシリコンが使われているが、耐熱性が要求される分野では炭化ケイ素や窒化ガリウムが使われ始めている。だが、高価なため特殊な分野でしか使われていない。ところが、京大初のベンチャー企業であるフロスフィアが、安価で超耐熱性の酸化ガリウム基板を開発したとのこと。シリコンに対する半導体物質の性能を現す数値としてバリガ性能指数がある。シリコンが1で、炭化ケイ素が340、窒化ガリウムが870だが、酸化ガリウムは何と3444なのだ。しかも、酸化ガリウムはシリコンと同程度のコストで出来るという。炭化ケイ素や窒化ガリウムの関係者は、顔が真っ青になっているに違いない。商品化すれば、Liイオン2次電池と並び日本が生んだ2大発明と言えそうだ。

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光回線速度のアップを

日本の通信環境が悪化しているとのニュース。光回線の速度がOECD加盟36カ国中、日本は2015年の7位から2018年は23位に転落したとか。光回線の速度は産業競争力に直結する。次世代通信5Gは、もうそこまで来ている。5Gが始まれば、光回線の速度の差が、技術革新の速度差を生み各国間の経済発展の差となって現れることになる。光回線の速度は極めて重要だ。何故日本は23位に転落してしまったのだろうか。データは回線事業者とネット接続事業者の設備を経由する。接続装置は回線事業者が担うことになっている。転落の要因は、7割の光回線シェアを持つNTT東西が接続装置への投資を絞っているからだ。一方NTTは平成29年3月期連結決算で8000億円の最高益を上げている。簡単に言うと、NTTは利益を貯め込むだけで、我が国の経済発展の足を引っ張っているということだ。日本企業の典型例だ。NTTは未だに半官半民企業。政治主導で投資を促すべきだと思う。

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北極も南極も何か変だ

地球が変調をきたし始めたのかもしれない。北極も南極も何か変だ。北極では、北磁極が想定を超えるペースで移動しているとのこと。地球は磁石のようなもの。だから磁石のN極は常に北極である北を指す。その大元となる磁極の中心が異常に動いているというから驚きだ。原因は地球内部の鉄の対流変化と言われている。大きく動けばGPSなどに影響を与える。飛行機の航行に支障をきたす恐れも考えられる。ひょっとすると、地磁気逆転の兆候なのかもしれない。一方、南極では、氷河の下に巨大な空洞が発見された。スウェイツ氷河の下にはニューヨークのマンハッタン島の3分の2に相当する大きさの空洞があるという。この空洞により氷河の溶解はより速く進むと考えられている。スウェイツ氷河が溶けると地球の海面は4%上昇する。高さにして約60cmとのこと。しかし、この原因は良く分からない。もし、地球内部に原因があるとすれば、人類は全く抗いようもない。こんな地球上に60億人が争いながら生きている。地球と会話出来る人が増えれば、争いごとも激減すると思うのだが。

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今日から9年目

2011年2月13日からこのブログを書き始め、丸8年が過ぎた。よくぞ毎日書き続けたものだと思う。毎日だから今日は2,923日目になる。文章作りの勉強の一環だから、同じ文章は書かないことに決めている。極力コピペはしないことにしている。日々感じたことを素直な気持ちで表現するよう努めている。書きたいことが山のように出てくる日もあるが、何も思いつかない日もある。そういう日は辛い。でも、必死で絞り出す。内容は別として乗り越えたときに、一皮剥けたような気持ちになる。ブログを書き続けて分かったことがある。人間は「物事に感じる」のは一瞬で、すぐに忘れてしまう性癖がある。その「感じ」を文章で残すと、己の感受性を客観的に見つめる手助けになることを実感した。以前書いた文章など覚えていない。でも、読み返すと当時の感覚がまざまざと蘇ってくる。自分が書いた文章なのに、読みながら「そうだよな」と納得する。自分の感覚は何年経ってもぶれないことも発見した。いや、単に成長していないためかもとも思う。

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時代遅れのみずほ

この3連休は、みずほ銀行ATMの8回目の停止日だった。ATM停止の理由は、3行のシステム統合のため。富士銀行、第一勧業銀行、日本興業銀行が合併したのが2000年だから、既に19年目を迎えた。19年目にしてやっと統合される。この間、顧客の不便さは無視し続けられた。銀行が客商売ではない証だろう。19年もかかったのは、各行の意地の張り合いだ。富士のシステムのベンダーはIBMが担当し、第一勧銀は富士通、興銀は日立だった。通常、システム統合をする場合はベンダーを1社に限定する。効率が良く間違いも減るからだ。ところが、19年目に出来上がったシステムは、キメラ状態だ。キメラとは、頭はライオンで、胴体はヤギ、毒蛇の尾を持つ神話上の動物のこと。1つのシステムを、IBMと富士通と日立が部分的に請け負った。正常に機能させること自体が奇跡に近いと言えそうだ。穿って考えれば、その奇跡を創造するために19年を費やしたのかもしれない。しかし、ITの進歩は速い。最早みずほの新システムは軍艦大和の体をなしている。バカでかいばかりでなく、巨額な維持費もかかる。無用の長物になりつつある。現在のITであれば、安上がりにフィンテックも可能だ。3行の合併自体は時代に即していたが、見栄と意地が足を引っ張り時代遅れになった。更にこれからは銀行業務はITが主体になる。みずほは退場ということだろう。

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張り子の棟割長屋

レオパレス21が、またまたお騒がわせだ。屋根裏の隔壁無しに続き今度は外壁の可燃性断熱材の使用。1324棟のアパートが建築法違反で、住民1万4千人以上が引っ越を余儀なくされている。隔壁が無いと出火時に確実に延焼する。1棟丸焼けになるのは目に見えている。可燃性断熱材を使っているから火災を助長する。更に、隣室との壁が薄く音が筒抜けだという。まるで江戸時代の棟割長屋とそっくりだ。棟割長屋は江戸大火の元凶だった。でも外観だけは今風だから、張り子の虎ではなく、張り子の棟割長屋と言える。レオパレスは悪質だ。隔壁も断熱材も建築検査では見えずに確認出来ない部分だ。典型的な手抜き工事が会社主導で行われていたのだから何をか言わんやだ。レオパレスは又貸し業で、オーナーから出資させアパートを建てる。賃貸・管理はレオパレスが行い、レオパレスが契約に基づいて一定の金額をオーナーに払う。契約では金額の変更は無しと謳っているが、現実は減額させている。甘い謳う文句に乗るオーナーにも落ち度はあるが、謳い文句でオーナーを騙すレオパレスはもっと悪い。鉄拳が振り落とされることを願いたい。

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ベネズエラ危機

日本では報道されないニュースが気にかかる。ベネズエラには何と二人の大統領が現れたとのこと。100万%超えというスーパーインフレと35%の失業率も信じがたいが、人口3000万人の5%もの国民が国外に脱出しているとは想像を絶してしまう。これはこれで大変なことだが、既に日本でも報道されている。しかし、ニュースではこれ程までの悲惨な状況に陥ってしまった背景とか、何故米国が軍事介入すると言っているのかについては報道しない。報道されないのは、前チャペス政権が主要産業の会社を国有化したため外資が逃げ出したこと、マドゥロ政権の失策であること、国営石油会社の経営を素人の軍人が行ったため石油設備が使い物にならなくなっていること、ベネズエラにロシア軍基地の建設が計画されていること。もし、ここにロシア軍基地が建設されれば、第2のキューバ危機が再燃するかもしれない。ニュースは時々恣意的で真実を伝えない。

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変わるスポーツのあり方

世界のスポーツのあり方が変わりつつある。でも、日本は世界に遅くれをとっている。だが、2012年に起きた指導教官体罰による高校生の自殺事件がきっかけとなり、ようやく進み始めた。何故かいつも、問題提起は野球から生まれる。筒香の勝利至上主義や金権体質の高校野球非難が波紋を広げている。よくぞ指摘したものだと感心する。また新潟県高野連では、今春から投手の球数制限を導入することを決めた。これに対し旧体質の高野連は猛反発。それに対し鈴木スポーツ庁長官は、勝利至上主義ではなく、生徒を健全な心と体で社会に送り出すことが、学校スポーツの大きな役割だと新潟県高野連を支持した。スポーツ界はいま、大きく変わろうとしている。アメフトでは反則タックルの内田監督が除名された。大相撲では、八百長の見え透いた注射が減った。マラソンや柔道の選手選考がクリヤーになりつつある。古い根性論が減り、科学的な育成が増え、選考条件もガラス張りになりつつある。これこそ選手を健全に育成する方法だと思う。旧体質の指導者が去ることこそ、スポーツを健全にするものだと思う。でも、旧体質でかつ健全な指導者は、今こそ声を上げるべき時だとも思う。

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勤労統計問題で分かったこと

厚労省の毎月勤労統計問題は、偽装・ルール違反だが、これをきっかけに気付いたことがある。勤労統計には大きな欠陥がある。一つは賃金水準の算出法。Aという会社の賃金の推移を根拠にしている。Aがリストラしても残った社員の賃金は変わらないか上昇する。しかし、リストラされた人は殆ど減給になる。トータルすれば賃金は下がるのが現実なのだが、統計上はAだけが対象なので、賃金は上昇することになる。もう一つは物価の算出法。最近のメーカーは狡辛くなり、製品価格を値上げせずに、内容量を下げる。実質的な値上げだ。でも統計上は値段据え置きとカウントされる。賃金水準が下がり、一方物価は上がっているのが現状だ。政府やマスコミは「いざなぎ景気超え」と騒いでいるが、景気を実感している人などいない。益々国民生活は苦しくなっている。政府は指標を支払い給与である名目賃金から物価を考慮した実質賃金に変え、かつ、賃金と物価を実態に合わせるよう、統計手法そのものを見直すべきだと思う。この騒動でアベノミクスが国民生活に寄与せず、むしろマイナスに働いていることが分かった。

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再生可能エネルギーの有効利用

アンモニアは肥料原料として使われるだけでなく、天然ガスに代わる電力用燃料としても注目されている。農作物を育てるには窒素を含む肥料が必須。窒素肥料が育てた食料は世界人口の半数を養っているという。アンモニアはハーバー・ボッシュ法で合成される。1906年に開発されたが、現在でもアンモニア合成の主流だ。まさに人類の基幹技術なのだ。しかし、猛烈に電力を使うのが欠点だ。ハーバー・ボッシュ法は世界の全消費エネルギーの2%も使っている。二酸化炭素排出量でも1%を占めている。ところが、豪州のモナッシュ大学の研究者が、アンモニアを「風力や太陽光などの再生可能エネルギーを利用して生産した電力を保存する燃料電池」として利用する方法を開発したとのこと。再生可能エネルギーの電気で、窒素ガスと水を反応させ、ガス化したアンモニアを発生させ、冷却して液状化させる。液体アンモニアは輸送も簡単で、液化天然ガスの代わりになるという。豪州政府は100億ドル規模の風力・太陽光発電施設を計画中とのこと。再生可能エネルギーは電力作りにムラが多い。この技術は、その欠点を見事に解消する優れた方法だと思う。二酸化炭素の排出も減るので言うこと無し。

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合意ある離脱は何処に

北アイルランドのバックストップが暗礁に乗り上げている。どうやら同意なきEU離脱が現実味を帯びてきた。英国がEUを離脱すること自体は将来的に正しい判断だと思う。欧州合衆国EUという壮大な実験は幻に終わることは目に見えている。遅かれ早かれEUは崩壊することになる。いち早く泥舟から脱出する決断をした英国は賢いと思う。だが、問題は離脱の仕方だ。この大切な時にメイを首相に選んだのが間違いだった。メイは頑なで意志は強いが交渉能力に欠ける。頑固な分だけ周りに助言者がいなかったのかもしれない。それが禍して中途半端な合意に達してしまったのだろう。しかも修正出来ない状況だ。メイ首相の責務は合意ある離脱にあった。結果はテストで言えば0点評価と言える。一方、トゥスクEU大統領の言い分も酷い。離脱派首脳に対し「地獄に落ちろ」とまで言い放った。品格が欠如している。でも、現実的にEUには大統領など存在しない。欧州理事会議長を俗称でEU大統領と呼んでいるに過ぎない。欧州理事会議長は権威はあるが権力は無い。一方欧州委員会委員長は権威は無いが権力がある。これがEUの官僚組織の典型例と言える。英国がEU官僚組織と袂を分かつことは、英国の未来に希望の火を灯すことになるはずだ。

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お国事情それぞれ

来月のタイ総選挙に向けて、14人の候補者が「タクシン」や「インラック」に改名したとのニュース。タクシンとインラックは兄妹でともに首相経験者だ。両氏はともに国外に逃れているが、貧困層に手厚い政策をとったことで今でも農村部や都市の貧困層に人気がある。その人気に肖っての改名のようだ。タイでは改名手続きが容易で変える人が多いとのこと。一方米国では、トランプ姓のためイジメを受けた子供がトランプ大統領一般教書演説の議場に招待されたとか。さて日本で選挙時に改名するケースを考えてみた。もし麻生や鳩山などに改名したら当確候補者でも間違いなく落選するに違いない。では安部に改名した場合はどうだろう。安倍内閣の支持率はそこそこだが「安部は信頼が置けない」とする意見が圧倒的に多い。結果は火を見るよりも明らかだ。国益よりも個人の利権に走る輩が多すぎる。そろそろ真の指導者の登場を願いたいものだ。

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家族主義はフラクタル

中国の春節が始まった。今日から9連休になる。実際は先週から休み始めるでの超大型連休だ。何と中国では期間中に延べ30億人が帰省などで移動するという。目的は実家に帰り家族と一緒に新年を祝うこと。ところが日本の正月の帰省とは桁違いに異なり、体力的にも精神的にも激務なようだ。中国は広大なので移動に時間がかかる。移動に丸一日かかるケースもあるという。切符が取りにくい。ネット予約は数分で完売されてしまうという。家族へのお土産も必須だ。満員電車の中で持ちきれないほどのお土産を抱えることになる。お土産代だけでも50万円はかかるという。全ては家族主義たる由縁だ。家族を大事にするのは美徳だが、見方を変えれば他人を信用しないということかもしれない。中華思想のフラクタルとも思えてきた。

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昔豆まき、今恵方巻

今日は節分。昔豆まき、今恵方巻という感じ。60年以上も前のこと、父が年男になって「福は内、鬼は外」を唱えながら部屋部屋に豆を撒いた。その豆を家族が年の数だけ拾って食べるのが習わしだった。だが今では衛生上拾って食べる家庭などは無い。代わって現れたのが恵方巻だ。恵方に向かって願い事を思い浮かべながら丸かじりし、言葉を発せずに最後まで一気に食べきると願い事が叶うとされている。その恵方巻が極めて異常だ。デパートもコンビニもスーパーも恵方巻一色になる。どう考えても完売出来るはずがない。結果として大量の恵方巻が廃棄処分されることになる。今年は農水省が需要に見合う販売をするよう、文書で通知した。ところが状況は去年と変わらない。またまた大量の廃棄処分だ。売れ残りだけでなく、仕掛品も大量に廃棄されるという。近頃は食べかけの恵方巻も捨てられることが多いという。間違いなくその人の願い事は叶わないだろう。それよりも、食べ物をこれほど粗末に扱うと、そのうち食べ物の神様から痛い仕打ちを受けることになるに違いない。ちなみに自分は恵方巻を食べたことがない。これからも無いと思う。

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濁濁併せ吞む

細野豪志が自民党の二階派に入るとのニュースには驚いた、というよりは呆れてしまった。細野と言えば、モナとの路チュウで有名になった。その後、福島原発事故の後処理や環境相を歴任したがマイナス面しか残さなかった。更に圧巻は小池の希望の党立ち上げの片棒を担ぎ、民進党の代表代行でありながら民進党を壊滅させたことで有名だ。その細野が今度は自民に寝返るという。此奴の頭の構造はどうなっているのだろうかと思う。大事なのは信条ではなく、権力だというのであれば納得はいくのだが。静岡5区の富士市や三島市や御殿場市の選挙民はどのように思っているのだろうか。次期選挙では選挙民の見識が試されることになる。一方二階派も賑やかになる。まだ更迭されない片山さつき、失言の桜田五輪相、路チュウの中川議員、不倫の宮崎・金子夫妻等々、悪い意味で多士済々。このメンバーを見れば、細野の加入も大したことはないとも思えるから不思議だ。清濁併せ呑むという言葉があるが、濁濁併せ呑むという言葉も誕生しそうだ。

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日欧EPAが発効して

今日2月1日から日欧EPAが発効する。昨年12月末に発効したTPP11では何の変化も感じなかったが、日欧EPAではどう変わるのだろうか。日本から輸出をし易くなるが、自分の興味は輸入品にある。関税即時撤廃となるものもあるが、多くは10~15年をかけて関税がゼロになる。とりあえずはワインだ。1本当たり約100円安くなる。還元セールを行っているが盛り上がりは今一。ワインは嗜好が第一。100円差は嗜好には勝てそうも無い。衣料品も即時撤廃されるが、今売られているのは発効前の買い付けだから値段は変わらない。変わるとしても1年後で、しかも燃料費の高騰などで相殺され価格は変わらないと考えられている。TPP11も日欧EPAも、いきなりパラダイムシフトする訳ではない。日本の産業にとって、他国と競うための適宜な刺激と受け止めるべきだろう。特に、農業はそうだ。TPP、EPAにより日本の農業は壊滅的にやられると懸念されていたが決してそうではない。今こそ高品質を武器に攻め込む時期が来ていると思う。

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