EU離脱の行方

英国のメイ首相がレームダック化し、英国議会はEU離脱でダッチロールしている。2016年の国民投票で離脱がきまり、残留派のメイが首相に就き離脱の音頭を取った。メイはEUと離脱案で合意したが1月に議会で否決された。今は再度EUと協議中。3月12日までに改正案の採決を諮るという。もしそれが否決されたら、13日に「合意なき離脱」の是非を問う採決を行い、それも否決されれば「離脱延期」を議会に問うという。しかも、延期は1回限りで6月末までだと付け加えた。これまで頑なに離脱延期を否定し続けてきたメイも土俵際で翻意した。国民投票日から2年8ヶ月が過ぎた。進展は殆ど無かった。このまま進むと「合意なき離脱」は否決され「離脱延期」が承認されることになるはずだ。更にメイが最後っ屁のように付け加えた「6月末」も延長され、再国民投票の見通しも立ちそうもない。個々の意見や立場を尊重するのが民主主義だが、大局に立って折り合いをつけるのも民主主義だと思うのだが。英国のオピニオンリーダーの出現と、民主主義の質が問われている。