2011年12月

今年の感情の総括

自分の今年一年の心の揺れをまとめてみた。
嬉しかったこと:二人だけの時に孫娘から「あのね私ジージ大好き」と告白されたこと。誕生日に小さなブーケとおめでとうメールをもらったこと。世界的に「・・・の春」が来ていること。
憤ったこと:菅前首相の無能さと政府の大震災復旧復興のスピード感のなさ。未だに復旧すら完了しておらず、震災被災者の約33万5千人が新年を避難・転居先で迎えることになる、これは一種の犯罪に匹敵する。菅夫妻のパフォーマンスや生き方。
悲しく思ったこと:日本を含め世界のどの国でも政治が機能しなくなったこと。
自分自身を見直したこと:硝子体手術することを決断する小さな勇気があったこと。
自分を褒めてあげたいこと:1~2週間で挫折するかもと思っていたこのブログが300日以上毎日書き続けられたこと。
今年の感想:人生は小さいことの積み重ねで、深くもなり浅くもなるし大きくもなり小さくもなる。遠くを見据えて日々コツコツが大切。

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少し早い初夢

現代社会で初めてバブル経済が破綻したのが20年前の日本。その後世界のあちこちでバブルは弾けつつある。日本の土地バブル破綻が一番目とすれば、アメリカのリーマンショックが二番目で三番目は間違いなくユーロ破綻だ。既にレバレッジによる金融経済は終焉を迎えつつある。今後10年以上全世界はその付を払わされることになる。実体経済に戻らざる得ないことは明白だ。こんな夢を見た「来年はギリシャが破綻する。EU諸国に戦慄が走り財政再建一色となり経済は沈滞。アメリカはFRBが機能せず経済は冷え込み格差是正のデモに明け暮れ、第三極が一大勢力になる。中国も農村部の不満が爆発し格差是正運動一色となり労働賃金が上昇し企業の国外脱出がうねりとなる。日本は実体経済が元々強く、更に行政改革と増税が抱き合わせで行われるため国債格付けが上昇し、世界のトップランナーになる。年末頃になると、世界は何故日本だけがうまくいっているのかその理由に気付く。日本独自の農耕民族的な村社会の思いやりこそが、アメリカやアラブや中国の格差是正の基本的な考え方であることを」。この夢はあながち夢でもあるまい。

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松下の凋落

大手企業が次々と赤字に転落している。長引く円高や景気の低迷、東日本大震災、タイの大洪水、EU経済の凋落等々言い訳は色々あるが、パナソニックの赤字は特異的だ。2000年に松下電器産業社長に就任した中村は「破壊と創造」を掲げ華々しく経済界にデビューし、現在でもパナソニックの神的存在だ。ところが経営内容は滅茶苦茶だ。成熟化したテレビ事業への過大投資の判断ミスと減損処理、三洋電機買収の失敗で事業構造改革費用は膨らむ一方だ。中間決算では2011年度は4200億円の赤字に陥ると発表したが、巷では1兆円になるかもしれないと囁かれている。まさに経営トップの判断ミスの賜物だ。松下幸之助は「指導者が備えるべき要件は責任を取ること」と言っているが、中村会長には辞任の素振りが見られない。ひょっとすると中村は幸之助超えを果たしたと勘違いしているのかもしれない。裸の王様はいつの世でも笑い者になる。

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お粗末な事故調査報告

福島原発事故調査・検証委員会が中間報告を公表した。しかし数か月もかけての結論は、東電が津波対策をとっていなかったこと、国も地震と津波と原発事故が重なることを想定していなかったこと、原子力災害の全体像を誰も見渡せなかったこと、程度の内容のなさだ。こんな内容は事故直後に全国民は知っている。今まで何を調べていたのだろうか。問題の本質は、原発事故の技術的な問題点の指摘と対策、および地震津波対策や想定が何故欠落してしまっていたのかの2点だ。前者は既に大前研一氏が解決済みで電源喪失に尽きるとしている。後者はこの委員会の結論の目玉のはずだが無回答、テストでいえば零点だ。しかも最終結論を提出するのは来夏という流暢さであるから何をや言わんかだ。このブログで以前に指摘(7月14日:失敗学提唱者の大失敗)した通り、福島原発事故調査・検証委員会には発足当時から二つの致命的な欠点があった。メンバーに原子力関係の専門家が含まれていないことと、活動期間が長すぎて結論が出たころには色が褪せ何の役にも立たないだろうことだ。委員会は想定通り最悪の状況で進行している。立ち直す最後のチャンスは大震災が発生した日までに、原子力ムラを含めた問題点と真の原因を掘り下げることだ。委員に正月休みはない。

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料理と本の自炊

最近やたらと「自炊」の文字が目につく。自分にとって「自炊」とは独り料理のことをいう。単身赴任生活時代、寮には付属の食堂はあったが一度も利用せずに自炊した。単赴生活だと四六時中仕事のことばかりを考えていて頭の切り替えが難しい。料理をする時は霧が晴れるように仕事のことが頭の中から消えて行くリフレッシュ効果があることを発見し自炊を貫いた。ところが最近の「自炊」とは料理ではなく、本のデータ化を指すらしい。本の背表紙を裁断しバラバラにした頁をスキャナーでデータ化しファイルとして保存する。この作業は個人には面倒なので自炊代行業者に頼むケースが多くなる。最近多くの著名作家らが自炊代行業者に対し、作品の複製権を侵害しないよう行為の差し止め請求訴訟を起こしたとのこと。提訴理由は、著作権法違反。著作権法では使用する者が私用目的で複製することが認められているが、代行業者は「使用する者」ではないかららしい。的の外れた提訴だ。代行業者は使用者に代行を依頼されているから使用者に含まれ、従って違法性がないのは明白。自分が推測するに多分作家らは「本」と「文」とは同じものではないと言いたいのではなのだろうか。おそらく作家は、「本」とは作家の文章だけでなく編集者やデザイナーや装丁や印刷する人を総合して出来た一つの作品と見ているのであろう。だから文章だけを抜き出すデータ化が作品を破壊しているように思えるのだろう。しかし日本の家は狭く本の置き場もあまりない。溜まると捨てられる運命にもある。データ化は便利だ。コンパクトにもなるし軽くて持ち運び易く保存性も高い。時代の流れでもある。読者から見ると「本」の価値は大部分が文章であり、それ以外の比重は極めて小さい。「本」の価値観について、作家らが読者に近づくことが時代の流れといえるだろう。料理も本も自炊がよいと思う。

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研究できない大学教員

2002年/2008年比でみると、大学教員の研究時間が11%減り、教育の下準備が5%社会サービスが5%増えたとのこと。大学とは、学術の中心として広く知識を授け深く専門の学芸を教授・研究するための学校だ。しかしながら現実は、大学教員が本来やるべき研究が疎かになり、高校の学習内容の補習や市民講座に時間をとられているため論文数が伸び悩んでいるという構図らしい。広く知識を授けるためには高校のオサライが必要で、浅い専門の市民講座に汗を流しているため、研究の質が低下している。これではスパイラルに質が低下していくだけだ。まずは第一に研究の質を上げる努力をするべきだ。そのためには高校のオサライは自助努力に任せるとか、手間のかからない市民講座に衣替えするとか、どこかで悪循環を断ち切る必要がある。特に来年は団塊の世代が65歳になるので、勉強好きで時持ちの彼らが大挙して市民講座に押し寄せる可能性は高い。敷居の低い開かれた教える市民講座よりも、レベルの高い研究を目指した講座作りが必要だと思う。

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沖縄振興と普天間

沖縄振興予算が500億円も異例に増額し3000億円になることを首相が仲井真知事に報告した。しかもその半分は沖縄が自由に使える一括交付金。政府は沖縄県の要望に満額回答し、知事は環境影響評価書の提出を容認することにした。自民時代の悪習である「沖縄のゴネ得」を前原政調会長が更に増長させてしまった。知事はしたり顔で「沖縄振興と普天間移設は直接関係ない」と次なる金せびりの布石を抜かりなく打っていた。沖縄がゴネると金で済ます仕組みを止めないと普天間問題は何時まで経っても解決しない。普天間住民は沖縄首長等にとって金を生み出す人質のようなものだ。沖縄問題の最大の被害者は普天間住民で、住民を苦しめている真犯人は沖縄首長等だということを沖縄県民は理解すべきだ。このままでは普天間が移設することは永久にないと思う。

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八ツ場ダム建設再開

民主党の理念「コンクリートから人へ」を象徴する八ツ場ダム中止の建設再開が決まった。子ども手当、高速道路無料化、年金改革、衆院議員の定数削減等々ことごとく政権公約の目玉は撤回されてしまった。小沢グループ等は、公約違反しては国民の支持は得られないと反対しているが、果たしてそうだろうか。自民から民主に政権交代した要因は、決して民主の政権公約の実現ではなく、体たらくな自民の利権構造の遮断にあった。自民の利権は断ち切れそうだが民主の利権が生まれつつあるのは残念だ。そもそも国民はハナから民主の公約など信じていない。民主は一刻も早く政権公約の呪縛から解放されるべきだ。政権公約がこれほどことごとく撤回された理由は、民主の政権公約が野党しか経験したことがない政党によって作成されたためだ。家庭の事情が分からない者が外から見て最適解を見い出せるはずがない。今家庭の事情を知った民主は全てをサラにして政権公約を練り直すべきだ。民主の公約不履行を質す方法は衆院解散総選挙しかない。次回の総選挙で真面な政権公約を打ち出せるかが、二大政党制が根付くかあだ花に終わるかの分水嶺にあるような気がする。

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科学界の10大ニュース

英科学雑誌ネイチャーでは2011年に科学研究に大きな影響を及ぼした話題の10人を選び「Nature’s 10」として紹介している。その一人として、放射線体内被曝の専門家として国会で「私は国に満身の怒りを表明します」と述べ内部被曝防止活動をしている児玉龍彦教授が選出された。また米科学雑誌サイエンスでは今年の10大成果を特集し、探査機はやぶさが小惑星イトカワから回収した微粒子の分析結果や、大阪市立大と岡山大の研究チームによる光合成に重要なたんぱく質構造の解明が取り上げられた。日本の科学は世界ベスト10に取り上げられるほどレベルは高く評価されているが、国内での評価はイマイチ。厚労省の食品放射能規制値は児玉教授の意見を無視して決められたし、宇宙開発予算は事業仕分けの対象にも載せられたように、寧ろマイナーを通り越し邪魔者扱いだ。政治家にはまず世界レベルの見識を身に着けることが必要だ。

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Winnyの功罪

著作権法違反ほう助罪に問われていたWinny開発者の無罪が確定した。最高裁の正しい判断だと思う。しかしWinnyは使い方によっては大変迷惑な代物だ。以前友人のパソコンからWinnyを通して自分のメールアドレスが流出したことがある。それ以来現在も迷惑メールが舞い込み続けている。スパムメールはプロバイダー側でかなりカット出来るが、すり抜けてくるものも多い。受信した迷惑メールはその都度受信拒否に設定しているがその数は千を超えそうな状況で被害を被っている。この裁判は1審有罪、2審無罪、最高裁無罪と変遷した。Winnyはファイル共有ソフトであり、適法にも違法にも利用出来る中立価値の道具だ。これを違法とするなら、オリンパスの内視鏡開発者も罪に問われることになる。内視鏡は医学分野で有効に使われているが、ノゾキの道具としても使うことは可能だ。内視鏡とWinnyは同じような位置づけだ。Winny開発者の罪を問うほうが非常識と思う。問題はWinnyそのものではなく、使い方にある。インターネット関係の法整備が求められている。

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調査捕鯨は中止へ

シー・シェパードの妨害行為から守るため調査捕鯨に水産庁の監視船を派遣するなどの安全対策を強化するための費用が第3次補正予算に盛り込まれていた。調査捕鯨は水産庁と日本鯨類研究所と共同船舶の3者が中心となり行っているが、今までに100億円もの国費が使われている。果たして国策として捕鯨は必要なのだろうか。現状では日本人の鯨肉離れが続いている。半世紀前頃は牛肉など滅多に食べられず鯨肉を食べる機会が多かったが、今では食用肉の0.05%しかなく国策として確保すべき対象ではない。この10年で在庫量は3倍にも増えているが、値段は高騰している。鯨は19世紀から20世紀半ばにかけてアメリカやオーストラリアが鯨油のため乱獲したため激減した。日本は20世紀初頭から食用のため捕鯨を始めたが、現在公海で捕鯨をしているのは日本だけだ。そのため世界からの風当たりが強い。一方世界的には領海内での原住民生存捕鯨は認められており捕鯨をする国は多い。日本では太地町や南房総市で今も行われている。捕鯨問題には国境を越えた環境・経済・領海・文化などの問題があるため、時として議論が国家間の不寛容な論調に陥りやすい。事実乱獲張本人のオーストラリアは日本の捕鯨批判の筆頭だ。政府は国策としての調査紛いの捕鯨を中止すべきだと思う。鯨文化は領海内での原住民生存捕鯨の範囲内で継続するとよい。その方が現地の鯨漁も鯨食文化も活性化するに違いない。

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ひったくり半減

昨年の「ひったくり」発生件数は千葉県がワースト1位だったが、今年は半減し6位に後退の見通しとか。自治体や警察が防止キャンペーンを展開したことが功を奏した。千葉県は「ひったくり防止ちばカエル作戦」キャンペーンを展開。「バッグはたすきにかけカエル。手荷物は歩道側にもちカエル。バイクの音にはふりカエル。自転車のかごにはカバーをつけカエル」の標語で呼びかけた。ひったくり防止効果のある自転車の前かごカバー2万個を配布。県警は捜査用バイクを40台追加配備。住民ボランティアによる防犯パトロール。たったこれだけの努力でひったくり犯罪を半減出来たのは事実だ。最近の日本人は、自分以外には無関心で子供達が悪いことをしていても注意をしないし、悪質であればそれは警察の怠慢の結果だと非難して済ます傾向が強い。裏を返せばこの体質自体が犯罪増長の原因だったといえる。ニューヨークが地下鉄の落書きを撲滅したことで犯罪が減少したことは有名だ。小さな犯罪を住民自身の手で防止することが健全な町づくりに繋がることになる。自分達の町は自分達で守るという意気込みが日本を住みやすい平和な国へと導くはずだ。

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大阪の夜明け

今日橋下氏が大阪市長に就任する。選挙圧勝後就任前に既に市職員の人件費2割カット検討を指示したり、国の年金制度について現在の賦課方式から積立方式に変える必要性を強調したりと威勢がいい。新たに設置する最高意思決定機関「市戦略会議」は原則報道陣に公開し、意思決定のプロセスを公表する方針とのこと。既存政党よりもやることが早く透明性もありバイタリティーもある。大幅な改革が期待出来そうだ。一方既存政党は情けない限りだ。選挙では反対側に回っていたのに、大阪維新の会が圧勝すると一転して擦り寄ってきた。節操がない典型だ。他人の人気にあやかり操を曲げるのは政治家のやることではない。大阪維新の会以上の政策を立案しダイナミックに変革していく姿勢作りこそが票を伸ばす最大の方法であることを理解していない。日本の政治家は永遠に気付けないのかもしれない。

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二つの誕生日

自分は二つの誕生日を持っている。小学6年生までは12月18日で、中学1年生から12月23日になった。今はどうかは知らないが学校入学時は戸籍謄本か抄本の添付が必要だった。小学校入学時の戸籍は18日だったが、中学校入学時に北海道から取り寄せた戸籍は23日に変わっていた。自分は18日に愛着を持っていたので父に訂正してもらうよう頼んだが断られた。恐らく東京に住んでいて北海道の役所と交渉することが当時の父には煩わしかったのだろう。その当時戸籍謄本が手書きから活字に切り替えられた時期であり、かつ父の誕生日は1月23日、次兄は4月23日なので、単に役所のタイプミスが原因だと思う。「間違いありません」と署名印を押した町長が恨めしかった。かくして自分は渋々23日を受け入れることになってしまった。しかし誕生日が二つあることにもメリットがある。公式的には23日を正としているが親しい人には18日と使い分けている。「本当は18日なんだよね」という言葉が親近感を増幅させている。12月18日は射手座、23日は山羊座だ。星占いを見るときは両方を比較してその都度良いとこ取りをするメリットがある。今では12月23日も気に入っている。祝日なので全国民が祝福してくれていると自分勝手に思っている。誕生日プレゼントを2回もらえるメリットもある。ラッキー。

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自転車ルール

自転車について警察がやっと常識的な対策を発表した。車道走行の原則が強調され過ぎている自転車について、警視庁は東京都内では歩行者の安全を確保することを条件に、歩道走行も柔軟に認めていく対応策などを盛り込んだ自転車総合対策をまとめた。一方で、違法な運転については取り締まりを強化する方針。携帯電話やヘッドホンを聞きながらの走行は極めて危険、指導や取り締まりを強化してほしい。日本の交通ルールは曖昧だ。自転車は軽車両と定義されているが実際には軽車両扱いされていない。自動車のスピード違反も15km/時オーバーまでは検挙しない習わしになっている。日本に必要なのは交通ルール順守の厳格化ではなく、実態に合わせた交通ルールの改正だと思う。

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プリンキピア

アイザック・ニュートンの貴重な資料がケンブリッジ・デジタル・ライブラリーによってオンラインで公開された。本人の注釈が書きこまれた「プリンキピア(Principia)」や、若きニュートンが微積分法を生み出した「雑記帳(Waste Book)」と呼ばれるノートなど約4千頁。早速見ることにした。hisuix stands aloneで検索するとニュートン直筆の資料を見る事が出来た。 感激。昔ケンブリッジの町を散策したことを思い出した。とても落ち着いた大学の町で正に勉強するには最適な場所だ。今から300年も前にニュートンはケンブリッジでニュートン力学を確立し、古典力学や近代物理学の祖となった。古典力学は今でも自然科学・工学・技術の分野の基礎そのもので役に立っている。今回の資料公開はこの分野を勉強する先生や学生にとって大きな励みになるはずだ。さすがケンブリッジ大学はやることが素晴らしい。

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Person of the Year

2007年プーチン大統領、2008年オバマ大統領、2009年バーナンキFRB議長、2010年ザッカーバーグFacebook創設者、そして今年は「世界各国で抗議活動に参加した人々」。これは米誌Timeが選んだPerson of the Year(今年の人)だ。時代の流れを大変的確に表していると思う。この流れを一言でいうと、政治に期待したが機能せず金融経済は崩壊し情報のオープン化により一般市民が格差社会の是正に動き始めた、ということだ。アラブの民主化要求デモや欧米の反格差社会デモはすでに歴史を動かしている。弱い者が何時までも弱い訳ではない。世界中で真っ当な時代が到来しつつある。日本でも声なき声が集まって声をあげる時だと思う。

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神の粒子

学生時代に量子力学や量子化学を学んだが、未だに素粒子のことはさっぱり分からない。勿論アインシュタインの相対性理論も自分にとっては「バカの壁」の外だ。宇宙は137億年前に誕生したそうだが、現在の素粒子物理学の理論では、宇宙はビッグバンにより誕生したとされている。細かく見ると、ビッグバンにより生成し光速で飛び回っていた素粒子がヒッグス粒子の空間で質量を得ることによって宇宙が形成されたとされている。物質や宇宙の成り立ちを説明する標準理論を構成する素粒子の中で、唯一存在が実証されていないのがヒッグス粒子だ。存在が確認されれば標準理論が事実上完成するとのこと。ヒッグス粒子は「神の粒子」と呼ばれている。その「神の粒子」の存在が今まさにCERNの浅井祥仁東京大准教授を含む日本人100人が参加する実験グループ「アトラス」により確認されようとしている。「神の粒子」とはレオン・レダーマンの本のタイトル「The God Particle: If the Universe Is the Answer, What Is the Question? 」に因んでいる。イギリスではヒッグス・ポテンシャルの形がシャンパン・ボトルの底とそっくりなので「シャンパン・ボトル・ボソン」と呼ばれているらしい。確かにノーベル賞ものの発見かもしれないが、宇宙の9割以上は何も解ってはいないのが科学であるということを戒めに、今後もあらゆる面で謙虚な科学探求が求めらるべきだと思う。

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加藤桃子と浅田真央

若い女性の活躍は未来を明るく照らす効果がある。第1回女流王座戦5番勝負は16歳の加藤桃子1級が、女流第一人者の清水市代女流六段を制し初代女流王座に就いた。ルールでは奨励会三段のリーグ戦上位2人が日本将棋連盟の「棋士」四段となる。男女の区別はないが、これまで棋士になった女性はいない。初めての女性「棋士」の誕生も間近かもしれない。将棋界の明日は明るい。一方フィギュアスケートGPファイナルでは高橋大輔(25)と鈴木明子(26)がともに銀メダルを獲得した。この二人も凄かったが、21歳の浅田真央はもっと凄かった。優勝候補の先頭にいたが母親の急変で出場を取りやめ急遽帰国した。母親のため出場してスケートを滑りぬくことも母親に対する一つの表現方法だが、そうはしなかった。優勝最有力者が欠場を決断するには相当な勇気がいったはずだ。かなり苦しんだに違いない。欠場して母親のもとに駆けつけたことは大正解だと思う。結果として浅田真央は自分がフィギュアスケートの奴隷ではないことを確信したに違いない。23日開幕の全日本選手権に出場するとのことだが、この決断で更に一段成長した浅田真央が活躍するのが目に見えるようだ。未来は明るい。

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欧州合衆国

EU首脳会議でイギリスを除く26カ国の参加による財政規律強化の新条約づくりが合意した。欧州は財政統合へ一歩踏み出し、統合の暁には欧州合衆国となり「ドイツ合衆国」と名乗ることになるかもしれない。歴史学者N・ファーガソン「2021:新しい欧州」が10年後の欧州を推測している。イギリスとアイルランドが統合する。ドイツを中心とした欧州合衆国が誕生する。ユーロはなくならず欧州合衆国が引き継ぐ。北欧に北部同盟ができる。ありそうな話だ。欧州はローマ帝国崩壊以来一度も統一されたことがない。ドイツは第一次、第二次世界大戦を戦い欧州統一を目指したが実現出来なかった。今回の財政統合はドイツにとっては統一への3度目の正直だ。実現する可能性は高いと思う。欧州合衆国が実現すれば世界経済も安定するに違いない。せいぜい長生きをして成り行きを見守りたい。

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同期の忘年会

昨日は同じ研究所地区に初任配属された同期の忘年会が有楽町であった。皆65歳以上ではあるが技術コンサルタント、大学講師、薬剤師等々定年後もそのキャリアを生かして働いている者が多かった。団塊の世代より年上ではあるが皆元気そのもの。奥さん同伴も3名おりお蔭で忘年会は華やいだ。次回は先に逝ってしまった2名の墓参りツアーをすることと全員奥さんを同伴することが決まった。年をとっても、たとえ亡くなっても同期の絆が続いている。若いときの共に戦う仲間の絆は最後の一人が逝くまで続くのかもしれない。夜空の月食を見ながら先に逝った仲間の顔を思い出した。

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ロシア下院選

ロシアでは2000年からプーチン派が実権を握り長期政権を維持してきたが、その雲行きが怪しくなってきた。ロシア人は元々強い指導者のもとで大人しく従うことを好む性格。しかし圧倒的な支持を得ていたプーチンにも長期政権による綻びが見えてきた。政治は機能せず政治家と官僚はやりたい放題の無法地帯になりつつある。モスクワ郊外の高級住宅の大半は汚職で肥やした官僚の所有物になっているらしい。一般国民も愛想を尽かしロシア下院選では反対票が増えた。プーチン率いる統一ロシアの対策は選挙の不正行為。同一人が何十回も投票する「回転木馬」、事前に投票箱に大量の票を詰め込む「詰め込み」、投票所職員による「集計結果水増し」等多彩だ。クリントン国務長官が不正行為を非難し、プーチン首相は西欧からの資金援助と市民デモ扇動を非難。日本のように弱い指導者も困るがロシアのような強い指導者にはより困る。強い指導者のもとで無法地帯となったロシアを同じ指導者が立て直せる訳がない。プーチンに対抗できる強い指導者が望まれている。ロシア国民の運命は2012年のロシア大統領選で決まることになる。「ロシアの春」はもうそこまで来ている。 

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野田の分水嶺

第179臨時国会は今日会期延長なしに閉会する。遅きに失した第3次補正予算と復興増税法が成立しただけで、国家公務員改革、衆院票格差是正、国会議員削減、郵政改革等の重要法案は先送りしてしまった。この間国会議員は仕事をせずに無駄飯を食っていたということだ。延長すべき法案があるのに延期しなかった理由は単に一川山岡の問責決議。民主は問責決議後の冷却期間を得るため、一方自民公明は問責決議後の審議拒否によるイメージ低下を恐れたからで自分たちの都合優先国民不在。そして野田が両名の更迭を避けたのは、両名が小沢の民主党離脱防止のための人質と考えたからだろう。社会保障と税の一体改革も、結果として改革なしで増税だけが残りそうな気配だ。細川元首相のアドバイスのように消費税増税を通すには行政改革の抱き合わせが必須要件だ。痛みを伴う行政改革を決断出来るかが、野田が財務省の飼い犬に成り下がるか、歴代名首相に仲間入り出来るかの分水嶺だ。年末年始の休暇中に野田が決断することを期待したい。

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ケプラー22b

NASAは地球に似た惑星を探すために打ち上げた探査機「ケプラー」が、初めて生命存在の可能性のある惑星を見つけたと発表した。「ケプラー22b」と名付けられたこの星は半径が地球の約2.4倍、地球からの距離は約600光年。恒星の回りを290日の周期で公転。表面は地球上と似たような温度だと推定されている。恒星から近すぎず遠すぎず、水と生命が存在できる範囲を「ハビタブルゾーン(住むのに適した区域)」と呼び、惑星がこの圏内に位置するかどうかを基準に観測を進めているとのこと。NASAはハビタブルゾーンにあるとみられる惑星の候補を54個見つけ、そのうち初めて確認されたのがケプラー22b。更にケプラー22bの組成を調べるため、地上から観測しやすい位置に来る来年の夏には、天体望遠鏡を使って質量の計測を試みることになっているらしい。とうとう第二の地球が見つかるかもしれない。もしかするとケプラー22bに住んでいる宇宙人は既に地球を発見し、傷ついた地球を反面教師として「持続可能なケプラー22b運動」に取り組んでいるかもしれない。いずれにしても、夜空の星の光が無機質なものから温かみのあるものへと見え方が変わりそうだ。

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明治毒ミルク事件

明治が乳児向け粉ミルク「明治ステップ」から30ベクレル/Kgの放射性セシウムが検出されたと発表した。原料の大半は原発事故以前の海外産の脱脂粉乳を使用し、埼玉工場で3月中旬に加工したものが12月3日の検査で検出されたとのこと。厚労省は健康への影響はない、暫定規制値200ベクレル以下なので回収は命じないと言っている。明治は無償交換には応じると表明。本当に大丈夫だろうか。7月の衆議院厚生労働委員会において「私は国に満身の怒りを表明します」発言で有名な、放射線医学の第一人者である児玉龍彦東大教授「内部被曝の真実:幻冬舎新書」は警告している。乳児は細胞分裂が活発なため内部被曝の影響が極めて大きい。放射性物質が体内に入るとヨウ素は甲状腺に集まり、セシウムは尿管上皮と膀胱に集まり、その部分が被曝して癌になる。事故後福島の母親の母乳から2~13ベクレルのセシウムが検出されたことに驚愕。と本書で述べている。粉ミルクは通常7倍程度に希釈するので30は4ベクレル以上となる。多くの御用学者は問題ないと言っているが、日本の放射線医学の第一人者の児玉教授の見解を無視してよいものだろうか。安全とは安全サイドで考えるべきものだ。厚労省は「明治ステップ」を全量買い上げ、厚労省職員の乳児に無償提供し己の正しさを立証するとよい。明治は早急に全量回収すべきだ。原因はともあれ乳児を大切にする態度表明が会社の継続に繋がることになるはずだ。

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頑張れモンティ首相

イタリアのモンティ首相が、歳出削減と増税を含む300億ユーロ(約3兆1000億円)規模、2年計画の財政再建策を閣議決定した。年金改革等で200億ユーロ歳出削減、増税と脱税の取り締まり強化で100億ユーロ、雇用経済対策の内容。モンティ内閣は全員非政治家の民間有識者だ。フォルネロ労働・社会政策相は痛みを伴う年金改革案発表時に感極まって涙を見せた。しかし財政再建案そのものや大臣の涙よりも凄いのはモンティ首相の一言「この再建策はイタリアを救うために必要な措置だ。批判するなら欧州諸国でなく、私を批判してほしい。私がいなくても物事は進むが、欧州なくしては進まないからだ」。常に選挙票ばかりを気にする職業政治家には決して言えない殺し文句だ。政治家は政治のみで飯を食っていこうとしてはいけないと思う。明日の飯を考えると目が濁り真っ当な政治が行えなくなる。今後政治以外の職業を持つ人物しか選挙に出馬出来ないように規制すると国政は飛躍的に進むことになるような気がする。

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新元素の命名権

水兵リーベ僕の船(H,He,Li,Be,B,C,N,O,F,Ne)。今から40年以上前の学生時代にやった元素の周期表の覚え方だ。当時の周期表の最後の元素は原子番号102のノーベリウムだった。新元素の命名権は発見者に与えられるため各国の競争は激しく、その後続々と新元素が発見されている。元素に命名権を与えるIUPACが、原子番号114をフレロビウム、原子番号116をリバモリウムと近く正式に命名すると発表した。フレロビウムは発見したロシアの研究所の創立者の名前に、リバモリウムは米ローレンスリバモア国立研究所にちなんでいるという。日本でも新元素が発見されているが命名には至っていない。理化学研究所が2004年と2005年に生成し発見した原子番号113の新元素だ。命名権を獲得するには、あと何回かの生成を成功させる必要があるとのこと。成功の暁には「ジャポニウム(予定元素記号Jp)」または「リケニウム(理研に因む、Rk)」等が命名候補に挙がっているらしい。事業仕分けでこの研究が中止にならないよう祈りたい。

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また平塚へ

今日は珍しく平塚へ今年再びお邪魔することになった。かつてご一緒させていただいた二つのテニス同好会とのテニスや飲み会の掛け持ちになった。両者とも60歳過ぎがメインの集まりだが、皆さん年も取らずにテニスがうまくなっていることに驚いた。自分は週一習っているので腕は落ちてはいないと思っていたが、アニハカランヤ相対的に腕前が落ちていてチョットがっくり。今日は素晴らしく快晴で平塚からは富士山をはじめ三浦半島、房総半島、大島、真鶴半島、伊豆半島が見渡せ、テニス以上に素晴らしい一日であった。平塚には、テニスはさて置き自然がある。感謝。

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原発事故調査委員会

福島原発の事故調査委員会が乱立している。設置者は東電、政府、原子力安全・保安院、学者、日本原子力学会、国会等々花盛りだ。このうち東電と原子力安全・保安院と日本原子力学会は当事者なので真面な調査結果は得られまい。昨日東電が中間報告書を発表したが、内容は案の定自社の正当化自己弁護に終始していた。東電の結論は、原因は想定外の津波による浸水とし、地震による機器破損ではないとした。しかし事実は原発建設に津波を想定していなかったので「想定外の津波によるもの」ではなく「想定していなかった津波によるもの」である。全電源喪失を起こした設計ミスも想定していなかった津波によるものだ。また原子炉格納容器の地震による損傷は現在も確認出来ない状況なので、地震による事故ではないとは結論できない。更にアメリカの情報を素直に取り入れていれば水素爆発も防げたはずだ。しかしながら、この原発事故を東電1社の責任と捉えるのはおかしいと思う。東電は原子力安全・保安院の許可のもと管理・操業していた。原子力安全の指針を構築したのは原子力ムラの住民だ。東電を含めた原子力ムラの住民にメスを入れる調査委員会は果たして現れるのだろうか。

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各地の放射線量

NHK番組「首都圏ネットワーク」を見ていて不快感を覚えるコーナーがある。各地の放射線量のお知らせだ。3月の原発事故以降2~3ヶ月間はこの情報が重要で誰しも必要としたが放送はされなかった。夏から現在に至るまで常に放送されているが、放射線量の値変動はほとんどないので情報としての重要性はない。必要な時には放送しないで、不必要な時にはこれでもかというほど放送する。NHKらしい役所的通り一遍の報道内容だ。この必要もないのに言われたからヤル的態度を不快に思う。NHK的思考を勘案すると、もし今後再び放射線量が高くなり始めたらNHKは放送を停止するに違いない。情報が途絶えた時が危険に陥った時になるのでは、公営放送としての価値はゼロを通り越してマイナス。NHKは公営放送としての使命を真摯に見直し生きた番組作りを目指すべきだ。

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女性宮家

宮内庁長官が野田首相に女性宮家創設を進言し再び話題になっている。天皇の男系継承である万世一系は、日本書紀が正しいとすれば紀元前660年に即位した神武天皇を初代とし2600年以上も続いている。歴史学上では507年に即位した第26代継体天皇からの皇室系譜は信憑性が高く少なくとも1500年以上であることは間違いない。現存する世界の王朝の中で日本の皇室が最長の歴史を有している。皇位継承資格者の不足問題の解決には、旧皇族の皇籍復帰などによって男系継承を維持すべきとする論と、皇位継承原理を改変して女系天皇を容認すべきとする論がある。女性宮家を創設するということは、男系継承を絶って異なる王朝に引き継ぐということだ。1500年以上の歴史ある万世一系を、現在の宮家に男子が少ないからという理由だけで絶ってしまってよいものだろうか。万世一系を続ける方法はある。終戦後GHQにより皇籍を離脱させられた男子を皇籍復帰させればよい。信用は得るのに長時間を要すが失うのは瞬時だ。伝統は信用と似ている。伝統を維持することは難しいが絶ち切ることは簡単だ。伝統を維持することこそ、日本が世界から信用されることにもつながるはずだ。女性宮家創設反対。

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