調査捕鯨は中止へ

シー・シェパードの妨害行為から守るため調査捕鯨に水産庁の監視船を派遣するなどの安全対策を強化するための費用が第3次補正予算に盛り込まれていた。調査捕鯨は水産庁と日本鯨類研究所と共同船舶の3者が中心となり行っているが、今までに100億円もの国費が使われている。果たして国策として捕鯨は必要なのだろうか。現状では日本人の鯨肉離れが続いている。半世紀前頃は牛肉など滅多に食べられず鯨肉を食べる機会が多かったが、今では食用肉の0.05%しかなく国策として確保すべき対象ではない。この10年で在庫量は3倍にも増えているが、値段は高騰している。鯨は19世紀から20世紀半ばにかけてアメリカやオーストラリアが鯨油のため乱獲したため激減した。日本は20世紀初頭から食用のため捕鯨を始めたが、現在公海で捕鯨をしているのは日本だけだ。そのため世界からの風当たりが強い。一方世界的には領海内での原住民生存捕鯨は認められており捕鯨をする国は多い。日本では太地町や南房総市で今も行われている。捕鯨問題には国境を越えた環境・経済・領海・文化などの問題があるため、時として議論が国家間の不寛容な論調に陥りやすい。事実乱獲張本人のオーストラリアは日本の捕鯨批判の筆頭だ。政府は国策としての調査紛いの捕鯨を中止すべきだと思う。鯨文化は領海内での原住民生存捕鯨の範囲内で継続するとよい。その方が現地の鯨漁も鯨食文化も活性化するに違いない。