2021年4月

処理水の水質は如何に

中国は何故福島原発事故処理水の海洋放出に反対しているのだろうか。今までのトリチウム放出の年間MAX値は、中国42兆ベクレル、韓国360兆ベクレルで、日本の放出予定は22兆ベクレルとなっている。トリチウムだけを考えれば、特段の問題は無い。でも、中国が懸念しているのは、通常の稼働下で排出される冷却水とは異なる点だ。事故の翌年2012年に導入した多核種除去設備ALPSが万全でなく、処理水には多くの放射性物質が除去されずに残った事実があった。当初東電は処理は上手くいっていると公表したが、その嘘が共同通信社により暴露されたことがある。今でも東電のHPには、トリチウムが860兆ベクレルあるということだけで、放射性物質の残量は記載されていない。中国が反対する理由は、日本政府と東電による情報やデータの公開が不十分であることと、国内外の反対にもかかわらず、近隣諸国や国際社会と十分な協議もなく一方的に処分を決定したことだ。奇しくも、このブログ「海洋放出の大前提 」「話の順序が違う 」で指摘した点と一致する。柏崎原発の不正入室問題で明らかなように、東電のモラールは地に落ちている。処理水の水質チェックには、徹底的な監視システムの構築が必要だ。

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リーダーの資質による差

広島県が誰もが無料でPCR検査を受けられる広島方式を4月からスタートした。多くのエビデンスを科学的に考察した研究結果を真摯に受け止めた結果だ。合原東大特別教授と上海師範大学の研究グループが、数理工学の手法を用いて蓄積されたデータを分析し、感染症モデルを構築した。その結果、感染拡大に影響を及ぼすのは、感染率、感染に関与する人口、新規感染者の見逃し率の3つのパラメーターであることを突き止めた。感染率を抑えるには3密の回避とマスク着用、感染に関与する人口を減らすには不要不急の外出をやめることやリモート勤務。そして、新規感染者の見逃し率とは、感染しているのにコロナとは思わず、普段どおりの生活をしている無症状者たちのことだ。見逃し率はPCR検査を徹底し、隔離すれば、かなり押さえられることになる。即ち、発症2日前から他人に感染させるという事態を防ぐことが重要だと改めて確認された形だ。この結果を知った湯崎広島知事は即座に反応した。県内の無料検査体制を整備し、薬局で検査キットが受け取れる仕組みも作った。時短要請にかかる費用よりも格段に安く済む。広島方式は「クラスターを潰す」のではなく「クラスターを出さない」方向に舵を切った対策であり、費用対効果も高い政策だ。何故、広島で出来て国で出来ないのだろうか。答え:リーダーの資質による差

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政治のカードゲームと化した五輪開催

東京五輪の5者会議が開かれた。バッハIOC会長、パーソンズIPC会長、橋本五輪組織委員会会長、丸川五輪相そして小池都知事。観客数について4月末に決めることになっていたが、6月に先送りされた。日本国民の7割が五輪中止を望んでいるのに、5者は一様にシラをきって中止に言及せず、無観客に焦点をぼかした。尾身コロナ感染症対策分科会会長の言う通り、既に五輪開催の是非を議論すべき時期に来ている。一説によると、もしIOCが五輪開催困難と言い出しても、日本側は開催するための説得と懇願をする方向で一致しているという。と言うのも政府は、五輪を強行開催すれば財界が喜び、国民も熱戦に酔いしれて批判的言動を忘れ、ひいては自分たちの支持率も大幅回復できるとソロバンを弾いているのだ。そこには、国民の命を守るなどという考えは1ミリも無い。最早、五輪は平和でより良い社会をつくることに貢献するという理念など吹っ飛び、人類のためにもアスリートのためにもなっていない。一方で、菅と小池のどちらが先に五輪中止を言い出し、国民の意を勝ち取るかのカードゲームとも言われ出した。強かな小池がそのうち中止を言い出すような気がする。その後実際に五輪が開催されても、国民の命のため中止と言い出した方が政治的な勝ち組になるのだろう。

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話の順序が違う

唐突な4月13日の日本政府の福島原発事故処理水放出の発表に対し、案の定、中国と韓国が猛クレームをつけた。でも、その後は少し鎮静化している。いきなり放射性トリチウムを多量に海洋放出すると言えば、誰でも反射的に反対してしまうのが道理だ。しかし事実を冷静に考察すれば、中韓がおとなしくなった理由も分かる。事実とは。トリチウムは自然界に膨大な量存在する放射性物質だ。福島第一原発に貯蓄されるトリチウムは約860兆ベクレル。それを年間22兆ベクレル以下の量で放出していく計画だ。一方、韓国は2018年、海水や大気に年間約360兆ベクレルのトリチウムを排出した。中国の大亜湾原発は、2002年に約42兆ベクレルを排出した。年間放出量で比較すると、日本22兆ベクレル、韓国360兆ベクレル、中国42兆ベクレルとなる。中韓が鎮静化した訳だ。でも、問題は多い。問題は政府の発表の仕方だ。処理水放出が理にかなっているかの議論の前に、風評被害をミニマムにする必要があった。特に福島県民にとって風評被害は生活を脅かすことになる。だからこそ、福島県民を筆頭に日本全国民を含め、更に近隣諸国への丁寧な説明が必要だった。これを怠り、話の順序を間違えた菅政権の罪は非常に重い。

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戦犯かヒーローか

3回目の緊急事態宣言を決めた23日に、菅首相は五輪の開催基準を問われ「安全安心の大会にする」とはぐらかした。開催まで3ヶ月と迫っている。大阪ではコロナ重症病床がキャパを超え医療崩壊寸前だ。PCR検査を絨毯爆撃的に実施して、モグラ叩きで感染者を隔離する必要があるが、未だにPCR検査の数は増えない。ワクチンに至っては、未だに2%に届かず、今年一杯でも終わりそうもない。どの面を下げて「安全安心」などと言えるのだろう。SNSでは世界中から「五輪を中止せよ」の大合唱だ。米紙ニューヨーク・タイムズは「五輪を考え直す時」、米誌フォーブスは「日本は緊急事態宣言を発令したが、五輪中止は考えてすらいない」、あるIOC委員は「開催の可否は医療や保健の専門家が下すべきだ。開催されるなら、明確で透明性のある説明が必要だ」、感染症専門家は「大会関係者の隔離もワクチン接種も強制でなければ、感染爆発が起きても不思議ではない」と指摘している。東京五輪開催を決めたのはIOCだが、中止を決める権限のある者は誰なのだろう。今の状況はまるで、太平洋戦争に突き進む昔の日本とそっくりだ。もし菅が決断して五輪返上を宣言すれば、一躍世界のヒーローとなり、首相の座も盤石になるはずなのに。戦犯となるかヒーローとなるかの分かれ道に立たされている。

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きな臭い名古屋

名古屋の河村市長が4期目の当選を果たした。同時に高須クリニックの高須院長から絶交宣言を食らった。大村愛知県知事のリコール運動では協力していたのに一体何があったのだろう。どうも愛知県はきな臭い。発端は愛知トリエンナーレ「表現の不自由展」で、昭和天皇のコラージュ写真の燃やされる映像が展示されたことが契機で、河村と高須の主導でリコール運動が始まった。ところが、署名の8割以上が偽造であることが発覚。結局不正署名を除くと、有効な署名は全有権者の1%しか集まらなかった。しかも、その偽造の首謀者はリコール運動の事務局長だったというから二重の驚きだ。恐らく高須は河村が偽造に関わっていると見て絶交宣言をしたのだろう。でも、一方で河村は、自民と立憲民主が推薦した候補を破り4選を果たした。名古屋市民は、河村が主導したリコールにはNOを表明したのに選挙では河村を支持した。河村は偽造に関わっていないと見做したのかもしれない。でも、真相は未だ闇の中にある。市長も市民も本心が分からない、きな臭い市だ。

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変わらない米国ファースト

コロナワクチンの接種回数が世界185カ国・地域で累計9億回を超えた。国別のワクチン接種回数(人口100人当たり)は、イスラエル115、英国・米国65、EU30、中国15だが、日本は僅かに2。これには、それなりの理由がありそうだ。日本政府は今年の初めに多量のワクチンを確保したと発表した。でも遅々として入ってこない。原因は2つある。1つは、高野孟メルマガに書かれているように、和泉・大坪のコネクティングルーム不倫コンビが口約束まがいのいい加減な合意をしたから。もう1つは、バイデンが就任100日で1億回の接種実現公約を、2億回に引き上げ、ワクチンを横取りしたから。更に米国は、ワクチン製造に必要な37種類の原料、設備の輸出を規制した。その煽りで世界最大のワクチン製造受託機関のインド血清研究所がワクチン生産を中断する危機に直面している。世界的に米国のワクチン独り占めが行なわれている。大統領はトランプからバイデンに替わったが、相変わらず米国ファーストは変わらないようだ。

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3回目となる緊急事態宣言で

3回目となる緊急事態宣言が発令された。マスコミでは数日前から、4月25日から5月11日までになるだろうと報道されていた。そして今日23日(金)午後8時に菅首相の会見が開かれた。問題は緊急事態宣言の内容だ。変異株の感染力は強い。これまでの緊急事態宣言の内容では抑え込むは難しいと言われている。如何に強い内容にするかがポイントとなる。劇場や球場の観客制限、デパートやショッピングパークの開店時間帯、飲食店や路上・公園でのアルコールの是非が問われるが、詳細は明らかにされていなかった。と言うよりは、詳細が決まっていなかった。ところが、金曜日の午後8時になって、いきなり菅が25日(月)から斯様な内容で宣言を行なうと言う。残された準備期間は土日しか無い。制約を受ける側から見れば、無茶苦茶な要求だ。相変わらず、菅の会見は単なる伝達者が喋っているだけで、感染を抑え込もうとする熱意も切迫感も感じられない。海外ではまん延防止等重点措置は失敗だったと酷評されている。5月11日には、緊急事態宣言も失敗だったと酷評されるに違いない。国民への要請だけで乗り切ることが出来ないのは誰が見ても明らかだ。

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お粗末な気候変動サミット

お粗末な気候変動サミットだったと思う。世界40カ国の首脳が参加した会議は、コロナ禍のためオンラインの開催だった。まず内容がお粗末。米国が中国封じ込めのため、西側諸国に二酸化炭素排出削減目標2030年50%を通達。菅はバイデンに問い詰められれば50%を腹積もりしていた。でも、何も言われなかったので46%を表明。だが、政府の検討では39%がマックス。梶山経産相と小泉環境省が46%にでっち上げた。初めから到達不可能な目標を掲げた訳だ。2030年には誰もその職務にはいない。無責任そのものと言える。排出量ナンバーワンの中国は何と2030年から削減を始めると宣った。参加資格さえ無いと言える。オンライン会議そのものがお粗末だった。自分がスピーチする時だけ真面な顔をして、それ以外の時は席を外したりスマホをいじったり、菅などは代理人を座らせていたという。おまけにオンライン会議のシステムもお粗末だった。映像が途切れたり、音声が聞こえなかったりダブったりで、ドタバタそのものだったとのこと。世界中のどの国も、二酸化炭素排出削減の目標だけは高いが、本気度が全く無いことがバレバレの気候変動サミットだった。

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五輪開催強行の理由

バッハIOC会長が、東京都に発令される緊急事態宣言について「東京五輪とは関係ない。ゴールデンウイークに向けて感染者を増やさないための限定的な対策だ」と発言したとのこと。コーツIOC委員長も「東京五輪は必ず開催する」と言っている。IOCは東京五輪開催を強行突破する積もりのようだ。何故これ程までに世論とずれているのだろうか。答えは簡単だ。今やIOCは米NBCの出先機関に成り下がっているからだ。米NBCは夏季・冬季五輪の10大会に1兆3千億円の放映権料をIOCに支払っている大スポンサーだ。だから、IOCには五輪中止という選択肢は存在しない。たとえ無観客でも放映には影響しないから、それも選択肢の1つだ。五輪でコロナ感染が拡大しようが、選手が感染しようが、それは開催国日本だけの責任と思っているはずだ。数ヶ月前日本人の8割が五輪開催に反対していた。でも変異株の拡大により、今やアスリートも含め99%の人が反対している。残りの1%は、国民の命を顧みない菅首相だ。菅が首相の首と国民の命を天秤にかけた結論なのだろう。国民には己の命を守るため声を挙げる道しか無い。

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放送法改正案廃案の3つの理由

NHKは受信料を2023年度に値下げする方針だったが、その放送法改正案が廃案となりそうだ。政府は2月には放送法改正案を閣議決定していた。NHKの受信料値下げの原資となる積立金制度を創設し、受信料を払わない世帯に割増金制度を導入するという内容だ。菅首相が出席して審議することは既に決まっていた。ところが、放送法の改正となれば、野党が菅長男の関与した総務省接待問題や外資規制違反問題について追及することは目に見えている。そのため、会期が2ヶ月も残っているのに、政府は廃案とする調整に入ったという。問題は3つある。1つは、国民のためとなるNHK受信料値下げが阻止されたこと。1つは、受信料の支払いの可否が裁判上でも決着していないのに未払い者を悪者にして割増金制度を導入しようとすること。1つは、閣議決定した法案を菅首相及び長男の個人的な事情で廃案としたこと。どう考えても、菅の総務省泥沼の世界だ。

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第5のがん治療法

関西医科大学が来春、第5のがん治療法として期待を集める「光免疫療法」の世界初の研究所を設立すると発表した。光免疫療法とは、がん細胞と結びつく薬剤を患者へ投与し、薬剤ががんの近くに集まった後に、近赤外線のレーザー光を当ててピンポイントで破壊する方法だ。昨年9月に楽天メディカル子会社が、世界に先駆けて日本で製造販売の承認を取得。現在は日本だけで治療に使え、現在国立がん研究センター東病院や愛知県がんセンター病院など、全国の約20の病院が導入しているという。現在は外からレーザーを当てやすい頭頸部がんに限られている。研究所では、対象を患者数が多い大腸がんや皮膚がんに広げたり、副作用を抑えたりするための研究を進めるとのこと。光免疫療法の治療薬の価格は平均すると1回投与当たり約400万円だが、国の医療保険などで患者負担は1回最大で約30万円になる。2年前にこのブログ「次世代のガン治療法 」に書いたときは、まだ夢の治療法だった。医学の進歩の速さには、いつも驚かされる。

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成果の無い菅訪米

どうやら菅・バイデン会談は、菅の失敗に終わったようだ。菅本人は大成功と言っているが、共同会見で失敗が露呈した。米国の会談の目的は、対中政策について日本の同意、日本の目的は東京五輪についてバイデンの開催支持と訪日といったところだろう。バイデンは「五輪開催のための菅の努力は支持する」と言ったが「五輪開催を支持する」とは言わなかった。ロイター通信が菅に「公衆衛生の専門家たちが、日本は東京五輪を開催する準備ができていないと指摘しているなか、開催するのは無責任ではないか?」と質問したが、菅は答えず何とスルーしてしまった。翌日ロイターは「パンデミックを封じ込められない東京五輪は再考しなければならない」と世界に報道した。結局、菅の訪米が「日本はパンデミックに打つ手無し」を世界中に喧伝されることになってしまった。これから世界各国から五輪不参加の通知が舞い込むに違いない。菅は訪米の成果として、コロナワクチンの確保を取り上げた。でも、ファイザーのCEOに電話することは日本に居ても出来ることだ。バイデン会談のお土産が無いのを察し、安全牌としてワクチンで誤魔化したかったのだろうと憶測出来る。

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聖火リレーの実態

聖火リレーの非常識については「当たり前ではない今の日本 」に書いた通りだ。大阪では公道を回避し誰も居ない万博跡地を走った。松山市では賢明にも聖火リレーを中止した。変異株による第4次感染が拡大している状況下で、聖火リレーを継続するのは愚の骨頂だと思っていた。ところが、実態は想像を遙かに超えているようだ。今回の聖火リレーは、まず五輪スポンサーの街宣車が、大音量を響かせながら登場するという。肝心の聖火ランナーは、街宣車が通り過ぎるのを片隅でじっと待ってから、付け足し程度の存在で走るという。観衆が目にするのは、コカ・コーラやトヨタ自動車、日本生命、NTTグループなど、スポンサー企業名が大書された改造車両の大行列だという。赤や青の派手な色に塗装し「ゆず」や「EXILE」などの曲を大音量で響かせ、荷台の上ではDJがマイクを使って「踊って楽しみましょう」などと叫び、多い時は約30台もの車列が続くのだ。しかし、決してテレビ映像では放映されない。放映されるのは柔やかなランナーだけ。もしマスコミに真実を伝える志が少しでもあれば、日本人の五輪を見る目は変わっていると思うのだが。情報は切り取られるものなのだと再認識した。

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珍しく真面な意見

失言を得意とする麻生財務相と、意味不明な言葉をつぶやく二階幹事長が、珍しく真っ当な意見を述べた。麻生はトリチウム含有処理水放出について「WHOの基準で7分の1まで希釈してあるから普通の水だ」と発言。それに対し中国が「飲んでから言え」、麻生「飲めるんじゃないの」と応酬。更に中国の「公海に流すべきではない」に対し、麻生は「じゃ公海は中国の下水道なのか」と反論。日本の処理水が本当に放射線量が低くいのであれば、汚水を垂れ流し海洋を汚染させている中国に対し、麻生の勝ち。珍しく真面な論争だと思う。一方二階はコロナ蔓延に関し、五輪中止に言及した。五輪中止発言は、IOC、JOC、都知事、首相、マスコミにとって絶対的な禁句だ。戦時中の軍部のように、中止発言をした者は売国奴と見做され葬られる運命にある。でも、現状の日本の8割と世界の大半は、五輪開催は不可能と思っている。だからこそ、二階の五輪中止発言には重みがある。珍しく真面な意見だと思う。でも、考えようによっては、天変地異かもしれない。思っても見ない輩が思っても見ない発言をする。もっと恐ろしい事が起きる前兆現象かもしれないとも思えてならない。

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海洋放出の大前提

復興庁が公開したトリチウムをゆるキャラ化したチラシと動画が一日にして休止された。風評の払拭が目的とはいえ、放射性物質のトリチウムを、無害だから飲んでも良いとは、度を超している。復興庁は福島の抱える現実の厳しさを全く理解していないし、むしろ風評を煽っているとも言える。まあ二階にラストチャンスとして滑り込ませてもらった平沢勝栄が長官なのだから、追って知るべしだ。福島原発事故の放射性排水の処理は、初めにセシウム134と137、ストロンチウム90を分離し、その後、多核種除去装置ALPSで残った放射性核種62種類を基準値以下になるまで除去するという方法だ。このALPSでも分離できないトリチウムだけが残ってしまったものが処理水と呼ばれている。海洋放出を閣議決定したしたのが、この処理水だ。トリチウムは現代技術では分離する方法が無いから海洋放出はやむを得ないと思う。しかし、海洋放出するには大前提がある。トリチウム以外の放射性物質が基準値以下まで除去されていることだ。2018年のニュースによると、処理水89万トンのうち75万トンが基準を満たしていなかったとのこと。ALPSは未だに未完の装置なのだ。マスコミはトリチウムの希釈倍率だけに焦点を当てているが、タンクに貯蔵されている処理水の実態に目を向けるべきだと思う。

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当たり前ではない今の日本

IOCコーツ委員長が「東京五輪は必ず開催される。人々が協力し合うことで感染症の世界的な流行に人類が打ち勝ったことを示す大会となるだろう」と述べ、大会の予定どおりの開催を断言したという。世界中がコロナ変異株による第4波に曝されれているこの時に、世界一浮ついた言葉と言える。困ったことに、政府と五輪関係者が悪乗りしている。大阪では、聖火リレーが粛々と行なわれている。変異株による感染拡大で過去最多を記録し、マンボーでは歯止めが利かず、緊急事態宣言を要求している状況だというのに。万博跡地で観客も入れずにランナーが走っているという。感染過去最多と聖火リレーの対比は、誠に間が抜けている。漫画の世界だ。数年後のパリ大会では、東京の頓馬な映像が流されるに違いない。でも真っ当な判断を下す自治体もある。四国の松山市だ。聖火リレーを中止したという。英紙ガーディアンは、五輪強行に対し、日本とIOCに自問を促す記事を載せた。良識があると思う。いや、良識などという高等な判断では無く、極当たり前の意見だと思う。当たり前ではないのが今の日本だ。

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東芝がきな臭い

東芝がきな臭い。日経が「東芝に英ファンドCVCが2兆円超で株を非公開化する買収提案を行なった」と報じた。更に東芝は提案を受領し、審議を開始したと発表した。東芝は2015年の不正会計の発覚以来ゴタゴタが続いている。今は物言う株主エフィッシモ・キャピタル・マネージメントと車谷社長との確執が続いている。戦いはほぼ物言う株主の勝ちで、東芝幹部も車谷にNOを突きつけている。3年間の任期中、再建やガバナンスの確立は進んでいないし、業績は2020年3月期に1千億円超の最終赤字に転落したのだから当然だ。CVCは東芝というより車谷を助けるのが目的かもしれない。車谷は東芝に来る前はCVCの会長だった。今回のCVCの買収提案は、企業の合併・買収の世界で禁じ手とされる「経営陣の自己保身」と言えそうだ。更に藤森東芝社外取締役はCVC日本法人の最高顧問でもある。利益相反の問題もある。事実上破綻していた東芝に対し、何度も無理筋の救いで延命させてきた経産省の責任は大きい。買収の成否にかかわらず、最早東芝の再生は不可能のように思う。

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祝:松山選手

今朝は寝不足の人が多かったようだ。今日のテニス仲間はテニスのことではなく、松山選手の話題で持ちきりだ。目を擦りながら、未だ興奮冷めやらずという感じ。日本人初、いやアジア人初のマスターズゴルフトーナメント制覇なのだから、当然と言えば当然。テレビ視聴率は、真夜中でも6%近くあり、その番組の占拠率は54%に達したという。恐らく真夜中の視聴率も占拠率も過去最高であったに違いない。自分は7時過ぎから見たので、後半松山選手がボギーを重ねていく姿にハラハラした。優勝が決まった時、何と解説の中嶋常幸もアナウンサーまで涙声になった。松山選手は、大会が始まる前に「優勝出来そう」と言っていたという。優勝出来た要因は何だろう。勿論、10年間もマスターズと戦い続けた松山選手の努力であることは間違いない。でも、努力をしたとしても決して優勝など出来るものではない。大会終了後に、肩を抱き合うチーム松山の映像が印象的だった。チーム松山こそが、優勝を陰で支えた原動力だったと思う。一説によると、この優勝は日本に1200億円の効果をもたらすという。コロナで湿りがちな日本を一気に明るくさせてくれた。優勝という文字の裏にある絶え間ぬ努力が表に現れた時、人々は感動を覚えるのだろうと思う。

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何故フジはOKで東北新社はNGなの?

フジテレビを傘下に持つフジ・メディアHDが過去に放送法の外資規制に違反し、議決権の外資比率が20%を超えていたことが明らかになった。ところが、武田総務相は認定取り消しをしないという認識を示したという。東北新社の場合は、20%を超えたので即認定取り消しの措置がとられている。杓子定規の形式的法治主義であれば、両社共即アウトだ。でも放送法の理念は「報道を外国に支配されないようにする」ということだ。法違反を判断するには、積極的に外国人の支配を受け入れようとの意思があったかどうかがポイントになる。その意味では両社共、認定を取り消すほどの違反とは言えない。両社共認定を取り消すべきではなかった。東北新社には極めて恣意的な判断が行なわれたと言える。では何故フジテレビと東北新社の判断は分かれたのだろう。東北新社には菅の愚息がいて総務省とズブズブの関係にあったことがバレ、菅との関係性を有耶無耶にするため収束を急いだと考えるべきだろう。一方フジテレビには会長を退任したものの、代表者として引き続き影響力を残し、政界と太いパイプを持つ日枝がいる。総務省は今一度法の原点に立ち戻るべきだと思う。

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トリチウム汚染水処理の行方

菅政権が、福島原発事故トリチウム汚染水を海洋に放出処分する方針を固めたとのニュース。13日にも関係閣僚会議を開き正式決定するとのこと。それに先立ち、菅首相は全国漁業協同組合連合会の岸会長と会談した。岸会長は放出反対の姿勢を崩さなかったものの、海洋放出をするなら国民への丁寧な説明や風評被害の対策をすることなどを要望をしたという。現代技術ではトリチウムを除去する方法が無い。海か空に放出するしか手段は無い。今まで安倍前首相はこの問題を先送りしてきた。菅が尻拭いの最後のクジを引いた訳だが、海洋放出を決断したことは大いに評価出来ると思う。でも、問題はそのプロセスにある。海洋放出が最適であることは10年前から分かっていた。実行するに当たっての問題は、日本だけでなく全世界の人々に理解してもらうことと、福島産のみならず日本全国の魚介類への風評被害を生じさせないことだ。この説明と対策が、まずあって、理解を得て風評被害を最小にする努力をして、その後に、海洋放出を決定すべきだったと思う。そのプロセスを省いたということは、菅は福島漁連に対して安易に金で決着をつけようとの魂胆だと憶測出来る。これでは、必ず失敗する。後付けの説明は言い訳に聞こえ、納得する者などいるはずがない。

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(菅)vs(国谷&武田&有馬)の構図

NHKが「クローズアップ現代+」を来年春に打ち切るとの他社報道を否定した。そもそも国谷祐子時代から定評のあるクローズアップ現代を何故打ち切るのだろうか。一言で言えば「NHKは自民政治に翻弄されている」からだと思う。国谷祐子の降板理由は、当時の菅官房長官に集団的自衛権に関するインタビューを執拗にして、反感を買ってしまったからだと言われている。「クローズアップ現代+」の武田エグゼクティブ・アナウンサーが突然降板させられた。降板理由は、菅首相に日本学術会議の任命拒否問題について質問を重ね、反感を買ったからだと言われている。ニュースウオッチ9の有馬キャスターも菅首相に日本学術会議の任命拒否問題について質問を重ね、反感を買って急遽外された。NHKはクローズアップ現代+の打ち切り報道を否定している。でもインファクトの記事と証拠を見れば、打ち切りに動いた事実は間違いない。クローズアップ現代+が終わるのは間違いなさそうだが、菅によるNHK蹂躙は終わりそうもない。(菅)vs(国谷&武田&有馬)の構図を見れば、菅のNHK支配が見て取れる。これを放置して良いのだろうか。

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嘘をつくより、黙っていた方が

BBCは昨年、中国政府が新疆地区の綿花畑で、ウイグル族などの少数民族何十万人もに手作業を強制しているとする調査報道をした。それに対し中国政府はBBCを国内での取材活動を禁止する措置をとった。ナイキとH&Mは強制労働の懸念を表明した。その結果、中国市場から閉め出された。ウイグルのジェノサイドについて触れることは、中国政府だけでなく中国国民からも猛反発を受けることになっている。ところが、日本企業も関係しているようだ。オーストラリアのシンクタンクに「中国のウイグル族の強制労働に関与している」と日本企業14社が指摘された。国際人権団体「ヒューマンライツ・ナウ」と日本ウイグル協会が日本企業14社に質問し、結果を公表した。会見の発表によると、質問に回答した13社は強制労働はなかったとしている。13社とは、日立製作所、ソニー、TDK、東芝、京セラ、良品計画、三菱電機、ミツミ電機、シャープ、ファーストリテイリング、任天堂、しまむら、ジャパンディスプレイだ。唯一回答しなかったのはパナソニックだった。パナソニックは国際人権団体から厳しく批判されているという。でも、情報が統制されている中国では強制労働がされているか調べるのは難しいという事情がある。ひょっとすると、パナソニックだけが真摯に調査に向き合った結果なのかもしれない。嘘をつくより、黙っていた方がましだと。

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開いた口が塞がらない

大阪が変異株で感染拡大している。ところが、政府はまん延防止等重点措置を出し渋っている。5日にやっと大阪、兵庫、宮城に出されたが、既に時遅しだ。感染は増加の一途を辿っている。東京都にも出すべきだが、小池は動かない。相変わらず自粛を促すだけで新たな対策はゼロだ。やる気が失せてしまったかのように見える。菅首相は「必要であれば躊躇無く出す」とは言っているが、躊躇している。更に「まん防は強力だ」と言っているが、決して強力ではない。むしろ、弱過ぎる。感染拡大を防ぐには、早めの対策が必須だ。効果が少ないまん防を出し渋っているのだから、開いた口が塞がらない。もう一つ、開いた口が塞がらないことがある。聖火リレーの強行だ。多くの人が集まって、大きな声で声援している。走者の周りは常に密状態が続いている。特に走者が有名人の時は尚更だ。もし、本当に感染を防止したいのであれば、聖火リレーを中止するか、有名人を外すなどの対策をとるはずだ。でも、何もしない。あたかも、政府が密状態を作り上げ、感染拡大に励んでいるかのように映る。

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認証マークあれこれ

自民候補を大差で破った熊谷新千葉県知事が、就任早々コロナ対策の新手を打った。新型コロナウイルスの感染予防対策が適切に行われている飲食店を独自に認証し、営業時間の短縮要請の対象から除外することなどを検討する新たな制度を導入するという。新たな制度では、申請を行った飲食店に調査員を派遣し、客同士の距離の取り方や換気の方法などについて、感染予防対策が適切に行われているか定められた項目についてチェックを行う。対策が十分だと判断されれば、県がお墨付きを与える形で「認証マーク」を交付し、認証された場合は営業時間の短縮要請の対象から除外したり、緩和したりすることを検討する。この方法であれば、感染防止の効果は上がるし、営業活動にも支障が出ない。客も安心して入店出来る。感染防止対策を行なっている飲食店から出る、不公平となる一律時短要請への不満も解消されることになる。まさに優れたコロナ対策だと思う。思えば、東京都の「認証マーク」は酷かった。何のチェックも無く、店が申請さえすれば認証マークを掲示することが出来た。大袈裟に言えば、東京都の認証マーク制度が、感染を拡大させたとも言える。この際、熊谷千葉県知事方式を全国に適用すべきだと思う。

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お寒い政治体質

政府は、中国のウイグル人種差別問題や香港弾圧問題について極めて消極的だ。茂木外相/王毅外相会談では、日本と中国は世界第2位と第3位の経済大国で、地勢的に隣接しており、表向きには互いに円満な関係維持に努めていくことでは一致している。日本は尖閣、南シナ海、香港、ウイグル自治区、北朝鮮の核について、中国が安保理決議を徹底的に履行するように確認するという目的を達成したとしている。しかし、中国は香港、ウイグルは内政問題だから干渉するなと言い、日米同盟やクアッドを上げ「米国の言いなりにならず、日本は独立自主国になれ」と主張している。香港、ウイグル問題に対する国内の政治的動きは貧弱だ。一応JPACという、国安法の導入で不当な弾圧を受けている香港の人々を支援しようと結成された超党派の国会議員連盟はある。超党派とはいえ公明党、社民党、共産党の議員は所属していない。菅政権閣僚は後ろ向きで、自民内は二階幹事長を筆頭に親中派が多くまとまっていない。枝野立憲民主も腰が引けている。ところが、JPACには参加していないものの、実は中国の香港に対する弾圧即時中止、国安法撤回をはっきりと明言しているのは日本共産党だけなのだ。何故他の政党は日本共産党のように明言出来ないのだろうか。日本のお寒い政治体質では、意見を述べる体力も無いのかもしれない。残念。

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目の上のタンコブ

行政機関が一個人の発言を咎め、謝罪を要求した。言論封殺であり有ってはならい事だ。その行政機関は東京都、一個人はタレントのカンニング竹山。テレビ番組内で竹山が「動画制作1本に4.7億円の税金が使われている」と発言したあと、スタッフに誤りを指摘され数分後に「動画制作だけでなく広告費全体の経費でした。すみません」と訂正・謝罪した。それに対し東京都は放送の翌日にTBSと竹山の所属事務所「サンミュージック」へ番組内での発言の訂正を求める抗議文を送付したという。しかし、その後都は「抗議文じゃなくて注意文だから謝る必要はない」とトーンダウンしたという。竹山といえば、テレビやネットで都政への不満を爆発。舌鋒鋭く「小池さんは何もやってない」と批判する辛口コメントが売りだ。以前から竹山に一矢報いることを考えていたのだろう。でも都の役人が自発的に抗議文を送り付けたとは考えにくい。恐らく、目の上のタンコブである竹山が失言したので、小池が一気呵成に懲らしめようと役人に指示したに違いない。しかし竹山が謝れば、小池の言論封殺に対し批難のブーメランが戻ってくることに気付いたのだろう。そして抗議文は注意文に変わり、その注意文も無かったことに移り変わっていくのだろう。

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コップの中の嵐

大阪でコロナ新規感染者が増加している。東京よりいち早く緊急事態宣言を解除したが、今度は緊急事態宣言に準ずる対応が可能な「まん延防止等重点措置」を要請している。この大阪の要請に対し、官邸筋が「行き当たりばったりの対応で失敗」だと酷評しているという。果たしてそうだろうか。感染増加が閾値を超えれば要請を出し、下がれば解除するのが当然の措置であり、決して行き当たりばったりではない。そもそも政府が初めて出した緊急事態宣言は遅きに失した。感染の発生は約2週間のタイムラグがあるから、宣言と同時に感染が減少したのは宣言の効果ではない。宣言など出さなくても自然減少したのだ。政府はすぐに誤りを表明すべきだった。政府は緊急事態宣言を出したくないから、急遽まん延防止等重点措置を創設した。でも、まん延防止等重点措置を出すことに後ろ向きだ。すでに宣言を出す事態になっているというのに。これを優柔不断という。一方国民から見ると、宣言と措置の差は殆ど無いと言える。更に言えば、緊急事態宣言そのものが感染防止対策としての効果を果たしていない。政府が出し惜しみをするような代物ではない。大阪と官邸の言い争いはコップの中の嵐に過ぎない。政府は、より感染防止効果のある宣言に改正すべきだと思う。

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シブコのターニングポイント

渋野日向子プロがスイングを変えた。海外プロでは主流になっているシャローで手を返さない打ち方だ。飛距離が伸びるし、引っかけを防止出来ると言われている。変えたのは石川遼プロのアドバイスによるという。樋口久子元会長は「シャロー過ぎる。全英で勝ったのだから、スイングはいじらない方が良い」と言っていた。それも一理あるが、渋野にしてみれば世界で戦うには進化が必要と考えたのだろうとは思う。それにしても、大きな決断だ。何故踏み切れたのかが不思議だった。ところが、テレビ番組「ゴルフサバイバル外伝」を見て納得した。ゴルフサバイバルは女子プロなりたて前後の若手が競うゲームだ。渋野が2018年に登場して、途中で敗退した。敗退者には男子プロがアドバイスをすることになっている。全英にも出場したことのある渡辺司プロだった。その時の会話がこうだ。渡辺「リスクを取って挑戦する方か」渋野「堅実な方です」渡辺「堅実なゴルフをする者は上手くならない。挑戦しないと大きく成長しない」渋野「・・・」。この会話が渋野にとってターニングポイントになったのかもしれない。しかも、それがしっかりと根付き、精神的にも樋口を超える存在になりつつあるようだ。海外で頑張れ!シブコ。

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毎日がエープリルフールのよう

独自動車大手フォルクスワーゲンが電気自動車EVへの転換をアピールする目的で米国法人の名称をボルツワーゲンVoltswagenに変更すると発表した。Voltsは電圧、wagenは自動車だから、時代に沿った社名変更だ。信ぴょう性を疑う向きもあったが、同社広報が事実だと主張したため、メディア各社は一斉に報じた。でも社名変更はマーケティングチームが考案したジョークだったとのこと。メディアはフォルクスワーゲンのエープリルフールに見事嵌まってしまった訳だ。メディア各社は激怒し、フォルクスワーゲンは謝罪したとのことだが、面白いジョークだと思う。一方日本では、去年の4月1日に安倍前首相がガーゼマスク2枚を各家庭に配布すると発表した。悪い冗談かと思ったが本当だった。ジョークであれば良かったと思ったものだ。一昨年の4月1日は新元号「令和」が発表された。新元号は有識者会議で検討されたが最終候補に「令和」は無かった。急遽安倍の命で最終案に「令和」が付け加えられ、何故か有識者の投票により選ばれた経緯がある。安倍の横槍が無ければ、新元号は英弘、久化、広至、万和、万保の中から選ばれていた。安倍時代は現実とフェイクが混在する時代だった。毎日がエープリルフールのようだった。

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