聖火リレーの実態

聖火リレーの非常識については「当たり前ではない今の日本 」に書いた通りだ。大阪では公道を回避し誰も居ない万博跡地を走った。松山市では賢明にも聖火リレーを中止した。変異株による第4次感染が拡大している状況下で、聖火リレーを継続するのは愚の骨頂だと思っていた。ところが、実態は想像を遙かに超えているようだ。今回の聖火リレーは、まず五輪スポンサーの街宣車が、大音量を響かせながら登場するという。肝心の聖火ランナーは、街宣車が通り過ぎるのを片隅でじっと待ってから、付け足し程度の存在で走るという。観衆が目にするのは、コカ・コーラやトヨタ自動車、日本生命、NTTグループなど、スポンサー企業名が大書された改造車両の大行列だという。赤や青の派手な色に塗装し「ゆず」や「EXILE」などの曲を大音量で響かせ、荷台の上ではDJがマイクを使って「踊って楽しみましょう」などと叫び、多い時は約30台もの車列が続くのだ。しかし、決してテレビ映像では放映されない。放映されるのは柔やかなランナーだけ。もしマスコミに真実を伝える志が少しでもあれば、日本人の五輪を見る目は変わっていると思うのだが。情報は切り取られるものなのだと再認識した。