2017年6月

世代の相違

実感として、自分はもう60歳になるのかと思うのだが、実年齢は70歳。近年は昔に較べて、実年齢よりも8掛け程度に若くなっているというから、あながち間違いではなさそうだ。でも年々世代の差を感じるようになった。自分から見れば、少し年下の世代は、戦後のより豊かな時代に育った人たちに見えるし、それより若い人たちは、新人類と言われる異質な生き物にも見える。ましてや10代は異邦人というよりはインベーダーに等しい。そんな折りAmebaTVでマジガチランキングが放送された。10代男女650名以上のアンケートに基づき「カメラの前だけで良い人を演じていそうな芸能人」「マジで選挙に出馬して欲しい有名人」のアンケートランキングが発表された。その結果が面白い。「カメラの前だけで良い人を演じていそうな芸能人」とは、好感度の悪い人に違いない。1位の広瀬すずを筆頭にワースト10に女性が9人もランクイン。女性上位だ。嫌いなAKBが沢山入っていたことに納得。唯一男性は3位に櫻井翔。一方「マジで選挙に出馬して欲しい有名人」の1位は何と櫻井翔。それに、たけし、さんま、マツコが続く。唯一女性(?)はマツコだけ。男性上位だ。70代から見た10代。気が合うはずは無いと思っていたが意外に共鳴する点がある。人を見抜く力に関して、70歳の自分が10代とほぼ同じであったことが少し嬉しい。同時に10代もさほど70代と変らないことに安堵した。世代が変れば、生活習慣も価値観も違う。でも、人を見抜く力に違いは無い。明日が明るく見えてきた。

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所有者不明土地の活用を

国内の持ち主不明の土地は九州よりも広いと所有者不明土地問題研究会が公表した。研究会の座長はあの岩田元総務相だから、あながちウソでもあるまい。名義人の死亡後も相続登記されなかったり、住所が変わって名義人と連絡がつかなくなったりしている土地の推定面積が410万ヘクタール。日本の面積が3780万ヘクタールだから、日本全土の11%が所有者不明ということになる。所有者不明ということは、その土地が活用されておらず税金も徴収出来ていないということだ。所有者が不明になる背景は、主に土地の資産価値の低下。管理コストや固定資産税の負担が資産価値より重いから、法定相続人がだれも相続登記せず、長年にわたって放置される構図だ。長年にわたって放置されると、子孫らの相続人数が増え過ぎて、事実上相続も売却も出来ない塩漬け物件になる。政府や自治体による、所有者不明土地を利用・活用出来るようにする制度作りが必要だ。今レアメタル業界では、スマホなどの電子機器からレアメタルを回収する都市鉱山が注目され実施されている。鉱物資源に乏しい日本で新たな鉱山を開発したということだ。所有者不明土地も同じ。この狭い日本が埋め立て工事もせずに、1割も広がることになる。しかも、コストは掛からないし、税金収入も見込める。政府が制度作りに汗をかくだけで、巨万の富が転がり込んでくる。やらない理由は無い。

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都議選:役に立たない党首たち

都議会議員選挙が始まった。1100万人超の有権者に対し、各党のトップが国政選挙さながらに街頭で第一声を発した。だが、自民安倍は学園問題や共謀罪の異常採決でイメージが悪く出番無し。公明山口は知事と協力して都政を推進するとは言うが具体策は無い。民進蓮舫は都議会が予算を公共事業中心か福祉なのかを問いたいと言うが、民進の主張は分からない。共産志位は憲法の改正問題も都議選の大争点だと主張する。維新松井は小池の東京大改革は否定しないが寄せ集めでは改革は出来ないと言い、未だに大阪の失敗を引きずっている。社民吉田は相変わらず貧困格差の縮小。小池都民の会は古い議会を変える好機で、予算をワイズスペンディングと言うが、具体策は無い。こんな党首たちの演説を聴いて都民は投票先を決めることが出来るのだろうか。都議選は国政選挙ではない。都民の問題を解決するための具体策が必要だ。候補者がその具体策を競い合い、都民はその内容を確かめて1票を投じるのが筋。このままでは、イメージ投票に終わりそうだ。こんな最中に、稲田防衛相の大失言が飛び出した。自民党候補の応援演説で「防衛省・自衛隊、防衛大臣、自民党としてもお願いしたい」と発言した。自衛隊が当該候補を応援していると言ったのだ。自衛隊は軍隊だ。軍隊が政治的中立であるべきことは世界の常識。自衛隊法にも「選挙権の行使を除く政治的行為をしてはならない」と政治的行為が制限されている。これは失言というレベルではない。防衛の基礎中の基礎も知らない防衛相は失格だ。今後稲田が自衛隊に如何なる指示を出すのか、考えるだけでも恐ろしくなる。安倍の政治私物化と稲田の自衛隊選挙応援で、自民は壊滅的に敗れるに違いない。自民都議候補らは如何なる気持ちで戦っているのだろう。

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コメンテーターいろいろ

14歳の藤井四段が29連勝し30年ぶりに公式戦連勝新記録を達成した。マスコミは大騒ぎだ。今日の昼間の情報バラエティ番組は藤井四段一色。偶々羽鳥モーニングショーという番組を見た。藤井四段の生い立ちから幼少期、現在に至るまで詳細に取材内容を繰り広げている。話は昔の升田九段時代の話にも及んだ。ところが、なかなか肝心の29勝目の将棋盤解説が出てこない。シャベリの主体は、羽鳥とコメンテーター3人。コメンテーターの男Aと男Tは、将棋盤が出てくると「うわー、出てきちゃったよ」と一言。この番組のハイライトだ。男Aは「やっと出てきた。待ってましたよ。解説をお願いします」とプロ棋士に依頼した。ところが、男Tは「何故将棋盤など出すのよ。自分は将棋を知らないから、面白くない。こんな解説は不要だよ」と発言した。「うわー、出てきちゃったよ」は同じだが、反応が真逆だったので印象が深い。男Aも男Tも50歳代。この年代の日本男児で将棋のルールも知らない人は珍しい。貴重というよりは落ちこぼれ。自分がコメント出来ないから将棋盤を避けたのだろう。コメンテーターが何もかも知っている必要は無い。しかし、コメント出来ない対象を排除する姿勢は間違っている。しかも排除する姿勢は自己保身そのもの。コメンテーターは何でもシャベレば良いというものではない。なんちゃってコメンテーターが多過ぎる。

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狂った世界

タバコは健康に悪い。自分は嘗て超ヘビースモーカーだったが、30年以上前にキッパリと止めた。止めていなければ今頃この世にはいなかったと思う。止めて良かった。日本の喫煙率は、1965年は50%だったが2016年には20%に減っている。当然世界的傾向かと思っていたが、そうでもなさそうだ。寧ろ世界的には喫煙人口が増加しているとのこと。中でも増加が顕著なのが東南アジアと中国。先進国では減少しているが、発展途上国では増加傾向にある。タバコは年間6億人をも死に至らしめている。タバコによる病気の健康保険支出と、病気になった人の生産活動の喪失を合わせると、世界のGDPの約2%の損失に相当するという。しかも、この莫大な経済損失被害の40%は新興国に集中している。一方、世界の大手タバコ会社はM&Aを繰り返し巨大多国籍企業となってきた。市場価値では、フィリップモリスとブリティッシュアメリカンタバコが二大巨頭だが、何と日本たばこが世界3位に顔を出している。巨大多国籍企業が富を独占し、新興国に害をまき散らすという構図だ。タバコ会社は死の商人と言える。せめて日本たばこが縮小するよう、日本人が努力する必要がある。だが、それを出来る政治家たちは政治献金に縛られ手も足も出せないし、経済界はGDP拡大に夢中で善悪を考えない。狂った世界としか言い様がない。

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殿ご乱心は浮世床

安倍首相が講演で加計学園問題に触れ「1校に限定して特区を認めた中途半端な妥協が、結果として国民的な疑念を招く一因となった。今治市だけに限定する必要は全くない。地域に関係なく、2校でも3校でも、意欲ある所にはどんどん新設を認めていく」と述べたとのこと。これまでの「一切関わっていないし、関わる立場でもない」との主張を根底から否定する発言だ。元々私立の獣医学部の受験倍率は1倍だから、加計学園の獣医学部など新設する必要はなかった。それを友達の誼で新設を認めたから問題視されている。でも、あろう事か更に2校でも3校でも新設するという。もし新設してしまえば、それこそ大失敗した法科大学院の二の舞いだ。法科大学院新設を申請通り70校全てに認めてしまったため、資格を取っても仕事にありつけない修了者を大量に生み出す結果になってしまった。安倍は加計学園醜聞を薄めるには、他の新設校を増やせばよいと考えたのだろうが、浅知恵過ぎる。きっと内閣府の連中は「殿、ご乱心」と言ったに違いない。我々庶民から見ると、まるで落語の「浮世床」だ。一尺二寸の大太刀だと言ってしまい短すぎると指摘される。一尺二寸は幅だと切り返すと、それでは相手が見えないだろうと指摘される。だから、その幅には窓が開いていると言い訳をする。その窓と2、3校新設のイメージがぴったりと重なって見える。どうやら落ちる所まで落ちてしまったようだ。

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キリンフリーの市民権

スーパーの酒類コーナーは花盛りだ。各種各様のアルコールたちが我こそはと競い合っている。最近はノンアルコールビールがその一角を占めている。ノンアルコールビールが不動の地位を築いたようだ。ネットでは、会社の就業時間内の昼休みや休憩時間にノンアルコールビールを飲むことの是非が俎上に載せられ議論が繰り広げられているとのこと。就業時間内のアルコールを禁止し、コーヒーやお茶などを仕事の合間に飲むことは問題にしない企業が殆どだ。では、ノンアルコールビールはどちらに属するのだろうか。単なる炭酸飲料と考えればコーヒーと同じ。就業中でもOKのはず。でも、抵抗がある。飲んでいる姿は、傍から見てもアルコールかノンアルコールかは分からない。だから、飲んでいる姿はアルコールを飲んでいるように見える。この「見える」ゆえ、自分は就業中のノンアルコールには反対だ。反対の理由はもう一つある。一口にノンアルコールビールと言っても、2種類ある。ノンアルコールの定義はアルコール1%未満。裏返せば1%未満のアルコールは入っている。2種類とは、アルコール1%未満のものと完全0%のもの。2009年にキリンが完全0%の「キリンフリー」を発売し大ヒットしてから多くの飲料メーカーが参入した。でも、アルコール1%未満も残っている。普通のビールはアルコール4%だから、1%未満のノンアルコールビールを4本飲めば1本飲んだことになる。ノンアルコールビールを一括りにして、銘柄別にアルコール度をチェックする人などいない。酒気帯びになる可能性は高い。従ってノンアルコールビールが全銘柄アルコール0%を達成するまでは、ノンアルコールビールのコーヒー並の市民権は得られないはずだ。

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消しゴムでは消せないもの

6月11日のサントリーレディスオープンゴルフトーナメント最終日には何と9132人が来場したとのこと。勿論お目当ては今期限りで引退を表明した宮里藍選手。日本国内での最後の勇姿を見るためだ。観衆からは今までの活躍に対し「ありがとう」という言葉が多かった。本人の瞳にも涙が溢れていた。本人は今後の計画は未定だという。だから、日本の観衆も選手も「ご苦労様、でもさみしい」としか言えない。ところが、同じシチュエーションなのに米国での反応は全く違う。試合を終えて米国に戻った藍選手に選手たちは「Congratulation,so happy for you」と声をかける。過去では無く将来に声を掛けている。第一線を退いた後の宮里選手の、将来への期待や楽しみが大きいからなのだろう。過去と未来。これは日本人と西欧人の典型的な感情の違いだと思う。日本人と西欧人とは、いろんな面で真逆なことが多い。例えば、木を切るためのノコギリの機能は同じだが、日本は引くが西欧は押す。リヤカーも日本は引くが西欧は押す。本当に真逆だ。「鉛筆で文字を書いた時、間違った後に西欧は消しゴムで消すが、日本は間違う前に消しゴムで消す」これは、桂米丸による創作落語の一コマだ。記憶は定かではないが、半世紀前頃に聞いた落語だと思う。若かりし頃の自分は、このフレーズを盗用し多用した。色々な人に話して、ウソだよ、でも面白いでしょと。でも今は切り返し宮里藍選手を讃えたい。功績には消しゴムでは消せないものもがあると。

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似たもの同士

「フォード新小型車、中国で生産」との新聞見出しに、何か違和感を覚えた。大して重要な記事ではないのに何故か心に引っかかかった。暫くしてから合点がいった。トランプがフォードのメキシコ工場建設を批判し、建設撤回を発表したのが今年の初めだった。メキシコで作るはずだった小型車を米国ではなく中国で生産し米国に輸入するという。僅か半年で様変わりだ。トランプが乱発した大統領令の影響は大きい。国境調整税の導入が暗礁に乗り上げ米国内生産回帰も鳴りを潜めた。フォードは米国内ではなく中国に工場を建設することで1千億円以上の節約になるという。しかも製造した自動車は中国内で販売するのだから、中国に工場を作ることは必然だ。テスラのCEOは大統領の助言組織を辞任し、中国に工場を作る検討をしている。同じ助言組織のウォルマートのCEOはパリ協定離脱を公然と批判している。高度な技能を持つ外国人労働者を対象としたビザの審査を厳格化したため、今後産業の米となるIT・人工知能関係の技術者不足に陥り、今後の経済成長に影を落としている。ロシアゲート疑惑にしても、トランプ政権は内部で何が起きているのか分からない。説明責任は果たさないが、仲間内の利権には目敏い。トランプ政権と安倍政権は悪いところが実に良く似ている。

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小学校の夏休み短縮

静岡県吉田町が、来年度から小学校の夏休みを最短で10日間に短縮する方針を決め、保護者への説明会を始めたとのこと。背景には教員の長時間労働問題がある。授業日を増やして1日当たりの労働時間を減らすことが狙い。吉田町立小学校の今年度の夏休み24日間を来年度は10日間に。これにより、来年度の授業日を10日増やし、1日6時限の時間割を4~5時限に短縮する。このため、教室にエアコンを設置し、放課後は子ども教室や公立塾で午後6時半まで子どもを預かる態勢を整えるという。教員の長時間労働は全国で問題化している。吉田町の時間外勤務は昨年度、小学校で月平均58時間、中学校で90時間に上るというから大いに効果は期待出来る。全国の小学校の夏休みは、42日間ある県が多い。昔に較べて環境は整備されている。昔ながらの長い夏休みを取る理由は無い。長い夏休みも、一種の特権に違いない。吉田町は既に24日間に短縮しているのが凄い。それを更に10日間にするというのだから凄すぎる。まさに革新的な規制改革だと思う。これを契機に全国で夏休み期間を見直せば、教員の処遇改善にも繋がるし授業内容も充実するはずだ。だが、肝心の文科省は「怪文書」騒動で、それどころではなさそうだ。尤も長い夏休みに縛っているのは文科省と日教組だろうから期待は薄い。夏休み短縮こそ、国家戦略特区などを必要としない岩盤規制崩壊の一つと言えそうだ。

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求人:清廉潔白な政治家

自分は政治に対する批判を書くことが多い。でも、不満分子ではないしアジテーターでもない。勿論憂さを晴らしている訳でもない。より良い政治になって欲しいと願う一心から書いている。朝日新聞に長谷部早大教授と杉田法大教授の対談が載っている。安倍政権を俯瞰的に捉えている。上辺だけに拘らず極めて明解。安倍政権が嘗てないほど荒んだ政治をしている背景を考察している。1990年代の政治改革で、首相官邸に権力を一元化したがオーバーシュートし、政治の私物化に繋がっている。一方官僚制の存在意義は政党政治から独立していることだが、岩盤規制を固持し過ぎている。官僚から政権に反論出来る回路が無く、忖度が蔓延る構造的な問題を抱えている。問題は政治がマフィア化していることだと結論している。身内や仲間内でかばい合い、外部には恫喝的に対応する。何があっても認めず調べず謝らず。説明責任を果たさず権力を行使する。まさにマフィアだ。そう言えば、首相夫人を私人だと閣議決定した。内閣府には加計学園に関する文書は存在しないと閣議決定した。閣議決定とは、閣僚全員への口封じと見れば納得がいく。夫人に頼めば幼稚園も出来るし1億円もの研究費も貰えるようになる。お抱え記者のレイプ犯を逮捕寸前に元刑事部長を使って阻止した。警察もグルだ。最早マフィア以上の存在だ。歯止めとなるはずの野党も機能していない。官邸に権力を集中し岩盤規制を撤廃することは間違ってはいない。ただ、実行する人材に、清廉潔白な人物が見当たらない。問題はこれに尽きると言えそうだ。

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信なくて立てず

支持率が急落したことに慌てたのか、安倍首相が国会閉会後珍しく記者会見を行った。建設的議論から大きくかけ離れ、批判の応酬に終始してしまったことを詫び、今後は冷静に一つひとつを丁寧に説明すると表明した。わざわざ記者会見を開いたのに、国民が知りたいことには答えなかった。これでチャラにするという安倍の単なるパフォーマンスなのだろう。加計学園問題は規制緩和の問題ではない。獣医学部創設の必要性と加計学園に絞ったことに問題がある。安倍はそれには全く答えていない。安倍は「李下に冠を正さず」という諺を知らないのだろうか。一方、共謀罪は、参院の委員会採決を行わず強引に参院で可決した。問題の多い共謀罪を充分な審議を行わず可決したことは将来に間違いなく禍根を残すことになる。国民は共謀罪が前川前事務次官を別件で逮捕しようとしたことと同じように拡大解釈されて、自由が奪われるのではないかと不安に思っている。安倍は「信なくば立たず」と言ったが、この言葉の意味を理解しているのだろうか。孔子が論語の中で「政治を行ううえで大切なものは軍備・食糧・民衆の信頼で、最も重要なのが信頼だ。政治は民衆の信頼無しに成り立つものではない」と説いている。今の安倍の実態は「信なくて立てず」が、ピッタリだ。ゴメンと言うだけで民心を得ることは出来るはずがない。

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道路交通法の見直しを

我が家からテニスコートに行くには、途中で国道を通ることになる。だが、国道とは名ばかりで片側1車線の細い道で大型トラックが道幅一杯にかすめて行く。そして歩道といえば、2m幅の歩道があるのはほんの一部で、殆どがドブに蓋を被せた人が一人やっと通れる程度のものしか無い。しかも、右折レーンが無いので年がら年中渋滞している。最近その道を自転車が通るようになった。2年前に道路交通法が改正されたからだ。子供や高齢者を除き自転車は歩道を走れなくなった。広い歩道はガラガラなのに自転車が狭い車道を走る。その状況を見ると法律が間違っている、法律を作った奴は頭が狂っていると思う。国道でさえ整備もされていないのに、自転車を車道に追いやるのは、歩行者安全に対する過剰反応そのものだ。今度は自転車を危険に曝している。現状の道路未整備状況を考えれば、まずは自転車の運転マナーの向上に力を注ぐべきだったと思う。更に、最近もっと酷い事実を知った。道路交通法第54条第2項には、危険を防止するため止むを得ない状況を除き、ベルを鳴らすと違反で、罰則は2万円以下の罰金、とある。歩道を歩いていて、後ろからの自転車に気付かずヒヤッとすることは誰でも経験していると思う。自分はいつも必ずベルを鳴らしてほしいと思う。寧ろ積極的に常時ベルが鳴るような装置を付けるべきだとも思っている。ベルの鳴らし方にも問題がある。後ろに自転車がいますよ程度ならば良いが、ソコノケソコノケの鳴らし方では角が立つ。これも運転マナーの問題だ。少なくとも2年前の道路交通法改正により、実態は改悪され不安全になった。2年間の実績を考察し更なる改正を願いたいものだ。

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ヒアリがヒヤリになるように

強い毒を持つ南米原産の蟻「ヒアリ」が、中国から神戸港に到着した貨物船のコンテナ内で国内で初めて発見されたとのこと。ヒアリなど聞いたことが無いが、調べてみると世界の侵略的外来種ワースト100選定種。刺されると火傷のような激しい痛みがあるばかりでなくアナフィラキシーショックを起こし、時には死に至るため殺人アリの異名もあるようだ。米国、中国、豪州に分布しているが日本上陸は初めてとのこと。米国では多くの死者が出ているというから、入国絶対阻止の体制が必要だ。嘗て、有毒のセアカゴケグモが問題になったが、その後の被害は拡大していない。同じように終息することを祈るばかりだ。話は逸れるが「ヒアリ」という活字を見て「ヒヤリ」を思い出した。嘗て勤めていた化学会社では、労災を減らすため「ヒヤリ・ハット・キケン提案」という危険予知活動があった。労災3件の裏には、労災に至らなかったヒヤリが1000件もある。その1000件を前もって潰しておけば大きな事故は防げるというもの。実際に事故になる前に危ないものを指摘して安全に繋げようという運動だ。危険は危険と感じるだけで、予防になる効果がある。今更ながら良い安全活動だったと思う。きっと今でも活動は続けられているに違いない。更に日本全国に広がれば「ヒアリ」など大したことは無い。ヒアリをヒヤリで撲滅してほしいものだと昔を思い出しながら願うことにした。

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我が人生ベストに残る旅

カミサンが新緑を見たいと言う。週間天気予報を横目で見ながら急遽軽井沢に行くことにした。梅雨時に雨中を彷徨うのはまっぴら。だから天気予報が優先される。軽井沢1泊のドライブ旅だったが、努力の所為か天候には恵まれた。行きがけに世界遺産になった富岡製糸場に立ち寄った。でも思ったほどの感動は無かった。自分が嘗て勤めていた繊維系化学会社の昔の繊維工場と同じ。絹糸か化学繊維かの違いだけだった。1泊した鹿島の森ホテルは良かった。周りが新緑に満たされていて、まさに心身共に新緑を満喫出来た。久々の正統フランス料理も美味しかった。帰りは少し冒険して旧国道18号線を下ることにした。目的は、めがね橋、碓氷湖、鉄道文化むらだ。当初は、横川からトロッコ電車に乗ってめがね橋まで行き、遊歩道アプトの道を下りたいと思っていた。ところが、トロッコ電車は土日のみの運転。平日暇な年寄りには対応していない。仕方なく曲がりくねった旧道を下ることになった。今回の旅のハイライトは「めがね橋」だった。めがね橋パーキングから数分歩くと、めがね橋の一部が見えてくる。近づくほどに感動した。このような建築物が明治20年代に出来ていたとは。しかも、フォルムが素晴らしい。里に下って、鉄道文化むらも峠の釜飯おぎのやも「めがね橋」一色だ。信越本線が廃線となった今、地元を支えるのは「めがね橋」なのだ。鉄道文化むらでディーゼル車の運転席に座り、タモリ並に鉄道文化を堪能した。「瓢箪から駒」とは言うが、今回の旅は「我が人生ベストに残る旅」とも言えそうだ。良かった。

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民退党に衣替え

「共謀罪」の構成要件を改めて「テロ等準備罪」を新設する改正組織犯罪処罰法が今日午前7時46分、参院本会議で採決され、自公維の賛成多数で可決成立した。14日夜に参院法務委員会での採決を省略する「中間報告」の動議を自公が参院本会議に提出。野党は徹底抗戦し、内閣不信任決議案を14日夜に提出して参院本会議を中断させたが、妨げることは出来なかった。野党が刀折れ矢尽きたとの報道だが、本当にそうだろうか。テロ防止法は必要だが、共謀罪法は決して成立させるべき法案では無い。何故なら定義が曖昧過ぎるから。拡大解釈によって、如何様にも悪用出来る。今問題の森友・加計問題の経緯を見れば誰でも分かる。時の権力は、黒を白に変えることが出来るのだ。だからこそ、本当に国民のことを思うならば、野党は絶対に成立を阻止すべき法律だった。では野党第1党の民進党は、何をしたのだろうか。何もしていない。今、蓮舫代表は自民の横暴さを嘆いている。でも、横暴さを嘆くのはマスコミや一般国民の仕事だ。民進党代表の仕事は、嘆かないための行動にある。あらゆる手段を使って阻止する。阻止に代表の首を掛ける。その程度の気迫と対策が必要だった。言い方を変えれば、共謀罪阻止は、蓮舫代表の「ここ一番」だった。命を賭ける場面であった。でも、数にはかなわないという考え方が、民進党を腐食している。蓮舫が代表になろうがなるまいが、民進党は民退党に衣替えした。安らかに死を祈るしかない。アーメン。

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菅話法の終焉を

最近ニュースを見ていて、不愉快に感じることがある。安倍首相の受け答えは、子供の我が儘レベルと同じで情けなくなる。これは一国の首相として恥ずかしいことだと思う。でも上には上がある。いや、下には下があると言うべきだろう。菅官房長官だ。菅は安倍の影の実力者と言われている。実質的に政治を動かしているのは菅かもしれない。だが、森友・加計問題での記者の質問に対し「そのような指摘は当たらない」「全く問題ない」という言葉を連発している。一見答えているようで答えていない。実際はコミュニケーションを遮断している。極最近では、相手の質問には正面から向き合わないのを「菅話法」と言うようだ。内閣を代表して内閣の意思を表明するのが仕事であるはずなのに、全く仕事をしていない。安倍から見れば及第点かもしれないが、国民から見れば落第。ひょっとすると、安倍も菅に落第点を付けているかもしれない。であれば、安倍は人を見る目があるということになる。でも、それは論理的な仮定で、現実的な事実ではなさそうだ。嘗て、菅は翁長沖縄県知事から「粛々とは無視することか」という質問にギブアップした。それ以来、菅は「粛々」という言葉を封印した。そろそろ菅話法を納め粛々と去るにはグッドタイミングかもしれない。

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引き分けは負けに等しい

ロシアW杯サッカー出場を目指して、対イラク戦が行われた。日本が開始早々にシュートを決め出だしは好調だったが、後半は失速し結果は1-1のドローで終わった。スポーツは結果が全てだ。勝てば褒められるが、負ければボロクソ。残り試合に強豪の豪州とサウジを残しているから、格下のイラクには絶対勝たなければならなかった。でも、ドローに終わったから、負けも同然だ。自分はサッカーのことを良くは分からないが、自分なりに敗因を考えてみた。最大の敗因は、ハリル監督の采配ミスだと思う。右が得意な久保を左に起用したこと、まだまだ動ける原口を交替させて交代枠を無駄遣いしてしまったこと、酒井宏が足の故障で動けず交替を要望しているのに交替が遅れ、それが失点に繋がったこと、動けなくなった久保を乾に替えるべきだったが原口交替の無駄遣いで交替出来なかったこと、後半は守勢一方になったチームを立て直す指示が出来なかったこと。いつもは後半にはバテるイラクがバテず、バテない日本がバテたのは采配ミスそのもの。主力選手が怪我で出場出来なかった点を考慮しても、ハリルの責任は重い。

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遅ればせのGAP認証取得

今のままでは2020年東京五輪の選手村に国産食材を提供出来ない恐れがあるとの記事には驚いた。農産物にはGAP認証という国際基準がある。選手村へ農産物を納入するにはGAP認証取得が絶対条件とのこと。ところが、国内農家のGAP認証取得率はたったの1%。GAP(Good Agricultural Practice)とは、農産物の安全認証で、農産物の安全性だけでなく農場周辺の環境保全、従事者のけが防止、従事者の人権保護など農業経営全般にお墨付きを与えるもの。先のロンドン五輪では、英国産の食材が提供出来ず輸入品に依存していたとのこと。このまま行くと、東京五輪もロンドンの二の舞いを踏むことになるかもしれない。日本では2006年に日本GAP協会が設立されたが、認証は遅々として進んでいない。今頃になって農水省が慌てている。何故今まで放っていたのだろう。取得が進まない理由は、東京五輪組織委員会と農水省の怠慢と、農家の認証費用と認証維持の負担だ。一方で国産食材の安全は、基本的に国内法で守られているという傲りがあったのではないのだろうか。中国産に対しては残留農薬などを調べるくせに、国産についてはノーチェックが現状だ。遅ればせながら国も自治体も、GAP認証取得に乗り出した。将来、国産食材を海外輸出するにはGAP認証が必須になるはずだ。災いを転じて福となすことを願いたいものだ。

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タバコ産業は狂っている

iQOSって知っていますか?今最も売れている電子タバコです。東京五輪も間近になりタバコが集中砲火を浴びています。これを契機にタバコを止めようという人は多くいます。こういう人は受動喫煙の被害も認識しています。でも、常習性のあるタバコは生半可な気持ちでは止めることは殆ど不可能です。だから、タバコを止めようと思う人は、電子タバコiQOSに走ります。iQOSを吸う人は、これが無害なiQOSだと得意げに話します。発がん性のタールが含まれていないからと。勿論生のタバコより有害性は低いかもしれません。でも、電子タバコの蒸気の中には、ジアセチレン、ベンゼン、ニッケル、錫、鉛が見つかっています。そして主役のニコチンも。タバコを止められない人はニコチン中毒です。だから、iQOSからニコチンを摂取します。でも実は、ニコチンは摂取の仕方に関係なく依存性が高いのです。周りに拡散するのです。タバコを電子タバコに代えてみたみたところで、本人も周りもニコチンからは逃れきれないのです。ニコチンは特に若年層の脳の形成に作用し脳の発達に影響を及ぼします。だから妊婦の胎児には猛毒になります。これ程問題があるのに、タバコ産業は電子タバコを「健康的なタバコ代用品」として宣伝しています。だから、タバコ産業は狂っているとしか言い様がないのです。

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奇妙なクレジットカード年会費

ポイントがゲット出来るクレジットカード入会戦が盛んだ。去年は、入会で2000ポイントとの宣伝文句に誘われて楽天カードに入会した。しかも年会費は無料。入れば只で2000円分貰えるのだから損はない。生まれて初めて楽天市場で買い物をした。その後、クレジットカードを使うことはないが、クスリの福太郎などでポイントを稼いでいる。今日は、セルフのガソリンスタンドで給油した。楽天ポイントが付くというが、手持ちの楽天クレジットカードではポイントが付かないと言われた。新しくポイントカードを作成して貰ったが、結局操作法が分からずポイントはゲット出来なかった。今年は、Tポイントのクレジットカードに入会した。勿論年会費は無料。入った理由は、時たま行くPGMのゴルフ場の受付に便利だから。しかも入会3か月以内に1万円以上使うと1000ポイント付与とのことで、一応このカードで1万円以上の買い物をした。ところが、先日ファミマがTポイントから脱退との記事が流れた。自分にはゴルフ場とファミマ以外にこのカードを使う所がない。まあいいか、只だし、ゴルフ場の受付だけなのだから。ポイントカードは1枚に絞れば、効率的にポイントをゲットして還元出来るとは聞いている。しかし、70歳にもなると消費は細る。ポイントカードの御利益など微々たるもの。取り敢えず、入った者勝ちだと思うことにした。しかし、よくよく考えてみると、長年三井住友VISAに入っている。ポイントは付くものの年会費を払っている。昔から入会している者からは年会費を徴収し、新規の入会者からは年会費を取らない。これは極めて奇妙なシステムだと思う。逆襲すべし。

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今宵はストロベリームーン

今宵の月はストロベリームーンとのことで、数日前から眺めることを楽しみにしていた。でも、残念ながら雲が出て見ることは出来なかった。これまでにストロベリームーンなどという言葉は聞いたことがなかった。だから興味をひかれた。調べてみると、ストロベリームーンとは、ネイティブ・アメリカンによって名付けられたアメリカ圏の6月の満月の呼び方とのこと。イチゴの収穫時期である6月に月が赤く染まることが多いことから、このように呼ばれるようになった。またストロベリームーンには、好きな人と一緒に見るとその人と結ばれるという噂もあり、別名「恋を叶えてくれる月」とも呼ばれている。何ともロマンチックな命名だ。ロマンチックな気持ちを離れ、科学的に見ると今宵の月は地球から最も遠くの位置にある。だから最も小さく見える。赤く見えるのは夕日と同じ原理。地平線に近い所では、波長の短い青い光は散乱してしまい、赤だけが地上に届くから。ほかの月の満月と較べて特に赤いという訳では無い。こう言ってしまうと身も蓋もない。竹取の昔から、月はロマンチックなもの。赤い月は地震の前兆などと不安がらずに、ロマンチックな感情に浸りたいものだ。

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インドと米国の大気汚染

「インドは2030年までにガソリン・ディーゼル車の国内販売を禁じ電気自動車のみにする方針」という記事が目に留まった。先日、三男からインドの大気汚染の深刻さを聞いたばかりだったからだ。三男は自動車部品開発の仕事をしている関係で海外出張が多い。インド・ニューデリーの大気汚染は、北京とは比べものにならない程酷いようだ。テレビを見ていて、北京の大気汚染が酷いことは分かるが、それより酷いとは、果たしてヒトが生きていけるのかと思ってしまう。記事によると、インドは2013年から「国家電気自動車計画」を推進してきたが、大気汚染は益々酷くなるばかり。そこでインド政府は方針を転換・加速することにした。それが2030年までにガソリン車の販売禁止だ。インドのGDPは世界7位で、世界第3位の原油輸入国でもある。二酸化炭素排出量は中国、米国に次ぎ世界第3位で、PM2.5濃度はWHO基準値の7倍以上に悪化し、大気汚染が原因とみられる死亡者数は年間100万人を超えている。世界第3位の原油輸入国で大気汚染が酷く、100万人も犠牲者が出るインドであるから、国策としてクリーンエネルギーに大きく舵を切ることは納得出来る。自動車のゼロエミッション化の動きは西欧諸国でも既に見られる。衣食足りて礼節を知るの順番から来るものだと思う。だが、インドは衣食が不十分でも礼節を知ろうとしている。その政府の指導力が素晴らしい。一方米国ではトランプがパリ協定からの離脱を表明した。どちらが賢明かは、一目瞭然だ。

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英国総選挙の裏表

英国の総選挙が明日に迫った。保守党の圧勝を目論んでメイ首相が総選挙に打って出たものの、労働党が追い上げているようだ。立て続けに起きた3件のテロがメイ首相への逆風になっている。メイ首相が内相時代に予算削減のため警察官を2万人カットしたことが、テロを未然に防げなかった理由だと非難されている。保守党メイ首相と労働党コービン党首の対立はユニークだ。EU離脱を問う国民投票でメイ首相はEU残留派だった。その後無投票で首相になりEU離脱の旗振り役に転身。しかも、枠内無関税などのメリットがあるユーロ圏からも完全に撤退するハードブレグジットを選択。強硬なEU離脱派へと変身した。一方、コービン党首は、2015年の総選挙で労働党が大敗しミリバンド党首が辞任したため党首選挙に出馬。当初は泡沫候補と見られていたが党首に選ばれた。これまでの労働党党首は中道左派が選ばれていたが、コービンは社会主義色が濃い人物で、もともとはEU懐疑派として知られていた。ところが、労働党はEU離脱には同意しているものの、ユーロ圏へのアクセスは維持する姿勢を打ち出している。党内事情を考慮して党首就任後はEUとの結びつきを重視するソフトブレグジットに改宗。総選挙で保守党が圧勝すればハードブレグジットに、労働党が勝てばEU離脱の見直しも考えられる。ひょっとすると両者は心の底では、自分が負けることを望んでいるのかもしれない。見方を変えると狐と狸の化かし合いのようにも見える。

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流星はジキルとハイド

チェコの天文学者チームが、おうし座流星群の小惑星が地球に衝突する危険性が高まっているとの研究結果を発表した。小惑星の中には直径200mを超えるものもあり、大気に突入しても燃え切らずに地球と衝突し大災害を起こす恐れがあるという。おうし座流星群と言えば、秋の夜空を彩る天体ショーとしてロマンチックなムードがあるというのに。まるでジキルとハイドのようだ。流星には、恐ろしい噂が付きものだ。子供の頃、ハレー彗星が地球に接近し5分間地球の空気が無くなるという紙芝居を見たことがある。子供心に空気を確保する方法を心配したものだ。このハレー彗星の噂は明治の終わり頃にあった実話だ。自転車のチューブが飛ぶように売れたとのこと。最近ではニビルが有名だ。2年ほど前にニビルが地球に衝突するという噂が広まった。ニビルは地球の4~5倍の大きさと20~25倍の質量があり、ハレー彗星と同じような楕円軌道を約3600年で公転しているとされている。ニビルが近づくだけで、太陽活動が衰退し宇宙線が地球に降り注ぎ、その宇宙線がマグマを加熱しマグニチュード9クラスの巨大地震を起こすかもと言われている。但し、ニビルの存在は未だに確認はされていない。特に地球に衝突する可能性が大きく、なおかつ衝突時に地球に与える影響が大きい地球近傍の小惑星は1331個もあるという。宇宙は夢に満ちているが、危険にも満ちている。

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県名変更の正道と邪道

星野リゾートの社長がインタビューで「福島に外人観光客を呼ぶには県名変更が一番効果的」と言ったことが話題になっている。フクシマ=原発事故のイメージが強いからだ。また、鳥取県は以前蟹取県と名乗っていたが、今年から星取県へと装いを新たにした。環境省の全国星空継続観察で、鳥取市が「星の見えやすさ」の全国トップに輝いた実績を持つからだ。県名変更には、正式名称変更と第二の県名名付けの2通りがある。正式名称変更は、嘗て長野県を信州県に、滋賀県を近江県に変更する意見はあったが、実現されたものは無い。都道府県の名称を変更するには、衆参両院で過半数の賛成を得て法律を制定し、その後住民投票で過半数を得る必要がある。そう簡単な話ではない。寧ろ法律以前に、住民の理解が得られない。滋賀県の近江県変更には世論調査で8割がNOと答えた。住民は現名称に愛着を持っているものなのだ。もし、福島県が桃県になったとしても、誰が喜ぶのだろう。寧ろ原発事故隠しとして悪いイメージが定着してしまうかもしれない。一方、第二の県名はお気楽だ。香川県の「うどん県」に始まり、大分県の「おんせん県」、群馬県の「すき焼き応援県」等々数多い。地元の名物で注目を集めようという魂胆だ。県名変更に限っては、お気楽な第二の県名名付けが正道で、正式名称変更は邪道と言えそうだ。

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医師と国会議員の違い

医学系の学会で、たばこ産業の助成を受けた研究の論文や学会発表は受け付けないとの規定を盛り込む動きが相次いでいるという。たばこ産業が学術活動を装い、健康被害に関する誤った認識を広めてきたと問題視しているからだ。たばこによる健康被害は明らかだ。医学会が、たばこの害を訴えるだけでなく積極的にたばこ産業の排除を始めたことは素晴らしい。まさに有言実行と言える。今どきたばこを吸う医者がいるとすれば、限りなくニセ医者に近い。我が身の健康を損ないながら、他人を健康にする行為などあり得ない。一方、国会では未だに受動喫煙防止の健康増進法改正案が宙に浮いている。塩崎厚労相が飲食店の原則禁煙を主張しているのに対し、自民党は例外の拡大を図ろうとしている。双方が妥協しないため法案を国会に提案出来ないでいる。自民党の竹下国対委員長はヘビースモーカーだ。「たばこ大好きの私にとっては、今国会に法案が出てこない方がいいと思いながら構えている」と述べ、何と個人的には先送りを望んでいるとの本音をのぞかせた。この竹下という輩は、国会議員としての自覚がなさ過ぎる。国民の健康よりも、己の嗜好を優先している。医学会は有言実行の時代に入ったというのに、国会議員は我田引水、傍若無人の時代に取り残されているようだ。

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物価も衣替え

衣替えと言えば6月1日と10月1日。昔は、この日を境に中高校生の制服が、黒から白へ、白から黒へと変ったものだ。だが、最近の中高校生は公立でも制服の自由が許されている。4月からワイシャツ姿で登校する生徒もいるし、今日も黒い学生服で登校する生徒もいる。だから、6月1日が衣替えと言われてもピンと来ない。でも、6月1日が衣替えという事象は残っている。物価の値上げだ。ビールが値上げされた。値上げの背景は、中小規模の酒販店を守るための法改正。大手の酒ディスカウントチェーンの過度な安売りを防ぐという狙いのようだが、飲む方にとっては痛手だ。今月から施行された改正酒税法では、製造価格に販売コストなどを上乗せした適正価格での販売を強いる。安売りするなとは、何かが間違っている。郵便はがきも52円から62円に上がった。郵便事業の収益が悪化したからと言っているが、片方で豪物流会社トール・ホールディングスの買収失敗で4000億円の減損損失を出した。経営の失敗を国民の負担へと転嫁している。電気料金の値上げも常態化している。原油やLNGが上がったとか、原発事故処理費用とか、理屈を付けて膨れ上がるばかりだ。諸悪の根源は総コストに利益を加える総括原価方式にある。ビールもはがきも電力も、中身は変らないのに価格という服だけが変っていく。まさに衣替えのようだ。

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グラフェンの立体化

嘗てこのブログでカーボンナノチューブについて書いたことがある。今度は、更に進化したグラフェンの立体化だ。MITが開発に成功したとのこと。グラフェンは15年前に発見された、地球上で最も強度が高い物質とみられている2次元の極薄炭素シートだ。層状のグラファイトを一層一層剥いでいき、究極の原子1個分の厚さしかない層になったのがグラフェン。シートとしての強度は最強だが、実用的な応用は出来ない。MITの研究者は、シート上のグラフェンをコンピューターモデルを駆使し、グラフェンの2次元の薄片から3次元構造を作り出すのは可能かを確かめた。そして熱や圧力を加えることで、薄片を融合させることに成功した。更に、新物質のひな形となり得るような自然発生的な幾何学形状を探した。研究者らが辿り着いたのがジャイロイドだ。ジャイロイドは多孔質の連続的な表面を持つ形状で、スポンジに似ている。そして非常に軽いものの強度の高い物質が形成されること確認したとのこと。いつの日か、この物質が工学や建築の分野で広く使われるようになるものと思う。現在、世界で一番高いビルは828mのドバイにあるブルジュ・ハリファだが、サウジアラビアで建設中のキングダム・タワーは全高1km超えとなる計画だ。この研究が実用化されれば、将来は数kmの高さを誇る超高層ビル群が乱立するのも夢では無い。この物質によって人間の地球上での暮らし方が激変するかもしれない。

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天才たる由縁

テレビ東京で、世界卓球と全仏テニスの二元中継を放送していた。見たいのはテニス。錦織対シャルディ戦を見た。錦織は昨年の全仏4回戦でフランスのガスケに敗れた。錦織にとって全仏での地元フランス選手は鬼門のようだ。試合開始前は、格下のフランス人シャルディに負けなければ良いのだがと案じていた。しかし、中盤で相手を圧倒し3-0で勝利した。苦戦した1回戦の対コキナキス戦に較べれば雲泥の差、上り調子だ。3回戦がより楽しみになってきた。テニスが終わりテレビを消そうとしたら、世界卓球に切り変った。男子シングルス2回戦の水谷対張本が始まろうとしていた。世界卓球で日本選手同士が当たるのも珍しいが、日本王者の水谷に13歳の張本が挑む。物珍しさに見ることにした。でも、新入幕力士が横綱に胸を借りるようなもの。張本は急成長だが、水谷が軽くいなして終わるものと思っていた。ところが、はなから張本が水谷を圧倒する。それも、半端な強さではない。張本は水谷を完膚なきまでに打ち砕いた。張本は100年に一度の天才と言われている。見終わってから天才が育つ背景は、何があるのだろうかと考えた。国際競技大会で活躍できる競技者を育成するために創設されたエリートアカデミーで学んでいること。両親が中国出身の卓球選手だったこと。両親の故郷である中国でトップ選手と猛練習を行えること。これらの環境に加え、本人のやる気。でも、これらが全て揃っても天才になるとは限らない。天才たる由縁は、天才だからとし言い様がない。

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