インドと米国の大気汚染

「インドは2030年までにガソリン・ディーゼル車の国内販売を禁じ電気自動車のみにする方針」という記事が目に留まった。先日、三男からインドの大気汚染の深刻さを聞いたばかりだったからだ。三男は自動車部品開発の仕事をしている関係で海外出張が多い。インド・ニューデリーの大気汚染は、北京とは比べものにならない程酷いようだ。テレビを見ていて、北京の大気汚染が酷いことは分かるが、それより酷いとは、果たしてヒトが生きていけるのかと思ってしまう。記事によると、インドは2013年から「国家電気自動車計画」を推進してきたが、大気汚染は益々酷くなるばかり。そこでインド政府は方針を転換・加速することにした。それが2030年までにガソリン車の販売禁止だ。インドのGDPは世界7位で、世界第3位の原油輸入国でもある。二酸化炭素排出量は中国、米国に次ぎ世界第3位で、PM2.5濃度はWHO基準値の7倍以上に悪化し、大気汚染が原因とみられる死亡者数は年間100万人を超えている。世界第3位の原油輸入国で大気汚染が酷く、100万人も犠牲者が出るインドであるから、国策としてクリーンエネルギーに大きく舵を切ることは納得出来る。自動車のゼロエミッション化の動きは西欧諸国でも既に見られる。衣食足りて礼節を知るの順番から来るものだと思う。だが、インドは衣食が不十分でも礼節を知ろうとしている。その政府の指導力が素晴らしい。一方米国ではトランプがパリ協定からの離脱を表明した。どちらが賢明かは、一目瞭然だ。