2016年6月

ほぼほぼって?

最近のテレビのニュースは画面の下に字幕が出て来る。自分はどういう訳か、音声を聞きながら画像よりも字幕を読むことが度々ある。昨日のニュースで、街角の人々にインタビューする場面があった。もうどのような内容のインタビューだったのかは覚えていないが、違和感を覚えた字幕があった。インタビューを受けた人が「・・・ほぼほぼ・・・」と答えたら、字幕にも「ほぼほぼ」と表示されていた。その時、字幕を作る人は、馬鹿丁寧に言った通りに字幕にするのだと思った。正直に言うと、内容も考えず機械的に字幕にする無責任さが気になったのだ。ところが、今日Webで「ほぼほぼが、ほぼほぼ定着?」という記事を見つけた。「ほぼほぼ」は新語で「ほとんどそれに近い」という意味とのこと。「きっと」とか「必ず」という断言ではなく、限りなく断言に近いけれど、ほんの少し不確定さを残したい、という意図を表している。「ほぼ」が90%で「ほぼほぼ」は95%というニュアンスのようだ。数年前からブログなどで頻繁に使われるようになり、今では国語辞典の「ほぼ」の注釈に「俗に、重ねて使う」と付け加えられているという。同じ言葉を重ねて使うのは、日本語としてはごく当たり前の強調表現なのだそうだ。ただ「ほぼほぼ」は新参者なので公に使うと違和感を覚える場合があるが、10年も過ぎれば立派な日本語として成長しているかもしれないとのこと。「ほぼ」という言葉で思い出すのは、糸井重里さんの「ほぼ日刊イトイ新聞」だ。糸井さんは「ほぼ」と命名しながら、毎日一日も休まず更新している。そのうち「ほぼほぼ日刊イトイ新聞」に変わるかもかもしれない。この「西成恭介の雑感帳」も、書き始めてから5年が過ぎたが、毎日更新し続けている。そろそろ副題に「ほぼほぼ」を付けても許される時期に来ているのかもしれない。

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ウィンブルドン3つの面白さ

ウィンブルドン選手権が始まった。錦織の初戦相手は世界ランク124位のグロス選手。英国と日本の時差は9時間だが、いまはサマータイムなので8時間。錦織の初戦は日本の真夜中に始まった。仕方なく録画し後で見ることにした。毎年ウィンブルドンのテニスは面白いと思うが、今年の面白さは3つある。一つは勿論錦織の活躍。脇腹痛を克服してベスト8に到達出来るのか。二つ目はフェデラーの2回戦目の相手。世界ランク772位の英国のウィリス選手。時間給4千円のテニスコーチがガールフレンドから発破をかけられ発奮。ATPツアーレベルでの試合経験もないのに、予選6試合を勝ちきり本戦への切符を手に入れた。しかも1回戦を突破し第3シードのフェデラーと対戦することになった。フェデラーもウィリス選手を絶賛している。ウィリスもフェデラーを尊敬しているが倒すべく戦うと言明している。勝敗の結果は別として、是非ともウィリス選手のプレーを見てみたいものだと思う。もう一つは勝敗とは関係ないタオルの話。ウィンブルドンの公式タオルは人気がある。どの選手もタオルを持ち帰ろうとしているようだ。勿論あのジョコビッチ選手も。ジョコビッチは既に億万長者だが、あのタオルをこっそり持ち帰る癖があるという。公式タオルは40ポンドで売っている。欲しければ買えばよいのだが価値が違う。出場選手に配られたタオルにはプレミア的な価値がある。それを貰った家族や友人には、出場選手記念付きの貴重なタオルに変身する。また使用済みのタオルは選手にとっていつまでも記憶に残る戦利品でもある。たかがタオルされどタオルなのである。道理で試合終了後に選手が使用済みのタオルを観客席に投げ込まないはずだ。投げ込むのはリストバンドと決まっている。ウィンブルドンは面白い。

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公約という名の御呪い

選挙公約ほど当てにならないものは他に無い。いまは英国のEU離脱派の公約反古が騒がれているが、日本の衆参院選の政党公約でも、米国の大統領選の公約でも全く同じだ。英国では投票結果が出た直後に反古にした。日本では当選後も公約達成を目指すとは言うが実現した試しはない。米国では大統領になった途端に手の平を返す。僅かな違いはあるが、共通しているのは「公約は実現しない」という現実だ。英国の事は昨日このブログに書いた。日本では昔から選挙公約はあったが、内容が抽象的で曖昧であるためアジェンダに替わった。ところが数値目標を明確にするアジェンダでは、実績とのズレが大き過ぎて批判を受ける。そこで最近はアジェンダとは言わずに昔通りの公約に戻ってしまった。勿論曖昧さと伴に。米国では、ビル・クリントンは中間層の減税を公約していたが就任してから財政赤字削減に乗り換えた。子ブッシュは他国の国造りに関与しないと公約したが中東に大量の兵を送った。オバマは共和と民主の中道政策を約束していたが共和党が猛反対する新医療保険制度の成立に邁進した。数え出したら限が無い。政治の世界では、公約とは票を確保するための御呪いみたいなもので、政権奪取後の政策とは殆んど関係のないものとみるべきなのだろう。米国大統領選が近づいている。ヒラリーは前言を翻すことが多い。筋の通った主義主張がないから米国民から嫌われている。一方トランプは論理的に矛盾に満ちた意見を連発している。どちらが大統領になっても、言ってる事からやる事を推測するのは不可能だ。日本では参院選が近づいている。何を拠り所に投票すべきか悩みは尽きない。

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BREXITからBREGRETへ

英国では離脱派を主導した政治家が舌の根も乾かぬ間に公約の反古を言い出した。残留派からは不満が噴出しているようだ。スローガンでは、離脱するとEUへの拠出金が浮き、国民保健に出資出来るとしていたが、英国独立党のファラージ党首は誤りだったと発言した。保守党のダンカンスミス元党首も教育予算に上乗せ出来るとしていたが、あくまでも可能性の話だとお茶を濁した。ハナン欧州議会議員は移民全面阻止を若干管理出来るに下方修正。ボリス・ジョンソン前ロンドン市長は主張が嘘だらけで「恥を知れ」と罵声を浴びている。しかし、これ程スローガン合戦で中身のない国民投票も珍しい。国民は中身も知らずにスローガンに踊らされていただけなのだから、国民投票という制度は恐ろしいものだと思う。マスコミでは、国民投票で英国のEU離脱が決まったと報道しているが、正確に言うとそれは間違いのようだ。国民投票には法的拘束力は無く、議会への助言程度の力しか無いとのこと。議会は政策決定の参考にすればよく、投票結果を履行する法的拘束力は無い。議会は離脱に反対し離脱手続きを進めない選択肢もある。だが助言程度と言えども国民投票の結果は重い。もし国民投票後の英国民の総意が残留と見込めれば、議会は解散総選挙で再度民意を問うことも出来る。いまボールは議員にある。離脱派が主張していたBREXIT(BRITAINとEXITの造語)はBREGRET(BRITAINとREGRET)へと変わりつつあるようだ。

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塩野語録

EU離脱が決定してから「やはり消費税増税先送りの判断は正しかった。国際関係の中では何が起きるか分からないので、政府は常日頃からそういうリスク対応をとっている」と、菅官房長官が講演したとか。サミットの時に23日に英国のEU離脱国民投票があることは知られていた。サミットのメンバーの誰しもが残留するものと思っていたはずだ。もしも英国が離脱したらと対策をとっていた国は無い。サミットでは、安倍首相が「リーマンショック級不況が目前にある」と発言したが、各国首脳に笑われた。安倍がリーマンショックと言い出したのは、消費増税見送りのためのアリバイ作りであることが見え見え。消費増税を見送りたいからリーマンショックと言い出した安倍の心境は分からないでもない。だが、EU離脱を見込んで消費増税を先送りしたとする菅発言は言い過ぎだ。と言うよりは、官房長官の発言としては薄っぺら過ぎる。こういう地に着いていない発言が、国民の信頼を損なうことになる。安倍首相も事ある毎に及び腰だ。消費増税も憲法改正議論も先送りしている。全ては参院選のため。得票率の下がる事案は全て封印してしまう。何のための、誰のための政治だろうかと思う。作家の塩野七生さんは「安倍さんにやりたいだけやらせては。2度も首相としてのチャンスを貰い、それで何もしなかったら政治家ではないし、男でもない」と言っている。自分も全く仰る通りだと思う。

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国民投票のあり方

英国のEU離脱は決まったが、その決定過程に問題は無かったのだろうか。離脱51.9%、残留48.1%でその差は僅か3.8%。総投票数3355万票で差は127万票。離脱に投票した人のたった65万人が反対票を入れれば残留になった。重大事案を決定するのに過半数採決で良いのだろうか。英下院の請願サイトでは投票のやり直しを求める署名が250万人を超えたという。昨年末から「投票率が75%未満で多数だった方の得票率が60%未満の場合は、やり直しにする」という請願が出されていたが採用されなかったためだ。一般民衆は一時的な衝動に走り易い。ハードルは少し高めに設定すべきだったのではないかと思う。年齢層別の離脱/残留の賛成比率も特徴的だ。44歳以下は残留が多いのに。45歳以上は離脱が多い。これからの国の形を決める投票なのに、次世代を担う若者の意見が通らなかった。国の将来を投票だけで決めて良いのだろうかとも思う。離脱に投票した人達は、離脱の意味を理解していたのだろうか。グーグルによると、離脱が決まった後、英国で検索件数が最も多かったキーワードは「EU離脱は何を意味する?」で、2番目は「EUって何?」だったとのこと。英国民はEU離脱の意味も知らずに投票していたのかもしれない。そのうち日本でも憲法改正の国民投票があるかもしれない。今の法律では、有効投票の過半数で成立することになっている。英国を他山の石として、見直すべきではないかと思う。

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時代の変曲点

大方の予想に反し、国民投票で英国のEU離脱が決まった。予想とは、一人ひとりが予想したのではなく世論調査会社が予想したもの。そして誰もがその調査結果を信頼したが、元々調査自体が間違っていたということだ。1年前の英国の総選挙の事前調査では二大政党の接戦が予想されていたが、結果は保守党の圧勝。今回も世論調査が間違っていた。予想が外れ想定外の事が起きると混乱は必至だ。この先が読めない。為替は変動し、株式は急落した。もう少し離れた所から客観的に見ると、時代の変曲点にも見える。長く続いた新自由主義の終焉かもしれない。新自由主義により世界的にあらゆる面で格差が拡大した。5%の富める者が90%の富みを保有する歪んだ構造になってしまった。トリクルダウンなどは存在しなかった。一般市民の不平不満は大きい。そして我が身を守るようになる。保護主義の台頭だ。英国のEU離脱は保護主義の典型に見える。米国のトランプ現象も保護主義そのもの。全世界が保護主義の流れに乗り漂流を始めそうだ。今後EUからの離脱が相次ぎEUは崩壊するかもしれない。他国の事には無関心になる。相身互いの互助精神は影を潜めてしまう。英国民が悪い訳ではない。英国民にとって最善の策かもしれないし、地獄を見ることになるかも知れない。いずれにしても時代の変曲点にあることは間違いなさそうだ。

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成金への評価

自分の三男が中国に出張することになった。お土産を頼まれたようだ。何と粉ミルクだという。中国で毒粉ミルク事件が発生したのは10年以上前の事だ。その後当局が取り締まりに力を入れているとのニュースが流れていたから、既に過去の出来事かと思っていた。だが、未だに中国産の粉ミルクは質が悪く、日本産や豪州産の粉ミルクが爆買いの対象になっているらしい。そんな事もあり、最近の中国の国内状況がどうなっているのか気になりだした。テレビでは「中国のトランプ」とも呼ばれる不動産王の王健林が率いる万達集団を特集していた。万達集団は、上海ディズニーランドを凌駕すると豪語する広大なアミューズメントパークを開業した。スケールは大きいが、中身はミッキー擬きが溢れている。まさにパクリのオンパレードなのだ。キャラクターのパクリはガンダムから始まりドラえもんと続き相当叩かれたが、未だに懲りないようだ。更に、今度は取引額50兆円を超える世界最大の小売企業となったアリババの馬会長が、とんでもない発言をしたとのニュースが流れた。「中国で作られるコピー商品は本物に負けない品質だ。しかも本物より安い」と、知財権を侵害する行為を称賛したのだから、開いた口が塞がらない。まさに馬だけに馬脚を現したと言えそうだ。日本にもスケールは小さいが成金はいる。周りの人は口には出さないが軽蔑している。さて、スケールの大きい中国の成金は、中国ではどのような評価をされているのだろうか。

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レイアウトの更新

このブログはJimdoでホームページを作成している。HTMLなどの専門知識は一切不要で簡単だとのことで、2011年にJimdoを採用することにした。Web上でコンポーネントをクリックするだけでホームページを作れるので重宝していた。ところが、先日Jimdoからメールが届いた。新レイアウトに移行してほしいと。旧レイアウトのままだと、今後引き続き利用は出来るが、サポート対象外になるという。仕方なく、新レイアウトに移行することにした。幾つかのテンプレートからレイアウトを選んでみた。その結果が今日のホームページだ。だが、これに満足はしていない。バランスが悪い。タイトルの長い縦幅を、もっと短くしたいが操作法が分からない。当面はこのまま使うことにした。その内、操作法を探りながら改良していこうと思っている。しかし、見方を変えれば、ITに疎い自分でもこの程度のホームページを作成出来るのだ。世の中に星の数ほどWebサイトが出来る理由が良く分かる。

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EU離脱国民投票の行方

英国のEU離脱を問う国民投票日の23日が迫ってきた。英国の離脱はEUだけに限らず経済的にも軍事的にも全世界に影響を与えそうだ。残留派は貿易や雇用などのEUから得られる経済的な恩恵を争点としているのに対し、離脱派は移民問題や主権を前面に打ち出している。残留派も離脱派も互いに憎悪むき出しで対立している。だが論点が噛み合わない。離脱派は離脱後の貿易や雇用についてどのような方策を考えているのかをはっきりさせないし、一方残留派は移民問題や英国の主権についてどのように対処しようとしているのかが見えてこない。そもそも何故英国がEUから離脱すべきなのか確固たる理由が見えてこない。両陣営の政治家が国民を煽り、マスコミが火に油を注いでいるように映る。現時点では賛否が共に45%程度で拮抗している。態度を保留している残りの10%が、どちらに投票するかで離脱/残留が決まりそうだ。初めから賛否を表明出来ない人は思い悩むことになる。そして思い悩んだ人は、安全サイドに落ち着くことになるのが世の常だ。従って、恐らく残留55%、離脱45%で決着することになると思う。ブックメーカーのオッズでは、残留の確率が約75%と、離脱の確率約25%を大きく引き離しているという。これが民意を最も正確に表しているのかもしれない。いずれにしろ今週中に結果は明らかになる。

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V12に思う事

新聞の見出し「V12」を見て、何処かのチームが12連覇したのかと思った。ところがスポーツではなく経済記事。「V12」とは、中間層の拡大で急成長が見込める世界12カ国を指す新興市場のコンセプトで、いま米国で注目を浴びているという。BRICSはもう古いのだ。BRICSは、2000年代以降著しい経済発展を遂げているブラジル、ロシア、インド、中国、南アの5カ国の総称だった。V12とは、インド、中国、パキスタン、インドネシア、バングラデシュ、ナイジェリア、エジプト、フィリピン、ベトナム、ブラジル、メキシコ、ミャンマーの12カ国。「V」はVELOCITYの頭文字で、速度とか速力という意味で、中間層が勢いよく伸びている様を表しているとか。米広告大手が、中間層の収入や購買力などを調査してはじきだしたとのこと。V12の特徴は、女性の活躍が社会の発展や起業で原動力になることと、中間層の多いイスラム教徒を対象にしたサービスや商品への需要拡大だという。いま先進国では格差が拡大し、米国でも日本でも中間層が激減している。経済を立て直すには、中間層を増やす政策が必須だが、アベノミクスは格差を拡大させ真逆方向に進んでいる。結局アベノミクスは金融政策だけで終わり、肝心の成長戦略は言葉だけが踊り具体的な道筋は描けなかった。今からでも遅くは無い。中間層倍増対策に転換すべきだと思うのだが。

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改正公職選挙法の施行日

今日から改正公職選挙法が施行され、選挙権年齢が18歳に引き下げられる。世界と較べると、日本の20歳は高齢の部類に属し、18歳になりやっと世間並みのレベルになる。地球全体では、既に18歳は大人の時代になっている。日本では高齢者はもともと人口が多く投票率も高いが、若者は政治に無関心派が多い。それが高齢者層重視の歪んだシルバー民主主義を増長させている。18歳への引き下げで、少しは緩和効果が期待出来る。大半の学校が主権者教育の時間を設けたが、政治的教養を身に付けさせるのは難しいと言っている。政治的中立性を確保しながら、現政党の良し悪しを比較するのは困難だ。そうような教育は寧ろ返って害になる。学校で教えるのは、選挙制度の仕組みと歴史だけで充分だ。特に大切なのが選挙権獲得の歴史だろう。昔は多額の税金を納めた25歳以上の男子だけに選挙権が与えられた。その額が15円、10円、3円と順次緩和され、1928年に納税の有無に関わらず25歳以上の男子になった。そして終戦後の1946年に、女性参政権が認められ同時に年齢も20歳になった。そして今回70年も経ってから18歳に引き下げられた。18歳引き下げは、若者にも責任を押し付けるというものではない。歴史を振り返るだけでも、若者の選挙権意識は高揚するはずだ。若者へのアンケートによると、選挙に行くと答えたのが56%で、行かないが12%だとか。アンケート通りになれば投票率は上がることになる。だが「日本の政治家を信用していない」と答えた人が74%にも達しているという。若者の見る目は正しい。日本の政治は政治家により質が落とされている。だが、その政治家を選ぶのは、若者を含む国民だ。隔靴掻痒かもしれないが、粘り強く政治家の質を見極め発信する努力しか日本を良くする道はなさそうだ。

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消防庁長官の不作為

渋川市の消防隊が脚光を浴びている。出火元から周辺建物への被害の広がりを表す「延焼率」が、全国平均の約20%に対し2%という低さにあるからだ。連日全国から消防関係者の視察が殺到しているとのこと。「延焼率」が低い理由は、消防隊員全員で、少ない人員で如何に効率よく消火し延焼を防ぐかを研究し、実践に生かしたからだ。消防隊員が少なくかつ高齢化しているのは何処でも同じだ。一つは動作の時短。ホースの出し方から伸ばし方、防火靴の履き方まで無駄な時間を徹底して省く時短に取り組んだ。もう一つは消火器具の工夫。年配の隊員でも走りながらホースを伸ばせるよう車輪が付いたキャリーバッグを独自開発した。更にシミュレーションの徹底。消火栓や防火水槽の設置場所の把握だけでなく、管の太さや水圧、蓋の形状まで把握しており、通報が入って地図を広げた時点で、最適な消火方法を瞬時にシミュレーション出来るという。渋川市の消防隊が延焼率低減に取り組んだきっかけは、2009年に入所者10人死亡という日本高齢者福祉史上最大の惨劇となった老人福祉施設「たまゆら」の火災事件とのこと。この施設は違法建築で、当時施設経営者の責任が厳しく問われた一方で、後手後手の日本の老人福祉政策への風当たりが強まった事件でもあった。違法性を非難したり、政策の遅れを嘆くことは簡単だ。ところが、渋川市の消防隊は、二度とこのような惨事が起こらぬように消火技術向上に取り組んだ。簡単に出来そうに見えて、なかなか出来ない努力だと思う。全国からの視察が絶えないという。それはそれで良いのだが、総務省消防庁が率先して渋川方式を全国に広めれば、日本の消火技術は飛躍的に向上する。消防庁長官は一体何をしているのだろうかと思う。

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リオも東京もNOを

リオ五輪の開催までに50日を切った。ブラジル大統領は弾劾裁判で職務停止中の身だ。五輪の準備は遅れている。ブラジル国民は、国民生活を第一に考えろと猛烈に反対している。更にここにきてリオ州政府は、深刻な財政危機に陥り五輪開催の義務は果たせないと非常事態を宣言した。政府からの援助が無ければ開催は不可能という政府への無心でもあるようだ。招致当時に較べ経済が下り坂とはいえ、当初から五輪招致には無理が有り過ぎたのだ。一体誰のため何のための五輪なのだろうと不思議に思う。一方、参加者側にも相当無理がある。国際陸連は組織的ドーピングのロシアに対しリオ五輪を含む国際競技大会への出場を認めない決定を下した。ロシアのドーピング文化は根強く、改善する傾向も見られない。ドーピングを隠蔽していたロシア・スポーツ相は「ドーピングをしていない選手は出場させるべき」と主張していると言い出す始末で、何が何だか分からない。まさに混乱している。更にプーチン大統領までもが「ドーピング問題は極めて政治的にロシアを攻撃している」と言う始末。だが、大統領の意見とは裏腹に、ロシアのドーピング不正を暴く機関の幹部が何故か突然2人も亡くなっている。ロシアは毒殺が得意技でもある。更にリオを引き継ぐ東京の顔も、汚れたままで跡継ぎは決まっていない。それが現実だ。利権塗れで金のかかり過ぎる五輪を、このままま存続させて良いのだろうか。リオはNOと言い、東京もNOと言うべきだと思う。そのNOこそが、五輪を本来の健全なる五輪に再生させるに違いないと確信している。従って、リオも東京も五輪中止、大賛成。

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メルトダウンの箝口令

東電の第三者委員会が、福島原発事故後2ヶ月間もメルトダウンを公表しなかったのは、首相官邸からの指示があったからだと認定した。それに対し当時の菅首相と枝野官房長官が猛烈に否定している。名誉毀損だとして東電に法的措置を検討しているという。では客観的に見て当時の状況はどうだったのだろうか。原発事故の次の日には、原子力安全・保安院の審議官が記者会見でメルトダウンの可能性があるとの認識を示した。ところが、翌日には更迭され、別の審議官に替わりそれ以降メルトダウンとは一切発言しなくなった。一方NHKでは水野NHK解説委員がメルトダウンを口にした途端、政府から圧力がかかり、水野委員は番組を降板させられる寸前まで追い込まれた。この3つの事実から、官邸が箝口令を敷いていたのは間違いないと推測される。事故後幾つもの原発事故調査委員会が発足したが、どれもこれも中途半端な調査で終わってしまった。箝口令を敷いた張本人たちがトップに居座っていたので、しょうがないと言えばしょうがないが、だらしないの一言に尽きる。幸か不幸か、枝野元官房長官は法的措置を取ると息巻いている。是非法的措置を取り、東電と争い、事実関係を明確にしてもらいたい。菅元首相、枝野元官房長官、海江田元経産相、細野元補佐官らは、否定を繰り返す程自分の首を絞めることになるはずだ。

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イチロー選手の凄さ

イチロー選手が、ついに世界一の安打製造機として歴史に名を刻んだ。日米通算4257本目の安打を放ち、不滅と言われていたヒット・キングのピート・ローズの記録を抜き去った。だがMLBでは日米通算を記録としては認めていない。日米合算の成績は参考記録に過ぎない。ピート・ローズはいちゃもんをつけている。イチローの日本の記録を加えるのならば、自分のマイナーリーグで打った427本を記録に加えるべきではないか、と。確かにひと昔前の日本プロ野球のレベルはメジャーよりもマイナーに近かったかもしれない。一理はある。だが、年間試合数はMLB160に対し日本は130。その差を考慮するとイチローは350本のヒットを失っているとの見方もある。所詮メジャーオンリーと日米通算を比較すること自体に意味が無い。メジャー記録ではないが、日米通算での世界記録ということで歴史に名を残せば良いと思う。それにしてもイチローは凄い選手だと思う。その凄さの原点は何処にあるのだろう。イチロー選手自身が言っている。原点は「人に笑われて」にあると言う。小学生の頃、プロ野球の選手になりたいと言って人に笑われた。大リーグに移った時「首位打者になりたい」と言ったが、真に受ける人は誰もいなかった。だがメジャー1年目で首位打者を獲得した。人にどう思われようが、自分で目標を設定し、もくもくと目標達成に努力をして、結果を出すのがイチローなのだ。そのイチロー選手の最終目標は、世界記録ではなく「50歳で現役」とのこと。米野球殿堂入りと現役引退との追いかけっこが始まりそうだ。

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必然と偶然の支配

アメリカ史上最悪の銃乱射事件で50人もの犠牲者が出た。すかさず、オバマは「国内テロ」だと叫び、トランプは「テロ関係国からの移民禁止」を、ヒラリーは「イスラム教徒との連帯」をと訴えた。事件直後ISISが犯行声明をしたことに反応したからだ。事件は、フロリダのホモクラブでの無差別乱射。犯人はホモを憎んでいたという。ISISにも帰依していたという。そして、この事件への対応が、ダイレクトに米国大統領選の焦点になった。ISISも存在感を示した。だが、事件から数日過ぎると様相は一変した。犯人は相当以前からそのホモクラブに入り浸っていたホモだったらしい。ホモの世界でモテずにキレた単なる色恋沙汰の末の犯行だったようだ。こんな事件を見ていると、つくづく歴史とは偶然で動くものだと思ってしまう。本人の意図と周りの評価は一致しないものだ。歴史の動きも、必然というよりは偶然に支配されているのかもしれない。その偶然の上に偶然が重なり、全ての人が今を生きているのかもしれないことが容易に想像出来る。勿論自分も浮草のようなものだと。

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ホテルが客を選ぶ時代に

厚労省が旅館業法を見直す方針とのこと。宿泊施設が迷惑客の宿泊を断れるようにする。訪日旅行客の急激な増加を見込み、民泊を営み易くする狙いがあるようだ。現法では、伝染病の客や賭博など違法行為の恐れがある客らを除き、原則として宿泊拒否を罰則つきで禁じている。即ち基本的にホテルは宿泊拒否は出来ないことになっている。それを、障碍や人種など合理的ではない理由で拒否は出来ないが、宿泊施設側が自由に拒否条件を設定出来るようになる。例えば、女性専用のホテルとか大人専用の旅館とか、利用者側から見ても選択肢の幅が広がることになる。勿論人によっては選択肢が狭まるケースも出て来るに違いない。海外では民泊が広がっている。民泊の大手仲介サイトでは、客から民泊を評価するとともに、民泊側が迷惑行為があったか登録客ごとに評価するシステムがある。だから評価の低い客を断れるようになっているようだ。客が宿泊施設を選ぶ時代から、宿泊施設が客を選ぶ時代に変わりそうだ。お蔭で日本人の特徴でもある「旅の恥はかき捨て」は近い将来死語になるかもしれない。

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選挙カーでの連呼禁止を

テレビのニュース情報番組では連日のように舛添疑惑が取り上げられている。15日の都議会閉会日に共産党が不信任案を提出することになっているが、成立の可否は微妙だ。自公が煮え切らない。賛成すれば舛添を推した過去の責任が問われるし、反対すれば都民の9割以上を敵に回すことになる。結局どちらに転んでも来月の参院選に大きな影響を与えることは必至。そこで自公は妙案を捻り出した。集中審議を閉会後の20日にも行うことにより、9月の議会に先送りする魂胆だ。取り沙汰されている理由は、参院選への影響と都知事選の時期。もし15日に不信任案が成立すると、2020年東京五輪の開催中に都議選が行われることになる。それを避けたいと考えているようだ。何故避けたいのだろう。五輪はスポーツ競技を競い合うものだし、選挙は主義主張を競い争うものでバッティングはしない。だが、ただ一つだけ問題がありそうだ。選挙と言うと選挙カーでの名前の連呼だ。得票にとって何の効果も無いし、傍迷惑なだけ。もし五輪開催中に外人が連呼を見たらどう思うだろう。日本は文明の未開国と思うに違いない。自公は日本の恥を見せたくないと思っているのかもしれない。では何故候補者たちは連呼をするのだろうか。公職選挙法では、車上での選挙運動を禁止している。但し、連呼だけはやってもよいという法律になっているからだ。舛添疑惑を契機に、公職選挙法の改正が行われ、車上の連呼が禁止となれば、日本の選挙の質は一歩前進することになる。舛添去りて連呼禁止となれば、舛添も少しは日本に貢献したことになると思うのだが。

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復興の足を引っ張る観光庁

災害ボランティア派遣の交通手段として浸透しているボランティアバスについて、観光庁は旅行業法違反との通達を出した。今まで事実上黙認してきただけにボランティア関係者の間で戸惑いが広がっているようだ。一方、復興庁のHPではボランティア活動を推奨するためボランティアバスの利用を積極的に紹介しているのだが。同じボランティアバスに対し、観光庁は実費徴収だけでも違法だからNOと言い、復興庁は緊急時だからYESと言っている。評価は全く正反対だ。観光庁は東日本大震災の時、本来旅行業の登録をするか旅行業者へ依頼する必要はあるが、緊急的な対応の為、利益を上げない場合は黙認するとしてきた。そして今回の熊本地震災害でも同じようにボランティアバスの運行を認めてきた。では何故急に違法などと言い出したのだろうか。どうもたった一つの「もしボランティアバスが事故に遭い死亡事故が起きたら誰が責任を取るのだ」というクレームに過剰反応したようだ。観光庁は一体何処を見て仕事をしているのだろうかと思う。観光庁にとっても熊本は観光の目玉だ。だから観光庁としても、出来るだけ早急に熊本が復旧して欲しいと思っているはずだ。それであれば熊本復旧のために最大の援助を差し伸べるのが本道。ところが、その熊本復旧を邪魔する行為に出た。何故なのだろう。答えはただ一つ。観光庁の責任逃れ。如何にも官僚の考えることだ。法律的には間違っていない、と聞こえて来る。何処か舛添と同じ行動を取っているいるように見える。だが、少なくとも、日本をマイナスの方向へ誘導していることは間違いない。

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金属アレルギーとナノ粒子

金属アレルギーの原因は金属ナノ粒子によるものであるとのことを大阪大の研究チームが発表した。金属アレルギーに悩む人は意外と多い。ニッケル、コバルト、クロムが金属アレルギーを起こし易い金属として知られている。皮膚に直接接触するピアス、ペンダントや、ニッケルを含むチョコレートなどが有名だ。今までは、金属から溶出した金属イオンが人体のタンパク質と結合し、アレルゲンとなるタンパク質に変質させると考えられていたが、詳しい仕組みは不明だった。研究チームは、マウスに金属イオンだけを投与しても発症しないので、金属イオンから生じる金属ナノ粒子に着目したとのこと。マウスにニッケルなどの金属ナノ粒子をあらかじめ投与した後、再び金属ナノ粒子を投与したところアレルギー反応を示す腫れの悪化が見られた。メカニズムはこうだ。金属が皮膚に触れ金属イオンが溶け出す。体内に入った金属イオンが集まって金属ナノ粒子を形成する。体内に金属に対する免疫が出来る。その後再び同じ金属に触れた時免疫が活発に働き発疹やかぶれが発症する。メカニズムが分かれば、予防や治療法の開発につながる。将来、金属アレルギーに悩む人は激減しそうだ。この研究は金属ナノ粒子の安全性研究にも大いに役立ちそうだ。ナノ粒子は挙動が特異的で今までは考えられないような特性を創り出すことが出来るので、その研究は脚光を浴びている。反面負の効果もあるのも事実。多くの研究者が扱い始めている。研究者にとっても、この研究成果はナノ粒子の取り扱い安全性に警鐘を与えていることだと思う。

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国交相の二重の間違い

国交省が燃費不正問題の再発防止策として、抜き打ち検査で不正が発覚した場合型式申請を却下し実質的に販売不可能にする方針を決めたとか。だが国交相は二重に間違っていると思う。一つは昨日のブログにも書いたが、現行の燃費計測法は実燃費と乖離しているから正しい計測法とは言えない。正しくない計測法通りに計測しないのならば罰則をかけるという考えは間違いだ。官僚は過去の決定は常に正しいという前提に立っている。だから官僚的思考では、現行法に従わなければ制裁するという考え方になる。この過ちを正すことが出来るのは政治家である石井大臣だけだ。国交省からこのような制裁案が出て来るということは、公明党の石井大臣が官僚の意のままに動かされている証とも言えそうだ。もう一つは、不正が出る度に監視役を創設するということは、単に官僚の天下り先を作り増々大きな政府にして歳出を膨らませるだけ。燃費計測法を実燃費に近付けるよう改良すれば、監視役は自動的に国民や自動車マガジンが歳費なしにやってくれる。もし大臣の1人でも財政再建に本気に取り組み人がいれば、天下り先などを作らずに、見える化をはかり判断を世論に委ねるはずだ。だが、こう考える大臣は一人もいそうにない。残念。

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燃費計測の国際標準

スズキの燃費不正問題で鈴木会長がCEOを返上し、技術担当副社長は辞任した。スズキは法令とは違う方法で燃費を測定していただけだから、悪質な三菱自動車やフォルクスワーゲンに較べれば罪は軽い。自動車は燃費が売りになる。だから燃費測定法は重要だ。燃費計測の方法は、60km/h定地走行燃費、10モード燃費、10・15モード燃費、そしてJC08モード燃費と変遷してきた。だが、これらの計測方法は、実際の燃費とは大きなかい離がある。10・15モード燃費で15km/hと表示されれば、実用燃費は10km/h程度かと推測するのが常識だ。国交省と経産省は現行のJC08モード燃費に代わる新方式の計測方法を2018年に導入するという。国際標準の試験法だという。ところが内容的には現行法のマイナーチェンジでしかないようだ。ユーザーが燃費について知りたいことは、実用的な燃費。街中で走った時は何km/hなのか、高速道路では何km/hになるのかということだ。燃費計測値が実用値とほぼ一致するようになれば、自動車メーカーの燃費不正問題など起きる訳がない。国交省と経産省は、実用値と一致する燃費計測法を作り上げるべきだと思う。それが出来ればまさに日本初の国際標準が生まれることになるはずだ。

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クソオヤジとドブス

自分は55歳になってから自動車免許を取得した。あれから14年が過ぎた。一度の違反も事故も無くゴールドが続いている。でも、軽い接触事故は2度あった。一つは数年前の事だ。比較的広い片側1車線の脇に車が止まっていた。それをすり抜ける為若干車線をはみ出した。その時自分の車のサイドミラーと対向車のサイドミラーがぶつかった。すぐさま相手に駆け寄り、ひたすら謝り100%自分の落ち度なので損害があれば全額負担すると伝えた。幸いにも双方に被害はなかった。もう一つは今日。対向車は左カーブの坂上からセンターラインを越えてショートカットで突進してきた。自分は危ないと思いながら左端ギリギリを通過しようとした。その時衝撃音がした。一瞬その音は何かと思ったが、すぐにサイドミラー同士がぶつかったことが分かった。車を少し先の道端に止め、相手車両の様子を見に行った。相手は若い女性。損傷はなかったのかと尋ねた。無いと言う。自分は「良かったね」と言い「でも事故の原因はセンターラインを大幅に越えた貴方にある」と言った。すると驚くことに、その女性は「だったらあんたが停車しなかった所為だ」と言い出した。まさに盗人の逆恨みなのだ。そこで自分もカチンと切れた。「バカを言うのもいい加減にしろ」と切り返した。その後少し言い争いをしたが、自分に落ち度はないので車に戻った。そして自分の背後で「ギャー、クソオヤジ」という叶切り声が響いていた。その時自分はクソオヤジに反応し戻って「ドブスめ」と返す誘惑に駆られたが、そうはしなかった。もし、していてば、自分がドブスレベルの人間に堕ちてしまうと思ったからだ。・・・あれから12時間が過ぎた。今では、あのドブスが天使に見えてきた。あの時以降車の運転がより慎重になった。自分だけが安全運転をしていれば良いというものではないということも学んだ。災いは転じて福となるかもしれない。

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亀場所の東西横綱

今場所の東横綱は舛添で、西は甘利と言えるかもしれない。舛添都知事が、ヤメ検弁護士の弁護を得て違法性は無いとの免罪符を捻出し、知事職続投に含みを残した。一方、UR口利き疑惑や利権がらみで尻に火が付き、国会を長らく休んでいた甘利元前経済再生担当相は、特捜の立件見送りと国会閉会に合わせ、早速活動を再開すると表明した。両者とも亀のように嵐が過ぎ去るのを首を竦めているかのようだ。首を竦める程度で言えば、東横綱は舛添で、西は甘利と言えると思う。このような人物を見ると、昔言われていたことを思い出す。昔から日本の政治家には汚い人が多かった。国民は事ある毎に失望していた。そこまでは今と同じだ。だが、昔の識者は、このように政治家に悪い噂が立つだけで米国では即退場させられると言っていた。自分は子供ながらに米国には正義と清さがあると憧れていた。だが大人になってそれが現実では無い事を知った。今では、昔教えてくれた米国の正義が本当にあったのだろうかと半分は疑っている。大人になると見えてくるものがある。世の中には清い所もあるし、汚い所もある。世界中の今の政治家は汚い水にどっぷりと浸かっている。一人でも良い。昔の語り種となった正義に満ち溢れた政治家はいないのだろうかと。

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空の鉱物

ツタンカーメンの墓で発見された短剣が、鉄隕石から出来ていたとの調査結果が発表された。ツタンカーメンの墓は今から約百年近く前に考古学者ハワード・カーターにより発見、発掘された。王墓としては極めて珍しいことに3千年以上の時を経ても殆んど盗掘を受けていなかった。ツタンカーメンと言えば、黄金のマスクが有名だ。数々の副葬品がほぼ完全な形で出土している。その中の一つが「ツタンカーメンの短剣」。棺の中から発見された2本の短剣は、一つは金、もう一つは鉄。だが、この鉄が研究者たちを悩まさせていた。古代エジプトには殆んど鉄製品は存在していなかったし、かつその鉄の短剣は3千年以上経過した現在でも錆の痕跡が全くないからだ。この度蛍光X線分析装置で元素分析をした結果、高含有量のニッケルとコバルトを含んでいることを突き止めた。しかも、その鉄の金属組成が16年前にエジプトで発見された鉄隕石と一致していたとのこと。論文によると、エジプト人たちは紀元前13世紀頃から「空の鉱物」と訳せる象形文字を使っていたという。古代エジプト人たちは珍しい鉄の塊が空から降って来る現象に気づいていたに違いない。しかも、それを掘り当てかつ加工していたのだ。古代エジプトでは天文学が発達していた。それを基に正確な暦を作り、農業や儀式に活用していたことは有名だ。更に地球上のものではない「空の鉱物」をも使いこなしていたとは、古代エジプトにはロマンが満ち溢れている。

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職務が人格を歪めるのか

中国の王毅外相の様子が変だ。カナダ訪問時、カナダ人記者がカナダ外相に「人権問題への懸念があるなか、なぜ中国と緊密な関係を求めるのか」と質問した際に、王毅外相が「中国の人権状況を最も理解するのは中国人だ。お前には発言権がない」とブチ切れたという。中国が漢民族以外の民族を迫害しているのは事実だし、質問するなとは言い過ぎだろう。4月の岸田外相の訪中時も岸田外相に対し「中日関係の悪化は日本の責任だと誠心誠意を持っているなら歓迎する」と非礼極まりない態度を示した。嘗て王毅外相は駐日中国大使を務めていた。当時は地域友好に力を入れ日中友好のために汗を流していた。事実その功績が認められ全国日本学士会から特別賞を受賞している。その王毅が中国外相になった時は、中国は方針を地域友好に転換するのかと期待したものだ。ところが、外相になった途端、まさに今までの外相の路線を引き継ぎ対日批判家に変身してしまった。更に最近はカナダでも日本でも、品位に欠ける強硬姿勢が目立つ。噂では更迭間近と言われているし、副首相級の国務委員昇格かとも言われている。いずれにしろ、職務が人間性や人格を歪めさせているようだ。国連の潘事務総長も同じだ。総長就任前は公正な人物と言われていた。ところが韓国贔屓過ぎて、身の周りを韓国人で固め、発言も韓国側に寄り過ぎている。しかも今は総長の立場よりも次期韓国大統領としての言動が目立つ。嘗ての王毅や潘は一体何処に行ってしまったのだろう。

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行政改革の初めの一歩

杉並区が打ち出した待機児童対策に対し住民たちが揉めている。区は新設の保育園用地の候補として幾つかの区立公園を挙げたが、近隣住民は子供の遊び場が無くなると反対している。保育園に入れない待機児童の解消は、主に都市部の喫緊の課題だ。昨年のデータでは、全国で2万人以上いて、うち都内には約8千人と集中している。都会の自治体にとって、保育園の開設は用地確保が大きな課題になっている。最近は庁舎の駐車場とか新設のオフィイスビル内にも保育園が作られているのが現状だ。区が区立公園に目を付けた気持ちは良く分かる。では地域にとって公園とは何だろう。住民にとっては憩いの場であり、地域の環境保全の場であり、子供たちの遊び場であり、幼児を抱えた母親の公園デビューの場でもある。ひと昔前は、公園とは単なる空地だった。だが今ではこのように住民にとって無くてはならないものになっている。住民が公園を潰されることに反対する気持ちは良く分かる。公園は必要だ。でも保育園も必要だ。そこで、この両方を満足させる手段は無いものかと考えてみた。良く考えればあるのだ。現在ある公園には保育園を作る。その代り小中学校に公園の機能を付加させるというアイデアだ。昔は誰でも小中学校の校庭に入り遊べたが、現在はセキュリティ上という名目で入ることは出来ない。誰でも入れるがセキュリティにも問題が無いという学校の仕組みを作れば解決するはずだ。学校側にとっても常時近所の人がいる所為で見守り効果も上がるし、生徒と近所の人の交流も増え、実質的な社会人教育にもなる。何故出来ないのだろうか。答えは簡単。全てが縦割り行政だからだ。一つの行政内だけでは完結しているかもしれない。だが、それがトータルで優れているとは言えない。縦割り行政を打ち破ることこそ、行政改革の一歩目だと思う。

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政治資金規制法の改正を

マスコミは相変わらず舛添都知事公私混同疑惑を取り上げている。ファーストクラス、スイートルーム、公用車そして政治資金の流用とネタには事欠かないし面白おかしく放送出来る。自腹で払う弁護士を「厳しい第三者の目」とすり替えるところは、最早滑稽そのもの、猿芝居と言える。マスコミにとって、このパンドラの箱は打ち出の小槌のようなものだろう。舛添は自ら説明責任を果たしていない。自分のケツを拭けないような奴は都知事を務める資格は無いと誰もが思っている。ところが都議会のドンは舛添を辞任させないことで手を打ったようだ。自民が有力な候補を擁立出来ない、橋下元大阪市長やそのまんま東が都知事になったらやり難い、舛添を都知事に推薦した自民の責任が問われる、今の舛添ならば自民の言う事をきく等々、の理由があるようだ。都議会は公用車の使用ルール見直しを検討するという。物事が随分矮小化されてしまったものだと情けなくなる。舛添疑惑の最大の問題点は、政治資金規制法にある。政治資金はどのように使おうが、計上の仕方さえ誤らなければ政治経費として認められてしまう。まさに国会議員たちが自ら作ったザル法なのだ。世間はこんなに舛添の政治資金の悪用について騒いでいるのに、一向に国会議員から政治資金規制法を改正しようという動きは見えない。国会議員全員が政治資金を悪用していると考えると腑に落ちる。我が党こそは規制法の改正を推進するぞと声を上げれば、今度の参院選の当選者上積みは間違いない。でも声は聞こえない。闇は相当深そうだ。

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非日常の一日

昨日から久し振りに伊豆の伊東に来ている。会社の同期のY君から、別荘へのお招きを受けたからだ。スーパービュー踊り子に乗り、ビールを飲みながら車窓の景色を楽しんでいると1時間半足らずで伊東に着いた。以外と伊東は近い。改札口でY君とF夫妻と合流し車に乗り込んだ。終日車で希望する観光地を巡ってくれると言う。まずは腹ごしらえ。街道沿いにあるインドネシア料理店に立ち寄り、昼食を摂った。陽を浴びながらテラスで食べたナシゴレンが美味かった。この時心は既に非日常の世界に入っていた。車は大室山を目指した。麓までは来たことがあるが登るのは初めてだ。リフトで山頂近くに来ると突如雲が湧き出した。今まで晴れていて下界が良く見えていたのに、瞬く間もなく白いベールに覆われた。そのベールの中で山頂を一周した。時々雲の切れ間から見える景色がとても貴重に感じた。山頂一周は幻想的な世界だった。ところが麓へ降りる段になり突然視界が開け、下界一面が見渡せるようになった。これまた感動的な光景だった。車は一路南へ向かい赤沢温泉に。湯船と海との境が無いように見える露天風呂からの景色は、まさに絶景。人気のある温泉であることが肯けた。夕方には一碧湖の近くにあるY君の別荘に到着した。荒れ放題の別荘を購入し、外構や庭の整備は全てY君自身が行ったとのこと。植栽にも取り組んでいて数十種類の木や花が植わり、かつその名前や性質に精通していた。夕食はY君の御手製だった。通り一遍の料理ではなく手がこんでいる。玄人はだしの域に達していて、自分の周りにはこれ程料理の上手い男性はいない。Y君と初めて顔を合わせてから45年にもなるが、このように高度な趣味を多く持っているとは全く知らなかった。美味い料理に会話が弾み酒量も増えて、睡魔に襲われ床に着いたことは覚えていない。極めて非日常の一日であった。

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