国民投票のあり方

英国のEU離脱は決まったが、その決定過程に問題は無かったのだろうか。離脱51.9%、残留48.1%でその差は僅か3.8%。総投票数3355万票で差は127万票。離脱に投票した人のたった65万人が反対票を入れれば残留になった。重大事案を決定するのに過半数採決で良いのだろうか。英下院の請願サイトでは投票のやり直しを求める署名が250万人を超えたという。昨年末から「投票率が75%未満で多数だった方の得票率が60%未満の場合は、やり直しにする」という請願が出されていたが採用されなかったためだ。一般民衆は一時的な衝動に走り易い。ハードルは少し高めに設定すべきだったのではないかと思う。年齢層別の離脱/残留の賛成比率も特徴的だ。44歳以下は残留が多いのに。45歳以上は離脱が多い。これからの国の形を決める投票なのに、次世代を担う若者の意見が通らなかった。国の将来を投票だけで決めて良いのだろうかとも思う。離脱に投票した人達は、離脱の意味を理解していたのだろうか。グーグルによると、離脱が決まった後、英国で検索件数が最も多かったキーワードは「EU離脱は何を意味する?」で、2番目は「EUって何?」だったとのこと。英国民はEU離脱の意味も知らずに投票していたのかもしれない。そのうち日本でも憲法改正の国民投票があるかもしれない。今の法律では、有効投票の過半数で成立することになっている。英国を他山の石として、見直すべきではないかと思う。