カテゴリ:201606



30日 6月 2016
最近のテレビのニュースは画面の下に字幕が出て来る。自分はどういう訳か、音声を聞きながら画像よりも字幕を読むことが度々ある。昨日のニュースで、街角の人々にインタビューする場面があった。もうどのような内容のインタビューだったのかは覚えていないが、違和感を覚えた字幕があった。インタビューを受けた人が「・・・ほぼほぼ・・・」と答えたら、字幕にも「ほぼほぼ」と表示されていた。その時、字幕を作る人は、馬鹿丁寧に言った通りに字幕にするのだと思った。正直に言うと、内容も考えず機械的に字幕にする無責任さが気になったのだ。ところが、今日Webで「ほぼほぼが、ほぼほぼ定着?」という記事を見つけた。「ほぼほぼ」は新語で「ほとんどそれに近い」という意味とのこと。「きっと」とか「必ず」という断言ではなく、限りなく断言に近いけれど、ほんの少し不確定さを残したい、という意図を表している。「ほぼ」が90%で「ほぼほぼ」は95%というニュアンスのようだ。数年前からブログなどで頻繁に使われるようになり、今では国語辞典の「ほぼ」の注釈に「俗に、重ねて使う」と付け加えられているという。同じ言葉を重ねて使うのは、日本語としてはごく当たり前の強調表現なのだそうだ。ただ「ほぼほぼ」は新参者なので公に使うと違和感を覚える場合があるが、10年も過ぎれば立派な日本語として成長しているかもしれないとのこと。「ほぼ」という言葉で思い出すのは、糸井重里さんの「ほぼ日刊イトイ新聞」だ。糸井さんは「ほぼ」と命名しながら、毎日一日も休まず更新している。そのうち「ほぼほぼ日刊イトイ新聞」に変わるかもかもしれない。この「西成恭介の雑感帳」も、書き始めてから5年が過ぎたが、毎日更新し続けている。そろそろ副題に「ほぼほぼ」を付けても許される時期に来ているのかもしれない。
29日 6月 2016
ウィンブルドン選手権が始まった。錦織の初戦相手は世界ランク124位のグロス選手。英国と日本の時差は9時間だが、いまはサマータイムなので8時間。錦織の初戦は日本の真夜中に始まった。仕方なく録画し後で見ることにした。毎年ウィンブルドンのテニスは面白いと思うが、今年の面白さは3つある。一つは勿論錦織の活躍。脇腹痛を克服してベスト8に到達出来るのか。二つ目はフェデラーの2回戦目の相手。世界ランク772位の英国のウィリス選手。時間給4千円のテニスコーチがガールフレンドから発破をかけられ発奮。ATPツアーレベルでの試合経験もないのに、予選6試合を勝ちきり本戦への切符を手に入れた。しかも1回戦を突破し第3シードのフェデラーと対戦することになった。フェデラーもウィリス選手を絶賛している。ウィリスもフェデラーを尊敬しているが倒すべく戦うと言明している。勝敗の結果は別として、是非ともウィリス選手のプレーを見てみたいものだと思う。もう一つは勝敗とは関係ないタオルの話。ウィンブルドンの公式タオルは人気がある。どの選手もタオルを持ち帰ろうとしているようだ。勿論あのジョコビッチ選手も。ジョコビッチは既に億万長者だが、あのタオルをこっそり持ち帰る癖があるという。公式タオルは40ポンドで売っている。欲しければ買えばよいのだが価値が違う。出場選手に配られたタオルにはプレミア的な価値がある。それを貰った家族や友人には、出場選手記念付きの貴重なタオルに変身する。また使用済みのタオルは選手にとっていつまでも記憶に残る戦利品でもある。たかがタオルされどタオルなのである。道理で試合終了後に選手が使用済みのタオルを観客席に投げ込まないはずだ。投げ込むのはリストバンドと決まっている。ウィンブルドンは面白い。
28日 6月 2016
選挙公約ほど当てにならないものは他に無い。いまは英国のEU離脱派の公約反古が騒がれているが、日本の衆参院選の政党公約でも、米国の大統領選の公約でも全く同じだ。英国では投票結果が出た直後に反古にした。日本では当選後も公約達成を目指すとは言うが実現した試しはない。米国では大統領になった途端に手の平を返す。僅かな違いはあるが、共通しているのは「公約は実現しない」という現実だ。英国の事は昨日このブログに書いた。日本では昔から選挙公約はあったが、内容が抽象的で曖昧であるためアジェンダに替わった。ところが数値目標を明確にするアジェンダでは、実績とのズレが大き過ぎて批判を受ける。そこで最近はアジェンダとは言わずに昔通りの公約に戻ってしまった。勿論曖昧さと伴に。米国では、ビル・クリントンは中間層の減税を公約していたが就任してから財政赤字削減に乗り換えた。子ブッシュは他国の国造りに関与しないと公約したが中東に大量の兵を送った。オバマは共和と民主の中道政策を約束していたが共和党が猛反対する新医療保険制度の成立に邁進した。数え出したら限が無い。政治の世界では、公約とは票を確保するための御呪いみたいなもので、政権奪取後の政策とは殆んど関係のないものとみるべきなのだろう。米国大統領選が近づいている。ヒラリーは前言を翻すことが多い。筋の通った主義主張がないから米国民から嫌われている。一方トランプは論理的に矛盾に満ちた意見を連発している。どちらが大統領になっても、言ってる事からやる事を推測するのは不可能だ。日本では参院選が近づいている。何を拠り所に投票すべきか悩みは尽きない。
27日 6月 2016
英国では離脱派を主導した政治家が舌の根も乾かぬ間に公約の反古を言い出した。残留派からは不満が噴出しているようだ。スローガンでは、離脱するとEUへの拠出金が浮き、国民保健に出資出来るとしていたが、英国独立党のファラージ党首は誤りだったと発言した。保守党のダンカンスミス元党首も教育予算に上乗せ出来るとしていたが、あくまでも可能性の話だとお茶を濁した。ハナン欧州議会議員は移民全面阻止を若干管理出来るに下方修正。ボリス・ジョンソン前ロンドン市長は主張が嘘だらけで「恥を知れ」と罵声を浴びている。しかし、これ程スローガン合戦で中身のない国民投票も珍しい。国民は中身も知らずにスローガンに踊らされていただけなのだから、国民投票という制度は恐ろしいものだと思う。マスコミでは、国民投票で英国のEU離脱が決まったと報道しているが、正確に言うとそれは間違いのようだ。国民投票には法的拘束力は無く、議会への助言程度の力しか無いとのこと。議会は政策決定の参考にすればよく、投票結果を履行する法的拘束力は無い。議会は離脱に反対し離脱手続きを進めない選択肢もある。だが助言程度と言えども国民投票の結果は重い。もし国民投票後の英国民の総意が残留と見込めれば、議会は解散総選挙で再度民意を問うことも出来る。いまボールは議員にある。離脱派が主張していたBREXIT(BRITAINとEXITの造語)はBREGRET(BRITAINとREGRET)へと変わりつつあるようだ。
26日 6月 2016
EU離脱が決定してから「やはり消費税増税先送りの判断は正しかった。国際関係の中では何が起きるか分からないので、政府は常日頃からそういうリスク対応をとっている」と、菅官房長官が講演したとか。サミットの時に23日に英国のEU離脱国民投票があることは知られていた。サミットのメンバーの誰しもが残留するものと思っていたはずだ。もしも英国が離脱したらと対策をとっていた国は無い。サミットでは、安倍首相が「リーマンショック級不況が目前にある」と発言したが、各国首脳に笑われた。安倍がリーマンショックと言い出したのは、消費増税見送りのためのアリバイ作りであることが見え見え。消費増税を見送りたいからリーマンショックと言い出した安倍の心境は分からないでもない。だが、EU離脱を見込んで消費増税を先送りしたとする菅発言は言い過ぎだ。と言うよりは、官房長官の発言としては薄っぺら過ぎる。こういう地に着いていない発言が、国民の信頼を損なうことになる。安倍首相も事ある毎に及び腰だ。消費増税も憲法改正議論も先送りしている。全ては参院選のため。得票率の下がる事案は全て封印してしまう。何のための、誰のための政治だろうかと思う。作家の塩野七生さんは「安倍さんにやりたいだけやらせては。2度も首相としてのチャンスを貰い、それで何もしなかったら政治家ではないし、男でもない」と言っている。自分も全く仰る通りだと思う。
25日 6月 2016
英国のEU離脱は決まったが、その決定過程に問題は無かったのだろうか。離脱51.9%、残留48.1%でその差は僅か3.8%。総投票数3355万票で差は127万票。離脱に投票した人のたった65万人が反対票を入れれば残留になった。重大事案を決定するのに過半数採決で良いのだろうか。英下院の請願サイトでは投票のやり直しを求める署名が250万人を超えたという。昨年末から「投票率が75%未満で多数だった方の得票率が60%未満の場合は、やり直しにする」という請願が出されていたが採用されなかったためだ。一般民衆は一時的な衝動に走り易い。ハードルは少し高めに設定すべきだったのではないかと思う。年齢層別の離脱/残留の賛成比率も特徴的だ。44歳以下は残留が多いのに。45歳以上は離脱が多い。これからの国の形を決める投票なのに、次世代を担う若者の意見が通らなかった。国の将来を投票だけで決めて良いのだろうかとも思う。離脱に投票した人達は、離脱の意味を理解していたのだろうか。グーグルによると、離脱が決まった後、英国で検索件数が最も多かったキーワードは「EU離脱は何を意味する?」で、2番目は「EUって何?」だったとのこと。英国民はEU離脱の意味も知らずに投票していたのかもしれない。そのうち日本でも憲法改正の国民投票があるかもしれない。今の法律では、有効投票の過半数で成立することになっている。英国を他山の石として、見直すべきではないかと思う。
24日 6月 2016
大方の予想に反し、国民投票で英国のEU離脱が決まった。予想とは、一人ひとりが予想したのではなく世論調査会社が予想したもの。そして誰もがその調査結果を信頼したが、元々調査自体が間違っていたということだ。1年前の英国の総選挙の事前調査では二大政党の接戦が予想されていたが、結果は保守党の圧勝。今回も世論調査が間違っていた。予想が外れ想定外の事が起きると混乱は必至だ。この先が読めない。為替は変動し、株式は急落した。もう少し離れた所から客観的に見ると、時代の変曲点にも見える。長く続いた新自由主義の終焉かもしれない。新自由主義により世界的にあらゆる面で格差が拡大した。5%の富める者が90%の富みを保有する歪んだ構造になってしまった。トリクルダウンなどは存在しなかった。一般市民の不平不満は大きい。そして我が身を守るようになる。保護主義の台頭だ。英国のEU離脱は保護主義の典型に見える。米国のトランプ現象も保護主義そのもの。全世界が保護主義の流れに乗り漂流を始めそうだ。今後EUからの離脱が相次ぎEUは崩壊するかもしれない。他国の事には無関心になる。相身互いの互助精神は影を潜めてしまう。英国民が悪い訳ではない。英国民にとって最善の策かもしれないし、地獄を見ることになるかも知れない。いずれにしても時代の変曲点にあることは間違いなさそうだ。
23日 6月 2016
自分の三男が中国に出張することになった。お土産を頼まれたようだ。何と粉ミルクだという。中国で毒粉ミルク事件が発生したのは10年以上前の事だ。その後当局が取り締まりに力を入れているとのニュースが流れていたから、既に過去の出来事かと思っていた。だが、未だに中国産の粉ミルクは質が悪く、日本産や豪州産の粉ミルクが爆買いの対象になっているらしい。そんな事もあり、最近の中国の国内状況がどうなっているのか気になりだした。テレビでは「中国のトランプ」とも呼ばれる不動産王の王健林が率いる万達集団を特集していた。万達集団は、上海ディズニーランドを凌駕すると豪語する広大なアミューズメントパークを開業した。スケールは大きいが、中身はミッキー擬きが溢れている。まさにパクリのオンパレードなのだ。キャラクターのパクリはガンダムから始まりドラえもんと続き相当叩かれたが、未だに懲りないようだ。更に、今度は取引額50兆円を超える世界最大の小売企業となったアリババの馬会長が、とんでもない発言をしたとのニュースが流れた。「中国で作られるコピー商品は本物に負けない品質だ。しかも本物より安い」と、知財権を侵害する行為を称賛したのだから、開いた口が塞がらない。まさに馬だけに馬脚を現したと言えそうだ。日本にもスケールは小さいが成金はいる。周りの人は口には出さないが軽蔑している。さて、スケールの大きい中国の成金は、中国ではどのような評価をされているのだろうか。
22日 6月 2016
このブログはJimdoでホームページを作成している。HTMLなどの専門知識は一切不要で簡単だとのことで、2011年にJimdoを採用することにした。Web上でコンポーネントをクリックするだけでホームページを作れるので重宝していた。ところが、先日Jimdoからメールが届いた。新レイアウトに移行してほしいと。旧レイアウトのままだと、今後引き続き利用は出来るが、サポート対象外になるという。仕方なく、新レイアウトに移行することにした。幾つかのテンプレートからレイアウトを選んでみた。その結果が今日のホームページだ。だが、これに満足はしていない。バランスが悪い。タイトルの長い縦幅を、もっと短くしたいが操作法が分からない。当面はこのまま使うことにした。その内、操作法を探りながら改良していこうと思っている。しかし、見方を変えれば、ITに疎い自分でもこの程度のホームページを作成出来るのだ。世の中に星の数ほどWebサイトが出来る理由が良く分かる。
21日 6月 2016
英国のEU離脱を問う国民投票日の23日が迫ってきた。英国の離脱はEUだけに限らず経済的にも軍事的にも全世界に影響を与えそうだ。残留派は貿易や雇用などのEUから得られる経済的な恩恵を争点としているのに対し、離脱派は移民問題や主権を前面に打ち出している。残留派も離脱派も互いに憎悪むき出しで対立している。だが論点が噛み合わない。離脱派は離脱後の貿易や雇用についてどのような方策を考えているのかをはっきりさせないし、一方残留派は移民問題や英国の主権についてどのように対処しようとしているのかが見えてこない。そもそも何故英国がEUから離脱すべきなのか確固たる理由が見えてこない。両陣営の政治家が国民を煽り、マスコミが火に油を注いでいるように映る。現時点では賛否が共に45%程度で拮抗している。態度を保留している残りの10%が、どちらに投票するかで離脱/残留が決まりそうだ。初めから賛否を表明出来ない人は思い悩むことになる。そして思い悩んだ人は、安全サイドに落ち着くことになるのが世の常だ。従って、恐らく残留55%、離脱45%で決着することになると思う。ブックメーカーのオッズでは、残留の確率が約75%と、離脱の確率約25%を大きく引き離しているという。これが民意を最も正確に表しているのかもしれない。いずれにしろ今週中に結果は明らかになる。

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