EU離脱国民投票の行方

英国のEU離脱を問う国民投票日の23日が迫ってきた。英国の離脱はEUだけに限らず経済的にも軍事的にも全世界に影響を与えそうだ。残留派は貿易や雇用などのEUから得られる経済的な恩恵を争点としているのに対し、離脱派は移民問題や主権を前面に打ち出している。残留派も離脱派も互いに憎悪むき出しで対立している。だが論点が噛み合わない。離脱派は離脱後の貿易や雇用についてどのような方策を考えているのかをはっきりさせないし、一方残留派は移民問題や英国の主権についてどのように対処しようとしているのかが見えてこない。そもそも何故英国がEUから離脱すべきなのか確固たる理由が見えてこない。両陣営の政治家が国民を煽り、マスコミが火に油を注いでいるように映る。現時点では賛否が共に45%程度で拮抗している。態度を保留している残りの10%が、どちらに投票するかで離脱/残留が決まりそうだ。初めから賛否を表明出来ない人は思い悩むことになる。そして思い悩んだ人は、安全サイドに落ち着くことになるのが世の常だ。従って、恐らく残留55%、離脱45%で決着することになると思う。ブックメーカーのオッズでは、残留の確率が約75%と、離脱の確率約25%を大きく引き離しているという。これが民意を最も正確に表しているのかもしれない。いずれにしろ今週中に結果は明らかになる。