2016年1月

本当に命を守るためなのか?

巨大防潮堤計画が着々と進行している。岩手・宮城・福島3県の沿岸を総延長400kmにわたってコンクリート堤防で覆う総事業費約8500億円の「万里の堤防」計画だ。ところが、各地で住民の反対運動が起きているようだ。硯の生産やホタテ養殖で有名な石巻市雄勝町では、130億円をかけて高さ10m、長さ3.5kmの防潮堤が築かれようとしている。だが住民は高台に移転し防潮堤の中に住む人は殆んどいない。海と陸が切り離されてしまえば観光客も来なくなる。防潮堤により街が衰退するのは確実だ。でも住民の反対する声は聞き入れられず計画は進行中とのこと。大震災後に気仙沼大島をぐるりと高い防潮堤で囲む計画があった。気仙沼大島には学生だった半世紀前に行ったことがある。十八鳴浜の鳴き砂は有名で日本の渚百選にも選ばれた。小田の浜海水浴場は快水浴場百選のベスト3に入ったことがある。風光明媚な島だ。防潮堤がその景観の全てをぶち壊し、住民は毎日高いコンクリートの擁壁を見ながら生活することになる。松島湾では、農地保護を名目に20億円かけて無人島の耕作放棄地まで防潮堤で囲う計画があるとのこと。一体巨大防潮堤で何を守ろうとしているのだろうか。被災地の防潮堤は国が方針を定め、県が計画を決めることになっている。それを国が査定し、予算はほぼ全てを国が負担する。防潮堤事業は「命を守るため」と言えば、いくらでもカネを使える打出の小槌なのだ。そもそも防潮堤計画は拙速過ぎた。まずは防災・避難計画を策定した後に防潮堤を計画すれば、このような壮大な無駄遣いかつ自然環境破壊など起こらなかったに違いない。見直しは今からでも遅くは無いはずなのだが。

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難解な黒田マジック

黒田バズーカ3が炸裂した。今度はマイナス金利を導入するという。株式は乱高下したが株高に、為替は円安に動いた。バズーカ1と2は、日銀が国債を買い上げることによる通貨供給量の異次元規模の緩和だったが、今度はマイナス金利だ。民間銀行が日銀に預ける当座預金の金利をマイナスにするということだ。そのため、民間銀行からみれば、日銀に預金すると金利を払うことになるので損。だから日銀ではなく民間会社への貸し出しに向かうはずだという魂胆。日銀側からみれば論理的には正しいと思う。だが、民間会社はバズーカ1と2で、たっぷり内部留保を溜めている。今どき銀行から融資を受ける会社など有りそうもない。しかも投資をする先もないのが現状だ。日銀はボールを蹴ったが、それをフォローしてゴールに蹴りこむ選手がいない。その選手がアベノミクスの成長戦略だったはずだのだが。マスコミはマイナス金利なったからといって、民間銀行もマイナス金利になることは無いと言う。本当だろうか。論理的には、我々個人の預金もマイナス金利になるはずだ。銀行に金利を払って預ける人などいるはずがない。結果として、全ての人が銀行から預金を引き出すことになる。そして銀行は潰れる。そう思うのだが、誰もそう言わない。自分がバカなのだろうか。それとも自分以外の全員が自分を騙しているのだろうか。黒田マジックは難解だ。

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AIのステータス

グーグルの囲碁ソフト「アルファ碁」が、始めて人間のプロ棋士に勝ったとのこと。チェスは大分前に人工頭脳AIが優位になり、将棋でも電脳戦でAIが勝ち越すようになった。AIにとって、囲碁は指し手が難しく、人間の最後の砦と言われていた。だが、ついに囲碁界でもAIが肩を並べる時代が到来したようだ。従来の囲碁ソフトは膨大なシミュレーションを繰り返すモンテカルロ法が主流だったが、グーグルの「アルファ碁」は、それに学習プログラムを導入。それが勝因のようだ。単に確率を計算するだけではなく、データや経験を自ら学習して、AI自身がそれを生かすことになる。今後の展開で最も有利な手を効率的に読めるようになったらしい。まるで、人間の棋士が持つ「大局観」そのもののようだ。これから学習を重ねるほど強くなるという理屈になる。囲碁界でAIが制覇するのは時間の問題かもしれない。だが待てよ。人間は、いくら学習したからといって、学習量イコール能力向上ではない。この違いは何なのだろう。いずれにしても、AIが人間の能力に置き換わる時代はやがて来る。将来、単調労働と高度な知識を必要とする医者みたいな仕事が、AIに置き換わるだろうと言われている。となれば、棋士の将来は明るくない。これから生まれてくる子たちは、AIの苦手の分野を探し求めなければならないのかもしれない。AIはステータスを確立しつつあるのかもしれない。

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TPPの雲行き

甘利大臣が辞任した。重要閣僚でTPP協定交渉の中心人物だけに、その影響は大きそうだ。建設会社からURへの口利きの見返りに1200万円を受領し、そのうち数百万円が行方不明。辞任理由は、政治家の常套手段である秘書への責任の擦り付け。秘書が勝手にやったので罪は秘書にあるが、秘書の監督責任は自分にあるとして辞任するという。秘書は口利きを否定しているが、URは12回も面談したと証言している。考えられる罪状は、政治資金規正法違反、あっせん利得処罰法違反とのことだが、詐欺と横領もありそうだ。行方不明の数百万円が記載されていないので政治資金規正法違反。URに口利きして見返りを得たのであっせん利得処罰法違反。秘書が口利きを否定しているが、それが本当ならば建設会社に対する詐欺。行方不明の数百万円を秘書が勝手に使ってしまったのならば横領という具合だ。肯定しても否定しても罪は免れない。余りにも雁字搦めなのだ。甘利はTPPを妨害する第三国に填められたようにもみえる事件だ。徹底した事件の真相解明が必要だ。これを機にURを民営化すれば、再発を防ぐことが出来る。後任は折衝能力の劣る石原元幹事長だという。突如としてTPPの雲行きが怪しくなってきた。

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西日本の寒波と東日本の温暖

西日本では歴史的な寒波が襲来している。最大の被害は雪ではなく水道管の破裂。今日も広範囲で断水が続いており、復旧の目処も立っていないようだ。ところが、関東では、昨日の冷え込みとは打って変わり、温暖な日和になった。我が家では、去年まではカミサンと2カ月に一度は旅行を楽しんでいたが、義母の体調が思わしくなく、その旅行も途絶えてしまっていた。だが今年に入り義母の体調も回復し、義母から1泊程度であればOKとの回答を得て、久し振りに1泊旅行することになった。諸般の事情を考慮し、キャンセル覚悟で千葉の内房の人気の宿を予約した。ところが、関東の天候と同じで、義母も快調で、日和も抜群。朝から房総一周のドライブ旅行が始まった。東京ドイツ村でパターゴルフを楽しんだ後、元名海岸の宿に向かった。この宿は去年の4月頃に開業して以来、人気を博しているようだ。少し割高だが、天然露天風呂付き部屋を予約した。これが頗る良い。1泊ではあったが、多分7~8回は入ったと思う。対岸には三浦半島と富士山が見える。しかもクッキリと見えるのだ。夕日が綺麗だった。圧巻は富士山のシルエット。千葉からこんな富士山を見たことは無く極めて幻想的な気持ちに浸ることが出来た。東日本はこんなに素敵なのに、西日本にはどうして災いが降りかかるのかしらと思わずにはいられなかった。いち早い復旧を願わずにはいられない。

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ジカ熱とエボラ出血熱

アメリカ大陸で「ジカ熱」という感染症が拡大する恐れがあるとWHOが発表した。「ジカ熱」は蚊が媒介し、先天的に頭部が小さい「小頭症」の新生児がブラジルで増加していることと関連があるとみられているようだ。「小頭症」として生まれると、脳の発達が悪くなり、運動障害や知能低下を伴うことになる。ブラジルのある州では新生児の1~2%に達しているという。しかも、治療薬が無い厄介な病気だ。早期のワクチン開発が望まれる。まるでエボラ出血熱のデジャブを見ているようだ。エボラ出血熱の時も、有効なワクチンが無く患者を隔離して終息するのを待つしかなかった。西アフリカのエボラ出血熱もアメリカ大陸のジカ熱も、ほとんど知られていないローカルな病気だった。それがある時を境に、急速に全世界に拡大していく。全世界の医学の総力を挙げて早急に解決すべき課題の一つと言える。蚊の駆除は日本が得意だ。日本が貢献出来る出番もあるかもしれない。

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主婦休みの日

「日々の歳時記:夏生一暁:PHP文庫」を、日めくりで読んでいると毎日が新鮮な気持ちになる。今日25日は「主婦休みの日」とか。年に3回ある。1月と5月と9月の25日。年末年始、ゴールデンウィーク、夏休みの忙しい期間を過ぎた直後の給料日、という主婦の要望でサンケイリビング新聞社が制定したとのこと。我が家では、正月、ゴールデンウィーク、お盆の時期に子供達夫婦と孫の計12名が全員集合し1泊していく。食事や寝具の用意や洗濯など、カミサンの出番はピークを迎える。皆がいる時は休む間もなく動いているが、皆が帰ると疲れがどっと出て来る。確かに「主婦休みの日」が必要だ。だが、最近の若い人は共稼ぎが多い。専業主婦ではないのだから、家に集まるよりも、近所のレストランなどを活用しているのだろう。時代の流れから言うと「主婦休みの日」を要望する人は減少の一途を辿っているのかもしれない。でも我が家の周りを見回すと、隣の家も後ろの家も専業主婦だ。専業主婦が集まる特異的スポットかと思ったが、そうではない。我が家も含め周りも70歳前後の年齢なのだ。70歳を過ぎて働く女性は少ない。極めて日本の標準的な場所なのだ。「主婦休みの日」に高齢化社会を実感した次第。

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情報の価値と価格

「第二の交番安全確保へ、防犯ボックスで開所式」というウエッブの見出しに興味を持った。防犯ボックスとは、どういうボックスなのだろうか、第二の交番とはどういう意味なのだろうか、上手い仕組みが出来れば犯罪も少なるはずだと思った。何か良いアイデアがあるのではと思い、早速クリックしたが「全文を読むには会員登録が必要」とのこと。会員登録には月額約5百円かかる。結局見ることは出来なかった。いかにも地方新聞のウエッブサイトらしいが、この種の情報でお金を取るとは言語道断だと思う。ジャーナリストの使命とは何なのだろうか。何でも記事にすれば、お金を取るというものではない。市民生活に有用なものであれば、無償でその情報を提供すべきだと思う。たかが地方新聞のニュースに月額約5百円もかける人は極めて稀だ。結局、この地方新聞は料金という壁を作って、市民に有用なニュースを御蔵にしているだけだ。有料登録制度がこの地方新聞の寿命を縮めることになるかもしれない。

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親バカ

土曜日の昼は、家にいれば気楽なテレビ番組「正直さんぽ」を見ることが多い。今日は「女子正直さんぽ」で女子の出番。以前は、関根麻里、柳原可奈子、松岡茉優の3人娘にお笑いコンビずんの飯尾和樹が加わりオバサン女装で番組をリードしていた。我が街の市場にも来場し、お蔭で彼らが入った飲食店は大繁盛だとか。余りにも影響が大きく、自分としては少しだけ傍迷惑している。でもそれは全体としてプラスの影響だから、自分を除けば願ったりの状況だ。しかし、少し気になることもある。関根麻里が妊娠・出産で、父親の関根勤が麻里の代役として出演し始めた。関根勤に悪気は無いと思うが、飯尾和樹を喰っている。今まで飯尾和樹が番組をリードしていたが、関根勤が出始めてから、めっきり元気がなく口数も少ない。それもその筈だ。関根勤と飯尾和樹では、格が違う。たとえ関根勤が控えめに振る舞っても、視聴者の目は関根勤に向かう。飯尾和樹にとれば、関根勤は目の上の人。気を使わざるを得ない。自然と無口になる。関根勤は何故この番組出て来たのだろうかと思う。関根勤から見れば、産休中に娘のレギュラー番組が切れないようにと思う親心なのかもしれない。そしてその目的は達成するかもしれない。だが、レギュラーのメンバーにとっては、どう映るのだろうか。番組を潰している。こういうのを親バカと言うのだと思う。バカ。

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命名権あれこれ

施設の命名権を売り、赤字を補てんする行政や企業が相次いでいる。存続が危ぶまれている銚子電鉄では、駅名の命名権を売り出した。笠上黒生(かさがみくろはえ)駅は、髪毛黒生(かみのけくろはえ)駅に改名された。命名権を買ったのは、頭皮ケア製造販売会社というから納得の命名だ。東北楽天イーグルスの本拠地である宮城球場は5回も改称し、フルキャスト、クリネックスなどを経て、楽天Koboに落ち着いた。余りにも変わり過ぎて今の名称が分からない。失敗の典型例だろう。大阪の泉佐野市は、何と市の名前の命名権を募集したが、応募ゼロで立ち消えになった。企業の良識が働いた結果だと思う。一方もっとユニークな命名権購入動機もあるようだ。鎌倉市が砂浜の整地費などを確保するため、数年前に由比ガ浜など三つの海水浴場の命名権を募集した。命名権を買ったのは鎌倉銘菓鳩サブレーでお馴染みの菓子メーカーの豊島屋。でも豊島屋は、鎌倉の海岸を「サブレー浜」などとは変更しなかった。豊島屋の購入目的は、由比ガ浜などを昔通りに名称を残すこと。破廉恥な行政対真摯な地元企業の対戦は、真摯な地元企業に軍配が上がった。心温まるエピソードだ。今度、鎌倉に行った時は、サブレーを買うぞと心に誓った。

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大臣たちの揉み消し力

高木復興相の後を甘利経済財政・再生相が追いかけている。と言っても疑惑の話だが。高木と言えば、パンツ大臣。若い頃、女性の下着を盗んだが、当時市長の父親が事件を揉み消したことで有名だ。若気の過ちだろうから、それ以上遡及する必要はないと思う。だが、議員になって香典と称して票を買い取り、その地位を得たというのであれば問題だ。警察は容疑者を白とか黒とか言うが、高木は限りなく黒に近い灰色だと思う。決着が遅過ぎる。ではTPPで頑張った甘利大臣はどうなのだろうか。事の発端は、千葉県の建設会社がURへの働きかけを頼み、大臣室でお金を渡したとのこと。それを週刊誌がすっぱ抜いた。証拠は万全。言い逃れのしようが無い。でも本人は「記憶が定かではない。しっかり調査して1週間後のに返答する」と回答した。時間延ばしに過ぎないことがミエミエだ。誰でも分かっている。自分を含め国民は「如何に言い逃れするのだろうか」と興味を持って見つめている。高木も甘利もバカだと思う。いかに声高に叫んでも、いかに静かに潜行しようとも、現在の情報が発達した世界で真実を捻じ曲げることは不可能に近いということを理解していない。自分は、そのことを20年前頃の単身赴任生活で知った。人の少ない田舎では四六時中監視の目が光っている。他人を騙せるものではない、いつも他人が自分を見ている。いつも見られているのであれば、見られても良い人生を送ろうと思った。たとえ見られていなくても、品行方正でいようと思った。それが自分の人生の折り返し点であったような気がする。

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第9の惑星

「第9の惑星見つかる」のニュースには驚いた。少し前は、水金地火木土天海冥と言われ、第9番目の惑星は冥王星だった。だが冥王星は小さくてゴミのような存在であることが分かり、その後準惑星に格下げされて第9の惑星の存在は無くなっていた。そこでこのニュースだ。第9番目の惑星は通称プラネット・ナインと呼ばれ、重さは地球の10倍で、冥王星より5千倍重く、太陽の周りを1周するには1~2万年もかかる(。?、?、)と推定されているようだ。残念ながら、このプラネット・ナインは今現在確認されてはいないとのこと。プラネット・ナインが存在するという根拠は、米カリフォルニア工科大学研究チームの数理モデルとコンピューターシミュレーションの結果。要するに机上計算の結果なのだ。でもハワイのすばる望遠鏡は観測を始めたらしい。「過去150年以上の間で初めて、太陽系の惑星探査が不完全である確かな証拠が得られた」と言う学者もいるそうだ。自分は、この騒動を殆んど眉唾と思っている。だがカミオカンデの例もある。少しでも証拠が出るのであれば、天文学者に賛辞を贈りたいと思う。

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花を咲かせること

国際宇宙ステーションの無重力環境の下で育てられていた百日草が、宇宙で初めての花を咲かせたとのこと。宇宙での栽培実験では、土を使わず空気や霧の中で栽培する水気耕栽培で育てたようだ。水気耕栽培は、水や肥料の使用量が少なくて済み、殺虫剤は不要で病気にもなりにくく、土を使った場合の3倍の速さで成長するという。今までにレタスやブロッコリーなどの栽培に成功している。ちなみに百日草は食用にもなるとのこと。植物の栽培は宇宙での自給自足に必須であり、火星への有人飛行実現のためにも重要な意味を持つと言うから、宇宙旅行の夢にも一歩近づきつつあるようだ。一方地上では「世界に一つだけの花」を大ヒットさせたSMAPが解散を打ち消すお詫び会見を開いた。解散するよりは、続けた方が良い。宇宙の花もSMAPも、歌の文句ではないけれど「その花を咲かせることだけに一生懸命になればいい♪」

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ラジオの楽しみ

もうラジオを聞くことが無くなって、どれ程経ったことだろう。四十数年前カミサンをもらって新居に住んだ時にテレビは無くラジオを聞いていた。毎週森繁久彌と加藤道子のラジオドラマ番組「日曜名作座」を聞くのが楽しみだった。やがて子供が出来てから、子供のためだからという理由でテレビを買い、その後ラジオを聞くことは無くなった。最近ラジオを聞くのは床屋にいる時だけだ。いつも平日の朝一番に行くことにしている。微睡みながら聞こえて来るのは、決まって「ゆうゆうワイド」のパーソナリティー大沢悠里さんの声。その「ゆうゆうワイド」が、放送開始30年の節目にあたる今春に終了すると発表した。月曜から金曜の午前8時半から4時間半の生放送で通算放送7800回を超えるというから、驚きの一語に尽きる。その大沢さんの声を聞くと必ず友人の結婚式を思い出す。友人のお嫁さんはTBSの女子アナウンサーで、その時の司会者が大沢さんだったからだ。本職のアナウンサーだから司会は特段に上手かったことを思い出す。今年の春以降は床屋に行く楽しみが一つ減り、少し寂しいような気がする。

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地図記号と駅番号

国土地理院が「外国人にわかりやすい地図表現検討会報告書」を公開した。小中学生の頃、授業で地図記号を覚えさせられたことがある。お蔭で、地図を見て何処に何があるかが良く分かる。ところが、地図記号のデザインは各国バラバラ。だから、外国人が日本の地図を見ても意味が分からず役には立たない。2020年の東京五輪もあることで、外国人にも理解し易い地図記号を考えたのが、この報告書だ。現在の地図記号では、警察署は×、郵便局は〒、寺院は卍、駅は長方形だが、新デザインでは、警察署は警官帽と敬礼、郵便局は封筒、寺院は三重塔、駅は電車の前面という具合で、誰が見ても分かり易い。更に一歩進めて世界共通の地図記号にまで高められれば百点満点ということになる。使い勝手の良い地図記号といえば、駅ナンバリングもそうだ。今では殆んどの駅に駅番号が付いている。例えば大手町駅と名の付く駅は6つある。丸ノ内線の大手町駅はM18、半蔵門線はZ08、東西線はT09、千代田線はC11、三田線はI09という具合に別表示されている。だから単に駅番号を知るだけで、簡単にその駅に行き着くことが出来るので、外国人にはとても便利だ。だが全国的に見ると、表示方法がバラバラで、数字のみのケースもあり、外国人には判別出来ない路線もある。こういうものこそ、国交省が音頭を取り、率先して統一表示に改めるべきものだと思う。

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驚異的な建て替え賛成9割

横浜の傾斜マンション問題について進展があったようだ。国交省が、元請けの三井住友建設に指名停止処分、1次下請けの日立ハイテクノロジーズと2次下請けの旭化成建材に15日間の営業停止処分とする業務改善命令を出した。この問題は、三井住友建設の設計ミス、日立ハイテクノロジーズの丸投げ、旭化成建材のデータ改ざん、のトリプルミスで生じたのだから、当然といえる処分と言うより、極めて軽い処分だと思う。この程度の処分で済んだのだから、業界はのど元過ぎて熱さを忘れてしまうに違いない。一方グッドニュースもあった。傾斜マンションの管理組合が発表した住民アンケートによると、区分所有者の9割が全棟建て替えを希望しているという。建て替え希望者がこれ程いるのは、極めて稀なケースだと思う。このマンションは4棟に分かれている。そのうち1棟だけが傾いた。傾いた1棟の住民が建て替えを希望するのは当たり前。しかし、傾かなかった残りの3棟の住民が、建て替えに賛成するとは思ってもみなかった。建て替えは、他の場所への引っ越しと仮住まいの煩わしさや、子供の転校や、コミュニティとの疎遠等々、煩わしさの塊だ。その煩わしさを乗り越えて賛成した理由は、いつか自分たちの棟も傾くかもしれないという不安と資産価値の低下や、三井不動産レジデンシャルが提示した好条件や、コミュニティの維持や、管理組合の努力にあるのかもしれない。いずれにしても、建て替え賛成9割は驚異的だ。マンション管理士として住民の判断を絶賛したい。

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壱番屋の品質管理と安全管理

壱番屋の廃棄処分品が、不正に転売され問題になっている。壱番屋と言えば「カレーならココ一番や!」のCMでお馴染みの全国展開しているカレーチェーン店だ。カレーハウスCoCo壱番屋は、何処にもある。10年前には出店が1000を超し、ギネスに「最も大きいカレーレストランのチェーン」と認定された。勿論自分も食べたことがある。今回の問題は、廃棄したはずの中間製品であるカツなどの不良品が、廃棄されずに転売されたこと。ビーフカツに留まらず、チキンカツ、メンチカツ、ロースカツへと広がりを見せている。この1年余りで廃棄委託した数量は約60万枚に上るという。何故このような事件が発生してしまったのだろうか。壱番屋が廃棄処分とした行為は正しい。だが不正転売されてしまった。勿論、第一義的には不正転売した産廃業者であるダイコーにあることは間違いない。でも、単に産廃業者の問題として片付けてしまって良いのだろうか。自分は、問題は壱番屋の品質管理と安全管理にあると思う。まず、壱番屋が異物混入に敏感だったとはいえ、余りにも異物混入NGが多過ぎる。製造工程の管理が不十分であることは間違いない。次に、不良品を安易に処理業者に頼みっぱなしにしたこと。安全管理意識がなっていない。自分は化学関係の会社で経験した。産廃業者に頼むということは、頼んで終わりということではなく、産廃業者が確実に当方の所望通りの処理をしたのかを確認するところまで含まれている。壱番屋にはそれが無い。自分の行動に対する安全意識が弱いのだ。個人商店の成れの果てなのかもしれない。幸か不幸か、壱番屋は昨年末にハウス食品からTOBされて傘下に入った。ハウス食品の手始めは、味付けよりも品質管理と安全管理の植え付けなのかもしれない。

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前門の虎、後門の狼

国民的人気グループであるSMAPが、分裂・解散かとのニュースが流れた。キムタクだけがジャニーズ事務所に残り、あとの4人は退社するらしい。事の発端は、育ての親であるマネージャーが退社することになったこと。マネージャーは次期社長との確執に敗れ事務所を去ることになり、恩義を感じた4人が育ての親についていくことになった。ジャニーズの社長は怒り心頭で、4人の復帰はあり得ないと言っているから解散の可能性は極めて高い、とニュースには書いてある。石破大臣は「キャンディーズの解散に匹敵する大きな出来事だ。SMAPの活動の継続を願っている」とコメントしたというから、噂通り相当なオタクのようだ。SMAPの5人は、既に独り立ちしているので仕事には困らないだろうという観測もある。果たしてそうだろうか。キムタクは間違いなく独り立ちしている。ナカイクンは歌は下手だが、口が立つし機転がきくので芸能界を泳ぎ切れるだろう。しかし、あとの3人は、一見独り立ちしているように見えるが、常に名前の前に「SMAPの」という前置詞が付く。SMAPというグループあっての存在のように思う。と言っても、最早帰る道はなさそうだ。進むしかない。前門の虎、後門の狼を切り抜けることが出来るのだろうか。

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ガソリン税は適正か

久し振りにガソリンスタンドの前を通ったら、価格表示が目に入った。ガソリン1リットル現金価格107円とある。数年前箱根で入れた時は、180円以上もしてびっくりしたことを思い出した。それに較べ安くなったものだと思う。1バーレル100ドル以上していたWTIが今や30ドルだ。原油が安くなったのだから、当然ガソリンも安くなって当たり前だ。でもWTIの下落幅に較べガソリンの下り幅が小さ過ぎる。原油価格に比例すれば60円になってもおかしくない。何故下がらないのだろうかと考えてみた。ガソリン1リットル当たり、去年の11月の原油輸入価格が36円、ガソリン税が54円、石油石炭税が3円、もうこれだけで93円になる。この他に、原油をガソリンに変える製造費や輸送代、ガソリンスタンドのマージンが価格に加わり、更に8%の消費税がかかる。そう見積もると、100円以下は夢のまた夢の世界のようだ。諸悪の根源は高いガソリン税にある。ところが、ガソリン税は、道路の維持や整備の為に使うことが決められた目的税とのこと。そう聞くと致し方ないとも思う。だが待てよ。道路の舗装率が5%ほどしかなかった頃に臨時でスタートしたのが道路特定財源の暫定税率制度だ。今はほぼ100%舗装されている。数年毎に暫定税率で揉め、延長されている。既に本来の暫定税率ではないようだ。ガソリン税が何に使われているのか、税率が適正なのか、よくよく注視していく必要がありそうだ。

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1か月遅れの誕生祝い

今日は恒例になった身内での自分の誕生祝いだ。昨年後半は、義母もカミサンも体調を崩したので、1か月遅れの誕生祝いになった。我が家は二世帯住宅だが、生活の場は全く別でお互いに独自に勝手気ままな生活をしている。義母は今年で92歳を迎えるが、基本的に自分の事は自分でするという生活を送っている。食事も洗濯も掃除も入浴も別の場所で、確定申告までも一人で熟す。一方カミサンも自分も、義母の健康を考えて、義母が困った時にしか手を出さないように心掛けている。時々、買い物を頼まれたり、家の修理をしたり、病院へ送ったりしている。そんなこともあってのことか、義母が自分の誕生日に食事を奢ってくれるのが、ここ10年来の習わしになった。今日も恒例の地元で老舗の料理店に行った。オーダーは必ずフグコースになる。自分の好物だからだ。いつもそれに合わせてくれる。楽しく会話が弾み、料理を堪能した後に、会計は義母がする。馴染みの店だから女将はニコニコとして会計をしているが、いつも思う事がある。自分は69歳だ。はた目から見れば、いい年のお爺さんだ。そのお爺さんが92歳の御祖母さんに会計をお願いしている。女将は、自分をいい年をして何、と思っているのかもしれないと、いつも会計の時にそう思う。だが、自分ははた目がどうであれ、じっと耐えている。幸いにも自分はお金に困っている訳ではない。だから自分が払うのが当たり前だと思っているが、払わないことにしている。その方が、義母にとって満足の行く結果だと思うからだ。はた目を気にするよりも、義母が満足する方が良い。

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18歳の成人式

相変わらず成人式での新成人の逮捕が相次いでいるようだ。ニュースによると、定番のように壇上に駆け上がり狼藉を働く者を筆頭に、酩酊状態で迷惑をかける者、とても成人式の服装とは思えない奇抜過ぎる格好で現れる者、挙句の果ては、ドリフト走行で他人に重傷を負わせた者まで出る始末だ。毎年思うのだが、暴走する彼らは、大人になるということを履き違いしているようだ。多分、大人になれば何でも自由に出来るとでも思っているのだろう。彼らを傍から見ると、大人になれない証明をしているように思えてならない。いや、大人になるのが怖くて、子供の世界で大人っぽく騒いでいるだけなのかもしれないとも思う。何故こうなるのだろうかと考えてみた。高校までは学校や教師の監視の下にある。校則は守らざるを得ないものと思っている。ところが、18歳でその箍が外れる。20歳までの2年間は子供でもあるし大人でもある。大人だからと言われればまだ子供だと尻込みし、子供扱いされるともう大人だと反発する。切れた凧のように、繋ぎ止めるものがない。だからワルはワルの道をまっしぐらに進むことになる。問題はこの不安定な2年間にあると思う。成人式は18歳に変えた方が良い。今度の参院選から選挙権は18歳からになる。全面的に18歳を成人とする時期を迎えていると思う。

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厚労省の不作為と国交省の無作為

化学及血清療法研究所が違法に血液製剤などを製造していたとして、厚労省が薬事法に基づき過去最長の110日間の業務停止処分を出した。ところが、製品の7割超は代替品が無いとの理由で引き続き出荷が認められた。厳罰に処したとはいえ、出荷は止めない。まさに骨抜きの典型だ。化学及血清療法研究所と言えば、嘗て薬害エイズ事件を引き起こしたあの会社だ。悪質でかつ寡占的な製薬会社を野放しにした厚労省の責任は極めて重い。年金運用を弄んでいる暇はない筈だ。一方、震災復旧工事の談合でNIPPOや前田道路や日本道路の大手3社が、独占禁止法違反として強制捜査を受けるという。舗装原料はアスファルトと砂と石を混ぜたもの。劣化を防ぐには1時間半以内に現場に運ぶのが理想という。各社がそれぞれ原料供給工場に近い区間を、示し合わせて受注していたようだ。一見談合に見える。だが、合理的ではある。品質の良いものを安く供給することになる。この談合によって、誰が被害を被るのだろうか。誰もいない。受注価格が過剰でなければメリットしか残らない。しかし、その行為は談合だとして犯罪扱いされようとしている。極めて不合理だと思う。化血研事件は厚労省の不作為の結果であるし、震災復旧道路工事は国交省の無作為の賜物かもしれない。まず罰すべきは、厚労省と国交省にあると思うのだが。

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相続は人間と法人だけ?

文系の生活をしたいと思い、化学系の会社を中途退社した後に少し感動したことがある。文系ならば、文学か法律かと思っていた時にマンション管理士の資格が目に留まった。会社生活時代は、他人から色々と相談されることが多かった。相談されることが身に合っていたのかもしれない。そんな理由もあってマンション管理士の受験勉強を始めた。受験のため専門学校にも通った。科目は色々あったが、特に思い出深いのが民法だ。学生時代は化学の授業が殆んどだったので、それまで法律など学んだことはない。勿論民法も。日本の法体系を上から並べると、まず憲法があり、その下に民法や商法や刑法がある。当時はそんなことも知らなかった。それを知っただけでも感動ものだった。更に民法では、相続と権利について習った。相続出来る権利があるのは、人間と法人だけだと先生が言う。たとえ遺言に残そうが、動物はダメなんですよ、と先生がのたまう。へー、そーなんだと感心したことが今でも心に残っている。だが、最近米国で自撮りしたサルに著作権は存在するのかというニュースには驚かされた。インドネシアに生息するサルが、写真家がカメラから目を離している間にシャッターを押して、自らの写真を撮影したことが発端だ。写真家は自分のものとして出版したが、動物愛護団体が所有権はサルにあるとしてノーと訴え裁判沙汰になった。昔大金持ちが犬に相続するという遺言が無効になったこともある。今回も当然そうなるだろうと思っていた。案の定、判決は、サルの所有権を認めなかった。ところが、判決理由には驚いた。判事は「議会と大統領は、人間に対する法の保護を拡大して動物に適用することが出来る。だが、著作権法について議会と大統領は、そういう示唆はしていない。よってサルには著作権は存在しない」と判決した。と言う事は、議会と大統領が認めれば、サルでも犬でも相続人になってしまうのかもしれない。つくづく恐ろしい世の中になったものだと思う。

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巣立つ瞬間かも

我がゴルフの師匠が、メンバーに空きがあるのでと誘ってくれた。九十九会というゴルフ仲間とのことだ。九十九(つくも)というからには、やっと100は切るレベルだが楽しくやっているよという集まりだと思っていた。ところが、話を聞くと、1999年に発足したメンバーだけの同好会で、その名は1999年に因んだ九十九会とか。もう17年も続いている由緒ある尾崎選手で有名なコースの同好会のようだ。皆さん上手い。今日はその九十九会にお邪魔した。プレーを始める前に最近の状況を聞いてみた。数年前までは4組が出来るほど盛況だっとか。ところが、最近は高齢化が進みメンバーが集まらないことが多くなってきたようだ。1組の4名も集まらず、3名なので欠員1名補充のため自分に声を掛けてくれたとのこと。自分は下手だが練習はしている。しかも師匠はハンディ6のシングルプレーヤー。思い切って飛び込むことにした。ラウンドは楽しかった。自分でも目を見張る位のティーショットが何度もあった。アプローチも絶妙に寄せた。概ね上手くいったが、時にはグリーン周りで行ったり来たりしたりし、酷いトップでゲートボールかともからかわれた。どうにかやっと最終ホールを終えてほっとした時に、九十九会のメンバーさんから、次回への招待のお誘いを受けた。次回に師匠はいないが、喜んで受けることにした。この時自分がゴルフの世界で巣立つ瞬間かもしれないと感じた。また来週練習しようと思う。

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おひとりさま

自分が通っているテニスクラブには、飲み会にだけ参加するOBを含め、還暦を迎えた独身貴族が3名もいる。自分が入会した約20年前に、彼らは40歳で溌剌と遅い青春を楽しんでいた。だが還暦の今になっても、その元気さは衰えず、更にテニスの腕も上げている。今や男性5人に1人は生涯未婚とのこと。国の推計では2035年には未婚率が30%になる時代を迎えようとしている。まさに我がテニスクラブでも時代を反映していると言えそうだ。今では未婚男性を「結婚できない可哀そうな男」という負のイメージで見る時代が終わりつつあるようだ。博報堂の人が書いた本では、未婚・独身の1人暮らし男性を「ソロ活動系男子」即ちソロ男(だん)と名付けている。今やこの傾向をソロ化と呼び、女性でも同様に進行しているようだ。ソロ化の定義はもっと広く、高齢で伴侶をなくした人も含め、2030年には人口の半数が「おひとりさま」になるとの推計もあるという。やがて、自分らも含めソロ化に突入していくということだ。と言う事は、我がテニスクラブのソロ男3名は時代の先端を走っているということになる。そのうち我等ロートルの先生になるのかもしれない。時代が変われば見方が変わるものだ。いや、時代が進めば立場も変わると心すべきだろう。

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テニスの神様のお年玉

久し振りにカミサンとテニスに行ってきた。今日が我が家にとって初打ちだ。去年は、腰痛でテニスが出来ない時が多かった。自動車を洗車中とか、浴槽掃除中とか、掃除機をかけている時とか、椅子を動かす時とか、ちょっとしたハズミで腰を痛め、短くて2週間程度、長くて1か月はテニスが出来ないことがあった。カミサンも秋ころから体調を崩し、11月12月はテニスが出来なかった。だから今日のテニスは本当に久し振りだった。最初は様子を見るため恐る恐るミニテニスから始めた。特に問題はない。次にテニスクラブの練習に加わった。思っていた程腕は落ちていない。身体も問題なく動く。少しハードな練習にもついていける。最後にカミサンとペアを組み1つだけミックスゲームをすることにした。どういう訳か分からないが、ミスが少ない。0-6で負けると思っていたが、6-3で勝ってしまった。身体が軽くて良く動けるし、ボールも良く見える。強打をしないでコントロールに注力した。無理をしないことが功を奏したのかもしれない。いや、きっとテニスの神様のお年玉だ。これからも永くテニスを続けなさい、という思し召しに違いないと理解することにした。

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五輪の定義の行く先

数年前に東京開催を決定した当時は、コンパクトをアピールし運営費の予算はたったの3千億円と表明していたが、今は6倍の1兆8千億円に跳ね上がっていると言う。2020年開催予定の東京五輪の予算だ。バッハ会長が質素さを薦めようが、五輪には巨額な費用が必要になる。それが現実だ。ボストンもハンブルグも巨額費用故に2024年の立候補を取り止めた。辞退の理由は、大会が終れば使われなくなる会場やインフラに多額の費用をつぎ込みたくないから。何処も同じだ。極めて先を見通した常識的で正しい判断だと思う。では日本はどうだろうか。石原、猪瀬の都知事時代は五輪招致に明け暮れた。しかもコンパクトという大嘘をつきながら誘致した。なおかつ国民には経済効果が大きいからとの屁理屈もついた。東京五輪の経済効果は、時事通信によると30兆円に上るという。しかし、バンクーバー五輪での経済効果は全くの期待外れだったことが判明している。近年の五輪では、予算の過小評価も、設備の有効利用も、開催による経済効果も、全て嘘に近い。と言うよりは、嘘そのもので固まっている。開催間近のリオデジャネイロでは、通貨レアルの価値は3分の2になり、GDPも急降下。インフレ率は10%に近づき、失業率も8%と最悪で、ルセフ大統領の汚職弾劾裁判も始まっている。リオの五輪組織委は約2300億円の運営予算の3割削減を検討中とのこと。最早リオだけでなく、東京を見ても独自で開催出来る都市などないのが現実だ。五輪の定義は素朴なアマチュアスポーツとして始まったが、今やプロスポーツ全盛の祭典になっている。健全な精神は健全な肉体に宿ると言うよりは、豊富な金は金メダルの取得に集まるというレベルにまで堕ちている。百歩譲ってそれを良しとしても、スポーツの極みを求めるのならば、今後は都市主催ではなく、地域とか国家とか民族とかの主催に切り替えるべき時に来ているのだろうと思う。もっとも百歩譲っての話だが。

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補強選手の費用対効果

岡崎選手の所属するレスターが20チームのプレミアリーグで首位を争っている。レスターの監督が今年交代し、昨年の残留ギリギリの14位から首位グループに飛躍した。ラニエリ新監督の采配を称賛すべきだろう。英デーリー・メール紙が面白い記事を載せた。プレミアリーグで各チームが勝ち点1獲得にかかる選手強化予算の費用対効果を算出した。それによると、費用対効果でもレスターが1位。レスターは勝ち点1当り1.3億円の出費だが、チェルシーは9億円で最下位の20位。香川が所属していたマンチェスター・ユナイテッドは18位。大金を叩いて有名選手を獲得することが、直接結果に結びつかない事が証明されてしまった。一方、MLBではポスティングシステムでのメジャー移籍を目指していた前田投手がドジャースとやっと契約に合意した。8年契約で30億円、プラス各年出来高払いの約14億円。同じポスティングシステムで、レッドソックスと契約した松坂投手は6年総額60億円で、レンジャーズ入りしたダルビッシュは6年総額48億円で、ヤンキースの田中投手は7年総額161億円だった。明らかに前田投手の評価は低い。年俸に占める出来高払いの比率が大き過ぎる。通常出来高払いは故障の多い選手や、ベテランを対象とすることが多い。松坂もダルビッシュも田中もヒジを痛めて離脱した経験がある。前田はその分、割を食わされたのかもしれない。それでも前田が契約したということは、それだけMLBに強い思い入れがあるからなのだろう。サッカーのレスターの例もある。契約時の金額が結果を出す訳ではない。寧ろこの屈辱を踏み台にして、結果を出しドジャースに見返させてほしいものだと思う。

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来年の青学は

箱根駅伝は青山学院が2連覇を果たした。終始1位を確保したのは39年ぶりだとか。兎に角、圧勝だった。去年の初優勝時は、原監督と新山の神となった神野選手が脚光を浴びた。特に原監督の選手に対する目標管理技法の賜物だと騒がれた。去年の優勝は、原監督による所が大きかったのは間違いない。去年のレース終了後、自分は青学が連覇出来るのだろうか、出来るとすれば、どのような路線に修正するのだろうかと推察していた。いや前後が違う。どのように路線を修正するのだろうか、うまく修正出来れば連覇もあり得るかと思っていた。原監督にカリスマ性があるとはいえ、目標管理で選手のモチベーションが続くとは思えなかったからだ。今やどの大学でも目標管理を導入している。そういう意味では横並び状態。一歩頭を抜け出すには、目標管理の上を行く必要がある。そこまでは推定出来たが、その先が分からなかった。そして今日、その答えが判明した。正解は、目標管理の全てを選手自身に委ねたこと。監督が選手に目標を設定させることから、選手自身に目標を設定させた後、その管理自体を第三者ではなく、選手自身に委ねたことだ。選手一個人が周りの声に影響されずに、自分が成長するためのベストの選択が出来ることになる。自分は自分、他人は他人だ。そこまで徹すると今まで見えなかったものが見えてくる。隣にいる仲間選手も同じことをしているのだから、その心情は痛いほど分かる。自分が苦しくても、仲間も同じだ。もう少し頑張らなければという気持ちが湧いて来る。結果として、チーム力が生まれた。そのチーム力が2連覇に導いたのだと思う。さて来年は、という憶測が湧いて止みそうにもない。

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切りの良いところまで

孫たちが来るとiPadの取り合いになる。孫たちが遊べるように予め子供向けのアプリを仕込んである。ユーチューブは勿論のこと、組み立てて動かせるレゴや、トランプ遊びやジグソーが出来る機関車トーマスや、道路や線路を自分で描いて自動車や電車を走らせるアプリや、太鼓の達人等々、種類も豊富だ。しかも全て無料アプリ。大人の自分も結構楽しめる。だから孫たちの取り合いが始まる。昨年取り合いで揉めた時に、キッチンタイマーで遊ぶ時間を決めベルが鳴ったら次に人に渡すことにした。初めの内は、ルールを決めたものの、果たして守るだろうかと心配していたが、案に相違して取り合いが無くなった。そして今日もまた孫たちがiPadを始めた。勿論魔法の力であるキッチンタイマーも渡した。初めの内は静かに遊んでいたが、そのうち順番待ちの8歳の孫がゲームを楽しんでいる4歳の孫に「ベルが鳴っても、切りの良いところまでやっていいよ」と言い出した。ゲームを楽しんでいる途中で止めさせられることにフラストレーションを感じて、自分も最後までやりたいと思ったからだろう。更に、自分が最後まで楽しむためには、相手にも同じ条件を与える必要があると判断したに違いない。ルール化は更に進み、簡単なゲームは二つまで出来るように改良された。たかがiPad遊びだが、されどiPad遊びだ。8歳と4歳と3歳の孫たちの遊びの世界のルールではあるが、iPad遊びを通して、見事に社会性を身に付ける瞬間を垣間見ることが出来た。正月早々孫たちの成長を実感した次第。

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一年の計で考えたこと

元旦には、今年はどんな年になるのだろうかと誰でも思う。自分のアンテナに引っかかった今年のキーワードは自由化。電力の自由化で都民の6割が東京電力離れをするかもしれないというから、相当なインパクトがある。電力自由化が今年の4月からスタートし、ガスや石油など他業種の会社も電気の小売りを始めることになる。安いから、ガスに期待するから、原発は嫌だから等々、理由は様々だ。ある種の調査によると、選択理由は安さを求めるのが3割、脱原発が3割とのこと。国に登録した電力小売り業者は100社を超えており、最早草刈り場になっている。東京ガスは、ガスとのセットで年間約5千円程安くなると言う。ガソリンスタンドのENEOSもガソリンを購入すれば安くすると言い、家電量販店ではポイントが溜められると推奨している。どう選んでよいのか迷ってしまう。一年の計は元旦に有りという。電力一つをとっても、自分が何を望むかを自分なりに明確にすべき時だとも思う。基本的には価格の安さは求めるべきだと思う。でも、それありきではないはずだ。割高でもそれを補うものもあるはず。原発の酷さは福島で実証済みだし、化石燃料は温暖化やPM2.5で懲りている。かと言って、太陽エネルギーや風力では、満たしきれない現実もある。誰をも満たす答えなどないし、見通す力もない。だから自分の知っている範囲で選択することしか残されていない。考え方を変えれば、自分の好きな道を選択すれば良い。但し、情報を掻き集めベストを尽くしベターな選択をすることだと思う。

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