厚労省の不作為と国交省の無作為

化学及血清療法研究所が違法に血液製剤などを製造していたとして、厚労省が薬事法に基づき過去最長の110日間の業務停止処分を出した。ところが、製品の7割超は代替品が無いとの理由で引き続き出荷が認められた。厳罰に処したとはいえ、出荷は止めない。まさに骨抜きの典型だ。化学及血清療法研究所と言えば、嘗て薬害エイズ事件を引き起こしたあの会社だ。悪質でかつ寡占的な製薬会社を野放しにした厚労省の責任は極めて重い。年金運用を弄んでいる暇はない筈だ。一方、震災復旧工事の談合でNIPPOや前田道路や日本道路の大手3社が、独占禁止法違反として強制捜査を受けるという。舗装原料はアスファルトと砂と石を混ぜたもの。劣化を防ぐには1時間半以内に現場に運ぶのが理想という。各社がそれぞれ原料供給工場に近い区間を、示し合わせて受注していたようだ。一見談合に見える。だが、合理的ではある。品質の良いものを安く供給することになる。この談合によって、誰が被害を被るのだろうか。誰もいない。受注価格が過剰でなければメリットしか残らない。しかし、その行為は談合だとして犯罪扱いされようとしている。極めて不合理だと思う。化血研事件は厚労省の不作為の結果であるし、震災復旧道路工事は国交省の無作為の賜物かもしれない。まず罰すべきは、厚労省と国交省にあると思うのだが。