2019年7月

居直り3社長の害

かんぽ生命の不適切販売件数が、これまで見込みの倍となる18万件に達し、3社長が雁首を揃えて会見した。顧客に重複した契約を結ばせ保険料を二重に徴収したり、無保険状態に置いたりするなど不適切販売の元凶は、営業ノルマだ。トップが営業員の競争を煽り、見境無く契約に走らせた結果だ。二重徴収や無保険状態放置は、保険業界では誰でも知っているタブーとのこと。でも、規模が日本生命に匹敵するかんぽ生命はトップを含めタブーを知らなかったようだ。つまり全員素人だったということだ。3社長とは、日本郵政の長門正貢、かんぽ生命の植平光彦、日本郵便の横山邦男。長門も横山も元銀行マンだからずぶの素人で、植平は保険ヤだったが、出世競争に夢中で保険実務には疎かったのだろう。会見で3社長は居直ると言う。陣頭指揮をとってまい進することが職責だと言う。営業ノルマを廃止すると言う。ちょんぼした政治家に似ている。ちょんぼを取り返し正常に戻すのが責務だから辞めないと言う。でも能力の無い者は去るべきだと思う。代わりは幾らでもいる。また営業ノルマを廃止したところで過当競争が無くなる訳ではない。企業体質を根本から変えずに無くなるはずがない。そのためにも3社長は即刻職を辞すべきだと思う。

0 コメント

最低賃金の意味

厚労省の中央最低賃金審議会が、2019年度の全国の最低賃金の目安を27円引き上げて時給901円にする方針を決めた。審議会は、経営者、労働者、学者で構成されており毎年抑えたい経営者と上げたい労働者の質の低いせめぎ合いになる。一方で政府は骨太の方針で3%超を提示し、結果として今年は偶々3.1%となり目安をクリヤーした。しかし、最低賃金の決め方には問題が多い。その場しのぎで計画性がないし、最低賃金を上げる目的が明確になっていなし、都市・地方間の格差が益々広がるばかりだ。少子高齢化が進めば、GDPが減少し日本は後進国に転落することになる。最低賃金を上げ生産性を延ばさなければ今のGDPを維持することは出来ない。政府が数十年先までの目標値を設定し、生産性向上を推し進める必要がある。更に、地方を創生するには、都市・地方間の格差を無くす必要がある。この最低賃金の格差是正こそ地方創生のキーファクターと言える。デービッド・アトキンソンが「日本人の勝算:東洋経済新報社」でこのように指摘している。日本が生き残るための立派な教科書がある。せめて首相と厚労相には読んで理解を深めてほしいと思う。

0 コメント

イッテルビウム12ホウ化物

熱は通すが電気は通さない奇妙な物質を発見したとのニュース。金属は自由電子があるから熱も電気も通す性質がある。でも、熱は通すが電気は通さないとは奇妙だ。自由電子によるものではない。では何故熱だけを通すのだろうか。そんな現象や物質など聞いたことも無い。はたまたアインシュタインの量子力学に次ぐ、新たな物理学への突入なのだろうか。その話題となっている物質がイッテルビウム12ホウ化物という物質。イッテルビウムなどという名前は誰しも聞いたことが無いと思う。でも、自分にとっては専門だったから懐かしさを感じる。そのセンサーがこのニュースを嗅ぎ分けたのかもしれない。イッテルビウム12ホウ化物は電気を通さないから自由電子を持っていない。絶対零度付近でも熱を通すからフォノンによるものでもない。未知の量子化学的な粒子が存在しているのかもしれないとのこと。レアアースは科学者から見ると何とも魅力的な元素群だと思う。

0 コメント

運は天に任せるしかない

直径約130mの小惑星が7月25日に地球とニアミスしていたとのニュースに驚いた。しかも、天文学者も数日前まで気付かなかったというから驚きが倍増した。驚きというよりもゾッとした。もし、地球に衝突していれば東京都と同規模の範囲を壊滅させるほどの大きさだという。まさにアルマゲドンだ。あの米映画「アルマゲドン」を彷彿とさせる。小惑星が地球に衝突し、地球が死の惑星になってしまうので、小惑星に穴を開け爆破により2分し、軌道を変えることに成功する、あの話だ。6600万年前にメキシコに落下した直径10kmの隕石は恐竜を絶滅させた。1908年にはシベリヤに直径約100mの隕石が落下しニューヨーク市の倍の面積に被害を与えた。NASAは140m以上の小惑星を監視しているが、それ以下の大きさの小惑星は発見が難しいとのこと。数年前から小惑星の存在が分かっていれば、重力トラクターという方法で軌道を変えられるという。だが、小惑星の発見を数日前から数年前にすることは不可能だ。結局、運は天に任せるしかないようだ。

0 コメント

日本は世界の孤児になるかも

WTO理事会で、日本と韓国が半導体材料の対韓輸出規制を巡り討議した。韓国は、元徴用工などの歴史問題を経済問題にすり替えるのは不当だと抗議し、日本は、戦略物質が韓国経由で第三国に流出しているので安全保障上輸出規制したと主張した。しかし、第三者からの意見は無く、韓国も日本も自国の主張が認められたと報道している。世界の常識として、国際法は国内法より優先するので、既に解決済みの元徴用工問題や慰安婦問題を蒸し返すのは韓国に非があることは間違いない。一方、韓国が第三国に流出させているのも事実だから、日本の主張も、一応筋は通っている。でも、元徴用工問題の報復であることは間違いない。その点、韓国の主張は正しいと思う。日本は韓国をホワイト国から外すことを閣議決定する方針を決めた。初期の輸出規制を含めホワイト国から外すことは、日本にとって良いことなのだろうか。経済という棍棒で暴れ回っているのがトランプだ。歴史問題を経済という棍棒で解決を図ろうとしているのが日本だ。先にG20で自由貿易の保護を訴えたのが安倍だ。その安倍がトランプの真似をして自由貿易の破壊をする。国内では対韓国制裁が支持されているが、海外では日本による自由貿易の破壊が非難されている。このまま進めば、日本は世界の孤児になるかもしれない。歴史問題は歴史問題として、流出は流出として、解決を図るべきだと思う。

0 コメント

ミイラ取り

期待したほど参院選後の情勢は殆ど変わっていない。3分の2が確保されず安倍の憲法改正は少し遠のいた。立憲民主は議席を増やしたものの目標に届かず枝野の手腕が問題視されている。国民民主、社民は風前の灯火だ。公明も共産もジリ貧状態だ。いま安倍は3分の2を目指している。その巻き込み対象が国民民主だ。国民民主代表といえば玉木。玉木の経歴が異色だ。裏切りの連続なのだ。最も信用のおけない輩と言える。香川県出身東大卒、大蔵省入省。自民の大平首相の地盤を継ぎ、民主党ととして初当選。その後、民進党の要職にありながら希望の党に乗り換えた。小池の後釜として希望の党代表に就任。その後国民民主党代表になる。更に小沢一郎が率いる自由党と合流した。そして参院選を迎えたが、結果は惨敗。選挙後に突如「改憲すべき」と言い出し、野党の反感を買った。安倍の目指す改憲内容には反対だが、実情に合った改憲が必要だと言う。でも所詮ミイラ取りがミイラになるになるに違いない。いや、自民というミイラに仲間入りすることが真の狙いなのだろう。安倍はほくそ笑んでいるに違いない。

0 コメント

N国党の価値

参院選で「NHKをぶっ壊す」と連呼したN国が、2%の政党要件を満たし一端の政党になった。その効果を考えてみた。殆ど機能しない参院ではあるが、それでも国政選挙だ。国レベルの問題を解決するための方向付けが必要だ。自分は予てからN国の主張と同様にNHKに批判的で何度もこのブログに書いてきた。でも「NHKをぶっ壊す」だけでは、国政選挙としては対象が狭すぎる。だからN国には投票しなかった。しかし、思いの外NHK批判者が多かったことに驚いた。同時に嬉しくもあった。N国が政党になった効果は計り知れない。国会で自民がN国を無視することは不可能だ。総務省がNHKを所管している。本来は総務省が公共放送を定義し、NHKがその定義から外れないよう指導・保全する立場にある。だが寧ろ総務省はNHKの歯止め無い増殖を許しているし増長させている。更に官邸からのNHKへの圧力を防ぐことなく、むしろ一緒になって政治的圧力をかけている。総務省が機能しない今、N国の存在は極めて価値がある。NHK問題を解決するには、既存政党に1票を入れるよりN国の方が有効だ。一点突破の政党の、蟻の一穴になることを期待している。

0 コメント

合意なき離脱に

英国でジョンソン首相が誕生し10月末の「合意なき離脱」が確実になった。メイ首相の離脱交渉失敗で保守党の支持率が25%と急速に低下し、労働党の21%と僅差になった。もし労働党が政権を取れば、産業の国有化が待っている。保守党は政権を維持するにはカリスマ性のあるジョンソンで「合意なき離脱」で対抗するしか手段が無かったのだろう。ジョンソンは毀誉褒貶が定まらない。人種差別、女性蔑視、イスラム教敵視などの奔放な言動で批判を浴びてきた。支持層は高齢の白人。特徴のある金髪の髪型。「英国のトランプ」と称される所以だ。英国民は崖っぷちに立たされている。3年前に行われた国民投票で、ジョンソンは離脱に、メイは残留に票を投じた。ところが、離脱を指揮する首相にはメイが選ばれた。残留から離脱に宗旨替えした首相に離脱交渉を任せること自体が間違いだったと思う。当時もこのブログにそう書いた。今もそう思う。当時ジョンソンが首相になれなかったのは「英国のトランプ」だったからに違いない。でも、その「英国のトランプ」が成長・変貌した訳でなない。当時のままだ。結局、英国は遠回りをして、問題を複雑にしただけだ。もし当時ジョンソンを首相にしていたら、リスクが明確になり、残留派が優勢になり、事態は終結していたかもしれない。

0 コメント

選挙公約のいいとこ取り

参院選の結果を受け、安倍首相が「憲法改正を国会で議論するのが国民の審判だ」と述べた。そうだろうか。公約のいいとこ取りだと思う。「日本の明日を切り拓く」と題する自民党の公約は、外交・防衛で国益を守る、所得を増やす、人生100年社会をつくる、元気な地方をつくる、災害から命・暮らしを守る、憲法改正を目指す、だった。でも、公約の最後である憲法改正が、選挙後の第一声になった。不自然だ。安倍が望む憲法改正の内容とは、自衛隊の明記だ。しかし、選挙中に日本のタンカーがイランから攻撃を受けたが、自衛隊の派遣については沈黙を続けた。もし、安倍が心底自衛隊の明記を望んでいるなら、渡りに船と言うよりは千載一遇のチャンス。「日本経済の生命線である石油を自衛隊で守ります」と宣言し、大々的に自衛隊を宣伝し、現地に派遣し、護衛させアピールしていたはずだ。安倍が憲法改正に自衛隊を明記することを目指すことと、実際の行動がチグハグだ。だから、安倍は信頼されない。公約をいいとこ取りするから信用されない。言葉と行動が一致しない人物は、どの世でも信頼されないものなのだ、ということが理解出来ない人物の一人なのかもしれない。

0 コメント

選挙制度は何処まで歪むのか

参院選で、れいわ新撰組とNHKから国民を守る党の得票率が2%以上になり政党要件を満たした。社民党と肩を並べる政党が誕生した。それ以上に驚かされたのは、れいわ新撰組の山本太郎が比例代表で断トツの1位で99万票を獲得しながら落選したことだ。摩訶不思議だが、そこには「特定枠」の存在がある。1年前に鳥取・島根と徳島・高知の合区対策として自民が導入した場当たり的な制度だ。例えば、鳥取から立候補者が出れば、島根の人に特定枠を設定する。特定枠は票数に関係なく比例候補の上位に位置づけられるので、政党票さえ集まれば無条件で当選することになる。今回の選挙では、山本がこの仕組みを利用して特定枠に2名を設定し、自身を含め3名の当選を目論んだ。その結果、4千票と5千票の2名が当選し、99万票の山本が落選した次第。選挙は国民の公平な1票に委ねられるべきものだ。現行の選挙制度は余りにも歪み過ぎている。1票の格差是正など夢のまた夢ということだ。政治家にバカにされていることを国民はいつ気付くのだろうか。

0 コメント

ヨシモト騒動

雨上がり決死隊の宮迫とロンドンブーツ1号2号の田村が記者会見を開いて謝罪し会社との経緯を暴露した。宮迫と田村の話によると、会社に金銭の授受を報告したが、会社が隠蔽したとのこと。岡本ヨシモト社長に謝罪会見を行いたい旨懇願したが「会見してもええけど、ほんなら全員連帯責任でクビにするからな」と恫喝されたとのこと。この騒動の発端は、会社に隠れて闇営業をしたことにヨシモトが激怒したことだった。後から、相手が反社会的勢力だったこと、金銭の授受がなされていたこと等が判明し騒ぎが拡大した。会社が闇営業だと騒ぎ立てずに、始めに宮迫と田村が「反社会的勢力だとは知りませんでした。お金について嘘をついて御免なさい」と謝っていれば済んだことだった。問題はヨシモトの体質だ。力でお笑い芸人たちをねじ伏せる。阿漕に金を巻き上げる。大企業にあるまじき体質だ。大企業だと思っていたら、資本金は1億円しかなく、しかも非上場になっている。調べてみると10年前に出井元ソニーCEOが画策し株式上場を廃止した。これにより外部からは見えない体質になり、文字通りブラック企業化してしまったようだ。ブラックに生きる社長の退場は免れまい。

0 コメント

NHKの非常識

今夕7時のNHKニュースに違和感を覚えた。お笑いタレント宮迫のニュースが流れ、その次に九州豪雨のニュースになった。宮迫は詐欺や強盗の反社会勢力との関係が暴露され吉本興業から契約解除されたという内容だった。一方九州豪雨は、最高レベルの大雨特別警報が出された長崎についての状況だ。大雨特別警報とは「何はともあれ命を守れ」という切羽詰まった警報だ。警報が解除されたとしても、被害状況がとても気になる。誰しも、たかがお笑いタレント一人の進退よりも、豪雨被害の有無を心配するのが当たり前だ。それが社会一般の常識だが、NHKの常識は違う。お笑いタレントの方が大切なのだ。何故NHKでは、このような非常識が罷り通るのだろうかを考えてみた。最近のNHKは、お笑いタレントの多用が目に余るものがある。NHKから見れば、番組編成上お笑いタレントの価値は極めて高い。遠い九州の大雨など数多いニュースの一つに過ぎない。ニュースの一つと思えば、他人事になる。結局NHKに身近な順で放送内容の順番を決める。こういうことだと思う。NHKは公共放送という立場を見失ってしまっている。大改革が必要だ。

0 コメント

アスクルとヤフーの攻防は

アスクルの「ロハコ」を巡るヤフーとの攻防が面白い。池井戸潤の「下町ロケット」を彷彿とさせる現実版だ。アスクルは「明日来る」から転じて社名にした文具のネット通販会社。企業向け通販の「アスクル」と個人向け通販の「ロハコ」の2事業を手掛けている。個人向けネット通販はこれから伸びる有望な分野だ。でも物流センターの火災と宅配業者の値上げで赤字に陥っている。宮内ヤフー社長とアスクル岩田社長が共同事業として「ロハコ」を育てることに同意。信頼のもとに事業は順調に動き出した。ところが、ヤフーはソフトバンクの子会社になり、ヤフー社長は宮内が更迭され川辺に代わった。ソフトバンクはヤフーが日本のアマゾンになることを目指している。足りない事業は個人向けネット通販のプラットフォームだ。ソフトバンクは是が非でもそれが欲しい。川辺ヤフーはソフトバンクから「ロハコ」を引き抜くよう指示されて、アスクルに譲渡を打診する。びっくりしたのはアスクルの岩田社長だ。これまでアスクルにとってヤフーは経営の友達だった。それが突如敵になったのだから、その驚きは想像に絶する。勿論即座に拒絶した。アスクルの岩田社長は当面の敵であるヤフーと戦っている。しかし、身内だったはずの親会社プラスもヤフー側に着いている。現実版はここまで。テレビより迫力がある。これから如何に進むか興味津々。

0 コメント

狂った市長

選挙の応援演説には「火事は3分、選挙は最後の1日」という常套句があるらしい。火事は初期消火の3分がものをいうが、選挙は最後の最後の踏ん張りで当落が決まるという喩えのようだ。今夜門川京都市長が、参院選候補者の個人演説会で「火事は3分、10分が大事。選挙は最後の1日、2日で逆転できる」と演説したとのこと。しかも、今朝京都市内で起きた放火により20人以上が亡くなった京都アニメーション火災を例に挙げ宣ったという。いくら何でも酷すぎる。非難を受けると、市長は「選挙の常套句だから」と言い張ったが、最終的には謝罪に至ったとのこと。火事が怪我人も出ない小火程度であれば喩えになるかもしれない。事情を知らない他県の市長であれば、ニュースも見てないのかとバカにされる程度の話で済む。しかし、門川は現役の京都市長だ。大惨事は今朝京都市内で起きている。開いた口が塞がらない。選挙は人を狂わす。いや、元々狂っていたのかもしれない。

0 コメント

「内閣情報調査室」という本

北海道で安倍首相の参院候補応援演説中に「安倍帰れ」とヤジを飛ばした人が警察官によって排除された動画が流れた。そのヤジによって安倍のスピーチが中断された訳でもないから公選法違反には当たらない。単なるヤジだ。では何故警官が?と考えると思い当たる節がある。2年前の秋葉原で「安倍帰れ」コールに対し、安倍は「あんな人たちに負けるわけにはいかない」とやり返して大敗した経験がある。失敗を糧として、事前に警察に排除指示をしたと考えれば腑に落ちる。秋田では、現職知事が非国民だと非難されているという。自民系知事だが防衛省のイージス・アショア設置調査の杜撰さを批判し、岩屋防衛相に頭を下げさせた。安倍は身内には甘いが、歯向かう者は徹底的に攻撃する性分だ。官邸組織を使って「非国民」の噂を流し、抹殺しようとする魂胆だと勘ぐると、妙に納得する。これらは単なる個人的な勘ぐりだが「内閣情報調査室:今井良:幻冬舎新書」を読むと、限りなく真実に見えてくる。官邸による国家機構私物化が進んでいるのは間違いなさそうだ。

0 コメント

売り言葉に買い言葉

トランプが民主党の非白人女性議員4人に対し「米国が嫌なら出て行け。お前らの世界最悪の腐敗した祖国を立て直してからものを言え」と息巻いている。4人の女性は、プエルトリコ系、元ソマリア難民、黒人、パレスチナ移民の子。米下院は「人種差別だ」との非難決議を賛成多数で可決するところまで発展した。確かにトランプの言動には目に余るものがある。大統領としての品格に欠ける。ヒトとしての常識を持ち合わせていない。大統領失格であるし人間失格だ。報道ではトランプの言動だけがクローズアップされている。でも、トランプが怒り狂うには訳がある。この4人は民主党の中でもトランプ氏の弾劾を主張する急先鋒で、民主党執行部とも軋轢が生じていた。その4人が「国境を開放して不法移民を全員受け入れろ」と過激な主張したことに対するトランプの反撃だったのだ。人種差別と非難されても、トランプが前言を翻さなかったのも少しは肯ける。売り言葉に買い言葉。他愛の無い子供の喧嘩。でも、こんな大統領で米国は大丈夫なのだろうか。他国の事ながら心配になる。

0 コメント

投票することの価値

参院選が盛り上がらない。盛り上がれば浮動票が加算され野党優勢となり、盛り下げれば自民圧勝のパターンが常。だから自民圧勝になると思う。それにしても、気になるのが投票率だ。国政だろうが市政だろうが、投票率は下落の一方だ。最早政治家に期待出来ないという気持ちは良く分かる。でも、投票しないことには世の中は変わらない。そんな折毎日新聞の記事が面白い。投票する事の価値を訴えている。1票の価値はベンツ1台分の570万円だという。根拠となる数式は、予算×任期÷選挙登録者数。計算方法は他にも色々ある。社会保障費で計算すると、現役世代で54万円、高齢者世代で約228万円とのこと。極めて重い1票の価値だ。こんなことを思いながら、期日前投票に行ってきた。意外とがら空き。スムースに投票出来たが、一方で気になったことがある。日本の選挙は何故記名式なのだろうかと。ひらがな候補が多すぎる。ひらがなはイメージが湧かない。立候補者が薄っぺらにみえる。識字率世界一といえども、誤字脱字による無効票が多発する恐れがある。前もって候補者名をプリントした投票用紙にチェックを入れる世界レベルの方式に変更した方が、集計も簡素化されるし無効票も減るはずと思う。でも、日本の政治情勢を考えれば、記名式に落ち着かざるを得ない。それ程頻繁に、かつ突然に無意味に選挙が行われるということだ。選挙は方式も含め、政治家のためにあるということを実感した次第。あぁ選挙。

0 コメント

AIとヒラメキ

プロゴルファーのドライバーで最近目立つのがキャロウェイFLASHだ。ドライバーは飛びが命。特長はフェイスの形状にある。従来は反発を大きくするために、如何に薄くするかがキーだった。でもFLASHの形状は全く違う。裏面が左右非対称で波打つ独特な凹凸になっている。AIが導き出したという。通常、人が設計・修正を行う場合は10回程度しか出来ないが、AIは1万5千回も繰り返し、人にはとても思いつかない形状に辿り着いたとのこと。その性能がプロに認められたのだから本物だ。話は変わるが、レンズの世界でも大進歩があったようだ。レンズの収差は大昔からの問題で未だに解決されなかった難問だ。解像力を上げるため口径を大きくすると、焦点が1点に集まらずぼやけてしまう。これを球面収差という。これを解消するために何枚ものレンズの組み合わせで凌いできた。ところが、メキシコ国立自治大学博士課程の学生が、研究中にヒラメキで解決したという。そのレンズ断面はきれいな球面ではなく、ユラユラ揺らいだ型になっている。何か形のイメージが似ている。AIと人のヒラメキが従来の延長線上ではなく同じような所に到達したことが興味深い。

0 コメント

テレビは信ずるべからず

覚せい剤取締法違反容疑の男が、今月9日車で逃亡するのを止めようとした警察官に傷を負わせ逃亡した。だが、未だに捕まっていない。テレビでは連日元国会議員秘書が逃亡中と報道している。不思議なことに、どの局でも、元国会議員秘書と言うだけで国会議員の名前を公表しない。国会議員に罪は無い。公表しても何ら差し支えは無いはずなのだが。どの局も同じということが、とても気になる。一方、ネットでは国会議員とは野田毅だという情報が飛び交っている。テレビとネットの差は何なのだろうか。テレビでは、番組中に政権批判をすると自局の政治部長が真っ先に怒鳴り込んで来るという。政治家のご機嫌を損ねるとオフレコ取材がやりにくくなるからとのこと。テレビが権力者に制圧されている証と言える。ましてや、今は参院選挙中。権力者による締め付けは増すばかりだ。国境なき記者団による報道の自由度ランキングで、日本は180カ国中67位で、先進7カ国では最下位。テレビは信ずるべからず。

0 コメント

フェイスブックとトランプ

トランプが仏のデジタルサービス税創設にクレームをつけた。米国企業を不公正に標的にしているという。そうだろうか。デジタル課税を巡ってはG20やOECDを中心に、2020年中の最終合意に向け議論が進んでいる。立法化には仏が一歩先んじたが、デジタル課税は世の趨勢だ。デジタル課税の対象は主にGAFAだ。グーグルもアップルもフェイスブックもアマゾンも全て米国企業だ。GAFAは利益をタックスヘイブンに温存し、米国以外の国には税金を払っていない。仏は米国企業を不公正に標的にしているどころか、米国に公正さを求めているのだ。どんな色眼鏡をかけて見ても、トランプが言う不公正は存在しない。フェイスブックはプライバシーとデータ保護の違反行為で米連邦取引委員会から50億ドルの制裁金を科された。トランプはSNS大手から不公平な扱いを受けていると主張している。SNS嫌いのトランプがデジタル課税に限ってその大手を擁護している。極めて不自然だ。でも、ロシア疑惑ではフェイスブックにお世話になったお礼と勘ぐれば、妙に納得がいく。やはり、そうだったのか。

0 コメント

タンカーを護衛しないのは何故

ホルムズ海峡を通過する日本のタンカーが攻撃を受けたが、その後どうなったのだろう。航行の安全を守るのは急務だ。トランプは日本などが自国で防衛すべきだとツイッターで主張した。米国はシェールオイルで石油原産国になったから、中東の石油など重要視しなくなった。国の方針として「世界の警察を辞める」とも言っているから、各国が自分で守れという主張はある程度理解出来る。一方、岩屋防衛相は引き続き情報収集に万全を期し、情勢を注視する考えを示した。要するに何も対応しないという事だ。岩屋一人で決められる事ではない。勿論官邸の意向に違いない。中東の石油は日本の生命線なのだが、何故日本のタンカーを守ろうとしないのだろうか。イラク戦争時は自衛隊を戦闘地まで派遣して、砲弾の下で道路整備をさせたというのに。タンカーの護衛は戦闘行為ではない。イランと日本は仲が良いから、単に護衛するだけですと言えば済むことだ。おそらく参院選挙中だから自衛隊騒動で票が減るのではという勘が働いたのだろう。だが待てよ。自民は自衛隊の憲法明記を参院選の争点にしていたはずだ。いま自衛隊を注目させるチャンスなのに、何故派遣しないのだろう。そこに安倍の憲法改正の嫌らしさが垣間見える。

0 コメント

現代版:裸の王様2

<昨日の続き>トランプによるメイ首相への口攻撃が激しくなり、ダロック駐米英国大使は責任をとって辞任してしまった。一方、トランプを支持する米国の白人たちは、大統領というマントの下に隠れたトランプの真の姿を見抜くことが出来なかった。いや、真の姿には気付いたが、それを口にすることが出来なかったのだろう。それほど大統領のマントには威力があるようだ。「皇帝の新しい着物」では、詐欺師が洋服屋に化け「この服が見えない者は愚か者だ」と言うので、家臣も王様も国民も自分が愚か者に見られないよう、見えない服を見えると言ってしまうことになる。厚顔無恥な大統領は自分をも欺し続ける。米国では、大統領というマントが更に見た目の人格と能力を変貌させているということだろう。童話をパロディ化した「王様は裸だと言った子供はその後どうなったか:森達也:集英社新書」が面白い。さて現実社会は今後どう展開するのだろうか。

0 コメント

現代版:裸の王様

ダロック駐米英国大使が「トランプは無能で機能不全」と英国本土に伝えた極秘公文が騒ぎを呼んでいる。トランプは怒っている。公表したのはタブロイド紙だが、一体誰が極秘公文をリークしたのだろう。メイ政権末期の機能不全状態の方が心配になる。公文のリークでアンデルセン童話「皇帝の新しい着物」を連想した。子供が「王様は裸だ」と言ってしまったので、魔法の着物など無かったことが分かってしまった、あの話だ。魔法の着物とトランプの米大統領というマントがダブって見える。でも、その後の対応が違う。裸の王様は恥ずかしくなり城に逃げ帰ってしまったが、トランプは居直ってダロックとの絶縁を表明し、メイ首相を批判するにまで及んだ。ハント英外相は「ダロック個人の見解であり、それを送るのが大使の仕事だ」と擁護した。さて今後どのように展開するのだろうか。<明日に続く>

0 コメント

商業捕鯨の行く末

日本が国際捕鯨取締条約から脱退し、7月1日から商業捕鯨が31年ぶりに再開された。捕鯨業界は喜んでいるが、果たして商業捕鯨は業界にとって追い風になるのだろうか。鯨の消費量は最盛期の50分の1まで落ち込んでいる。戦後に較べ現在は種々の肉が豊富に出回っている。今更主要肉になるはずがない。しかも、調査捕鯨による鯨肉の売れ残り在庫は年々積み上がっている。調査捕鯨は南極海や北太平洋で500頭の捕獲枠が認められていたが、商業捕鯨は領海内と排他的経済水域に限定される。捕獲数量は未知数だ。調査捕鯨には国から年間50億円もの予算があてがわれていた。商業捕鯨になり国の補助も無くなることになる。単価の大幅上昇は必至だ。今より高くて売れるはずがない。もし商業捕鯨による鯨肉が大量に出回れば千葉などの沿岸捕鯨は成り立たなくなり廃業に追い込まれることになる。結局商業捕鯨が経済的にも成り立つ見込みは無く、自らの業界の首を絞めることになる。自分は調査捕鯨と商業捕鯨に反対だ。これまで、このブログに「調査捕鯨は中止へ」「南極の鯨と近海の鯨」「IWC脱退後何が起きるのか」を書いてきた。期せずして商業化が捕鯨にとどめを刺すことになるかもしれないことは興味深い事象だと思う。

0 コメント

石川・渋野・八村の日

3年ぶりに石川遼選手が勝利を挙げた。初めてメジャータイトル「日本プロゴルフ選手権」のトロフィーを手にした。しかも7打差を追いつきプレーオフを制した。腰痛とドライバーに悩み、予選落ちが多かった。最早カムバックは出来ないのかと思われていた。聞くところによると、肉体改造に励み腰痛を克服したのが要因とのこと。見栄えのする選手だが、腐らずに地道な努力を続けたところが凄いと思う。復活して日本の男子ゴルフを再び盛り上げるに違いない。女子では20歳の渋野日向子選手がイ・ミニョンをプレーオフで破り資生堂アネッサ・レディースの初代女王についた。これからの女子ゴルフは20歳前後の黄金世代が引っ張っていくことになるのだろう。益々女子ゴルフは見逃せない。バスケでは八村塁選手がサマーリーグに出場し存在感を示した。このまま成長すればNBA出場も見えてくる。日本でもバスケがブームになりそうな気配だ。明るい未来が見える一日だった。

0 コメント

未来は若者が創る

今朝の日経によると、安倍政権の支持率は20代が7割で60以上は5割とのこと。ここ数年で若者の政権支持率は日に日に上がっているという。通説では、政権の支持は高齢者ほど高く、若者ほど低い。高齢者ほど保守性を好み、若者ほど革新性を好むからだ。既存政権に反旗を翻すことこそ若者の特権と言われていた。だから若者の政権支持率の高さに意外な感じがした。日経は、就職氷河期が終わり就職環境が改善し、初任給も上がり生活が安定したことが一つの要因だと分析している。背景にはグローバル化とデジタル化が後押ししているという。でも、自分はこう思う。安倍政権と野党を較べた場合、野党は昔の時代に生きている保守で、安倍政権は未来を先取りしようとする姿勢を見せる革新だからだ。政権の消費増税や働き方改革や外国人受け入れなど、効果は別として未来への積極姿勢が目立つ。一方、野党には将来ビジョンが全く見えない。相変わらず、昔の社会党のように何でも反対しているだけ。しかし、一方で若者の投票率は極めて低い。未来は若者が創る。参院選での高投票率を望みたいものだ。

0 コメント

セブンの悲劇

開始してからまだ1週間も経っていないのに、スマホ決済のセブンペイで不正アクセスが多発した。その被害は利用者約900人、被害額は約5500万円にも上るという。原因は、スマホ決済に必須の2段階認証が導入されていなかった為という。小林セブンペイ社長は、緊急会見で記者の質問に対し「2段階認証?」と無知を曝け出したのだから、目も当てられない。セブンアイHDの既存のアプリ「7iD」のダウンロード数は約1500万人にものぼる。これを取り込めばスマホ決済でも他社からの遅れを取り戻せると考えたに違いない。ところがアプリ「7iD」はIDとパスワードだけで本人確認を済ませる仕組みだった。しかも、メールアドレスと生年月日、電話番号が分かれば、パスワードを勝手に変えられてしまう恐れもあった。簡単に乗っ取られてしまうのだ。結局、本人確認をスマホと紐付きにする仕組みが欠落していたのが致命的だった。だから、どのスマホからでも成りすましが可能になってしまっていた。大企業の割には大雑把で脆弱過ぎる。経営トップと現場が乖離しているのがセブングループの特徴のようだ。この社長にしてこのシステムありというところか。

0 コメント

第五のがん治療法

医療ベンチャーの楽天メディカルが「第五のがん治療法」と呼ぶ光免疫療法の商用化を発表した。光免疫療法とは、がん細胞だけにくっつく抗体を作り、その抗体にレーザー光をあてることでがん細胞を壊死させる治療法だ。がん細胞を直接叩く方法は画期的だ。周りの細胞を傷つけないから体に優しいのも特長だ。三木谷社長が父親のがん治療を契機に、7年前から米国ベンチャーに投資し育成してきたという。新技術を見極め実用化させる力に非凡さを感じる。楽天が携帯電話5G事業にインフラ不要の方法で参入することは「楽天5Gの成否」にも書いた。コストを半減させるユニークな方法だ。現在の技術の根本的な弱点を根こそぎ取り払ってしまう革新性に富んでいる。自分はこういう仕事が大好きだ。話を聞くだけで嬉しくなる。三木谷社長の父親の口癖は「企業の使命は人類への貢献」だったという。この親にしてこの子ありということなのだろう。今まで三木谷社長には良い印象は持っていなかったが、見直した。稀代の起業家だと思う。

0 コメント

人事から見たEUの行方

EUの臨時首脳会議が3日掛かりで次期主要人事案に辿り着いた。主要人事とは、欧州委員長、EU大統領、欧州議会議長、欧州中銀総裁の選出。人事案は欧州議会の承認が必要だが、不透明な面も残るという。4大人事というが、欧州委員長が実質的な権力を持ち、EU大統領はお飾り的な存在だ。メルケルとマクロンが合意したティマーマンス欧州委第1副委員長の欧州委員長人事案には、ハンガリーやチェコなど中東欧4カ国が激しく抵抗し没になった。そこでメルケルとマクロンは密約をして、欧州委員長にドイツ人のフォンデアライエン国防相、欧州中銀総裁にフランス人のラガルドIMF専務理事の案を通した。中東欧は意見が通ったことを喜び、西欧は不満を残したという。他の人事はバランス重視だ。欧州委員長は中道右派、EU大統領は中道リベラル、欧州議会議長は中道左派と、各派の不満を抑える形になっている。相変わらず独仏主導で事は運ぶが、中東欧の抵抗は大きくなり、主要人事も適材適所ではなく派閥均衡型になっている。EUは一枚板とは言えない。寧ろ亀裂が表面化し、いつ裂けるか分からない状況になりつつあるようだ。

0 コメント

「お前」狩り

中日ドラゴンズの応援歌「お前が打たなきゃ誰が打つ」が問題になっているとか。ピンクレディーのサウスポーの替え歌だが、その歌詞の「お前」が問題になっている。単純な問題だが、問題は膨らみつつある。推測すると、発端は与田監督が「お前」ではなく「名前」にしてほしいと提案したことのようだ。球団は「お前」表現は子供の教育上好ましくないと指摘し、サウスポーの使用中止を私設応援団に要請。球団が私設応援団と協議した結果、当分サウスポーの使用を自粛することになった。これに対しファンからは反発が上がっている。与田監督はサウスポーの使用中止までは望んでいないとぼやいている。テレビの情報娯楽番組でも「お前」の是非が取り上げられ「お前」論議が繰り広げられている。トンチンカンな教育ママがしゃしゃり出そうだ。そのうち、あらゆる分野で「お前」狩りに発展しそうな勢いだ。世の中狂っているとしか言い様がない。なあ、お前。

0 コメント

天災が人災になる理由

連日九州で豪雨が続いている。緊急会見で気象庁のK主任予報官が早めの避難を呼びかけている。ところが、このK主任予報官はファニーフェイス。この顔と言い方では、緊急な危険性が伝わってこない。避難すべき人々は避難したのだろうかと心配になる。そう言えば、地震の時を思い出す。大きな地震があると地震津波監視課長が緊急会見をする。前のA課長は喋りが下手だった。上がり性なのか話すことに緊張していた。あろう事かその緊張が、何と地震の怖さを和らげてしまっていた。これを聞いて現地の人は大したことはないだろうと高をくくっていたかもしれない。これでは、豪雨も地震も緊急性が伝わってこない。そこで自分は思った。気象庁の人事はどのように決まるのだろうかと。おそらくその部署のナンバー2が収まるのだろう。でもナンバー2のナンバー1は、決してリーダーとは限らない。少なくとも国民に緊急性を知らせる役職は、その意を知らせることの出来る人物を選定すべきだと思う。天災が人災になる理由が少し分かったような気がする。

0 コメント