合意なき離脱に

英国でジョンソン首相が誕生し10月末の「合意なき離脱」が確実になった。メイ首相の離脱交渉失敗で保守党の支持率が25%と急速に低下し、労働党の21%と僅差になった。もし労働党が政権を取れば、産業の国有化が待っている。保守党は政権を維持するにはカリスマ性のあるジョンソンで「合意なき離脱」で対抗するしか手段が無かったのだろう。ジョンソンは毀誉褒貶が定まらない。人種差別、女性蔑視、イスラム教敵視などの奔放な言動で批判を浴びてきた。支持層は高齢の白人。特徴のある金髪の髪型。「英国のトランプ」と称される所以だ。英国民は崖っぷちに立たされている。3年前に行われた国民投票で、ジョンソンは離脱に、メイは残留に票を投じた。ところが、離脱を指揮する首相にはメイが選ばれた。残留から離脱に宗旨替えした首相に離脱交渉を任せること自体が間違いだったと思う。当時もこのブログにそう書いた。今もそう思う。当時ジョンソンが首相になれなかったのは「英国のトランプ」だったからに違いない。でも、その「英国のトランプ」が成長・変貌した訳でなない。当時のままだ。結局、英国は遠回りをして、問題を複雑にしただけだ。もし当時ジョンソンを首相にしていたら、リスクが明確になり、残留派が優勢になり、事態は終結していたかもしれない。