「外れ馬券代は経費」の波紋

最高裁が「競馬の外れ馬券は経費と認める」判決を下した。ソフトを使わない独自のノウハウで、6年間に約73億円の馬券を買い、約6億円の利益を上げていた公務員の男性が、外れ馬券代は経費と認めるよう求めていた。一審・地裁では経費と認められず約2億円の追徴課税が課せられ、二審・高裁では逆転勝訴。今回の最高裁で勝訴が確定した。最高裁は「男性の馬券購入は営利目的の継続的な行為で、利益を得るために不可欠な外れ馬券代は経費とするのが相当」という判断をした。ここで疑問が生じた。一般的な競馬ファンには馬券購入が経費とは認められていない。この男性と一般的な競馬ファンとは何が違うのだろう。競馬大好き人間は、継続的に馬券を購入するし、独自のノウハウも持っている。勿論スリルを楽しむが、当たり馬券で利益を得ることを目指している。この男性と全く同じだ。もし違うとすれば、全ての実績を記録しているか否かだろう。この判決は一般の競馬ファンにも適用されるに違いない。国税庁は「主張が認められず残念」とコメントしているが、森友に8億円も安売りした佐川長官は、無謀な取り立てを馬券購入者に謝る会見を開くべきだと思う。それにしても、一公務員が、6年間に73億円もの馬券を購入するとは驚きだ。馬券代が経費と認められたということは、商売として認められたことだ。さて、公務員には副業が認められていたのだろうか。疑問は尽きない。

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ショボい自公税調案

自公が2018年度の与党税制改正大綱を決定した。増税分が3,700億円で減税分が900億円、差し引き2,800億円の増税となる。増税の源は、1本3円アップのたばこ税と年収850万円超の会社員からの所得税アップ。テレビには宮沢、斉藤の自公税調会長と野田前会長の姿が映し出される。少子高齢化が進む中で財政・社会保障の構造改革は急務で、税制も一体に取り組む必要がある。何とも小物の集まりで、かつショボい税制改正案だと思う。これでは、思想も見識も無く、単に取り易いところから取るという、場当たり増税としか言い様がない。3人の並んだ顔が無能さを物語っている。昨日の日経に英ファイナンシャル・タイムズのコラムが載っていた。消費を回復し、財政赤字を解消するには、民間部門が貯め込んでいる巨額の余剰資金を縮小させることだと言う。その為には、消費ではなく貯蓄に課税をすることだと説く。それにより、投資もされず分配もされない企業利益を消費に転換することが出来ると言う。国会では、このようなダイナミックな議論をして二重課税にならない実効性のある税制改正を目指してほしい。そうすれば、少しは明るい未来が見えてくるはずだ。昔、大前研一が税制は財産税一本にすべきと主張していたことがあった。これが税制の究極の姿だと思う。自公税調会には、せめて英ファイナンシャル・タイムズのコラムを読んで勉強してほしいと願う。

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リスク評価は安全サイドで

広島高裁が伊方原発について運転差し止めの仮処分を下した。福島原発事故後、原発の運転を差し止める高裁の判断は初めてで、画期的な判決だと思う。伊方原発は、30km圏内にある対岸の大分県の住民避難計画が問題になっていたと思っていたが、そうではない。何と問題は阿蘇山の噴火なのだという。広島高裁は、新規制基準の合理性は認めたが、火山の安全性審査の内規「過去最大の噴火規模を想定する」を厳格に適用した。伊方原発は阿蘇山から130km離れているが、9万年前の噴火規模であれば、火砕流が伊方原発に到達する可能性がある。火山の大規模噴火に対する四国電力の想定が甘く、規制委の審査も不十分だと指摘した。阿蘇山から等距離の位置にある川内原発では、1万年に1回程度の大規模噴火は、安全上考慮すべき社会通念にはなっていないと運転を容認したケースもある。要するに火山の噴火リスク評価を巡っては、司法の判断がバラバラなのだ。だが、思い出してみて欲しい。大津波による福島原発事故が発生した時は東電も政府も「想定外」と言い張った。だが、過去の事実を調べてみると、間違いなく「想定内」の出来事だった。その過去が100年前だろうが1万年前であろうが、事実は変えられないし、年限を切って安全の境を決めることなど不可能だ。たとえ何万年前であろうが、安全サイドで判断すべきものだと思う。自分は広島高裁の判決が社会通念になることを望んでいる。

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今年の漢字

恒例の「今年の漢字」が「北」に決まった。「北」朝鮮、「北」九州の記録的豪雨、「北」海道日本ハムの大谷選手のMLB移籍や早実清宮の入団、競馬界の「キタ」サンブラックが根拠だという。「今年の漢字」も少しショボくなってきたと思う。それに追い打ちをかけるのが、安倍首相だ。今年は「挑」だと言う。「少子高齢化や北朝鮮の脅威に触れ、国難に挑むために衆院選に挑んだ年だった」と語っている。だが、そうではないでしょ。数ヶ月間も国会を空白にして「逃」げまくった年だった。元来、首相は漢字もお腹も弱い。多分、テヘンとシンニョウを間違えたに違いない。首相の今年の一語とは所詮その程度のことだと思う。一方「今年の漢字」を発案した殿村美樹さんは、時代の変遷を見る目が凄い。「今年の漢字」が生まれたのは22年前。勿論殿村さんが、当時漢字検定の受検者を増やしたいと思ったことがきっかけとのこと。細かいことは端折るが、殿村さんの見識は下記の通り。要は思いは発信力と共に変わっていく。大昔は和歌、それが川柳になり、漢字一字になり、メールの絵文字になり、LINEのスタンプになり、そしてインスタグラムの写真になったのだと言う。相当納得する。でも完全に納得した訳ではない。世の中はそんなに簡素化一方になるはずがない。プレバトの俳句人気が、頭を使って表現力を競う楽しさを証明している。

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修復されたピアノの演奏

受賞者を讃える恒例のノーベル平和賞コンサートが開かれた。主役は広島の原爆で傷つき修復されたピアノだ。約2万人の市民が聞き入ったとのこと。米歌手ジョン・レジェンドが鍵盤をたたいてビーチ・ボーイズの「神のみぞ知る」を熱唱。広島で胎内被爆したジャズピアニスト好井さんは、このピアノを使い国内で100回以上のコンサートを開いていた。このコンサートを直に見て相当感動したようだ。そう言えば、東日本大震災の時もそうだった。大津波により泥に埋もれてしまったピアノの修復が行われた。名取市の高校の修復されたピアノで、音楽家坂本龍一さんが創作した新譜を弾いた。新譜はasync。asyncとは「非同期」を意味するasynchronizationの略だという。災害の記憶を音に刻んだとのこと。ピアノの音は、物悲しくも透き通っている。でも時には激しくまくし立てる。受賞者のスピーチは、素晴らしいものが多いが、残念なことに通訳が入り直接的な感動は薄い。その点、ピアノは凄い。言葉の壁を越え、直接的に観衆を魅了させる力がある。きっと修復されたピアノの音は、被災者には観衆が感じる以上に前向きな希望を与えたに違いない。ただそれだけでも、修復されたピアノ演奏は大成功と言えると思う。

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