旧統一教会の被害者救済法案が衆院法務委員会において、全会一致で可決され、今国会での成立が確実となった。被害者は、救済に充てられるべき財産が海外に移されぬよう包括的に保全できる法案を要望してきた。では果たして、期待に添ったものになっているのだろうか。この法案は、被害者救済を個別の民事手続きに委ね、自助努力を促すだけの名ばかりの救済法案と言える。野党の要望で「3年を目途に財産保全の在り方を含めて検討する」程度の検討条項を盛り込みお茶を濁して可決したものの、実質は変わらず監視するだけだ。被害者は不満を述べている。いざ事が起きれば、被害者が訴訟を起さなければならない。大金を貢がされた被害者に訴訟を起す体力などあるはずがない。さらに、対象を不動産に限定している。現金はフリーなのだ。まさに、形だけのザル法と言える。旧統一教会と自民党との関係は、安倍だけでなく高村や菅を筆頭に多くの自民議員が持ってきた。更に岸田も政調会長時代に面会したことが明らかになってきた。旧統一教会の被害と政府及び自民党とは深くリンクしている。関係断絶宣言が本気であるならば、被害者救済に政府として自民党として被害者が納得する法案に再修正すべきだと思う。
経済同友会代表幹事でもある新浪剛史サントリー社長は、唐突に45歳定年制を提唱したり、ジャニタレ起用を全面否定したり、会議で怒るとスマホを投げつけるなど、言動と気性が荒いので有名だ。でも、その新浪が比較的真面な政治改革を提言した。日本の再生には、国会や選挙のあり方を抜本的に見直し、長期的な視点で政策を議論できる環境づくりが不可欠だと説いている。新浪は経済財政諮問会議などのメンバーとして10年間、政府の政策立案に関与してきた。しかし政治改革も経済対策もグダグダだ。忸怩たるものがあるのだろう。以下は新浪の主張。日本は選挙が多すぎるので、政権は先々の問題を後回しにして選挙に勝つための政策をつくる。それが結果的に多額の国債発行に繋がり、財政規律が緩んでしまう。また、40兆円という巨額が投げこんでいる社会保障に、十分な検証がなされていない。過去の政策効果を検証し、証拠に基づく政策立案もとり入れて、長期視点でお金の有効な使い方を考えるべきだ。首相の任期を4年とし、一つの内閣で一つの政策課題を解決できる、そんな体制作りが重要だ。裏を返すと、首相の解散権に歯止めを掛ける仕組みが必要だ。首相や閣僚は国会に張り付かず、外交や現場の声を聞く機会を増やすべきだ。重要テーマについては党首討論の回数を増やす。日程闘争を防ぐために、国会は通年で開会する。こうして議論の質を高めた方がよい政策につながる、と説く。一言で言うと「民間会社で行なっているものを、何故国は同じように出来ないのか」ということのようだ。後は、持論を如何に現実化させるかだが、新浪の胆力と実行力が試されることになる。
自民党に大スキャンダルが吹き荒れそうな気配だ。パーティー券裏金疑惑が発覚した。清和政策研究会(安倍派)約1,900万円、志帥会(二階派)約950万円、平成研(茂木派)約600万円、宏池会(岸田派)約200万円と、ほぼ全派閥に渡っている。ところが、これで収まらない。朝日新聞は、時効にかからない2018年から22年の安倍派のパーティ収入の約6億6,000万円の内、約1億円が議員にキックバックされて裏金となったと報道している。裏金作りの仕組みはこうだ。たとえばノルマ分の100万円は収支報告書に記載する。それを超えて100万円を売り上げたとき、収支報告書には記載せず、裏金としてキックバックされる。安倍派の塩谷立座長は記者団の質問に「そういう話はあったと思う」とキックバックを認めてしまった。しかし、こうした方法で裏金が出来ることは政界では常識だったとのこと。だが、東京地検特捜部は、安倍一強政治の環境で、そこにメスを入れることは出来なかったのだ。いよいよ東京地検特捜部が覚醒した。特捜部は萩生田の舎弟である、所謂パー券営業部長との異名のある池田佳孝元文科副大臣に焦点を当てている。更に、安倍派の事務局長は、政治の素人で検察の追及に耐えられないだろうと噂されている。これを機に、政界の悪業を一掃してほしいものだと思う。
国連気候変動枠組み条約第28回締約国会議COP28で、米政府が2050年までに世界全体の原子力発電の設備容量を3倍にすることを目指す宣言に、日本を含む21カ国が賛同したと発表した。きいてないよ~。一体日本の誰が賛同したのだろう。経産省は「この宣言をもって国内の原発を増やすという話にはならない」と語っている。どうやら岸田の独断発言らしい。日本はアンモニアや水素を化石燃料と燃やす技術をAZECの下で東南アジアで普及させることを想定している。これをCANが「化石燃料から再生可能エネルギーへの移行を遅らせる」と批判し、日本に化石賞を授与した。化石賞とは、地球温暖化対策に後ろ向きだったり、交渉の進展を妨げたりした国などに贈られる賞だ。恐らく岸田はこれを受け刹那的に原発3倍に賛同してしまったのだろう。岸田は、これまでに世論を無視して原発の60年超運転を可能にしたりして、原発回帰の方針に転じてきた。一方原子力規制委員会も、いまや政府の言いなりで、安全の歯止めにはなっていない。このまま進めば、第2の原発事故が起きるのは必然だ。岸田の暴走を野放しにしてはならない。
流行語大賞発表の季節がやって来た。今年の大賞は、岡田監督の「アレ」に決まった。今年のプロ野球は終盤で盛り上がっていた。阪神タイガースが38年ぶりに日本一になったのだから、大賞受賞は肯ける。でも、昨年は「村神様」で、一昨年は「リアル二刀流」で、その少し前は「神ってる」だから、流行語大賞は少しプロ野球に偏向す過ぎているのかもしれない。自分は「増税メガネ」がトップ10に入ると思っていた。だが、入らなかった。選考委員のやくみつるは「忖度をしたのではなくて気遣い」だとコメントしている。弱視で分厚いメガネをかけている人を気遣ったからだと弁明しているが、首相に忖度したのは間違いない。流行語大賞の格を汚したと思う。一方知らないトップ10もあった。「蛙化現象」だ。調べてみると、蛙化現象とは、好きだった相手に好意を持たれた途端、嫌悪感を抱いてしまう現象とのこと。Z世代で一気に流行した言葉の1つという。但し、Z世代では「好きな人のささいな行動で気持ちが冷めてしまうこと」の意味合いで使われるらしい。Z世代は進んでいる。更に「蛇化現象」も起きているという。蛇化現象とは「推しがやることならネガティブなことでもOKという、相手のどんな行動でもすてきに見えてしまう現象」とのこと。蛙も蛇も、ジコチュウ過ぎると感じるのは、自分だけなのだろうか。
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