当事者と傍観者

久々に胸がスカッとするボクシングの試合をテレビ観戦した。井上尚弥の3階級制覇をかけたWBA世界バンタム級タイトルマッチとWBC世界ライトフライ級王者の拳四朗の防衛戦。13戦13勝7KOの戦績を誇る拳四朗の相手は、1年前に世界タイトルを奪ったガニガン・ロペス。手強いと思ったが見事なボディブローで2回KO勝ち。拳四朗は滅茶苦茶強いと思ったが、井上の方がもっと凄かった。井上の相手は、10年間も負けたことの無いライアン・バーネット。井上に較べ、身長は顔の長さほど違うし、リーチは10cmも長いし、体重差は5kgもある。柔道で言えば無差別級の対戦とも言えそうだ。ところが、開始早々井上のパンチが爆裂。1回2分を待たずにバーネットがギブアップ。井上が圧倒的な強さを見せた試合だった。だが、井上は試合前は相当ナーバスになっていたようだ。でも、テレビ観戦者には、そのような状況は伝わってこない。勝つべくして勝ったとしか映らない。こういう所の当事者と傍観者の違いが面白い。これこそがスポーツの醍醐味だと思う。更に思いを広げると、どの世界でもこの立場の違いは限りなく存在するものだと熟々思い至った次第。

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蘊蓄の京都巡り

2年ぶりの京都散策だ。カミサンは数年前まで義母を連れて毎年京都の桜と紅葉を観に行っていたので有名所は殆ど踏破している。だから2年前は「京都の路地裏:柏井壽:幻冬舎新書」を参考にして、観光案内書には出てこない名所を巡ることにした。信長父子の墓と森三兄弟の五輪塔が並んで建っている阿弥陀寺を経由して「青てっぽう」の美味い野呂本店へという具合。旅行は下調べも楽しいものだ。今回は京都に関する蘊蓄がタップリ書かれている「ぶらり京都しあわせ歩き:柏井壽:PHP研究所」を参考にしてみた。上賀茂神社のスダジイ睦みの木と陰陽石に祈願し再び野呂本店へ。近くの幸神社には左甚五郎が作ったと言われている鬼門の猿がいる。御所の猿が辻の猿はレプリカで、幸神社の猿が本物とのこと。両方の猿を眺めてきた。車折神社は後嵯峨天皇の牛車の轅が折れたことに由来するが、今では芸能神社とも言う。芸能人が奉納すると、芸名が記された朱の玉垣が建てられる。夥しい数の玉垣に圧倒された。本とは別に独自で風俗博物館を見つけた。4分の1の縮尺で、源氏物語をベースに、当時の服飾などを再現している。源氏物語に精通しているカミサンは大喜びだった。観光案内書には書かれていない蘊蓄をベースに京都巡りをするのも一興と言える。

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生産性向上は誰の仕事?

働き方改革関連法案が衆院委員会で採決される見通しとのこと。日本の労働生産性が諸外国に較べ低いことは事実だ。製造関係は外国よりも遙かに高いが、ホワイトカラー関係は低さが目立つ。だから高度プロフェッショナル制度の導入だというが、現実に問題にすべき対策とは余りにもかけ離れている。ターゲットは実際の一般的なサラリーマンの生産性向上に絞るべきだと思う。このブログ「生産性向上って」にも書いたが、不動産会社の人材活用レベルは極めて低い。分譲地を売り出して、もう2年以上になるのに、まだ売れない土地がある。毎日曜日に社員が来て机を並べる。社員は何もせずジッと来客を待っている。だが客は来ない。でもひたすら待ち続けている。不動産会社は社員の活用化を考えていないし、社員も集客のための知恵を出さない。土地を買う人は、こんな社員の人件費まで払わさられるのかと思う。それでは売れるはずがない。話は変わるが、今日は京都旅行なので9時頃の新幹線のぞみに乗った。社内に旅行客は見当たらず、殆どがサラリーマンだ。名古屋や大阪に出張するのであろう。ところが、殆どの人が居眠りをしているかスマホをいじっている。仕事をしていると思われる人は皆無。出張の移動中は、勤務時間でも仕事をしないのがルールのように見える。これでは労働生産性が上がるはずがない。当面の生産性向上は、政府の仕事ではなく経営者と社員の課題だと思う。労働生産性の低い政府が、民間会社の生産性を上げる心配などする必要は無い。極力規制を撤廃し、過労死が出ない仕組みを作るだけで良い。賢い会社は業績を伸ばし、ダメな会社は淘汰されるだけの話なのだから。

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権力者の特有な行動

悪質タックルで相手選手に怪我を負わせた日大のアメフト選手の記者会見がテレビ放映された。会見は本人からの要望で、強制されたものではないとのこと。彼は予め陳述書を作成し、事細かに事の経緯を説明した。悪質タックルを指示したのは監督とコーチだが、自分は断れなかったと説明している。断れなかった自分に責任があるとも言っている。経緯の説明は信憑性に富んでいた。彼の態度は誠実だった。内田監督たちは、まだ20歳になったばかりの青年をここまでも追い詰めるのかと腹立たしさを覚えた。一方、監督たちは未だに会見も開かず沈黙したままだ。非常識だけでなく責任感も無い。監督たちは明日以降反論するのだろうが、反論すればするほど世論の反撃に遭うことになるはずだ。墓穴は大きい。監督もコーチも社会的に抹殺されることになるかもしれない。監督たちの指示とその後の対応は、官邸と似ている。加計学園の獣医学部新設を巡り、加計理事長が安倍首相に面会したとする愛媛県の文書が国会に提出されたが、何と安倍は面会を否定した。根拠は官邸の面会記録を廃棄してしまったからと言う。でも面会記録が無いからといって、面会が無かった証明にはならない。無理筋な言い訳だ。力尽くで押し潰そうとするこの種の対応は、権力を得た者の特有の行動と言えそうだ。

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下手な掛け合い漫才

北朝鮮が予告した核実験場入り口を爆破・閉鎖する23日が迫ってきた。米中韓英露が立ち会うとされていたが、韓国の立会人名簿は受理されず、拒否されたようだ。立会人は報道関係者のみで国際原子力機関や核実験全面禁止条約機関など専門機関は招待されていない。だから爆破・閉鎖されても実効性があるのか検証のしようもない。入り口の爆破・閉鎖であれば、後日トンネルを掘り返せば使用可能に戻る。また入り口の爆破により、放射性デブリが拡散する恐れもある。入り口を閉鎖するだけならばコンクリートで固める方が安全だ。本気で核実験場を廃棄するのであれば、装置そのものを破壊すべきものだ。そう考えると、今回の核実験場廃棄は、単なる政治ショーに見えてくる。こんな茶番劇が成果となって米朝会談が行われるのだろうか。世界中が今後の動きを注目している。観客は世界中の人々、主役は金正恩とトランプ。下手な掛け合い漫才にならなければ良いと思うのだが。いや、両者共下手な掛け合い漫才を目指しているように見える。

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