プロ将棋あれこれ

藤井聡太竜王が渡辺名人を下し、名人位を獲得した。これで名人・竜王・王位・叡王・棋王・王将・棋聖の7冠の偉業を達成した。しかも、20歳10カ月での獲得は最年少記録だ。残る冠は王座だけとなった。挑戦者決定トーナメントを勝ち抜けば、永瀬王座が待ち構えている。藤井名人と永瀬王座は、杉本師匠の教室で少年時代に共に将棋の研究に励んだ仲だ。でも、もはや昔の手の内は通じない。互いに如何に成長したかが問われる勝負となる。きっと奥の深い将棋が繰り広げられるに違いない。史上初の8冠獲得を期待したいものだ。一方で、プロ棋士でもチョンボはあるという話。ABEMAトーナメント2023予選リーグでの出来事。佐藤天彦九段と船江恒平六段の対戦は、プロ棋士には珍しい王手放置という反則で決着した。持ち時間が双方10秒を切り、盤上が、さながらボクシングの殴り合いの様相の中で、佐藤九段の3五角の王手に対し、船江六段は王の対応をせず、3八飛の王手で返してしまった。王手をかけられたら、王を逃がすなど必ず王手を防ぐ手を差さなければならず、王手をかけられた中で王に関係のない手を差すのは反則負けとなる。そう言えば、かつてNHK杯で橋本八段が二歩で負けたことがあった。プロでもチョンボはある。相田みつおではないが、人間だもの。偶にあるから益々面白くなる。

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原子はどのように生まれたのか

自分は大学と大学院で化学を専攻し、化学会社で働いてきた。いわば化学漬けの半生だった。大学1年の時、当時103あった周期表の元素名と原子番号を全部覚えたものだ。でも、今まで元素がどのように生まれたのかは知らなかった。最近になって、本「時間の終わりまで 物質、生命、心と進化する宇宙:ブライアン・グリーン 」で、元素が生まれた順番と生成条件を知った。どんな複雑な原子でも、作り方のレシピは決まっている。陽子と中性子が結合出来る条件を満たせば良いのだ。始まりは160億年前のビッグバンだ。でも、ビッグバンで生まれた原子はたったの5つ。水素とヘリウムと重水素とヘリウム3とリチウムだ。次に十分に質量の大きな恒星は、そこからさらに原子核同士を融合させて、周期表の先のほうにある、より複雑な元素を合成した。ヘリウムを融合させて炭素と酸素を作り、更に炭素を融合させてナトリウムとネオンを作った。そして更なる核融合でマグネシウム、硫黄、ケイ素、鉄が合成された。鉄の陽子と中性子は、あらゆる元素の中でもっとも強く結合しているので、このプロセスは一旦停止した。しかし核融合が停止すると、物質は猛烈な勢いで恒星の中心部に向かって落下し、爆発する。その衝撃波によって鉄以降の原子が生成されたという。化学を学び始めて60年を経過したが、今になってやっと原子の起源を知った次第。感無量。

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SIMスワップ詐欺って

物騒な世の中になったものだ。聞き慣れないSIMスワップ詐欺なるものが相次いでいるという。ある日突然電話が繋がらなくなる。そして本人が知らぬ間に銀行預金が引き出されているということが起きるという。携帯番号が乗っ取られた為だ。自らの手元にスマホがあるのに、なぜ携帯番号が乗っ取られるのか。手口はこうだ。まず犯罪グループは、SMSなどで偽サイトに誘導して個人情報を盗み取る。その個人情報をもとに運転免許証などを偽造し、それを使って紛失の名目でSIMカードを再発行してもらったり、解約して他社へ乗り換える手続きをしたりする。そして、不正に入手したSIMカードを犯罪グループが持つスマホに差し込む。これで携帯番号の乗っ取りが完了だ。当然本来の持ち主の携帯は繋がらなくなる。その後、被害者のインターネットバンキング口座にアクセスし、あらかじめフィッシングで入手したパスワードを使い預金を引き出す、という具合だ。この手口だと、金融機関が使うワンタイムパスワードも犯人に届いてしまうので無効だ。SIMスワップ詐欺に掛からないための対策は、URLが公式なものかをチェックすることと、不審なメールなどに記載されているリンクや添付ファイルは開かないことだ。もっとも、携帯電話販売店がSIMを再発行する前に、被害者に電話して本人確認をするルールを確立すれば防げるのだが。

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JアラートとNHK緊急放送

早朝6時半頃、スマホがけたたましく鳴った。起きて確認するとJアラートだ。北朝鮮が沖縄県方面に人工衛星打ち上げと称してミサイルを発射した模様とのこと。NHKテレビは通常番組からJアラート関係に切り替わった。丈夫な建物に避難してくださいとかを繰り返し、延々と同じ内容を放送し続けた。すでに日本上空を通過したか、落下したかの状況下でも、同じ内容を放送し続けたのだ。全く無意味な内容を垂れ流し続けたのだ。緊急地震速報が発表された時も同じだ。すでに地震が起きてしまっていても、注意を呼び掛け続ける。震度3程度で被害が無い状況でも、各地の震度を延々と伝え続ける。NHKは本当に危機意識があるのだろうかと腹立たしくなる。NHKのルールか国のルールかは知らないが、危険を強調するほど、平常さを感じさせる。まことに準官僚気質の極みだと思う。これでは本当に危機が迫った時の対処は出来ないに違いない。この分野でもNHKの改革が必要だ。

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世にも不思議な統合物語

日野自動車と三菱ふそうトラック・バスが経営統合することで基本合意したと発表した。日野自動車はトヨタの傘下で、三菱ふそうトラック・バスは独ダイムラートラックの傘下だ。日野自動車はデータ改ざんの名門で、国交省から型式指定の取消し処分を受け、未だにトラックを製造出来ない状況にある。一方の三菱ふそうトラック・バスは、大規模なリコール隠し事件を起しただけでなく、トラックの大型タイヤ脱落事故を起こし、世間に恐怖を与えた過去がある。しかも、両社に共通するのは、会社絡みの犯罪であったことだ。改ざん・リコール隠しが社風だったのだ。その2社が経営統合するというのだから驚いた。敵の敵は味方という諺がある。ひょっとすると、トヨタとダイムラートラックのトップは、改ざんには改ざんを持ってすれば、改ざん無しとでも考えたのかもしれない。まッそんなことは無いだろうが、両者間で騙しあいが始まるのは、見に見えている。さて、どんなトラックが生まれるのやら。

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