光触媒による新しい水素製造技術

10月7日から今年のノーベル賞の発表が始まる。化学賞の候補として名前があがっている1人が、信州大学の堂免一成特別特任教授だ。太陽の可視光で水を分解し、水素と酸素を作る光触媒を開発した。水素は燃えても水になるだけで環境への負荷が少なく、次世代のエネルギーとして、自動車をはじめ、さまざまな分野での活用が期待されている。従来技術として、天然ガスのメタンと水を反応させて作る方法はあるが、製造過程で二酸化炭素も発生してしまう。二酸化炭素が発生しない電気分解で水素を作る方法もあるがコストが高い。堂免教授の方法は、どこにでもある水と太陽の光からエネルギーを取り出し、しかも二酸化炭素を発生させない夢の技術だ。先月ノーベル賞の登竜門とも言われる「クラリベイト引用栄誉賞」を受賞した。クラリベイト引用栄誉賞が贈られたノーベル賞受賞者には、本庶佑氏や大隅良典氏、山中伸弥氏がいる。この光触媒は山中伸弥氏のiPS細胞に匹敵する画期的な技術だと思う。今年がダメだとしても数年以内にノーベル賞を受賞することが期待出来る。

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斉藤兵庫県知事と馳石川県知事

失職した斉藤兵庫県知事に勝るとも劣らない酷い県知事がいる。石川県の馳知事だ。能登地方が大地震と大洪水に見舞われた。元旦の地震から9ヶ月が経ったが、未だに復旧はおろか倒壊家屋の残骸整理や治水が完了していない。そこに大洪水が襲ったのだからたまったものではない。馳知事が直接現場に赴き被害状況を確認する頻度はあまりにも少ない。本来であれば、まず知事が直接被害状況を確認し、国や他県からの援助を具体的に立案し、援助を取り付けるものだ。しかし、馳知事が現地に赴いたのは、岸田首相が現地視察した地震から2週間後のことだ。これでは援助の要請すらも出来ない。今回の大洪水でも同じようなことが起きた。結局、馳知事が出来ることは、岸田首相にお願いすることだけだった。一方で県のイベントには必ず顔を出し、チャリティのためとはいえプロレス会場まで足を運ぶのだ。馳を知事に選んだ県民も悪いのだろうか。人が有能であるか、無能であるかは正常時には分かりにくい。だが、非常時にその本性がばれるものだ。県民は地震後の状況を見てリコールすべきであった。ましてや今回の大洪水でも反省の色は無い。今リコールしても県政に影響は無い。お飾りの知事がいるだけ復旧は遅れることになるからだ。

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石破内閣が発足したが

石破内閣が発足した。閣僚の顔が様変わりだ。20人の閣僚のうち無派閥議員が12人で、初入閣が13人もいる。今まで見たことも無い人ばっかりだ。旧石破グループと菅グループが殆どで、旧安倍派は0となっている。女性登用の重要性を説いていた割に女性閣僚はたったの2人。国防族が多い。石破を筆頭に岩屋毅、中谷元、林芳正も防衛相経験者だ。党側でも、政調会長の小野寺五典や衆院議院運営委員長の浜田靖一も防衛相経験者だ。如何に石破の人脈が細いかを物語っている。旧安倍派は、在庫一掃内閣だと揶揄している。石破は「納得と共感内閣」と名付け「国民に納得し共感してもらえる政治をまっすぐに進める」と述べたが、自民党内では「全く納得出来ず全く共感出来ない内閣」と映っているだろう。党内には高市を中心とした保守派が残り、一方閣内はリベラル派一色となった。この際、自民は分裂し2大政党を目指したらどうだろうか。野党も巻き込み2大政党化すれば、日本の政治が少しは真面になるような気がする。

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出口が無くても計画は進む原発再稼働

柏崎刈羽原発の使用済み核燃料が保管容量上限に近づき、青森県の中間貯蔵施設に搬入された。原発の敷地外で中間貯蔵されるのは国内で初めてだ。中間貯蔵施設での保管は最長50年間とされているが、搬出先となる最終処分場は未だに存在しない。世界的に見ても、最終処分場があるのはフィンランドのオンカロ処分場だけで、まだ稼働していない。米国でもドイツでも計画が頓挫している。ましてや火山列島の上にある日本に最終処分場を建設するのは不可能だ。ところが、斉藤経産相は「中間貯蔵された使用済燃料の搬出先について、次期エネルギー基本計画の中で具体化を図るべく、現在検討している」と宣わった。検討は出来ても具体化出来る訳がない。全く無責任な仕事ぶりだと思う。岸田首相が、原発再稼働に舵を切ったことは「岸田の最後っ屁」に書いたが、プルトニウムの関係で再処理工場も稼働出来ないのだ。これも全く超無責任。日本の原発は、このように出口が無くても計画は進み続けるのだ。脱原発の小泉純一郎に続く政治家はいないのだろうか。

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世界を変える超断熱レンガ

ゴミ焼却炉内の熱を逃がさないため断熱材にレンガが使われているが、エネルギーを98%も無駄にしているのが現状だ。レンガは、紀元前3500年に発祥したメソポタミア文明の頃から、そのすぐれた耐火性能が重宝されて建築材として使われてきたが、現代に至るまで殆ど進化していない。ところが、産総研セラミック研究グループが、98%の断熱性を備えたレンガを開発したという。技術のポイントは、熱伝導率が0.0241W/mkと圧倒的に低い空気を如何に多くレンガに取り入れるかだ。9割が空気で、残りの1割が原材料のセラミックスの断熱レンガに作製に成功したとのこと。まず高野豆腐のように、凍結後乾燥させて空気の孔を作り、焼き固める。ところが、孔は不規則に空いてしまう。そこで氷を成長させないようにして生体の凍結や再結晶を防ぐ不凍タンパク質を添加することにより、均質な孔を造ることに成功したという。こうして生まれた断熱レンガを製造する工場を現在建設中だという。これが鉄鋼業やセメント工場、窯業などの炉、あるいはゴミ焼却炉などで利用されるようになると、とてつもない違いが明らかになるはずだ。なにしろ、これまで捨てられてきたおよそ99%もの熱エネルギーが再利用できるのだ。そして二酸化炭素の削減にもなり、燃料費の削減にもつながるのだ。世界を変えるイノベーションであることは間違いない。

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