塩野語録

EU離脱が決定してから「やはり消費税増税先送りの判断は正しかった。国際関係の中では何が起きるか分からないので、政府は常日頃からそういうリスク対応をとっている」と、菅官房長官が講演したとか。サミットの時に23日に英国のEU離脱国民投票があることは知られていた。サミットのメンバーの誰しもが残留するものと思っていたはずだ。もしも英国が離脱したらと対策をとっていた国は無い。サミットでは、安倍首相が「リーマンショック級不況が目前にある」と発言したが、各国首脳に笑われた。安倍がリーマンショックと言い出したのは、消費増税見送りのためのアリバイ作りであることが見え見え。消費増税を見送りたいからリーマンショックと言い出した安倍の心境は分からないでもない。だが、EU離脱を見込んで消費増税を先送りしたとする菅発言は言い過ぎだ。と言うよりは、官房長官の発言としては薄っぺら過ぎる。こういう地に着いていない発言が、国民の信頼を損なうことになる。安倍首相も事ある毎に及び腰だ。消費増税も憲法改正議論も先送りしている。全ては参院選のため。得票率の下がる事案は全て封印してしまう。何のための、誰のための政治だろうかと思う。作家の塩野七生さんは「安倍さんにやりたいだけやらせては。2度も首相としてのチャンスを貰い、それで何もしなかったら政治家ではないし、男でもない」と言っている。自分も全く仰る通りだと思う。