必然と偶然の支配

アメリカ史上最悪の銃乱射事件で50人もの犠牲者が出た。すかさず、オバマは「国内テロ」だと叫び、トランプは「テロ関係国からの移民禁止」を、ヒラリーは「イスラム教徒との連帯」をと訴えた。事件直後ISISが犯行声明をしたことに反応したからだ。事件は、フロリダのホモクラブでの無差別乱射。犯人はホモを憎んでいたという。ISISにも帰依していたという。そして、この事件への対応が、ダイレクトに米国大統領選の焦点になった。ISISも存在感を示した。だが、事件から数日過ぎると様相は一変した。犯人は相当以前からそのホモクラブに入り浸っていたホモだったらしい。ホモの世界でモテずにキレた単なる色恋沙汰の末の犯行だったようだ。こんな事件を見ていると、つくづく歴史とは偶然で動くものだと思ってしまう。本人の意図と周りの評価は一致しないものだ。歴史の動きも、必然というよりは偶然に支配されているのかもしれない。その偶然の上に偶然が重なり、全ての人が今を生きているのかもしれないことが容易に想像出来る。勿論自分も浮草のようなものだと。