復興の足を引っ張る観光庁

災害ボランティア派遣の交通手段として浸透しているボランティアバスについて、観光庁は旅行業法違反との通達を出した。今まで事実上黙認してきただけにボランティア関係者の間で戸惑いが広がっているようだ。一方、復興庁のHPではボランティア活動を推奨するためボランティアバスの利用を積極的に紹介しているのだが。同じボランティアバスに対し、観光庁は実費徴収だけでも違法だからNOと言い、復興庁は緊急時だからYESと言っている。評価は全く正反対だ。観光庁は東日本大震災の時、本来旅行業の登録をするか旅行業者へ依頼する必要はあるが、緊急的な対応の為、利益を上げない場合は黙認するとしてきた。そして今回の熊本地震災害でも同じようにボランティアバスの運行を認めてきた。では何故急に違法などと言い出したのだろうか。どうもたった一つの「もしボランティアバスが事故に遭い死亡事故が起きたら誰が責任を取るのだ」というクレームに過剰反応したようだ。観光庁は一体何処を見て仕事をしているのだろうかと思う。観光庁にとっても熊本は観光の目玉だ。だから観光庁としても、出来るだけ早急に熊本が復旧して欲しいと思っているはずだ。それであれば熊本復旧のために最大の援助を差し伸べるのが本道。ところが、その熊本復旧を邪魔する行為に出た。何故なのだろう。答えはただ一つ。観光庁の責任逃れ。如何にも官僚の考えることだ。法律的には間違っていない、と聞こえて来る。何処か舛添と同じ行動を取っているいるように見える。だが、少なくとも、日本をマイナスの方向へ誘導していることは間違いない。