非日常の一日

昨日から久し振りに伊豆の伊東に来ている。会社の同期のY君から、別荘へのお招きを受けたからだ。スーパービュー踊り子に乗り、ビールを飲みながら車窓の景色を楽しんでいると1時間半足らずで伊東に着いた。以外と伊東は近い。改札口でY君とF夫妻と合流し車に乗り込んだ。終日車で希望する観光地を巡ってくれると言う。まずは腹ごしらえ。街道沿いにあるインドネシア料理店に立ち寄り、昼食を摂った。陽を浴びながらテラスで食べたナシゴレンが美味かった。この時心は既に非日常の世界に入っていた。車は大室山を目指した。麓までは来たことがあるが登るのは初めてだ。リフトで山頂近くに来ると突如雲が湧き出した。今まで晴れていて下界が良く見えていたのに、瞬く間もなく白いベールに覆われた。そのベールの中で山頂を一周した。時々雲の切れ間から見える景色がとても貴重に感じた。山頂一周は幻想的な世界だった。ところが麓へ降りる段になり突然視界が開け、下界一面が見渡せるようになった。これまた感動的な光景だった。車は一路南へ向かい赤沢温泉に。湯船と海との境が無いように見える露天風呂からの景色は、まさに絶景。人気のある温泉であることが肯けた。夕方には一碧湖の近くにあるY君の別荘に到着した。荒れ放題の別荘を購入し、外構や庭の整備は全てY君自身が行ったとのこと。植栽にも取り組んでいて数十種類の木や花が植わり、かつその名前や性質に精通していた。夕食はY君の御手製だった。通り一遍の料理ではなく手がこんでいる。玄人はだしの域に達していて、自分の周りにはこれ程料理の上手い男性はいない。Y君と初めて顔を合わせてから45年にもなるが、このように高度な趣味を多く持っているとは全く知らなかった。美味い料理に会話が弾み酒量も増えて、睡魔に襲われ床に着いたことは覚えていない。極めて非日常の一日であった。