医師と国会議員の違い

医学系の学会で、たばこ産業の助成を受けた研究の論文や学会発表は受け付けないとの規定を盛り込む動きが相次いでいるという。たばこ産業が学術活動を装い、健康被害に関する誤った認識を広めてきたと問題視しているからだ。たばこによる健康被害は明らかだ。医学会が、たばこの害を訴えるだけでなく積極的にたばこ産業の排除を始めたことは素晴らしい。まさに有言実行と言える。今どきたばこを吸う医者がいるとすれば、限りなくニセ医者に近い。我が身の健康を損ないながら、他人を健康にする行為などあり得ない。一方、国会では未だに受動喫煙防止の健康増進法改正案が宙に浮いている。塩崎厚労相が飲食店の原則禁煙を主張しているのに対し、自民党は例外の拡大を図ろうとしている。双方が妥協しないため法案を国会に提案出来ないでいる。自民党の竹下国対委員長はヘビースモーカーだ。「たばこ大好きの私にとっては、今国会に法案が出てこない方がいいと思いながら構えている」と述べ、何と個人的には先送りを望んでいるとの本音をのぞかせた。この竹下という輩は、国会議員としての自覚がなさ過ぎる。国民の健康よりも、己の嗜好を優先している。医学会は有言実行の時代に入ったというのに、国会議員は我田引水、傍若無人の時代に取り残されているようだ。