信なくて立てず

支持率が急落したことに慌てたのか、安倍首相が国会閉会後珍しく記者会見を行った。建設的議論から大きくかけ離れ、批判の応酬に終始してしまったことを詫び、今後は冷静に一つひとつを丁寧に説明すると表明した。わざわざ記者会見を開いたのに、国民が知りたいことには答えなかった。これでチャラにするという安倍の単なるパフォーマンスなのだろう。加計学園問題は規制緩和の問題ではない。獣医学部創設の必要性と加計学園に絞ったことに問題がある。安倍はそれには全く答えていない。安倍は「李下に冠を正さず」という諺を知らないのだろうか。一方、共謀罪は、参院の委員会採決を行わず強引に参院で可決した。問題の多い共謀罪を充分な審議を行わず可決したことは将来に間違いなく禍根を残すことになる。国民は共謀罪が前川前事務次官を別件で逮捕しようとしたことと同じように拡大解釈されて、自由が奪われるのではないかと不安に思っている。安倍は「信なくば立たず」と言ったが、この言葉の意味を理解しているのだろうか。孔子が論語の中で「政治を行ううえで大切なものは軍備・食糧・民衆の信頼で、最も重要なのが信頼だ。政治は民衆の信頼無しに成り立つものではない」と説いている。今の安倍の実態は「信なくて立てず」が、ピッタリだ。ゴメンと言うだけで民心を得ることは出来るはずがない。