グラフェンの立体化

嘗てこのブログでカーボンナノチューブについて書いたことがある。今度は、更に進化したグラフェンの立体化だ。MITが開発に成功したとのこと。グラフェンは15年前に発見された、地球上で最も強度が高い物質とみられている2次元の極薄炭素シートだ。層状のグラファイトを一層一層剥いでいき、究極の原子1個分の厚さしかない層になったのがグラフェン。シートとしての強度は最強だが、実用的な応用は出来ない。MITの研究者は、シート上のグラフェンをコンピューターモデルを駆使し、グラフェンの2次元の薄片から3次元構造を作り出すのは可能かを確かめた。そして熱や圧力を加えることで、薄片を融合させることに成功した。更に、新物質のひな形となり得るような自然発生的な幾何学形状を探した。研究者らが辿り着いたのがジャイロイドだ。ジャイロイドは多孔質の連続的な表面を持つ形状で、スポンジに似ている。そして非常に軽いものの強度の高い物質が形成されること確認したとのこと。いつの日か、この物質が工学や建築の分野で広く使われるようになるものと思う。現在、世界で一番高いビルは828mのドバイにあるブルジュ・ハリファだが、サウジアラビアで建設中のキングダム・タワーは全高1km超えとなる計画だ。この研究が実用化されれば、将来は数kmの高さを誇る超高層ビル群が乱立するのも夢では無い。この物質によって人間の地球上での暮らし方が激変するかもしれない。