処理水の水質は如何に

中国は何故福島原発事故処理水の海洋放出に反対しているのだろうか。今までのトリチウム放出の年間MAX値は、中国42兆ベクレル、韓国360兆ベクレルで、日本の放出予定は22兆ベクレルとなっている。トリチウムだけを考えれば、特段の問題は無い。でも、中国が懸念しているのは、通常の稼働下で排出される冷却水とは異なる点だ。事故の翌年2012年に導入した多核種除去設備ALPSが万全でなく、処理水には多くの放射性物質が除去されずに残った事実があった。当初東電は処理は上手くいっていると公表したが、その嘘が共同通信社により暴露されたことがある。今でも東電のHPには、トリチウムが860兆ベクレルあるということだけで、放射性物質の残量は記載されていない。中国が反対する理由は、日本政府と東電による情報やデータの公開が不十分であることと、国内外の反対にもかかわらず、近隣諸国や国際社会と十分な協議もなく一方的に処分を決定したことだ。奇しくも、このブログ「海洋放出の大前提 」「話の順序が違う 」で指摘した点と一致する。柏崎原発の不正入室問題で明らかなように、東電のモラールは地に落ちている。処理水の水質チェックには、徹底的な監視システムの構築が必要だ。