東芝がきな臭い

東芝がきな臭い。日経が「東芝に英ファンドCVCが2兆円超で株を非公開化する買収提案を行なった」と報じた。更に東芝は提案を受領し、審議を開始したと発表した。東芝は2015年の不正会計の発覚以来ゴタゴタが続いている。今は物言う株主エフィッシモ・キャピタル・マネージメントと車谷社長との確執が続いている。戦いはほぼ物言う株主の勝ちで、東芝幹部も車谷にNOを突きつけている。3年間の任期中、再建やガバナンスの確立は進んでいないし、業績は2020年3月期に1千億円超の最終赤字に転落したのだから当然だ。CVCは東芝というより車谷を助けるのが目的かもしれない。車谷は東芝に来る前はCVCの会長だった。今回のCVCの買収提案は、企業の合併・買収の世界で禁じ手とされる「経営陣の自己保身」と言えそうだ。更に藤森東芝社外取締役はCVC日本法人の最高顧問でもある。利益相反の問題もある。事実上破綻していた東芝に対し、何度も無理筋の救いで延命させてきた経産省の責任は大きい。買収の成否にかかわらず、最早東芝の再生は不可能のように思う。