トリチウム汚染水処理の行方

菅政権が、福島原発事故トリチウム汚染水を海洋に放出処分する方針を固めたとのニュース。13日にも関係閣僚会議を開き正式決定するとのこと。それに先立ち、菅首相は全国漁業協同組合連合会の岸会長と会談した。岸会長は放出反対の姿勢を崩さなかったものの、海洋放出をするなら国民への丁寧な説明や風評被害の対策をすることなどを要望をしたという。現代技術ではトリチウムを除去する方法が無い。海か空に放出するしか手段は無い。今まで安倍前首相はこの問題を先送りしてきた。菅が尻拭いの最後のクジを引いた訳だが、海洋放出を決断したことは大いに評価出来ると思う。でも、問題はそのプロセスにある。海洋放出が最適であることは10年前から分かっていた。実行するに当たっての問題は、日本だけでなく全世界の人々に理解してもらうことと、福島産のみならず日本全国の魚介類への風評被害を生じさせないことだ。この説明と対策が、まずあって、理解を得て風評被害を最小にする努力をして、その後に、海洋放出を決定すべきだったと思う。そのプロセスを省いたということは、菅は福島漁連に対して安易に金で決着をつけようとの魂胆だと憶測出来る。これでは、必ず失敗する。後付けの説明は言い訳に聞こえ、納得する者などいるはずがない。