松下の凋落

大手企業が次々と赤字に転落している。長引く円高や景気の低迷、東日本大震災、タイの大洪水、EU経済の凋落等々言い訳は色々あるが、パナソニックの赤字は特異的だ。2000年に松下電器産業社長に就任した中村は「破壊と創造」を掲げ華々しく経済界にデビューし、現在でもパナソニックの神的存在だ。ところが経営内容は滅茶苦茶だ。成熟化したテレビ事業への過大投資の判断ミスと減損処理、三洋電機買収の失敗で事業構造改革費用は膨らむ一方だ。中間決算では2011年度は4200億円の赤字に陥ると発表したが、巷では1兆円になるかもしれないと囁かれている。まさに経営トップの判断ミスの賜物だ。松下幸之助は「指導者が備えるべき要件は責任を取ること」と言っているが、中村会長には辞任の素振りが見られない。ひょっとすると中村は幸之助超えを果たしたと勘違いしているのかもしれない。裸の王様はいつの世でも笑い者になる。