原発事故調査委員会

福島原発の事故調査委員会が乱立している。設置者は東電、政府、原子力安全・保安院、学者、日本原子力学会、国会等々花盛りだ。このうち東電と原子力安全・保安院と日本原子力学会は当事者なので真面な調査結果は得られまい。昨日東電が中間報告書を発表したが、内容は案の定自社の正当化自己弁護に終始していた。東電の結論は、原因は想定外の津波による浸水とし、地震による機器破損ではないとした。しかし事実は原発建設に津波を想定していなかったので「想定外の津波によるもの」ではなく「想定していなかった津波によるもの」である。全電源喪失を起こした設計ミスも想定していなかった津波によるものだ。また原子炉格納容器の地震による損傷は現在も確認出来ない状況なので、地震による事故ではないとは結論できない。更にアメリカの情報を素直に取り入れていれば水素爆発も防げたはずだ。しかしながら、この原発事故を東電1社の責任と捉えるのはおかしいと思う。東電は原子力安全・保安院の許可のもと管理・操業していた。原子力安全の指針を構築したのは原子力ムラの住民だ。東電を含めた原子力ムラの住民にメスを入れる調査委員会は果たして現れるのだろうか。