合意ある離脱は何処に

北アイルランドのバックストップが暗礁に乗り上げている。どうやら同意なきEU離脱が現実味を帯びてきた。英国がEUを離脱すること自体は将来的に正しい判断だと思う。欧州合衆国EUという壮大な実験は幻に終わることは目に見えている。遅かれ早かれEUは崩壊することになる。いち早く泥舟から脱出する決断をした英国は賢いと思う。だが、問題は離脱の仕方だ。この大切な時にメイを首相に選んだのが間違いだった。メイは頑なで意志は強いが交渉能力に欠ける。頑固な分だけ周りに助言者がいなかったのかもしれない。それが禍して中途半端な合意に達してしまったのだろう。しかも修正出来ない状況だ。メイ首相の責務は合意ある離脱にあった。結果はテストで言えば0点評価と言える。一方、トゥスクEU大統領の言い分も酷い。離脱派首脳に対し「地獄に落ちろ」とまで言い放った。品格が欠如している。でも、現実的にEUには大統領など存在しない。欧州理事会議長を俗称でEU大統領と呼んでいるに過ぎない。欧州理事会議長は権威はあるが権力は無い。一方欧州委員会委員長は権威は無いが権力がある。これがEUの官僚組織の典型例と言える。英国がEU官僚組織と袂を分かつことは、英国の未来に希望の火を灯すことになるはずだ。