酸化ガリウムの世界に

パワー半導体の世界が一変しそうだ。パワー半導体とは、電力制御を行う半導体で直流を交流に、交流を直流に、交流の周波数を変換したり、直流の電圧を変えたりするのが特長だ。大きな電流が流れると熱を発生する。だから基板には低い抵抗と高い耐熱性が要求される。基板は、一般的にはシリコンが使われているが、耐熱性が要求される分野では炭化ケイ素や窒化ガリウムが使われ始めている。だが、高価なため特殊な分野でしか使われていない。ところが、京大初のベンチャー企業であるフロスフィアが、安価で超耐熱性の酸化ガリウム基板を開発したとのこと。シリコンに対する半導体物質の性能を現す数値としてバリガ性能指数がある。シリコンが1で、炭化ケイ素が340、窒化ガリウムが870だが、酸化ガリウムは何と3444なのだ。しかも、酸化ガリウムはシリコンと同程度のコストで出来るという。炭化ケイ素や窒化ガリウムの関係者は、顔が真っ青になっているに違いない。商品化すれば、Liイオン2次電池と並び日本が生んだ2大発明と言えそうだ。