雪のカルサ

天気予報では20cm程度と言っていたが数十年ぶりの大雪になり、吹き溜まりでは1mも積もり驚いた。まさに人生で何度も経験したことのない大雪だ。昨夜からの大雪状況を頭に入れて朝窓を開けたが、それ以上に驚いたことがある。大雪の割には屋根の雪が殆んどない。例年だと関東平野の雪はそれほど多くはない。雪が降った日の翌朝の光景は、雪が屋根に集中して降りまるで道路を避けたように道路には雪が見えないのが普通だ。ところが屋根に雪がなく、地面には歩けない位の積雪。初めての経験だった。夜半の風は半端ではなかった。どうやら猛烈な風が屋根の雪を吹き飛ばしてしまったらしい。更に驚くことがある。一つは雪が融けて無くなる速度で、もう一つは雪掻き。あれほど猛烈に降った雪なのに、融けて消えていく速度も速い。気温が暖かい訳でもない。何かしら雪が軽く見えるのは自分だけなのだろうかと思った。そして近所の住民による雪掻きだ。雪が上がると同時に雪掻きが始まった。普段見慣れない近所の人達も参加して、瞬く間に雪が気持ちが良いように排除されていく。雪掻きは日本の風土の美だと再認識した。自分のこと、近所のこと、社会のこと、明日のこと、を考えながら最適を目指す行為かもしれないとも思う。だが今の自分は腰を傷めているので雪掻きには参加出来ない。とてももどかしい気持ちになった。嘗てこれ程悔しい思いをしたことはなかったように思う。