報道後進国の今後

国際的なジャーナリストの団体が発表した今年の「世界報道の自由度ランキング」で、日本は59位に陥落した。2010年は11位だったので、ここ数年で如何に自由度が低下したかが分かる。世界報道の自由度ランキングとは、不正のレベル、ニュースの多元性、メディアの独立性、メディア環境、検閲の状況、法的枠組み、透明性、インフラの7項目で採点し報道の自由度を順位づけるもので、対象は世界180ヶ国・地域。順位を大幅に下げた理由は、原発事故に関する情報の不透明さと特定秘密保護法の成立と言われている。確かに外国から見ると、原発事故では極端な報道規制を受けた経験をし、特定秘密保護法はこれから受ける報道規制に違いない。日本人である自分もそれはそう思う。しかし、そもそもそれ以前に2010年の11位という高い評価が間違っていたのだと自分は思う。日本の報道の取材源は記者クラブ発表がメインで、各社一斉に全く同じニュースを流す。記者は自ら調べることなく、官僚から発表されたことを垂れ流しするだけで、そこに報道の自由度などはない。しかも記者クラブ制度は、会員制で外国人やフリーランスが入り込む隙などないほど閉鎖的だ。今どき記者クラブ制度があるのは、日本とジンバブエくらいで、殆んどの国は廃止してしまっているという。報道の自由度は、欧州が進んでいてアジアが遅れている。報道の後進国日本は、欧州の報道に対する姿勢を手本にする必要があると思う。