出直し選挙の是非

外堀を埋められた橋下市長が辞職表明し出直し選挙で民意を問うと言う。だが6億円も使う選挙の大義名分が良く分からない。維新の会は、大阪都構想を打ち上げた当時は勢いがあった。ところが昨年の堺市長選と岸和田市長選で惨敗し、当初の構想は既に綻んでいる。そして泉北高速鉄道の外資への売却問題で造反した大阪府議を除名したため、府議会は過半数を割ってしまった。更に市議会では他党の反対により構想シナリオの1本化が否決されてしまった。大阪都構想を実現するための住民投票に持ち込むには、府議会と市議会の承認が必要だが、すでに維新の会は両議会の主導権を失ってしまっている。承認を得る可能性はゼロだ。然らば市長選で民意を問う、という思考が理解出来ない。元の大阪都構想は筋が良い案に思えたが、堺市が抜けた大阪都のメリットがどれ程かも不明だ。橋下市長が今やるべき事は、市長選ではなく現状の構想のメリットを市民に提示し賛同を得ることだと思う。果たして橋下はメリットも知らされない市民にどのような民意を期待しているのだろうか。単なる人気投票では議会での巻き返しが出来るはずがない。自分には単なる投げ場にしか映らない。それにしては6億円は大金過ぎると思うのだが。