ニホンウナギとクロマグロ

ウナギがマグロの後を追っている。とは言っても、ウナギがマグロを食べるというような話ではない。ウナギもマグロも漁獲量が激減している。そして世界の漁獲量の7割程度を消費しているのが日本。自制が出来ない日本はこのまま行くと世界の悪者になってしまいそうだ。だが世の中には常に救世主がいるものだ。マグロは近畿大学が養殖技術を確立し、既にクロマグロの大トロが市場に出回っている。一方ウナギは水産総合研究センターが、人工ふ化からシラスウナギにするまでの基本技術を確立していたが、今回スケールアップに目途を付けたらしい。問題はコストにあるらしいが、あと数年するとセンター印のニホンウナギが店頭に並ぶかもしれない。今の日本では、絶滅危惧種の養殖技術開発速度と資源保護思想の定着速度が競っている。技術開発が優れているのはいかにも日本らしいところだが、資源保護という世界の常識に欠けているのもまたいかにも日本らしいところだ。技術も大事ではあるが、それ以上に物事の道理を身に付けつことが日本に求められていると思うのだが。