羽毛、黒豚、コシヒカリ

まだゴールデンウイーク中だというのに、既に初夏の陽気だ。朝目が覚めると羽毛布団を蹴飛ばしている。もう夏掛けが必要になってきた。掛け布団を羽毛に変えてから随分経った。今までに何枚かの羽毛を経験したが、種類によりその暖かさや軽さは大分異なることを実感した。昔は物珍しかったが今では羽毛が全盛を迎えている。寝具売り場にしろテレビ販売にしろ、羽毛花盛りだ。ところが、日本羽毛製品協同組合が加盟各社に、羽毛の原産地の偽装表示が横行している可能性があるとして警告文書を送ったとのこと。フランス産と表示されている羽毛布団の半分以上は偽物だという。羽毛布団の国内販売枚数は年間約320万枚で、約半数がフランスやハンガリーなどの欧米産として販売されている。しかし、殆どは中国産で、しかもハンガリーからの輸入実績は無いとのこと。道理で値段に幅があり、性能にも幅があるはずだ。原産地偽装は問題だ。だが、半分以上が偽物として出回るまで、一体何故羽毛協会は放っておいたのだろうか。その方が問題としては深刻だ。この羽毛のような例は過去にもあった。黒豚は生産量が僅かであるのに全国どこのスーパーにも飲食店にも、黒豚と表示されていた時代があった。コシヒカリも同じだ。販売者は皆で渡れば怖くない、ということか。または、消費者は偽物として知りながら気分だけを楽しんでいるということなのか。あるいは、消費者庁が単にサボっていたということなのか。この3要因は全て正しいと思えてきた。