民主国サミットに

近年になくサミットが盛り上がらない。安倍首相は世界的経済減速に対し各国に財政出動をと訴えるが、反応は鈍い。それもその筈、各国はそれぞれ個別の主要問題を抱えているからだ。米国のオバマは既にレームダックで、頭の中は広島訪問のことしかない。英国はEU離脱を問う国民投票が目前で世界情勢など眼中にない。ドイツは難民対策で手一杯で、フランスのオランドは支持率の超低空飛行で影響力はゼロ。一人安倍がリーマンショック直前の状況だと騒いでいるが、消費増税先送りのためのアリバイ作りとしか聞こえない。要するに今は世界の首脳が集まり緊急に一致団結して対処するような問題は無いということだ。全世界の問題を対象にするのであれば、中国とロシアを参加させるべきだと思う。しかし、中国とロシアを入れても議論が発散するだけの結果に終わるのは目に見えている。見方を変えると、今回のように中国とロシアを入れずに民主的法治国家だけが集まり、各国の状況を共有する方が今後の助けになりそうだ。いっその事、民主国サミットとでも名前を変えたらどうだろうか。課題も余り大上段に構えず、気楽に茶飲み話のように情報を交換し親睦を深める。それが世界の平和、経済の発展に最も効果がありそうな気がする。