リオ五輪は本当に開催されるのだろうか

リオ五輪開催が増々怪しくなってきた。競技施設の建設が遅れているのを筆頭に、ジカ熱防疫対策も進んでおらず女子選手の大量辞退もあるかもしれない。また、海水汚染が余りに酷く既に現地でトレーニングを始めたボート競技選手は熱や吐き気や下痢にさいなまれているという。ブラジルには殆んど下水処理施設がなくトイレや家庭排水がそのまま海に流れ込んでいるというから、五輪開催までに改善するのは不可能に近い。更に大統領自身も問題を抱えており、開催時に大統領として仕事を全う出来るか極めて不透明だ。ルセフ大統領が政府会計の不正操作に関わったとして弾劾裁判が開かれようとしている。既に下院では弾劾請求が可決されている。来週にも上院で採決が行われることになっている。こうした中、弾劾手続きを主導してきた下院議長が、みずからに対する汚職事件の捜査を妨害しようとしたとして、連邦最高裁判所が下院議長の職を剥奪したうえで議員資格を停止する決定を下した。これ幸いとルセフ大統領は下院で可決された弾劾手続きは無効だと裁判所に訴える構えを見せている。まさに汚職塗れ、泥まみれの中でリオ五輪は開催されようとしている。しかも国民は国民生活を顧みず五輪だけに金を注ぎ込む政府に猛反発している。何故五輪などを招致してしまったのだろう。開催返上が最善策に思えてならない。