都知事と吉公

政治資金の使途をめぐり釈明に追われた舛添都知事の記者会見を見ると、落語の「浮世床」を連想させる。正月に家族旅行でホテル三日月に宿泊し、数十万円を支払った。しかし政治資金収支報告書には会議費という名目で会計処理されている。ご丁寧にホテルの部屋から撮った海ほたるの写真を年賀状にプリントしたものだから、家族旅行は否定できない。しかもホテル側は、正月に会議は無かったと証言している。さてどう切り抜けるのかと思っていたら、家族のいる部屋で事務所関係者と会議を行ったと説明。何と適正な政治活動の一環だったと言い訳をした。テレビを観ていて噴き出した。これではまるで落語の「浮世床」ではないかと。町内の若い衆の寄合の場所でもある床屋での話。太閤記を見ている吉公に皆が冷かして読んでくれと迫る。吉公は「真柄十郎左衛門が敵に向かって一尺八寸の大刀を」「一尺八寸のどこが大刀だよ?」「但し書きには一尺八寸とは刀の横幅と書いてある」「それじゃ前が見えないだろう」「もう一つ但し書きが書いてあって、刀には窓が付いていて、敵が来たらそこから覗く」。舛添都知事は落語の吉公レベルであることが分かってしまった。この一連の騒動を見ていると、知事にはそぐわない人物であることは明白だ。しかし、だからと言って首を挿げ替えるには莫大な選挙費用が必要になる。取りあえず安く上げるには、都知事監視人でも置いて常時監視するしか方法がなさそうだ。ところで、この人は本当に仕事が出来るのかしらと心配になってきた。