自公の退潮が著しい。参院選で自公合わせて50議席が過半数維持の分岐点になっている。恐らく過半数を大幅に割るに違いない。自民もさることながら、公明の支持率低下が顕著だ。公明新聞が、複数選挙区の7区で全員落選しかねないと分析している。組織の引き締めのためとも言われているが、本音だと思う。退潮の要因は、池田会長の死去と会員の高齢化によるパワー不足であることは間違いない。でも、それ以上の要因を抱えていると思う。公明党の理念は「平和」だったが、山口元代表時代に保守の座を固守するため敵基地攻撃能力の法案に賛成した。思えば、公明が「平和」と決裂した瞬間だった。党が豹変したのだ。それを引き継いだのが石井啓一。石井は東大卒の官僚出身で、代表就任2ヶ月後には衆院選で落選し、代表を退いた。そして、現在の斉藤鉄夫が引き継ぎ、幹事長には西田実仁が就任した。公明の退潮の要因は、自分は別にあると感じている。顔だ。石井の顔は官僚そのもの。しかもゴッツい官僚顔なのだ。国民なら誰でも毛嫌いする顔なのだ。埼玉県民は機敏に察したのだろう。更に、斉藤鉄夫は、ドラえもんののび太そのもの。おまけに、西田実仁は貧相そのもの。創価学会員でなくても、頼りなく感じる。公明は、パワーバランスではなく、顔も選考の要素に加えるべきだと思った次第。
東洋経済に小幡績慶大大学院教授が寄稿した記事「日本の財政破綻危機で意図的に、大丈夫、安心、問題ない、と流されている、まことしやかな5つのうそを暴く」が面白い。政府の借金は国民の資産であるから何の心配もない。日本国債は日本国内でほとんどが所有されているから、ギリシャなどとはまったく異なり、何の心配もない。日銀を政府の子会社とする統合政府として捉えると、日銀が保有する分の国債は相殺されるので、国の借金は半分程度となる。将来の国債の償還金は将来世代の国民に戻ってくるから、後世へのツケ回しではない。自国通貨建ての国債がデフォルトする可能性はない。これらが全てうそであると論破している。しかし、自分には分かったようで分からない。是非とも、高橋洋一嘉悦大教授と増田俊男時事評論家に議論・解説してほしいものだと思う。
野党が口を揃えて消費税減税を叫ぶ中、何と石破首相は「消費税減税は高所得者ほど恩恵を受けるからすべきでない」などと言い出した。はて、所得税は累進的だが、消費税は逆進的だ。所得に対する消費の比率が、所得が低いほど高く、所得が高くなるにしたがって小さくなっていくからだ。石破は、金持ちほど多く消費するから減税額が大きくなると主張している。しかし、実収入に占める減税の恩恵の度合いは低年収世帯の方が大きいのだ。だから、消費税減税は弱者の味方になるのだ。石破の主張は屁理屈そのもの。アンポンタンとしか言い様がない。更に、参院選の公約である2万円給付についても、その根拠が二転三転している。バラマキではないと固持しているがバラマキそのもの。しかも金額ありき。理由は後付け。算出根拠までブレまくれば、参院選の大敗は必至。石破は、クドクド喋るが、中身が無い。言葉遊びには辟易した。早く実務能力の有る次期首相の誕生が望まれる。
文科省が、優秀な博士課程の学生に生活費を支給する支援制度について、生活費の支援を日本人に限定する方向で見直す方針を固めたとのニュース。受給者の約3割を中国籍の留学生が占めていることを疑問視する声が国会で挙がったからだ。この制度は、2021年度に始めた次世代研究者挑戦的研究プログラム。1人当たり年間最大290万円を支給するが、国籍要件は無い。この制度は元々、日本人学生の支援を主目的としていた。日本の制度は、この手のものが多い。このブログ「高額療養費制度の資格見直しを」にも書いた通り、高額療養費制度は住民票と3カ月以上の在留期間がある外国人は、国民健康保険などに加入すれば高額療養費制度の利用が受けられるのだ。殆ど保険料を払わずに高額療養を利用出来るのだ。文科省は大学予算を削減し、厚労省は医療費削減を叫んでいるのに、この種の制度には大盤振る舞いだ。予算削減とは言うものの本気度が見られない。
米国の政府効率化省が、発足4カ月足らずで失速しつつあるという。トランプが国家予算の浪費にメスを入れるためスタートさせた組織で、トップにはイーロン・マスクが就いた。マスクは「今年3月までには最低でも政府の無駄を1兆ドル節約する」と豪語していた。でも、そのマスクもトランプと喧嘩別れし、トップを降りてしまった。マスクは今になってトランプに泣きついているが、元の鞘に収まる気配は無い。では、政府効率化省は、浪費にメスを入れ、いくら節約できたのだろう。マスクは退任の際「1750万ドルは無駄を削減した」としているが、専門家は「間違いだらけの試算で実態が無い」と指摘している。反面、政府効率化省が残した負の遺産は極めて大きいという。連邦政府職員の大規模な削減で、業務は滞り支障をきたしているばかりでなく、新たな担当者の教育や指導で、削減に見返る費用が掛かっている。収支はトントンだという。社会保障庁では、年金給付の混乱や情報漏洩が相次いでいるという。最も深刻なダメージを受けたのが米国国際開発庁だ。15万人の職員が解雇され、最貧国の数百万人が飢餓の危機に瀕している。援助物資の殆どが米国内の農家や加工工場から調達されていたので、その額も莫大だ。結局、得るものより失ったものの方がはるかに大きい悪政だったと言えそうだ。
今年に入り、台湾のコロナによる重症者数は累計991人、死亡者数は183人となっている。台湾当局は、この1週間(6月17~23日)にコロナ感染により死亡した人は今年最多の39人だったと発表した。ピークアウトするのは8月上旬だとみられている。では、日本ではどうなのだろうかと調べて見たがデータが見つからない。コロナが5類に移行した後、纏まったデータが見当たらないのだ。日本では、コロナは昔の話になってしまっているようだ。そんな折、作家の大村大次郎元国税調査官が「コロナワクチン大薬害の戦犯を追及せよ。今こそ徹底的な事後検証が必要」との記事を寄せている。新型コロナワクチンは、政府が「因果関係を否定できない」と認めて補償した分だけで、すでに1000人以上の死亡例がある。政府認定のハードルは非常に高いので、実際にはこの10倍以上とみられている。コロナワクチン開始以降、コロナ感染による死亡増加では説明がつかない日本人の死者の数が異常に増えている。しかも、高齢者だけではなく、ほぼ全世代で死亡率が上がっている。大村はコロナワクチンによる死亡が大量に出ていると主張しているのだ。更に加えて、政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会で会長を務めた尾身茂は「コロナワクチンの感染防止効果はあまり無かった。副反応が強いため重症化しにくい若者には薦めない」と宣っている。薬害情報を隠蔽した厚労省も酷いが、ワクチンの副作用に言及しなかった尾身茂も酷い。コロナが昔の話になってしまっているのは国の陰謀としか言い様がない。
フケ防止のため、ここ十数年sebamedシャンプーを使ってきた。ところが、sebamedの入手が困難になり、銘柄を替えることになった。薬局スーパーの福太郎に相談すると、花王のCURELが良いと言う。早速購入し試してみると問題は無い。使うことにした。ニュースによると、花王のCURELシリーズは売り上げが好調で、過去最高シェアに到達したという。国内だけでなく海外にも進出しているとのこと。そこで技術屋の性で、CURELの技術的内容を知りたくなった。そこで調べてみた。健やかな肌のために必須の成分「セラミド」は、角層細胞間のすき間を満たして潤いを保ち、外部刺激から肌を守る、肌のバリア機能の主役となっている。フケの多い乾燥肌はセラミドが不足している。でも、天然のセラミドは極めて高価。そこで、花王が持つ皮膚科学を駆使し、セラミド機能成分の開発に成功したとのこと。主成分は、ヘキサデシロキシPGヒドロキシエチルヘキサデカナミドだ。今では、シャンプーに限らず、コンディショナー、頭皮保湿ローション、肌用ローションも全てCURELとなった。確かに、老人肌の保湿には効果がありそうだ。
都議選が行なわれ、自民が過去最低の議席数となり第1党から転落した。公明も9年連続となる全員当選を果すことは出来ず4議席を減らした。一方、初めて国民は9議席、参政は3議席を獲得し、新しい顔ぶれも誕生した。注目された石丸伸二が率いる再生の道は、42人の候補者を立てたが、議席を得ることは出来なかった。自民は、石破首相が2万円のバラマキを参院選の公約に掲げたのが敗因だろう。かつ保守の一部が参政に流れてしまった。意外だったのは、国民が9議席も獲得したこと。参院選候補者として山尾らを擁立しようとしたことで、国民・玉木熱がスッカリ冷めてしまったが、多少は残り火があったようだ。特に、再生の道が議席を得られなかったことは注目される。有権者は、兵庫県知事選の轍は踏まなかった。SNSに振り回されることは無かった。今後、選挙がSNSニセ情報に左右されることが激減する証しとも言えそうだ。結局、今回の都議選の収穫は、小池率いる都民ファーストの第1党返り咲きではなく、SNSニセ情報に左右されることが無かったという事実だと思う。
杉原千畝がビザを発給し、約6000人のユダヤ人難民を救ったことは有名だ。「命のビザ」と言われている。その子孫も含めると約25万人を救ったことになる。杉原千畝は日本政府から叱責されたが、発給についてではない。短期間に多くのユダヤ人を救おうとする際に規則逸脱があったためだという。背景には、日本にはユダヤ人を保護する政策があったのだ。ナチのユダヤ人排斥は日本が主張してきた人種平等の精神に反する。1938年、首相の近衛文麿らの五相会議がユダヤ人を他国人と同様に公正に扱うユダヤ人対策要綱を決めた。外務省は訓令として全ての在外公館に通達した。そして日本経由で渡航する第三国の入国ビザを持つユダヤ難民には日本の通過ビザを発給した。ユダヤ人を救ったのは杉原だけではない。樋口季一郎陸軍ハルビン特務機関長は、多くのユダヤ人が上海へ向かう途中に満州を通過することを許した。小野寺信ストックホルム駐在陸軍武官や近衛秀麿も亡命を助けた。杉原千畝の業績は、多くの書物に残されている。自分の高校時代のクラスメートは丹念な取材を元に「素描・杉原千畝:小谷野裕子:春風社」を著している。日本の人種平等の精神は、いつまでも続いてほしいものだと願っている。
外国貿易法違反容疑をかけられた大川原化工機の冤罪が確定し、警視庁の鎌田徹郎副総監と検察庁の森博英公安部長が謝罪のため大川原化工機を訪問した。ところが、島田元取締役を山本と間違え、社名を大川原化工機工業と言い間違えた。しかも、間違えたことに一言の謝罪も無かったという。この事件では誤認逮捕された相嶋元顧問が治療を受けられず亡くなっている。副総監と公安部長の謝罪が、如何にお座なりであったことかが良く分かる。トップが一応形なりに謝罪したのだから、これで一件落着という訳だ。警察・検察関係ではこの種の話が多い。高輪のレイプ事件では、逮捕直前に中村刑事部長が天の声を発し、逮捕を阻止した。その功績で、中村は警察庁長官にまで登り詰めた。木原元副官房長官の妻関連の殺人事件では、露木警察庁長官が「事件性なし」として、殺人事件に蓋をしてしまった。警察は頭から腐っている。魚は頭から腐る。いつになったら、信頼される警察に生まれ変わるのだろうか。
理科の授業で硫化水素を発生させる実験中、生徒たちが救急搬送されたり一時入院したりする事故が全国の中学校で発生し続けている。試験管に硫化鉄と塩酸を入れれば硫化水素が発生する。極めて簡単な操作だが、硫化水素は猛毒で危険な実験だ。搬送事故が多発しているというのに、文科省は一向に止める気配は無い。教育関係者や専門家は「身近にある危険を身をもって学ぶため」と口をそろえる。硫黄は単体では無臭で有害性は低いが、硫黄の化合物である硫化水素は強い刺激臭があり、有害性が高い。火山や汚水などからも発生するため、硫化水素中毒による事故が後を絶たない。このため、硫化水素の臭いを体感することが「身近な危険を学ぶ機会になる」という理屈だ。だが、硫化水素は少量でも吸えば嗅覚はまひし、死に至ることもある。止めれば良いものを止めない理由があるようだ。文科省の学習指導要領には、2種類の物質を反応させる化学変化を実験を通して学ぶことが記されている。だが、硫化水素を発生させる実験は例示しておらず、実施は求めていない。でも、複数の教科書には硫化水素の実験について記載されているのが実情だ。教科書検定は文科省の領分だ。結局、文科省が実質的に硫化水素発生実験を強制しているのだ。文科省のダブルスタンダードが無くならなければ、中学生は必ず危険な目に遭うことが続くのだ。
「無期転換ルール」により労働契約を終了した教員と研究者が、全国の国立大学で701人に上ったとの毎日新聞の記事。「無期転換ルール」とは、有期雇用が10年を超えれば無期雇用に転換できる研究職のルールのこと。研究者の雇用を守るために改正された労働契約法だ。ところが、ルールの目的とは正反対に、無期雇用転換直前にクビを切られた研究者が701人もいたということだ。この雇い止めは理研でも多くの研究者が対象になり、問題になっていた。今回は初めて大学関係が公表された。それによると、最も多かったのは、東京大と大阪大でそれぞれ92人。次いで多かったのは、東北大69人、京都大65人だった。優秀な研究者が多い大学や研究所ほど雇い止めをしている構図だ。この無期転換ルールは、元々5年だった。京都大iPS細胞研究所の山中伸弥教授らが、5年では研究現場に与える影響が多き過ぎると直訴し、10年に変更された経緯がある。でも、先延ばししただけだった。何故、優秀な研究者がクビを切られなければならないのだろうか。答えは単純。国が研究費を減額し続けているからだ。国の予算にも限度はある。しかし、明日のコメを得る元となるはずの技術の芽を摘んでしまっては、本末転倒だ。国は大学の研究費の在り方を再考すべきだと思う。
長らく謎であった新石器時代フィギュアについて有力な新説が発表された。対象は、エジプト先王朝時代のナカダⅡ期(5700~5300年前)のフィギュア。ここで言うフィギュアとは「造形された人体型の小像」を意味する語で、ぴたりと閉じられた両脚、不自然な後傾姿勢、腕部が省略された円筒状の上半身、という奇怪なフォルムだ。今年発刊された「竹倉史人:世界の土偶を読む:晶文社」によると、奇怪なフォルムは植物の人体化であると言う。植物資源が人体化されて造形されたのは、当時の採集狩猟民や耕作民たちが炭水化物の精霊たちを可視化し、これと交渉する必要があったからだと考察している。著者は、実際にムギを発芽させ、フィギュアとソックリな姿であることを確認している。竹倉史人氏と言えば、かつてこのブログ「土偶の謎の解明」で、取り上げたことがある。遮光器土偶はサトイモだと解明している。恐らく著者は、これに自信を付け、海外の土偶にも展開したのだろう。まさに研究の宝を掘り当てたのだと思う。因みに「世界の土偶を読む」出版記念講演会が2025年7月16日東京科学大学で行なわれる。興味のある人は是非拝聴すべきだと思う。
イスラエルがイランに電撃的な空爆を実行した。勿論イランも報復攻撃を開始した。何故今イスラエルはイランを空爆したのだろうか。ウラン濃縮に関する米国・イラン交渉が暗礁に乗り上げた。でも、イランの核兵器完成は目前。そんな状況下での空爆だ。戦争には双方の言い分がある。特に中東情勢は複雑で、大昔に遡ることから始まって、第2次世界大戦後の英仏のいい加減な措置などに端を発している。でも、今更昔の話を蒸し返しても始まらない。だから、今を切り取って判断すべきものだと思う。極めて現実的な考察をすれば、イスラエルのネタニヤフ首相には、軍事衝突をエスカレートさせなければ議会を解散され、下野して逮捕されてしまう恐れがあるから、戦争を仕掛けたということだろう。一方、イランのイスラム保守政権は、イスラエルという敵がいなくなれば改革派の突き上げで国が瓦解してしまうので、戦争に応じているということだろう。何のことは無い。イスラエルとイランの指導者は、平和になったら困るのだ。自身の延命や保身のために戦争を利用しているのだ。そう考えると、状況が見えてくる。その時、一番被害に遭い困るのは国民だ。結局、国民が声を挙げなければ事態は動かないのだ。
国交省が、日本郵便の一般貨物自動車運送事業許可を取り消す予定だと発表した。日本郵便が法令で定められた点呼を適切に実施していなかったことが理由だ。緊急内部調査を実施した結果、全体の約75%にあたる2391局で法令違反が発見されたというから、組織的な犯罪行為と言える。点呼は、運転者に対する酒気帯びの有無、疾病や疲労、睡眠不足でないかなど安全運転を確保するための確認だから、物流業にとって極めて重要に位置付けられている。点呼をはじめ規則に違反した事業者には、車両停止処分、事業停止、事業許可の取り消しの3段階の罰則が科せられる。日本郵便は事業許可が取り消されるのだから、その悪質さが分かる。日本郵便の千田哲也社長は「大した影響は出ない」と言っている。開いた口が塞がらない。振り返れば、日本郵政グループ全体で不祥事が相次いでいる。かんぽ生命の不正販売、ゆうちょ銀行の顧客情報の不正利用、日本郵便による下請け業者への高額な違約金の徴収などだ。彦摩呂風に言えば「日本郵便は不祥事の宝石箱や」ということになる。
遂に中国BYDが米テスラを超えた。2024年度決算で、売上高はテスラの14.7兆円に対しBYD16.1兆円だった。しかもBYDの純利益は8329億円。BYDはEVの不動の地位を築いたと見える。ところが、JPpressの記事によると、BYDの隠れ債務問題がいよいよ表面化し、第2の不動産最大手・恒大集団になるかもと懸念されているという。中国は、習近平の失政で不動産不況に陥り、経済はドシャブリ状態だ。そこにBYDが追い打ちをかけるかもしれないというのだ。中国では自動車産業全体がEV、新エネ車に全振りしている。自動車産業は長年国家からサポートを得てきたが、特にEVの赤字は非常に深刻な状況にあるという。昨年から走行距離ゼロの新車なのに中古車市場に出回り、EVの価格破壊を引き起こしているのだ。この背後には、補助金目的の中古車売買プラットフォームとディーラーの癒着があるという。新車同然の車が30%から半額で中古市場に出回るので、やがて新車が定価で売れなくなる。BYDは今年になって3回目の値下げを敢行した。BYDの大手ディーラーの店舗が次々と破綻している。中古車の過剰在庫も深刻で、EVの墓場も出現している。BYDのライバル企業の会長は「自動車産業の恒大はすでに出現している、まだはじけていないだけだ」と発言した。習近平の第2の失政が明らかになるのは目前だ。
1年半超に及ぶ交渉の結果、日本製鉄のUSS完全子会社化が承認された。国内の鉄鋼市場は中国製の安価な鋼材が出回り、生産縮小を余儀なくされている。トランプ関税が50%に引き上げられたので、米国内現地生産は必須だ。しかも米国の鉄鋼は成長市場で、日鉄が得意とする自動車用の高張力鋼板、電磁鋼板、石油掘削用の油井管の需要が底堅い。日鉄が成長戦略を描くには、USS買収が必須だった。USSを完全子会社化することと、日鉄が2028年までに1兆6000億円を新たに投資することと、米政府が拒否権を行使出来る黄金株を持つことで、合意に至った。日鉄が完全子会社化に拘ったのは、技術流出を恐れたからだ。結局、到底妥結しようもなさそうな交渉が成立した。橋本日鉄CEOの粘り強さには感服する。あとは、巨額投資に見合った収益が生み出せるかだ。何か先が明るいような気がする。
YAHOO!JAPANに「自民・田村憲久氏 野党共同提出のガソリン税暫定税率廃止法案に1.5兆円、どうやって財源を…」と「実は財源だらけなのに…元財務官僚がバカも休み休みにとあきれる減税を絶対に許さない財務省のロジック」の2つの記事が並んでいる。野党7党が共同提出したガソリン税の暫定税率廃止法案について、田村憲久元厚生労働相が財源が見つからないと、審議入りを拒否しているのだ。消費税減税でも財源が無いとして、政府は減税を見送った。そして「実は財源だらけなのに」と主張するのは、元財務官僚の高橋洋一嘉悦大教授だ。高橋は自著「財務省のバカの壁」で、数多くの財源の絞り出し方を書いている。「財源が無いのではない。探さない、作らない」だけなのだとも述べている。野党は減税を叫ぶものの、財務省の財源が無いという論理には太刀打ち出来ない。「財源が無い」の一言で萎んでしまうのだ。不思議に思う。何故野党は高橋洋一の財政論を徹底的に学ぼうとしないのだろうか。野党は理解力に欠けているのかもしれない。勉強する意欲が無いのかもしれない。元々減税は口先だけで、本心はどうでも良いとしか考えてないのかもしれない。財務省に立ち向かう勇気が無いのかもしれない。これらの「かもしれない」が、日本を暗い道に引きずり込んでいるかもしれない。
段ボール並みに軽く、フレキシブルなペロブスカイト太陽電池が実用化を迎えている。これまで設置出来なかった耐震性や耐荷重性が低い建物や窓ガラスに設置出来るようになるメリットがある。太陽電池の本命とされているペロブスカイト太陽電池は、何と桐蔭横浜大学の日本人研究者らが発明したのだ。ところが、実用化では既に中国に追い越されてしまっているのだ。国の支援に問題がある。今や太陽電池は中国の独壇場だ。日本ではNEDOが太陽光発電ロードマップを描き、性能向上を中心に進めてきた。性能が上がればコストも下がるはずとの考え方で進めてきたが、技術的な対応ではコストは下がらなかった。一方中国はSwansonの法則を徹底した。Swansonの法則とは、異次元の規模で量産すればコストは大幅に下がるというもの。中国は量産化に成功し、ついでに性能の向上も成し遂げたのだ。日本は量産化を疎かにして、性能に拘ったため、中国に負けてしまったのだ。ペロブスカイト太陽電池でも、全く同じような事が起きようとしている。折角掘り出した宝の山が中国に取られてしまうのは目前だ。iPS細胞も同じ道を辿っている。経産省が日本の国力を劣化させているとしか言い様がない。
ナベツネが亡くなり、読売新聞が「女系天皇を認める」提言をしたことが波紋を広げている。自民も産経新聞も猛反対だ。ここで疑問が湧いた。過去に女性の天皇は、推古天皇や持統天皇など8人もいる。でも、初代神武天皇以来、男系子孫が即位しているとされている。大日本帝国憲法では万世一系の天皇が統治すると規定されていた。推古天皇らと万世一系は矛盾するのではないかと思っていた。ところが、調べてみると、女性の天皇には「女性天皇」と「女系天皇」の2通りがあるようだ。「女性天皇」とは、男性の天皇から皇位継承した女性のこと。皇族と結婚し、皇位が配偶者に移るため、男系を維持するための臨時・中継ぎとなる。推古天皇らは全て女性天皇なのだ。一方「女系天皇」とは、男子の天皇の娘が一般男子と結婚し産んだ子供が皇位継承すると女系天皇となる。この場合、父親は天皇家の血筋ではないので、天皇家の男性の血筋はその時点で断絶することになる。今や、世論は秋篠宮家ではなく愛子内親王が皇位継承をすることを望む声が大きい。愛子内親王が一般男子と結婚し子供を産み、その子が皇位継承すれば、日本で初めて女系天皇が誕生することになる。要するに、読売は秋篠宮家を見限ったということのようだ。
石破首相が、夏の参院選の第1の公約は「2040年、名目GDP1,000兆円の経済を目指し、平均所得は現在から5割以上上昇させる」と自民幹部に指示したとのニュース。大目標を設定して、実現に向けた工程表を作成することは重要だ。でも、実現に向けた工程表が無ければ「絵に描いた餅」だ。石破は、さも自分が大目標を設定したかのように発表した。ところが、岸田前首相時代に、昨年の骨太の方針には「2%の物価安定目標の持続的・安定的な実現の下で、2040年頃に名目1,000兆円程度の経済が視野に入る」と記載されているのだ。何のことは無い。第1の公約は、パクリなのだ。しかも、問題は「骨太の方針」自体にある。そもそも「骨太の方針」と名付けられたのは小泉純一郎政権の時。小泉首相が「聖域なき構造改革」のために内閣府に設置した「経済財政諮問会議」での議論を、当時の宮澤喜一財務相が「骨太」と表現したことから「経済財政運営及び経済社会の構造改革に関する基本方針」を「骨太の方針」と呼ぶようになった。小泉は、まずは総論を作成し、各論の実施プロセスを各省庁に作成させ、定期的に進捗状況を報告させながら、政策全体の進行を管理したのだ。ところが、安倍政権から実現のための具体策がない「絵に描いた餅」ばかりが書き連ねられるようになってしまったのだ。それ以来、歴代首相は「絵に描いた餅」を描き続けている。
国民民主党の凋落が止まらない。昨年の衆院選では公示前の4倍増となる28議席を獲得し、公明党をも上回った。「手取りを増やす」をスローガンにSNSを駆使し、若者の心を掴んだのが勝因だ。しかし、調子に乗って元グラビアアイドルの高松市観光大使と不倫したのが躓きの始まりだった。党勢拡大のため、次期参院選の候補者を無分別に手当たり次第擁立しようとした。特に、山尾志桜里と須藤元気を公認したことが反発を招いた。乙武洋匡、山尾志桜里、玉木と続けば不倫のオンパレードだ。どんなに弁が立っても、不倫を生理的に受け付けない人は多い。玉木はその辺が鈍感で、選挙民を逆撫でしている。更に、備蓄米放出では「家畜のエサを人に食べさせるのか」と宣った。主食として本当に食べようという人がいるというのに、甚だ不適切な発言だ。「家畜のエサ」からではなく「備蓄米制度の問題」から切り込むべきだった。要するに、玉木はポピュリズム政治家だが、国民の心情を理解出来ない政治家なのだ。東京都議選の目標議席を、11から5にシレッと下方修正した。Democratic Party for the People is time is over.
政府備蓄米とは、凶作や不作時の流通安定のために日本政府が食糧備蓄として保存している米と定義されている。平成の米騒動後1995年に制定された制度だ。適正備蓄水準は100万トン程度とされている。今までの放出事例では、東日本大震災が4万トン、熊本地震が90トンだった。東日本大震災ですら、たったの4%しか放出されなかったのだ。明らかに100万トンは過剰備蓄と言える。2011年にJAの強い要求で、保管方法が「回転備蓄」から「棚上備蓄」に変更された。回転備蓄は、保管期限を過ぎたコメを主食用の古米として売却する。一方棚上備蓄は、飼料用など非主食用のコメとして売却する。だが、農水省の試算によると、財政負担は回転備蓄は年150億円程度なのに対し、棚上備蓄は700億円が必要とのこと。JAにとっては米価格の高値安定が狙いだが、消費者にとっては回転備蓄のほうがメリットは大きい。備蓄米100万トンの維持費は年478億円。しかも、殆どがJAの低温倉庫で保管されている。江藤農水相時の放出米は殆どJAが落札した。でも、JAが急いで卸に流してしまうと、倉庫の保管料が減少してしまうので、JAは放出の時間稼ぎをし、市場には出回らなかったと推測される。1980年代までJAの集荷シェアは95%あったが、2022年には半減した。2024年産は26%まで落ち込んだ。着実にJA離れは進んでいる。だが、農林族を筆頭に利権者は未だにJAに纏わり付いているのが現実だ。
石破政権が目玉政策として、地方創生2.0を打ち出した。地方創生1.0というものは無かったが、1.0とは10年前に石破地方創生相が始めた「まち・ひと・しごと創生法」を指すのだろう。移住の促進や雇用の創出により地方人口を増加させることと東京一極集中の解消を狙っていたが、殆ど成果は無かった。2兆円近くの金をドブに捨てたも同然だった。今度の地方創生2.0では「ふるさと住民登録制度」を創設するという。「定住人口」でもなく、観光などで不定期的に訪れる「交流人口」でもなく、その地域に積極的に関わる「関係人口」をな~んちゃって住民登録で、繋ぎ止めようとの目論見だ。既に気仙沼市や南魚沼市などの地方自治体で行なわれている活動を全国的に広めようとの魂胆だ。しかし、こんな事で全国の自治体が活性化するのだろうか。現在、地方創生のトップランナーとしてよく引き合いに出される自治体の殆どは、平成の大合併に際して他の市町村と合併しないことを選択した自治体なのだ。このトップランナーらは、金をばらまいて推進を図った地方創生1.0の10年前には独自で地方創生を始めていたのだ。新しい地方経済・生活環境創生本部が発表した「地方創生2.0の基本的な考え方」を見ても、1.0と殆ど変わらない。また10年間失敗を続けることになりそうだ。
石破首相が衆院内閣委員会での減税議論の中で「わが国の財政状況はギリシャよりもよろしくない」と発言した。加えて森山幹事長が「日本の国債の評価がギリギリのところまで落ちている」と財政悪化を強調した。その発言に対し、高市前経済安全保障担当相が反論した。「日本の財政状況は、連結バランスシートで見るとG7の中で2番目に良い。市場の評価もそうなっている」と指摘。更に首相らが日本の信用不安を起すような発言はすべきではないと諫言した。政府は口を開くと財政赤字と言い続けているが、実際はどうなのだろう。高橋洋一嘉悦大教授も亡くなった経済評論家の森永卓郎も、グロスではなくネットで評価すべきだと言っている。日本の負債は1700兆円でGDPの3倍以上だが、資産が1100兆円ある。差し引き約600兆円だが、先進国では当たり前の水準だと指摘している。財務省は、資産は売れないものばかりと反論するが、売れると断言し、その手法を明らかにしている。更に森永卓郎は通貨発行益を加えれば、本当の債務は数兆円しか無いという。もう、そろそろ財務省の言い分にメスを入れる時が来ていると思う。財務省の呪縛から解かれ、国際標準で財務を俯瞰出来るかが、石破が名宰相となるかの分かれ道になると思う。でも、財務省に立ち向かえるとは思えない。果たして何代先の首相が出来るのだろうか?残念としか言い様がない。
「2025年7月5日に日本で大災難が起きる」そんな不安な噂がSNSで急速に拡散しているという。香港では「日本に行くのは危険」という声が高まり、日本行き航空券の予約が最大で3割減少したとのこと。野村総研の試算によると、アジアからの年間訪日者数約3,100万人のうち、噂の影響で約240万人が旅行を見合わせ、インバウンド需要が約5,600億円減少する可能性があるとしている。噂の震源は、日本の漫画家で霊媒師のたつき諒が書いたベストセラー漫画の「私が見た未来」だ。この漫画はたつき諒自身の夢を夢日記として記録し発表したものだという。「私が見た未来」には、東日本大震災を言い当てた実績がある。更に「本当の大災難は2025年7月にやってくる」と明記されている。「日本とフィリピンの中間あたりの海底が破裂し、南海トラフ地震を超える壊滅的な大津波が日本を襲う」というイメージが描かれている。夢を見た日が2021年7月5日4時だったので「2025年7月5日4時に大災難が起きるのでは」という解釈がネット上で広まったようだ。香港の著名な風水師の発言が噂の拡散に拍車をかけているらしい。政府は異例の火消に追われているという。インバウンド需要も良いが、中国人のマナーの悪さに観光地は辟易している。頭を冷やすには、適度なブレーキになるかもしれない。
東京都がこの夏の4カ月間、一般家庭の水道基本料金を無償化すると発表した。関連経費は368億円に上り、1家庭当たり5,000円の補助になると見込まれる。この発表は、多くの選挙区で激戦が予想される、6月22日に投開票を控えた東京都議選の1ヶ月前のことだ。水道基本料金無償化は、小池知事を支持する自民党、公明党、都民ファーストの会の都議会3会派の要望翌日に発表された。従って、小池都知事の目論見は見え見えだ。一方で、水道施設の老朽化は全ての自治体で進んでいる。全ての自治体で水道料金は上がる傾向にある。全ての自治体が、水道料金で四苦八苦している状況下での無償化だ。如何に都の財政が潤沢かが分かる。東京都の人口は日本全体の1割以上を占めている。更に、民間各社の本社があるので、税収は断トツ状態にある。財政は一強だ。だからと言って、選挙目当てに大盤振る舞いをして良いものなのだろうか。水道料金は市町村の管轄になっている。でも、ここは国が口を挟むべき時だと思う。
消えゆくもの。本屋、路線バス、みどりの窓口、里山と鳥、日本人のパスポート保有率と、数え上げたら切りが無い。それぞれ時代を反映している。田舎では乗る人が少ない路線バス、並ぶ必要の無くなったスマホアプリの普及で需要が減ったみどりの窓口、住宅の乱開発で里山が無くなり鳥も激減、内向き指向になって海外に行かなくなった日本人にはパスポート不要、とそれぞれ理由は有るようだ。最近の人は本を読まなくなったという。でも、スマホの絵や文章は一生懸命読んでいる。決して、活字離れが進んでいるとは言えそうもない。だが、本屋が激減しているのは事実。全国で本屋がない自治体は約3割に上る。東京新聞の記事によると「本屋がないなら、本の方から会いに行けばいい」と活動する移動書店があるという。出版不況の時代の新しい本屋の形だ。その名は「移動書店ハリ書房」。ハリ書房は本屋がなくなった地域を中心に、さまざまな場所を訪れて活動している。誕生は2020年。店主は一念発起して「ずっとやりたいと思っていた」書店経営に乗り出した。ハリ書房のハリは、臆病で勇気がなくて何も出来なかった「ハリネズミの願い」に願いを重ねたという。頑張れ!ハリ書房。
三菱商事が日本やアジアで次世代の地熱発電所の開発に乗り出すとのニュース。自分はかねてより火山列島である日本には地熱発電が適していると思っていた。でも現在は日本の電源構成で地熱は1.4%しかない。温泉への悪影響とか自然破壊とかの反対で開発が進んでいなかったのだ。三菱商事は米クエイズ・エナジーの次世代地熱発電技術を導入する目論見だ。従来(1000~1500m)より深い層を掘削し、高温の熱を取り出す。水を注入することで地下に熱水や蒸気がない地域でも開発できる。温泉の枯渇を避けやすく、事業コストの低減も期待できるという。何と言ってもクエイズの技術は平地などでも利用できるのが最大の特長だ。ドリルの代わりに高周波数の電磁波「ミリ波」を使い、従来は難しかった地下3000~2万mの岩盤を掘削して設置する。亀裂を入れた地下の岩盤に水を注入し熱を回収する。資源エネルギー庁によると、日本では次世代型に使える潜在的な地熱資源は7700万キロワット分以上と、従来型の3倍を超える。20~30年後には、地熱発電が電源構成のトップに躍り出るかもしれない。
衆議院で年金制度改革法案が可決された。立民の基礎年金底上げ案を自公が飲んで成立した。現行制度のままでは基礎年金の支給水準はどんどん低下し、30年後には現在より3割低くなるという見通しを是正するというもの。厚生年金の積立金を基礎年金の底上げに補填するという。すると、あら不思議。厚労省の試算では、約30年後、夫婦2人のモデル世帯の年金は、厚生年金が減った分以上に基礎年金が増え、トータルで見ると2万円以上アップするという。こんな事が起きるはずがない。必ず、年金が減らされる犠牲者がいるはずだ。そもそも、サラリーマンが強制的に取られてきた厚生年金を基礎年金に流用すること自体が間違っている。日本の年金制度は極めて複雑で、真に理解している政治家などいないのではないかと思う。実際自分もサッパリ分からない。小手先で制度をねじ曲げるよりも、抜本的に制度を見直すべきだ。法案を国民に説明出来ない立民は次期参院選で大敗するに違いない。