「人体大全:ビル・ブライソン:新潮社」によると、ヒトは約30兆個のヒト細胞と、30兆から50兆個の細菌細胞とから成っているという。ただし、ヒト細胞の85パーセントは赤血球で、通常の核やミトコンドリアを持たず、実際には単なるヘモグロビンの容れ物なので、本物の細胞とはいえない。そこで差し引くと、ほぼ90%が細菌細胞ということになる。また、遺伝子的に見れば、ヒトの中には自分の遺伝子が約2万個しかないが、細菌の遺伝子は2000万個もあるので、その視点からすると、ヒトのおよそ99%は細菌で、たったの1%がヒトなのだ。つまり、ヒトは何兆、何十兆もの小さな生き物の住まいと言えるのだ。しかし、細菌はヒトに役立ってくれるのだ。自分では利用できない食物を分解してエネルギーの約10%を供給し、その過程でビタミンB2やB12などの有益な栄養素を抽出してくれるのだ。ヒトは20種類の消化酵素を生成するが、細菌は1万種類、つまり500倍多く生成するのだ。もし細菌がいなければ、ヒトははるかに栄養状態の悪い人生を送っていたことになる。
大分大学が、高純度の竹セルロースナノファイバー(竹CNF)が水以外の有機物のガスを放出しない材料であることを世界で初めて実証したと発表した。従来、プラスチックや接着剤から出るアウトガスは、宇宙空間に打ち上げた衛星カメラで撮影する際にレンズを曇らせる原因として課題だった。それが解消され宇宙での活用が見込まれるのだ。大分大学理工学部の衣本研究室は、SDGsとイノベーションに繋がる技術開発を目指している。燃料電池、二次電池の材料、水から水素を取り出すための電極、竹CNFの研究開発をしている。竹に注目したのは、異常繁茂で生物多様性の低下などの社会問題(竹害)を引き起こしているからとのこと。セルロースナノファイバーは、環境にやさしい植物由来の素材ながら、鋼鉄の5分の1の軽さで5倍の強度を持ち、熱で膨張しにくい、吸水性が高いなど、さまざまな特徴がある。今後色々な分野で活用されることになるだろう。同時に竹害が減れば、まさに一石二鳥と言えそうだ。
薬の供給不安が続いている。厚労省は医薬品の供給に関する業務を統括する安定供給責任者の設置を製薬会社に義務づけることにした。安定供給責任者は、原料調達から生産計画、在庫管理などを管轄し、出荷制限や停止の可能性が出てきた場合には同省への速やかな報告をすることになった。2025年の通常国会に関連法の改正案の提出をめざすという。2020年のジェネリック医薬品メーカーでの品質不正が発覚して以降、供給不安が収まらない状況にある。特にせき止め薬や解熱剤が手に入らない。1万6700品目のうち19%が出荷制限や停止状態にあり、このうち後発薬が6割を占めている。安定供給責任者を設置し、安定供給を目指すのは良いが、厚労省にはもっと成すべきことがある。1つは、製薬会社の内部監査の徹底だ。今までは性善説に頼り過ぎていた。性悪説に切り替えて監査を厳しくすべきだ。もう1つは、薬価の見直しだ。せき止め薬や解熱剤は、薬価が低すぎて儲けが出ない。だから製薬会社は製造を渋るのだ。薬価の下げすぎは、製薬会社イジメに過ぎない。そこそこ採算の合う薬価に改定すべきだと思う。
環境省が発表した、水道水に含まれる有機フッ素化合物PFASの全国調査では、今年度は9月までの時点で国の暫定目標値を上回った事業はなかったとのこと。しかし、一方で12月1日に放送される予定のNHKスペシャル「追跡“PFAS汚染”」では、PFASが全国各地の水道水から検出されているという。どちらが正しいのだろうか。環境省の調査は、全国の水道事業者の6割程度だというから当てにならない。PFAS汚染は確実に広がっていると見るべきだろう。PFASは「永遠の化学物質」と言われている。殆ど分解が出来ないからだ。ところが、立命館大がPFASを光触媒で簡単に分解する技術を開発したとのこと。PFASはフッ素と炭素の結合を持つ化合物で、1万種類以上があるとされる。熱や薬品に強く、水や油をはじく性質を生かして、フライパンや食品包装のコーティング剤、カーペットなどのはっ水加工に使用されている。PFASのうち、PFOSとPFOAは発がん性があるため、国際条約で製造が規制されている。その他のPFASは健康への影響は確認されていないが、分解しにくいために自然環境に長く残る。いずれ問題になってくるはずだ。立命館大のPFAS分解技術は地球環境にとって光明と言えそうだ。
相変らず公的年金の将来像の不安が解消されない。厚労省は有識者会議を開き、基礎年金の水準引き上げと在職老齢年金制度の見直しの検討に入った。問題は、全ての人が受け取る基礎年金を底上げする案だ。何とその財源は、会社員などが加入する厚生年金の積立金を基礎年金に回すというのだ。これは、自営業、非正規、専業主婦の国民年金の赤字を、サラリーマンと企業が払う社会保険料で穴埋めするということだ。サラリーマンは有無を言わさず毎月の給与から高額な社会保険料を強引に天引きされている。その積立金を国民年金に回すというのだから、開いた口が塞がらない。国全体で見れば、一括りの年金の中の調整に過ぎないと考えているのかもしれないが、それは屁理屈だ。拾数年前にも同じ話があり、揉めたことがあった。それ以降厚労省は密かに厚生年金の積立金を基礎年金に回していたらしい。それを隠しきれずに今回は有識者会議の俎上に上げたのだろう。そもそも、有識者会議とは曲者だ。厚労省の息の掛かった御用学者の集まりに過ぎない。厚労省作成の案を丸呑みし、アリバイ作りの役を演じているに過ぎない。全国のサラリーマンは声を挙げなければ、厚労省の案が通ってしまうことを認識すべきだ。
「なぜ世界は存在しないのか」の著者で今世界でもっとも注目を浴びている哲学者マルクス・ガブリエルは「AIの内部は回路と電流だけで、思考が無い」と言っている。人間には主体的思考がある。すべての思考には、それを支える論理システムがある。思考は、論理システムのなかにのみ存在している。一方AIはあくまで人間の思考回路になぞらえて設計された機械であり、能動的、主体的な思考は出来ない。だからAIは思考出来ない、と。その結論が「AIの内部は回路と電流だけ」ということになる。一方話は変わるが、人間とコンピューターを繋ぐ事例も存在している。イーロン・マスクのニューラリンクだ。脳にチップを埋め込み、脳とコンピューターを接続する。そのヒト臨床試験の被験者第1号がノーランド・アーボーだ。アーボーは脊髄を損傷し動けなくなってしまった。口に加えた棒でiPadの画面をタッチすることでパソコンを操作していた。ところが、ニューラリンクによって、考えるだけでパソコンを操作できるようになったのだ。その結果、アーボーの人生は激変した。スピードチェス世界大会に招かれ、実際にパリまで遠征して数百人の観客を前に、念じるだけでチェスをプレイする様子を披露した。ニューラリンクは盲目を克服するテストにも取り組んでいる。まさに人間とコンピューターの融合が始まっている。
結婚記念日の記念として、熱海の「せかいえ」に宿泊した。数年前カミサンが美容院の雑誌で「せかいえ」の紹介記事を読み「いつかは」と夢を見てしまったのが発端だ。結婚して53年が過ぎた。金婚式も簡素に済ませた。では、値は張るが行こうかということになった。「いつかはここから眺めて見たい」と願っていた相模湾を一望出来るシートに座った。天気は晴天で風も無く、穏やかな相模湾の向こうに房総半島がクッキリ見える。もうこれだけでも十分だ。何時間でも座っていたいと思う光景であった。ディナーは肉料理つくしをチョイスした。座席数20位が一列に並ぶオープンキッチン。規模の大きさに圧倒されたが、コックの手捌きも一流だった。旨かった。ホテルの気遣いといい間違いなく今までのベストの宿であったと思う。ディナーの前に時間があったので、伊豆山神社まで行ってみた。片道所要時間20分程度だ。途中に逢初川があった。2年前土石流で悲惨な事故があったあの逢初川だ。来年の完成を目標に補修工事が行なわれていた。あまりにも長いためかなり躊躇したが伊豆山神社までの180段の階段を登った。その階段の下には一本の参道が続いている。海岸の走り湯から本殿までは837段あるという。昔の人は837段を登り切ったに違いない。改めて伊豆山神社の霊験さを感じた次第。
トランプがイーロン・マスクを政府効率化省のトップに据えると発表した。トランプは公約に、パリ協定再離脱やEV補助金廃止を挙げている。EVの世界首位企業テスラのCEOであるマスクにとっては逆風のはずだ。でも、そのマスクがトランプに選挙資金として180億円も注ぎ込んだ。マスクの狙いは一体何なのだろう。次世代の車と騒がれたEV人気も今や下火だ。テスラは次なる手を打つ必要がある。間違いなく自動運転だ。だが、それだけのためにトランプに忠誠を誓うだろうか。マスクは、テスラ以外にもスペースX、スターリンク、生成AI、SNSのX(旧Twitter)などを所有している。既に、政府効率化省のトップとして官僚の頭数を大幅に削減すると表明している。と言うことは、マスクの狙いは社会の仕組みを先進的なものに変えることなのかもしれない。そこに商機を見出そうとしているのかもしれない。ひょっとして、上手く行けば、トランプの後釜の大統領となって、米国自体を作り替えようとしているのかもしれない。
日経朝刊の記事「転機の中国14億人の素顔」が面白い。副題は「バズワードで見る中国」で、SNS投稿数の高いものを羅列して、現在の中国の状況を示している。永遠の神YYDS!、弾丸旅行、白菜並み住宅値崩れ、英語ミックス、BYDも乗った流れ、建設止まったマンション、朝9時~夜9時残業文化、社会に閉塞感自暴自棄、巻き込まれる消耗戦、潮流一変公務員人気、将来不安寝てスルー、宅男、単身の犬、鶏の子、海外脱出とある。この見開き2頁で中国庶民の状況が理解出来る。不動産不況の長期化や人口減少など転機を迎えた中国で、SNSには社会問題を端的に示した造語が溢れ、若者による数字やアルファベットを使った言葉遊びもみられる。現在の中国は、習近平の失政で経済はどん底状態だ。しかも、口を挟むことを許さない習近平の高圧主義が、経済を立て直すための議論を封じている。河南省の鄭州では、数万人規模の若者たちが夜間、自転車に乗って約50km先の古都・開封までスープ肉まんを食べに行くという「ナイトサイクリング」が大流行中だ。いよいよ天安門の再来が迫っているように見える。
ソニーグループがKADOKAWA買収に向け協議に入ったと報じられた。ソニーグループの時価総額は18兆円で、KADOKAWAは4千億円だが、今回の報道で6千億円に跳ね上がった。ソニーグループの中核事業は、ゲーム&ネットワーク、音楽、映画。一方KADOKAWAは出版大手の角川書店が源流で、角川映画、ニコニコ動画、N高等学校などの教育事業だ。異質な企業で接点が無い。何故なのだろう。KADOKAWAの稼ぎ頭は出版・IP創出セグメントだ。ライトノベルの出版で生まれたIP(キャラクターや作品の権利)を、アニメやゲーム、放送に展開して儲けている構図だ。ソニーグループは、このIP創出力に目を付けたのかもしれない。単に現事業を拡大するための買収ではなく、中核事業をIPという新しい軸方向へと拡張していくためではなかろうか。しかし、買収情報をロイターがすっぱ抜いてしまい、KADOKAWAの株価が高騰し約1.5倍になってしまった。さて、ソニーグループは買収を決断するのだろうか。中核事業を更に拡張するためであろうから、買収すると思う。効果を考えればソニーグループにとって6千億円は安いものだと思う。
今日は、東京駅八重洲北口2Fの居酒屋で、55年前に会社の初任地配属された同期の飲み会だ。久々に東京駅の外に出てみた。早めに着いたのでヤエチカを探索してみることにした。八重洲中央口を出て、まず目的地とは反対方向の南へと向かった。一度は訪ねたいと思っていた東京ラーメンストリートがある。馴染み深い名前が数々ある。丁度昼時でどの店も長蛇の列が出来ていた。次にイーストテラス方面に向かった。昔は賀茂鶴を置いた広島系の飲み屋があったが、今は無い。以前泥酔してしまった初藤の横を抜け北テラスへと向かった。途中にドンキの新形態の店がある。お菓子ドンキやお酒ドンキだ。ドンキホーテの逞しさを感じた。北テラスの飲食店街も長蛇の行列だった。これ程繁盛すると、店員集めも大変だろうなと思った。同時に、日本は決して不景気ではないと実感した。目的地は北口2Fの店だが、なかなか見つからない。案内板は1Fの店ばかりだ。やっと2Fに登る階段を見つけた。途中の踊り場に目的の店の名前が出てきた。辿り着くのに苦労したヤエチカであった。
国連の世界知的所有権機関が公表した日本の2023年の技術革新指数は世界13位だ。「創造的な成果」などの項目で低得点が目立つ結果となっている。何故日本の研究開発はさえない状況が続いているのであろうか。文科省の人材委員会という有識者会議が日本の研究力の現状と課題、今後の展望を「シン・ニッポンイノベーション人材戦略」として取り纏めている。それによると、国は技術革新に豊富な資金を投入しているが、設備投資が中心で人材の育成には重点が置かれていないと指摘している。修士課程と博士課程の実情を分析しているが、要は大方が研究の場から離れてしまい「宝の持ち腐れ」状態になっているからだとも言っている。人材委員会は、解決策として優秀な人材に海外で研究を積んでもらい、その後で日本に戻ってきて日本の研究の質を高めたいと考えているようだ。しかし、日本の質が悪い状況下で優秀な人材が日本に戻るはずがない。全く机上の空論に過ぎない。日本では国が率先して優秀な科学者らの職を奪っているのが現実だ。理化学研究所では多くの科学者がクビを切られている。単純に理化学研究所の科学者らを優遇すれば、自ずから博士課程に進む学生は多くなるはず。文科省の有識者会議ほど、道を見誤らせるものはない。
大方の予想を覆し兵庫県知事選で斉藤元知事が圧勝し、知事の座に返り咲いた。選挙公示前のマスコミ騒動からは考えられない結果であった。斉藤元知事は、知事としての成果は出していたようだが、高圧的な態度とおねだり体質という人格的な問題があった。更に、公益通報制度に違反し、告発者に圧力を掛けて自殺に追い込んだと報道されていた。誰が見ても、知事として不適格だと思われていた。ところが、それをひっくり返したのだ。その勝因がSNSだという。この選挙は、マスコミ対SNSの情報戦とも言われている。マスコミは通例通り選挙期間中は候補者関係の情報は一切報道しない。一方SNS上では、真偽不明な怪情報が大量に飛び交う。マスコミを信じる年寄り対SNSを信じる若者の戦いであったともいえる。斉藤元知事は知事に返り咲いたものの、果たして今後も知事職を続けることが出来るのだろうか。今回の選挙の成果は、当選するための戦い方が変わったということだろう。棄権の多い若者が投票するようになったのが最大の成果だと思う。但し、若者は真贋を見極める洞察力を身につける必要がありそうだ。
衆院選と同時に行なわれた最高裁裁判官の国民審査の結果、全員信任されたものの不信任率10%以上の裁判官が6人中4人に達した。前回審査では最も高いものが7.8%だったから、国民の裁判官への不信は増しているとみるべきだろう。そんな折「絶望の裁判所:瀬木比呂志:講談社現代新書」が目に留まった。瀬木氏は裁判官を33年間務め、法学の権威である大学教授だ。この本の中で最高裁の実態を赤裸々に曝いている。最高裁上層部の劣化、腐敗に伴い、中間層も、疲労し、やる気を失い、あからさまな事大主義、事なかれ主義に陥っていったと言う。特にキャリアシステム出身最高裁判事の劣化が激しいという。キャリアシステムとは、司法試験に合格した若者が司法修習を経てそのまま裁判官になる官僚裁判官システムだ。それに対置するのが相当の期間弁護士等の法律家経験を積んだ者から裁判官が選任される法曹一元制度だ。キャリアシステム出身判事は、とにかく、早く、そつなく、事件を処理しさえすればそれでよい。冤罪も気にしない。それよりも権力や政治家、大企業等の意向に沿った秩序維持、社会防衛のほうが大切と考えているという。結局、裁判所の官僚化が急速に進行してしまった結果が国民審査結果に表れていると言えそうだ。
エンゲル係数が42年ぶりに28%の高水準に達したとのニュース。28%はG7で最悪の数値とのこと。家計支出に占める食料品の割合は、エンゲル係数と言われる。学校の教科書では、エンゲル係数が低くなるほど豊かだと教えられてきた。今から60年前頃は40%もあった。その数値が下がる度、豊かな方向に向かっていると実感したものだ。時系列的に見ると、エンゲル係数は1960年代から2000年にかけて直線的に下がり続け、40%が25%まで低下した。ところが、2000年を境に上昇し始め2024年には28%に達したのだ。異常気象等で数年来、生鮮食品や穀物などの品目が上がっているためだ。更に高齢化で世帯収入が増えにくくなって消費支出全体に比べて食料品の比率が高まっているのも要因だ。異常気象には抗えないし、高齢化に打つ手は無い。経済評論家の中には「生活が多様化しているので一概にエンゲル係数が高くなったからと言って、生活が貧しくなっているとは言えない」と主張する者もいる。しかし、日本人の生活が貧しくなっているのは間違いない。今こそ収入を増やす方策が求められている。
毎日新聞の記事によると、かつてミスター吉本とも呼ばれた木村政雄吉本興業元常務が松本人志に引導を渡したい訳を語っている。松本は、女性への性的行為強要を報じた週刊文春の記事に対し名誉毀損と主張して、昨年末週刊文春を相手に5億5000万円の損害賠償と謝罪広告掲載を求める裁判を起こした。ところが、今年11月になって突然訴訟を取り下げた。松本のコメントは「強制性の有無を直接に示す物的証拠はないこと等を含めて確認した。参加された女性の中で不快な思いをされたり、心を痛められた方々がいたのであれば、率直にお詫び申し上げる」で「証拠は無いやろ!心を痛めた女がいたのか?一応謝るポーズはとるわ」と聞こえる。判決でも和解でもなく、振り上げたこぶしを自ら下げただけの結論に、木村さんは「ほとぼりが冷めるまで長引かせたのかな。性的行為強要は事実なのかな」と憶測している。同時に「闘うなら最後まで闘うべきだった。テレビの松本は終わった。今後は見たい人だけが動画配信とか舞台で見てくださいって、新しいフェーズに入ってやっていくのがいいと思う」と引導を渡した。更に、松本には助言出来る先輩がいなかったのが敗因と述べているのが印象的だ。
石破首相がトランプに大統領選勝利の祝福の電話をした。しかし、たった5分で一方的に切られてしまったとのこと。尹韓国大統領は北朝鮮問題など具体的な内容で12分話したが、石破は「日米同盟をより高い次元・段階に引き上げたい」という抽象論だけだったのだから、一方的に切られたのも肯ける。石破は、安倍の政敵であったし、長期政権が期待出来ないし、米国が賛同しないアジア版NATOを提唱しているので、トランプへの取っ掛かりが無い。石破は高校時代にゴルフ部だったとのことだが、ゴルフは気の合った者同士でするスポーツだから、安倍のようなゴルフは望めない。現代ビジネスの記事によると、たった1つの望みがあるという。石破はキリスト教徒だ。しかも、トランプと同じプロテスタントの長老派の信者とのこと。「キリスト教の国」アメリカでは、ゴルフよりも宗教、とりわけキリスト教が重要だ。果たして神は一縷の望みを叶えてくれるのだろうか。
東京地裁が大川原化工機の逮捕は冤罪と裁決したが、都・国側、大川原化工機側の双方が控訴し、東京高裁で審理が続いている。大川原化工機の社長ら3人は20年3月、軍事転用可能な装置を不正輸出したとして、外為法違反容疑で逮捕、起訴された。しかし、東京地検は初公判4日前の21年7月30日、起訴内容に疑義が生じたとして起訴を取り消した。東京地裁は、警視庁公安部と東京地検が必要な捜査を尽くさなかったとして違法と認定したのだ。何故違法に逮捕されてしまったのかを検証することは、再発を防ぐためにも極めて重要だ。起訴取り消し後、新たに着任した警視庁公安部外事1課は、捜査の問題点を検証するアンケートを捜査員に実施した。ところが、外事情報部長が「何をやってるんだ。そんなことはやるな」と外事1課長を叱責し、アンケート集計結果を廃棄してしまったとのこと。でも、この外事情報部長は、当時警視庁公安部長だったのだ。結局、己のミスが曝かれないように権力で抹消してしまったのだ。これでは、いつまで経っても冤罪は発生する。警察官の懲罰を担当する監察が調査すべきだ。さて、監察は動き出すのだろうか。でも、動きそうもない。警察組織の上層部のやりたい放題になっているようだ。
138億年前、点にも満たない極小のエネルギーの塊からこの宇宙は誕生した。そこから物質、地球、生命が生まれ、人類の存在に至っている。138億年という長大な時間スケールを理解するために、宇宙カレンダーというものがある。宇宙開闢の瞬間を元日の午前0時、現在を大みそかの真夜中午後11時59分59秒に設定して、138億年の宇宙の歴史をカレンダーの1年間に圧縮して対応させたものだ。宇宙カレンダーの1日は宇宙の歴史の3781万年に対応する。例えば今から45.7億年前に起こった太陽系の形成は、9月2日未明の出来事になる。その日の夜(45.4億年前)には地球が生まれて、やがて海ができ、まもなく地球上に最初の生命が生まれた、と考えることが出来る。地磁気が形成されて宇宙から降り注ぐ放射線から生命が守られる状態がつくられたのが、海洋形成の少し前の9月11日(42億年前)。12月18日(5億2500万年前)にはカンブリア大爆発と呼ばれる生物の種類の爆発的な増加があり、大型の生物が生まれるようになった。その後に隆盛を極めた恐竜は、12月30日の早朝6時5分(6600万年前)に絶滅した。ホモ・サピエンスの登場は、除夜の鐘が鳴る大みそかの23時48分(31.5万年前)だ。人類は、まだ11分しか生きていないのだ。宇宙カレンダーは、物の見方を根底から見直すのに適している。
マイナ保険証には2025年問題がある。政府がお金やポイントをばらまいた結果、国民の約75%がマイナカードをつくり、約8割がマイナ保険証の利用登録をした。でもマイナ保険証の利用率は15%に過ぎない。この時、大量の人がカードを作るために自治体の窓口に押しかけてパニック状態になった。しかし、マイナカードは5年ごとに自治体の窓口で更新しないと使えなくなる。2025年度には、なんと2023年度の約12倍の人が、自治体の窓口に更新手続きのために来る可能性がある。自治体にとってはまさに悪夢だ。更新しない、または出来ない人が多発する恐れがある。更新出来なければ無保険になってしまう。マイナ保険証が無ければ、裏保険証とも言える資格確認書が発行される。しかし、有れば発行されない。しかも、マイナ保険証を解約するのは難しい。厚労省のマイナポータルにはマイナ保険証の登録システムはあるが解約システムは無いのだ。自治体も医療関係者も介護施設も現行の健康保険証の廃止に反対している。日本政府のデジタル化は、非効率と不合理を生んでいる。
VRの技術開発が加速している。GAFAMが本格参入し加熱気味だ。画像の繊細さ、レスポンスの速さ等は飛躍的に向上しているが、あのVRゴーグルの形状は変わらない。その走りを30年前に見たことがあるが、形態は全く同じだ。つまり原理は同じということだ。ところが革新があった。TDAとQD LASERがレーザー網膜投射技術を開発した。人間の眼球の奥にある網膜をスクリーンとして、レーザーで映像を投影する技術だ。もともと近視や弱視対策としても注目されていた「見える」の世界を拡張するための技術だ。レンズを通さないから周辺部のにじみも光量落ちもないし、VRのデジタル映像を見るための補正レンズも不要だ。1本のフルカラーレーザー光で高速ラスタースキャンして網膜に投影する。レーザー素子の制御を電流から電圧に変えることで、理論上4K以上の解像度も可能になったという。しかも、アイトラッキングつきで眼の動きに映像がついてくる。VRゴーグルとはもうオサラバだ。やっと空想社会を現実にする時代が、もうそこまで来ている。
眠れなくなるほど面白いシリーズの「宇宙の話:渡部潤一:日本文芸社」が実に面白い。「もしトラ」ではなく「もし月が無かったら」という話。学校で習ったように、地球と月は万有引力でお互いに引き合っている。この引力と、引き合いながら回るときに生じる遠心力が海の干潮と満潮を引き起こしている。この月の潮汐力は地球の自転スピードを遅くする作用をしている。もし月がなかったら、地球は1日8時間という猛烈なスピードで回転していたと考えられる。そうであれば地表も海も大荒れの状態で、現在の人類のような進化は望めなかったに違いない。また、地球の自転軸の傾きを一定に保ってくれているのも月の引力だ。地球は自転軸が約23.4度傾いた状態で太陽の周りを1年かけて公転している。月がなければ、自転軸がわずか1度ずれただけでも、その傾きは予測不能な変動を起こす。もし月がなかったら、地球の自転軸は不規則に変化し、大規模な気候変動が起こっていたはずだ。月こそが、地球に生命の誕生をもたらしたと考えられるのだ。地球は、月があってこそ奇跡の惑星なのだ。自然に感謝し、戦争などでいがみ合っている場合ではない。
拮抗していると言われていた米大統領選は、トランプ312、ハリス226で、トランプの圧勝に終わった。日本のマスコミは、拮抗状態だと報道し続けていたが、その根拠は何だったのだろうか。一方で識者はトランプ圧勝を予測していた。木村太郎は得票数まで正確に当てた。日本のマスコミが如何に偏向してしているかが明白になった。さて、トランプ政権になって何が変わるのだろう。経済面では関税だ。日本等同盟国からの輸入に10~20%の関税をかけ、中国には特別に全輸入品に対して一律60%の関税を課すとと公約している。60%の関税は、中国GDP4.2%を1.7%に下げると試算されている。アジア経済が大打撃を受けることは必至だ。軍事面では、米軍の駐日経費の倍増を要求してくるに違いない。更に日米軍事協力が進む。沖縄には世界最強の核戦闘部隊が常駐しているが、やがて日本は核施設も核部隊もアメリカと共有することになる。アメリカの核の傘の下から日米共有の核の傘の下に変わる。日本の安全保障が根幹から変わろうとしている。でもマスコミは、石破首相は高校時代ゴルフ部だったので、安倍同様にトランプとゴルフ外交をすれば良いなどと報道している。何処までも脳天気なマスコミと言える。
高齢者には、運転免許証の更新手続きが複雑で手間の掛かるものになってきた。過去に違反をしていなくても、認知機能検査と高齢者実車講習が必須になっている。12月生まれだというのに、7月に認知機能検査を受け、11月の今日高齢者実車講習を受けた。両方パスしたので12月は運転免許センターへ更新手続きをしに行くことになる。このブログ「認知機能検査の見直しを」にも書いたが、現在の認知機能検査は認知症を判断するものにはなっていない。その割に手間もお金もかかる。一方で、医療のデジタル化が猛烈な勢いで進んでいる。従来医療機関で使用されている認知症の診断ツールはミニメンタルステート検査で、紙ベースで心理士やドクターの質問に患者が答えていくものだが、所要時間が平均10分から15分ほどかかる。ところが、スマホに入れたアプリを使ってわずか1分で認知症の診断ができる画期的なアプリが開発され、2026年には実用化の見通しだという。自動車は自動運転技術の進化で安全確保が進んでいるが、免許更新においてもデジタル化を進めてほしいと思う。
自己修復する素材の開発が盛んだ。自己治癒素材と言う。自己治癒素材は、高分子独自の治癒方式やマイクロカプセル方式が多数開発され、自己治癒金属も開発されている。高分子自体の治癒方式は、高分子物質自体が熱や光、衝撃のような外部の刺激からエネルギーを得て、自ら復旧能力を備えるのだ。従来の商用コーティング素材にヒンダード尿素と光エネルギーを熱エネルギーに変える染料を混ぜると、車の表面コーティングに傷がついても、日光による熱エネルギーで分子が移動し、傷が修復されるのだ。コンクリートでは、空気で石灰を作る微生物を混ぜておくと、その後亀裂で微生物が空気中にさらされると石灰が生成され、コンクリートの亀裂を埋めるのだ。NASAでは自己治癒繊維を開発した。この繊維は、速いスピードで飛んでくる微細な宇宙ゴミなどで発生する可能性のある宇宙服の穴を自ら埋める機能を有しているという。そのうち、人体の自己治癒も夢では無くなるかもしれない。
石破首相のだらしなさが目立っている。まず、石破内閣のひな壇集合写真にケチがついた。ズボンがつり下がり白いシャツか下着が露わになっている。一国の首相としての品位に欠ける。早々に内閣府が写真を修正した。この写真を撮ったのは素人ではあるまい。プロ意識に欠けるカメラマンだったのだろう。何故採用したのだろうと不思議に思う。また、4年前のYouTube画像もやり玉に挙がっている。行きつけの蕎麦割烹店で対談しながら、サンマの塩焼きを注文した。箸の持ち方、茶碗の持ち方が異常だ。肘をついたまま魚をつまんだり、箸を左右1本ずつ握り、魚の骨を取ったりする様子が写されていた。所作を習ったり躾を受けることが無かったのだろうか。躾は親の責任だと思う。我が家の子供たちには、小さい時から箸や茶碗の持ち方を厳しく躾けた。でも、孫たちは石破流だ。箸の持ち方を教えても改める様子は無い。結局、石破の所作は孫レベルということになる。残念。
11月に入り、近所の神社で七五三の参詣に詣でる家族を見掛けるようになってきた。微笑ましいと思う反面、着飾った子供たちの心境は如何にと思うこともある。70年前以上の自分自身の七五三はどうだったのかは覚えていない。新しい服を着るのは恥ずかしかったから、多分嬉しくなかったに違いない。嬉しかったのは親が千歳飴を買ってくれたことだ。でも食べると歯が痛くなるので辛い思い出でもあった。最近の七五三は、親が記念にと出張撮影のプロカメラマンに頼むことが多いようだ。ところが、過剰な演出・効果や大がかりな機材の持ち込みなどが他の参拝者の迷惑行為になるとして、撮影禁止とする神社も増えているという。我が子を祝うため、端に迷惑をかける。まさに現代の世相を表している。この構図は、迷惑な撮り鉄に似ている。世の中、自分ファーストが蔓延り、周りが見えなくなっている。
セロトニンは、情緒や食欲などの調節に必要な物質で、幸福感やリラックス感をもたらすと知られてる。また、睡眠ホルモンと呼ばれるメラトニンの生成にも使われており、睡眠の質の向上にも関与している。反面セロトニンが不足すると、うつ病や不安障害のような精神的な問題を引き起こすと考えられており、セロトニンの量を適切に保つことは、心の健康に重要だ。ところが、セロトニンを直接摂取することは出来ない。体内で合成されるのだ。セロトニンの生成にはトリプトファンが必要だが、トリプトファンは体内で合成されないため、食事から摂取する必要がある。また、トリプトファンからセロトニンを合成する過程では、腸内細菌やビタミンB6によるサポートが必要となる。トリプトファンを脳に届けるには炭水化物が必要だ。従って、セロトニンを増やすには、トリプトファン含有食べ物、ビタミンB6含有食べ物、炭水化物を摂取する必要がある。トリプトファン含有食べ物には、卵、乳製品、大豆、ナッツなどがあり、ビタミンB6含有食べ物には、ニンニク・ショウガ、魚類などがある。更に、セロトニンを増やしたり分泌を促進するには、朝、日光を浴びること、よく噛んで食べること、人との繋がりを増やすこと、リラックスするための深呼吸や軽い有酸素運動等が効果があるという。何だか、このブログを書いているだけで幸せな気分になってきた。
小林製薬の紅麹コレステヘルプは体内のコレステロール合成を抑制する痩せ薬サプリメントとして売られていた。だが、製造工程でプベルル酸が混入し腎疾患による健康被害を多発した。ドラッグストアでは、ビタミン剤、コンドロイチン、コラーゲン、コエンザイムQ10、プラセンタ、ニンニクエキスなど数えられない程サプリが並べられている。サプリメントは健康を補うためとして服用されているが、そもそも、本当に効果はあるのだろうか。「正しい医学知識がよくわかる あなたを病気から守る10のルール:津川友介:集英社文庫」によると、殆どのサプリは、メリットが立証されておらず、それどころか摂取することで健康を害す恐れもあるという。世界で最も活発に研究が行われているのが、オメガ‐3脂肪酸とビタミンDの2つだという。オメガ‐3脂肪酸とは、ALA、EPA、DHAなどいわゆる健康に良い油のことだ。我が家でも、オメガ‐3脂肪酸を重用している。だが、世界レベルの研究チームは心疾患について効果は認められなかったと結論付けたという。ビタミンDに関しても、まだ健康上のメリットがあるというエビデンスはないというのが結論だ。一方で、サプリメントを摂る必要がある人もいる。例えば、骨粗鬆症の人。結論は「なんとなく身体に良さそうだからという理由でサプリメントを摂取するのは間違っている」ということのようだ。
主治医の診察を受けた後、薬局へ薬を貰いに行く。自分は、先発医薬品2種とジェネリック1種を処方されている。すると薬局では、必ずジェネリックに変更しませんかと訊かれる。でも、特に降圧剤は、先発とジェネリックでは効き目が相当違うので、自分は先発に固持している。薬局がジェネリックを推奨する理由は、厚労省の指示によるものだ。厚労省はジェネリックに変更すれば薬局が儲かる仕組みを導入している。患者が先発を使い続けると値上げされる仕組みも導入されている。国の医療費を抑制するため、厚労省がジェネリックに誘導しようとしていることは理解出来る。しかし、今国を挙げてジェネリックに切り替える方針を貫いて良いのだろうか。数年前からジェネリックの大手製薬会社の不正が発覚し、多くの薬が生産中止になっている。ジェネリックの8042品目中1057品目が限定出荷で、890品目が供給停止なのだ。解熱鎮痛剤、かぜ薬、不整脈、高血圧、狭心症、アトピー性皮膚炎、気管支炎、うつ病などの治療薬が不足状態なのだ。厚労省は、まずジェネリックの安定供給に力を注ぐべきだと思う。