138億年前、点にも満たない極小のエネルギーの塊からこの宇宙は誕生した。そこから物質、地球、生命が生まれ、人類の存在に至っている。138億年という長大な時間スケールを理解するために、宇宙カレンダーというものがある。宇宙開闢の瞬間を元日の午前0時、現在を大みそかの真夜中午後11時59分59秒に設定して、138億年の宇宙の歴史をカレンダーの1年間に圧縮して対応させたものだ。宇宙カレンダーの1日は宇宙の歴史の3781万年に対応する。例えば今から45.7億年前に起こった太陽系の形成は、9月2日未明の出来事になる。その日の夜(45.4億年前)には地球が生まれて、やがて海ができ、まもなく地球上に最初の生命が生まれた、と考えることが出来る。地磁気が形成されて宇宙から降り注ぐ放射線から生命が守られる状態がつくられたのが、海洋形成の少し前の9月11日(42億年前)。12月18日(5億2500万年前)にはカンブリア大爆発と呼ばれる生物の種類の爆発的な増加があり、大型の生物が生まれるようになった。その後に隆盛を極めた恐竜は、12月30日の早朝6時5分(6600万年前)に絶滅した。ホモ・サピエンスの登場は、除夜の鐘が鳴る大みそかの23時48分(31.5万年前)だ。人類は、まだ11分しか生きていないのだ。宇宙カレンダーは、物の見方を根底から見直すのに適している。
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