2020年9月

インターネットバンキングの夜明け

電子決済サービスを使った不正出金の広がりが底なしの様相だ。ドコモ口座の場合、今日時点で157件、計2760万円の不正出金が確認されている。犯行の手口はこうだ。まず犯人が被害者の銀行の口座番号、ログインパスワード、キャッシュカードの暗証番号をフィッシング詐欺などで入手する。次ぎに銀行のインターネットバンキングを使って他人名義のドコモ口座を開設する。犯人は被害者の銀行口座からドコモ口座にお金をチャージし、ドコモ口座から預金を引き出す、という具合。二段認証をしていない脆弱な銀行が狙われた。今回のドコモ口座事件には、これまでのサイバー金融犯罪と比較して大きく違う点がある。これまで不正利用では、自分のクレカが不正に使われても明細書を見て不正と判断し調べることが出来た。だがドコモ口座事件では、身に覚えが無いドコモ口座に引き落とされ、ドコモに確認しても他人名義になっているので調べてもらうことも出来なかったという。被害者の大半はドコモユーザーではなかったとのこと。15日金融庁は二段認証を導入していない銀行には決済サービスへの入金を停止するよう急遽要請し、40行以上が入金を止めたという。日本のITは超遅れている。インターネットバンキングの夜明けということだろう。

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サハロフ賞とノーベル平和賞

EUは1990年に人権や自由の擁護活動をたたえる「サハロフ賞」をアウン・サン・スー・チー国家顧問に授与したが、受賞者としての活動資格を停止したと発表した。ミャンマーのイスラム系少数民族ロヒンギャに対する犯罪行為を容認し行動を怠っていると問題視したからだ。当然の資格停止だと思う。なお引き続き受賞者としては残るという。一方ノーベル平和賞でも、授与後受賞に相応しくなかった事例が多くある。沖縄に核があるのを知りながら非核三原則を提唱した佐藤栄作、ミャンマーの人権と民主主義の確立のため非暴力闘争をしたアウン・サン・スー・チー、地球温暖化のアジテーターとなったアル・ゴア、核無き社会を国際社会に訴えたバラク・オバマ等々、数え上げたら切りが無い。ノーベル賞は実績が物を言うが、平和賞だけは実績が伴わなくても「理想」を公言すれば授賞対象になるようだ。しかし、50年も経てば、真実が明らかになる。明らかに受賞要件に外れている授与は、取り消しを図るべきだと思う。ノーベル平和賞のあげっぱなしは、歴史的真実を歪めることになる。

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ダイヤモンド電池

かつては傍流の技術だったベータボルタ電池が、最近になって注目されつつある。技術は未完だが本命とされているのがダイヤモンド電池だ。英ブリストル大学の研究チームが放射性炭素原子C14からなるダイヤモンド電池を試作し実用化実験を開始しているという。電池には、リチウムイオン電池のように化学反応によって電気をつくる化学電池と、放射線の電子を電力に変換するベータボルタ電池がある。前者は高出力短寿命だが、後者は低出力長寿命だ。今までのベータボルタ電池は、半導体素子の間に放射性物質が挟まれた構造になっている。半導体素子と放射性物質の距離で発電効率が変わってくる。ところが、この人工ダイヤモンドはサンドイッチ構造ではなく、放射性炭素原子C14が半導体素子と放射性物質の役割を果たしている。従って、電子の移動距離が極めて短く電力変換効率を最大化しているのが特徴だ。放射性炭素原子C14の半減期は5,730年。宇宙産業や危険箇所での使用が有望視されている。そのうち、電池寿命より本体が先に劣化し、修理が必要となる時代が来るのかもしれない。

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デジタル庁と船橋市

コロナ騒動で日本がデジタル化後進国であることが露呈してしまった。菅次期首相候補は早速デジタル庁なるものを公約に掲げた。果たしてデジタル化はデジタル庁なる役所を創設しないと達成出来ない代物なのだろうか。日経ビジネスによると、千葉県船橋市の保健所は今年3月に2週間という短期間でコロナ情報のデジタル化を実現したという。船橋市の情報システム担当者が相談を持ちかけた相手は、以前に市民向けに情報提供するモバイルアプリの開発を発注した実績があったセールスフォース・ドットコムSF。SFは1週間でベータ版を作り上げ、その後改良を加え、リアルタイムで感染状況が把握でき、県や厚生労働省への報告もすぐに出来る完成版を2週間後に納入したという。成功の要因は2つある。1つは、SFが一定期間無償提供すると申し出て、仕様書や予算獲得ありきの壁をぶち破ったこと。無駄な役所ペースの仕様確認・追加予算獲得の時間を無くしたということだ。もう1つは、開発途上のソフトウエアを依頼主に示しながら改良していくアジャイル開発という手法を取ったことにある。修正点を協議しながらの開発が可能になった。でも、日本の各省庁は独自のレベルの低いソフト開発会社を抱え固守している。しかも仕様書ありきだ。だから時間もかかるしお金もかかる。もし、菅のデジタル庁が船橋市と同じように出来るのならば上手くいくのかもしれない。結果はすぐに分かる。政治は結果で判断するものだ。

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ジャパンハンドラー

米国の戦略国際問題研究所CSISが日本に向けて出すレポートは、米国の意向を伝えるものとして、日本の歴代政権に対して影響力を持っているという。安倍首相の辞任理由は、潰瘍性大腸炎だけでなくCSISレポートにもあると言われている。米国は中国封じ込め策へと転換し、そのための世界戦略の再編成を始めている。日本は二階幹事長が一帯一路に協力すると発言し、習近平を国賓として招こうとしていた。中国やロシアとの比較的に近い関係を維持する安倍政権では、この新戦略を実施するのは不可能であると判断したのだろう。政権内の親中派の存在に警鐘を鳴らし、間接的に辞任を迫ったようだ。一方で、河野防衛相がCSISのイベントにオンラインで参加し「衆議院の解散総選挙は10月のどこかで行われるだろう」との見方を示したことがリークされた。今年の1月には河野はCSISで「私は日本の総理大臣に並々ならぬ意欲を持っている。私は、日本の政治リーダーになるにふさわしい」と強くアピールしている。恐らくリークは河野でOKというサインなのだろう。CSISは外交問題評議会CFRの対日工作機関でジャパンハンドラーと呼ばれている。CFRは米国及び世界の政治・経済の方向性を牛耳っている超権力機関だ。菅政権が短命で終わり、そのうち河野政権が誕生すれば、日本の政治はCFRが意向を決定しCSISが実行することが証明されたことになるのだろう。

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代わり映えしそうもない

日経ビジネスのコラム「言葉をこん棒として使う人たち:小田嶋隆」が面白い。さすがコラムニストの第一人者だと思う。一服の清涼剤だ。言葉をこん棒として使う人たちとは、安倍政権の主要メンバーのことだ。以下コラムを抜粋する。「現政権の主要メンバーには、質問にマトモに答えないこと、質問者を愚弄すること、会見を設定した言論機関の体面を失わしめること、質問そのものを揶揄すること、記者と政治家の間に設定されている会見が対等なコミュニケーションの場ではないことを記者たちに思い知らせること、質問の意味を意図的にすり替えて回答すること、回答の言葉を意識的に無意味化すること、といった調子のある種のニヒリズムが強く共有されている。これは、学級崩壊した教室の中学生たちが、授業の進行を意図的に無効化させようとする態度と相似で、授業妨害に参加しない生徒は仲間はずれにされる。菅官房長官による記者の言葉を聞かない応答や、麻生副総理による若手記者への恫喝も同じタイプの反応だ」。自分は安倍首相や菅官房長官の記者会見を見ていると、いつも不快に感じていた。その不快感の正体がこのコラムではっきり見えてきた。言葉をこん棒として使う通底がある限り、政権が替わっても何ら代わり映えしそうもない。

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チェコの台湾訪問の成果

今月初めにチェコの上院議長が率いる代表団が台湾を訪問したニュースには驚いた。一つの中国を国是とする中国は、台湾と関わった国を徹底的に叩くのが常態化されているからだ。チェコは一帯一路などで中国と親しかったはずなのに、何故敢えて台湾を訪問したのだろうかと疑問に思った。調べてみると状況は見えてくるものだ。中国は2014年に一帯一路構想を掲げた。2016年に習近平がチェコを訪問し、高額な投資を約束した。だが、約束は守られず対中国貿易の赤字が拡大。一方で台湾の鴻海科技集団やACERなどがチェコでビジネスを展開し、今やチェコ第二の企業規模で展開している。チェコが中国を切って台湾を選んだのは当然の結果だったようだ。独仏もチェコを後押ししている。各国の政治家は「一つの中国の原則」は放棄しないが、台湾との経済的な結びつきを重要視する傾向にある。もうすぐ米国は正式に一つの中国を否定し、台湾との国交を樹立するかもしれない。それはそれとして、中国は稚拙で暴力的な外交を悔い改めるチャンスではあるのだが。さて歴史が動き始めたようだ。

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懲りない原発安全思想

核のゴミ最終処分場選定に向けた調査に対し、寿都町に続き北海道神恵内村が応募の検討を始めるとのこと。神恵内村は人口約800人、主要産業は漁業。泊原発のある古宇郡泊村の隣村で、安全協定を結ぶ立地自治体の一つ。原発を理解している村だと言う村人もいる。人口減少対策と雇用を生み出す方法の1つとして商工会が半年前から検討を続け、村議会に応募を検討するよう請願しているという。だが、問題は二つある。一つは、国が公表した処分に適した場所を示す科学的特性マップによると、神恵内村は南側の一部を除いて殆どが不適地とされている。核のゴミ最終処分場には適さないのだ。もう一つは、梶山経産相が「適地が一部でもあれば手を挙げられる可能性はある」と言及したこと。もし、神恵内村の南部に最終処分場が建設されれば、やがて不適地である神恵内村全体に最終処分場が増設されることは、今までの原発建設の経緯から見ても明らかだ。それが更に拡大解釈されて、北海道なら何処でもOKということになる恐れもある。梶山経産相を始め国の原発安全対策は極めて無責任だ。ここなら絶対大丈夫という立地を厳選すべきだ。脱原発派の河野防衛相が首相になれば、経産省の原発信仰を改宗出来ると思うのだが。

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すぐに底が割れる

次期首相を決める自民党総裁選の立候補者が出揃い、論戦がスタートした。石破は、地方創生、コロナ対策、特措法の改正、防災省の必要性を説き、国のあり方を見直すグレートリセットを主張。手元のメモは殆ど見ず、自分の言葉で自信を持ってアピールしていた。菅は、自身の生い立ちから決意表明まで、大半をメモを読みながらしゃべった。どう見ても自分の言葉では無い。安倍同様にスピーチライターが作ったものだろう。「しっかり挑戦していきたいと思います」と締めくくった。「しっかり」には具体性が無く、「思います」には実行するかは分からないという曖昧さだけが残った。岸田は、「え~、あ~」が多く準備不足で、優柔不断の印象を与えた。有事の際には全く役に立たないと自身が証明しているような感じだった。少なくとも、この演説会では、石破が首相として適任という印象を与えた。10月総選挙という噂もあるから、1ヶ月間の短命内閣になる可能性もある。誰が当選しても問題は無さそうだ。でも、このように政治家に演説や討論をさせることは非常に重要だ。すぐに底が割れる。米国の大統領選ように、1年かけて論戦を繰り返せば日本でも有能な首相を発掘出来るに違いない。

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モーリシャスその後

モーリシャスの重油流出事故に関し、ジャグナット首相は茂木外相との電話会談後「決して日本の責任とは考えていない」と述べたという。流出事故が起きたのは7月25日。既に一月半が過ぎた。当初緊急援助隊を派遣し、小泉環境相も出来ることはやると表明したのに、その後民間マターだとして重い腰を上げなくなった。民間マターと言えども、日本船籍のタンカーが世界的な生物多様性のホットスポットを重油で汚し、環境や漁業に重大な被害を与えているのだから、日本は政府として積極的に回復を図る義務があるはずだ。モーリシャス政府もそう思っていたに違いない。だから、ジャグナット首相の「決して日本の責任とは考えていない」発言は奇異に感じた。茂木外相は今になって電話会談で、事故再発防止のための海上航行安全システム強化への支援、マングローブ林保全・再生のための専門家の派遣、モーリシャス経済への財政面を含む協力等々を提案・説明したという。こう提案されればジャグナット首相は支援の遅さに不満は言えず「決して日本の責任とは考えていない」と言わざるを得なかったのだろう。日本のやるべき最善策は、事故直後に重油流出拡大の防止と汚染防止対策の実施だったと思う。我が手を汚さず、全てを金で解決しようとする日本政府の常套手段には腹が立つ。

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アスファルトと大気汚染

近所の道路が水道・ガス工事で何カ所も掘り返された後簡易舗装され波打ち、車で通ると洗濯板に乗っているような揺れを感じた。先日全面的に表層が剥がされ、アスファルトで全面舗装された。ラインも再塗装され快適な道に生まれ変わった。ところが、そのアスファルトには大きな問題があるようだ。米イェール大学の研究チームが「アスファルトは二次有機エアロゾルの発生源である」と研究結果を発表した。二次有機エアロゾルとは、喘息や公害病のもととなる粒子状物質の一種だ。夏場のアスファルトはガソリン車やディーゼル車よりも多くの汚染物質を放出していることが分かったという。今回の研究のきっかけとなったのは、過去に行われたロサンゼルスの大気汚染に関する調査。大気中に含まれていた半揮発性有機化合物と呼ばれる汚染物質の出所が謎だった。都会は農村部よりも暑く空気も汚れている。これまでは自動車や工場の所為にしていたが、特に夏場はアスファルトが主犯のようだ。アスファルトは原油精製後の残渣だが、使い勝手が良く重宝していた。今後、汚染物質の発生を抑えるためのアスファルト改質か、アスファルトの代替となる材料の開発が必要だ。

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両方丸々益

北海道興部町と大阪大学は、牛の糞尿から発生するメタンガスからメタノールとギ酸を製造することに世界で初めて成功したと発表した。牛は牛乳の3倍もの量の糞尿を排泄するが、処理しきれていないのが現状。しかも糞尿は生乳の品質を落とす原因になっている。一方、生成されるメタノールは燃料電池の燃料として使われている工業用アルコールで、国内生産が出来ず全量を輸入に頼っている。ギ酸は牛の飼料を水分調整する添加剤として使われているし、水素を取り出すことが出来るのでこれからの水素社会に利用出来る。大岡裁きは三方一両損で丸く収めたが、この技術は両方丸々益だ。通常、メタンガスと酸素を反応させると二酸化炭素と水に変わってしまう。成功したポイントとなった物質は「二酸化塩素」とのこと。二酸化塩素に着目したのは企業から「どうして二酸化塩素に殺菌消毒機能があるのか?」との相談を受けたのがきっかけとのこと。その相談と真摯に向き合うことで、今回の成功に辿り着いたという。異なるフィールドから情報を得て、自分なりに仮説を立て、突き詰めていくと新しい発見に辿り着くこともある。専門を深めることも重要だが、学際研究も大切という事例だ。

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ねえ、アレクサ

ガラケーからスマホに替えて半年以上経った。まるでパソコンと同じようで便利だが、未だにSiriを使ったことはない。何となくスマホに話しかける行為を恥ずかしく感じるからだ。OK Googleも同じ機能でAIアシスタントの進歩は目覚ましい。スマホばかりか、Amazon EchoやGoogle Homeのようなスマートスピーカーを設置してある家庭もあるようだ。独身であれば、家に帰ってアレクサと声を掛ければ癒やしになるのかもしれない。ところが米国ではスマートスピーカーで記録された音声データが、事件の証拠として法廷に提出されるケースが相次いでいるという。スマートスピーカーは、まず利用者が声を登録し、利用時はその声を認識してアシスト対応をする。取り調べ中の容疑者の供述のウラを取ったり、嘘を暴いたりする手段として、警察が活用しているというのだ。今はスマートスピーカーが正義の味方として大活躍だ。しかし、技術の進歩は速い。そのうち、AIを改造し、アリバイ作りに精を出す輩が現われてくるに違いない。ああ言えばこう言う、ああすればこうする。世の中の技術は常にイタチごっこだ。ねえ、アレクサ。

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デジタルサービス税の行方

米国の大手IT企業の税負担が不公平なためEU諸国がトランプの反対を押し切ってデジタルサービス税を導入した。Apple・Amazon・Googleなどの米国大手IT企業は、節税のため税負担の軽いタックスヘイブンの地に本社を移している。更に、米国への納税はそこそこだが、米国以外の国には殆ど税金を払っていない。EUのデジタルサービス税導入に伴い、米国大手IT企業はデジタルサービス税を払い始めたが、そのやり方が狡い。AppleはApple Storeのアプリの価格を値上げし、開発者への支払い額は減らした。GoogleはGoogle検索やYouTubeで提供される広告に追加料金を請求した。Amazonもサードパーティ販売者への手数料を2%増加させた。Facebookも近日中にGoogleの動きに追随すると見られている。米国のハイテク企業の税負担を増加させるのが狙いだったはずのデジタルサービス税が、EU諸国の消費者や広告主、アプリの開発者、サードパーティの販売者など第三者に負担を負わしている。デジタルサービス税は各国が独自に創設するのではなく、一致団結して国際的な税制改革で対処すべきだ。そうしないと、新たな税金は報復措置を招くというトランプ政権の脅迫に屈してしまうことになる。

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月の酸化鉄

月には大気が無く酸素は存在していないはず。ところが、ハワイ地球物理学・惑星学研究所の研究チームが月に酸化鉄が存在することを発見したと発表した。しかも、その酸素は地球の大気が吹き付けた結果だと説明している。鉄は酸素と非常に反応しやすい。すぐ錆びて赤くなる。これまで月に鉄があることは知られていたが、酸化鉄が発見されることはなかった。もし、酸化鉄があったとしても、月に吹き付ける太陽風の水素によって還元されてしまうと考えられていた。研究チームによると、酸化鉄は常に地球に面する月の表側に集中していることが分かったという。一方日本の月周回衛星「かぐや」のデータが、太陽風によって地球の上層大気が月面に吹き付けられていることを証明していた。そこで研究者らは地球の大気が吹き付けた結果だと結論づけたとのこと。NASAは2024年までに再び月面に人類を送る「アルテミス計画」を構想している。現在の酸化鉄存在の根拠は衛星写真のスペクトル解析によるものだが、アルテミス計画で月の実物の酸化鉄を回収出来るかもしれない。宇宙科学は奥が深い。夢が現実になる。

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抜本的な教育改革を

ユニセフが先進国の子どもの幸福度ランキングを発表した。対象はOECDとEUに加盟している38カ国。精神的幸福度(生活満足度が高い子どもの割合、自殺率)、身体的健康(子どもの死亡率、過体重・肥満の子どもの割合)、スキル(読解力・数学分野の学力、社会的スキル)の3分野で総合評価される。今年の日本は、精神的幸福度37位、身体的健康1位、スキル27位で総合20位だった。一言で言うと「身体は健康に育っているが、精神的に問題が大ありで、知能も低い」という散々な結果だ。1位がオランダ、2位はデンマーク、3位はノルウェー、そしてスイス、フィンランドと上位をヨーロッパの国が占めた。因みに7年前の日本の総合は6位だったから、7年半に渡った安倍政権で子どもの劣化が相当進んだと言える。このまま進むとお先真っ暗だ。次期政権には、抜本的な教育改革を期待したいものだ。

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大坂なおみの7枚の黒いマスク

全米OPテニス大会が始まった。大坂なおみの初戦は土居美咲。白人警官によって射殺された黒人女性の名前がプリントされた黒いマスクを着用して入場した。先月の前哨戦では人種差別抗議のため準決勝戦を欠場すると一旦は宣言したが、出場した方が強い抗議になると諭され出場した経緯がある。それらに対し日本のSNSでは、スポーツに政治を持ち込むなとか、スポンサーの日清の不買を呼びかける人までが現われる始末だとか。そこで、人種差別と政治とスポーツの関係について考えてみた。まず、人種差別撤廃運動は政治問題ではない。元々人は人種によらず平等だから、イロハのイの字に位置している。そのイが集まって政治を形成するのだから、政治より優先するのは当たり前。スポーツは平和だからこそあり得るものだ。戦時中でもスポーツ大会があったのは、戦時だからこそと平和を願って行われたものだった。決してスポーツが平和よりも優先されるからではない。更に言えば、スポーツは神聖とか公平なものだとは決して言えない。端的な例が野球の巨人だ。金の力で他チームの有力選手をかき集め優勝確率を上げている。スポーツに政治を持ち込むなと叫ぶ人が、まず初歩的に球団だけに糾弾すべき問題だと思う。大坂なおみは名前がプリントされたマスクを7枚持っているという。7枚目の黒いマスクが披露されることを願いたいものだ。

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