インターネットバンキングの夜明け

電子決済サービスを使った不正出金の広がりが底なしの様相だ。ドコモ口座の場合、今日時点で157件、計2760万円の不正出金が確認されている。犯行の手口はこうだ。まず犯人が被害者の銀行の口座番号、ログインパスワード、キャッシュカードの暗証番号をフィッシング詐欺などで入手する。次ぎに銀行のインターネットバンキングを使って他人名義のドコモ口座を開設する。犯人は被害者の銀行口座からドコモ口座にお金をチャージし、ドコモ口座から預金を引き出す、という具合。二段認証をしていない脆弱な銀行が狙われた。今回のドコモ口座事件には、これまでのサイバー金融犯罪と比較して大きく違う点がある。これまで不正利用では、自分のクレカが不正に使われても明細書を見て不正と判断し調べることが出来た。だがドコモ口座事件では、身に覚えが無いドコモ口座に引き落とされ、ドコモに確認しても他人名義になっているので調べてもらうことも出来なかったという。被害者の大半はドコモユーザーではなかったとのこと。15日金融庁は二段認証を導入していない銀行には決済サービスへの入金を停止するよう急遽要請し、40行以上が入金を止めたという。日本のITは超遅れている。インターネットバンキングの夜明けということだろう。