首を締める技術

米中技術戦争が勃発している。中国の韓正副首相は半導体生産団地を視察し、企業は「首を締める」技術を開発しなければならないと語ったという。首を締める技術とは、技術輸入に頼らなければ中国産業が圧迫される核心技術のことだ。ファーウェイの半導体制裁が始まりだが、その他にも核心技術が25種類もあると中国科技日報が報道した。シリコンウエハーの上に回路パターンを刻む技術で、中国の微細回路工程水準は平均28ナノメートルだが、台湾や韓国は7ナノメートルの技術を持っている。PCやスマホのOSはマイクロソフトとアップル、グーグルの独壇場で、ファーウェイはまだまだ力不足。工学分野で必須のプログラムであるデータ分析ソフトウエアのMathlabを使えない。中国は世界最大のロボット生産国だが、核心アルゴリズム技術がない。触覚センサーは産業用ロボットの核心技術だが日本が独占している。真空蒸着機、中型ガスタービン、高圧プランジャーポンプ、高圧コモンレールシステム、電子顕微鏡、高級炭素繊維部品用エポキシ樹脂等々の基幹技術は全て米国と日本が所有しているのが現状だ。今まで中国は技術導入で世界の工場化を成し遂げてきた。米中が仲良くならない限り、独自で技術を作り上げるしかない。でも、高度技術は一朝一夕に出来るものではない。己の弱さを認識して、覇権主義を改めるべき時だと思うのだが。