サハロフ賞とノーベル平和賞

EUは1990年に人権や自由の擁護活動をたたえる「サハロフ賞」をアウン・サン・スー・チー国家顧問に授与したが、受賞者としての活動資格を停止したと発表した。ミャンマーのイスラム系少数民族ロヒンギャに対する犯罪行為を容認し行動を怠っていると問題視したからだ。当然の資格停止だと思う。なお引き続き受賞者としては残るという。一方ノーベル平和賞でも、授与後受賞に相応しくなかった事例が多くある。沖縄に核があるのを知りながら非核三原則を提唱した佐藤栄作、ミャンマーの人権と民主主義の確立のため非暴力闘争をしたアウン・サン・スー・チー、地球温暖化のアジテーターとなったアル・ゴア、核無き社会を国際社会に訴えたバラク・オバマ等々、数え上げたら切りが無い。ノーベル賞は実績が物を言うが、平和賞だけは実績が伴わなくても「理想」を公言すれば授賞対象になるようだ。しかし、50年も経てば、真実が明らかになる。明らかに受賞要件に外れている授与は、取り消しを図るべきだと思う。ノーベル平和賞のあげっぱなしは、歴史的真実を歪めることになる。