デジタルサービス税の行方

米国の大手IT企業の税負担が不公平なためEU諸国がトランプの反対を押し切ってデジタルサービス税を導入した。Apple・Amazon・Googleなどの米国大手IT企業は、節税のため税負担の軽いタックスヘイブンの地に本社を移している。更に、米国への納税はそこそこだが、米国以外の国には殆ど税金を払っていない。EUのデジタルサービス税導入に伴い、米国大手IT企業はデジタルサービス税を払い始めたが、そのやり方が狡い。AppleはApple Storeのアプリの価格を値上げし、開発者への支払い額は減らした。GoogleはGoogle検索やYouTubeで提供される広告に追加料金を請求した。Amazonもサードパーティ販売者への手数料を2%増加させた。Facebookも近日中にGoogleの動きに追随すると見られている。米国のハイテク企業の税負担を増加させるのが狙いだったはずのデジタルサービス税が、EU諸国の消費者や広告主、アプリの開発者、サードパーティの販売者など第三者に負担を負わしている。デジタルサービス税は各国が独自に創設するのではなく、一致団結して国際的な税制改革で対処すべきだ。そうしないと、新たな税金は報復措置を招くというトランプ政権の脅迫に屈してしまうことになる。