大坂なおみの7枚の黒いマスク

全米OPテニス大会が始まった。大坂なおみの初戦は土居美咲。白人警官によって射殺された黒人女性の名前がプリントされた黒いマスクを着用して入場した。先月の前哨戦では人種差別抗議のため準決勝戦を欠場すると一旦は宣言したが、出場した方が強い抗議になると諭され出場した経緯がある。それらに対し日本のSNSでは、スポーツに政治を持ち込むなとか、スポンサーの日清の不買を呼びかける人までが現われる始末だとか。そこで、人種差別と政治とスポーツの関係について考えてみた。まず、人種差別撤廃運動は政治問題ではない。元々人は人種によらず平等だから、イロハのイの字に位置している。そのイが集まって政治を形成するのだから、政治より優先するのは当たり前。スポーツは平和だからこそあり得るものだ。戦時中でもスポーツ大会があったのは、戦時だからこそと平和を願って行われたものだった。決してスポーツが平和よりも優先されるからではない。更に言えば、スポーツは神聖とか公平なものだとは決して言えない。端的な例が野球の巨人だ。金の力で他チームの有力選手をかき集め優勝確率を上げている。スポーツに政治を持ち込むなと叫ぶ人が、まず初歩的に球団だけに糾弾すべき問題だと思う。大坂なおみは名前がプリントされたマスクを7枚持っているという。7枚目の黒いマスクが披露されることを願いたいものだ。